実践編(NPO活動・リアル編)


1 MAWJ訪問報告
 ・設立の経緯 アメリカにおける活動を知った大野代表が団体活動に感動し、スーザン代表に直談判した。そして強引に日本支部を設立。大野代表がすべてゼロから立ち上げた。

 ・海外との関係  海外の団体とは独立採算であり、資金調達は自前。ただ情報・ノウハウは年4回のレポートや報告会議において共有

 ・ミッション
   難病の子供の夢をかなえさせ前向きな生き方に変える。経済的物的サポート・家族・周囲の気づかない部分のサポート。 病気そのものの治癒は難しいが生き方がものすごく変わるという。

 ・対象  難病を患い時間制限のある3~18歳の子供が対象。親の経済力による縛りはかけない。病院・新聞・テレビ広告を契機に申込がくる。年々増加。昨年は100人の実績
 ・スタッフ 有給スタッフ10人 ボランティア2500人

         ボランティアトレーニング有

 ・活動内容 ①旅行②有名人との面談③その他 の順で人気。
       米国は①モノがほしい②ディズニーランド だという。

 ・米国とのスタンスの違い  日本支部は「最後」じゃない、「始まり」なんだ、とのスタンス。これに対し米国は曖昧を許さない精神風土から「最後」であることは明確にしたうえでの支援。 興味深い。

 ・資金収集  基本は自転車操業。 会員・寄付がベース。現在NPOは金融機関から借り入れができないという。

 ・スターバックスとの提携  スターバックスからプロジェクトを申し込まれ、いくつかのNPOとビューティーコンテスト。その結果選考される。

 ・ライフとの提携  クレジットカードを利用すると一定額が寄付される仕組み。MAWJの依頼により実現(他に障害者支援団体のスペシャルオリンピックスのVISAカードの例)。

 ・外資系企業の協力  設立直後に資金繰りが一時的に苦しくなった際にMORT(トップ保険セールスマンの団体)でプレゼンをしたところプレデンシャル生命が協力に支援。以来敷地の一部を利用させてもらう等様々な恩恵を受ける。その他マッキャンエリクソン、ノースウェスト、シェラトンの多大な支援。概して外資系は寛容。

 2 さわやか福祉財団訪問
 ・ 日本のNPOについて 歴史的に3つの区切りがある。
    ~89年あたり 福祉等について家族による介護がほとんど。

    89年~93年 政府による老人福祉計画が作成される。また家族によるDVが明らかになるにつれ、これを憂う人たちがNPOを設立。女性が中心の精神的な部分の強い「熱い」活動が特徴

    96年ころ~ 男性中心のNPOについてシステマティックに考える活動が増加。NPOをビジネスチャンスと捕らえる動きも増加。

    98年~  介護保険制度の施行もあり、よりシステマティックに。
         はじめにNPOありきでミッションが不明確なNPOも急増(NPOが1万を超える)。 詐欺等社会問題が増加し、NPOの正当性が疑問視されることも多くなってきた。
    → その結果平成15年度よりNPOに対する評価制度が東京都においても導入される。ただ、都は評価自体を産業能率協会に委託。非営利組織の評価を営利組織の評価経験しかない同協会ができるのか?との疑問

 ・ ミッション 高齢者福祉のNPOへの資金・ノウハウ・交流の場の提供。コンセプトは①高齢者の交流強化②各人のプライバシー、それぞれの思いを大切にする

 ・ 会員との交流  年に1度2月に会員交流総会があり、活動報告をする。 またホームページで情報公開を進め積極的に情報を開示(かなり充実している)

 ・ 資金収集  堀田代表の信用・ブランドによる会費・寄付によるところが圧倒的。会員を増加させることで安定性に尽力。

 ・ 専門家の必要性 銀行OB有志が会計を担当していることが非常に活動を円滑なものにしている。専門家の必要性は高い。

 ・ インタミディアリの資金収集に関する事例
    日本 不安定だったが最近は神奈川NPOファンドや老人金庫等の試みも見られるようになってきている。 トヨタ財団等の企業財団にノウハウあり。
    米国 財団が非常に発達。また設立→生協→有限会社と組織変更し営利性が強くなることが多い。

 ・ NPOの成果評価について  NPOの評価は一般に難しいといわれインタミディアリは特に。基本発想は①情報公開の徹底②そのうえでの顧客の判断であり、自己評価(たとえば第三者評議会の設立)などは行わない方針。

 ・ NPO成功の秘訣  ミッションが明確であることが一番。最近はNPO先にありきで何がミッションなのかが不明確なことが多い

 ・ 最近の行政の特徴
    ボランティアに対して非常に熱心。熱心すぎるくらい。特にボランティアの義務化は大きな問題。 
    一番たちが悪いのは行政府そのものよりも既得権のある出向先の外郭団体。外郭団体というNPOの内部に敵がいる。  
    自治体の研修(1年~2年)で出向に来ることが増加。


3 分析
 ・ インタミディアリと使命について
 NPOの成功の秘訣がミッションの明確性であること、これはもう間違いない。MAWJはこれが非常に明確。インタミディアリの場合には寄付者がいかなるNPOに出資するのかがわからないことが多い。さわやかはこれを堀田氏のカリスマ性でクリアーしていた。ただカリスマという個人の個性ではなく「仕組み・システム」によりインタミディアリをワークさせるのが組織運営の王道。いかにこれをクリアーするかが課題。  

   たとえば
①MAWJのような年100人前後程度の難病個人の夢を実現するという使途がかなり明確な団体に対する資金提供については事前に顧客と毎月定額のお金が引き落とされるような出資契約を顧客と結ぶ。

②障害者施設や少年事件の加害者・被害者の各団体のようなやや使途に幅のある団体に対してはプロジェクトベース(例えば「ECO板作成のマネージャー育成のための基金」とかもっと現実的な「当面3か月分の資金繰りが苦しいから」とかでもいいよね)で別途お金を募る

で②に関しては団体に貯金が常にある必要はないのだから、プロジェクトの
申し込みがあるごとにプロジェクトベースで従前の顧客・または新たな顧客に対してプロモーションをする

っていうのはどうだろう。

つまり、団体の機能としては
①社会的に意義のあるプロジェクト・使途が明確な
団体の探索・選別(目利き)
②信頼のある団体が間に入ることで顧客に信頼をあたえる(信頼供与)
③顧客へのマーケティング・交渉・契約・報告(会計)を行う(マネジメントの受託)

にするんだ。

 ・成果評価について  成果評価はあまり観念的に議論しても生産的ではない。要するに顧客が決める話。 ①情報公開の徹底②顧客への説明責任を尽くすで、企業?努力をするということでいいんじゃないだろうか。

 ・そのほか
   外資系日系企業との差
   男性のめざましいNPO進出(以前は9対1で女性が多かったが最近は4対6で男性のほうが多い)、
   行政の最近のボランティアへの異常な傾倒、
   外郭団体NPOという身内が最大の壁
など興味深い話として印象に残った


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