お母さんの心配なこと

★お母さんの心配なこと。★


 ネットをするのにお母さんがうるさいという人、いますよね?
 インターネットには、面白いこと、たのしいことも一杯ある代わりに、危険なこと・怖いことも一杯あるのでお母さんはとっても心配なのです。
 最近、ネットを介した怖い事件<集団で自殺したり、爆弾のやりとりをしたり、ネットを通じてであった人からお金をだましとられたり、
乱暴して殺されたり・・・>がテレビや新聞で毎日取り上げられていますから、知っている人もいるかもしれませんね。
 そんなことに自分の子供が巻き込まれるのが、おかあさんは怖くて仕方ありません。
 それに、ネットの上で知らないうちにお金を騙し取られてしまうことだってあるのです。
 よくある話だけど、出てきたボタンを押したら国際電話の料金が取られた、とかね。
 お金だけじゃありません。
名前や住所や電話番号などあなたや家族に関する情報を知らない間に調べられて、
悪いことに利用されたりする場合もあるのです。
 だからネットで書き込みするときはハンドルネーム<ニックネームとも。仮の名前ですね>を使いますし、
掲示板にメールアドレスを書き込まない場合もあります。
 住所や名前を言って大丈夫・・・なんて軽々しく考えないでくださいね。
 ダイレクトメールって知っていますか? 広告だけのお手紙。
 会社が住所や名前を調べて、お客さんになってくれそうな人のところへお手紙を送ってくるのですが、
いつもどうして送ってくるのか不思議に思いませんか?

 大人の場合は自分で住所や名前を知らせて手紙を送ってもらうこともありますが、
知らない会社の場合は名簿などで調べます。
こういう情報はお客さんになってくれるかもしれない人の集まりなので、
会社にとってはとても大事なものです。
だから学校や職場の名簿などをデータとして売る会社が存在します。
 インターネット上に公開されたそういった情報を黙って売ってお金にしたり、
他人になりすまして買い物をしたりということもあります。
 もっと怖いのは、コンピュータを通じて家の場所や、どんなことに興味を持ったりしているのかを黙って調べられること。
もし机の中にしまっている日記帳や小遣い帳を家に忍びこまれた上に、
あなたに黙って読まれたとしたらどうでしょう?
 鍵のかかる引き出しにしまっておいたのに鍵を開けて読まれてしまったら気持ち悪くないですか?
 ほかにも引き出しにしまってある宝物を盗み出されたとしたら?
 コンピュータの中に残っている、どこのホームページに遊びに行ったかの記録<クッキーとか履歴といいます>を
他のコンピュータをつなぐことで読み取ることができるのですが、
それを黙って読み取ることをハッキングといいます。
 これって何かに似ていませんか?
そう、どろぼうなんです。
 どろぼうは家に忍び込んでお金を取ったり、大事なものを盗んだりしますが、
ハッキングをする人<ハッカー>はコンピュータに忍び込んであなたにかかわる大事な情報を盗み出し、
お金に換えたり、あなたにひどいことをするかもしれないのです。

 また、インターネットに出入りする大人の中には
子供を悪い意味で子供を大人と同じように扱い、乱暴を働く人もいます。
幼い女の子や男の子に大人の女の人や男の人に感じるような気持ちを感じて、
自分を満足させるためだけに体を触りたい、触らせたいという人たちです。
 そういう人たちから身を守るためにも自分の名前や住所を気軽に公開してはいけない!!と
お母さんたちやネット上の心ある大人はうるさく言うのですよ。

 それから、ネットで使う名前は本当の名前ではないので、
一人の人がいろんな名前を使っている場合があります。
現実の世界でうその名前をいくつも使い分けている人が信用できる?
 できないよね?
 それと同じことなのです・・・。


   ほかにも心配なことがあります、おかあさんには。
 ネットをするときに体にかかる負担です。
 小さなうちからパソコンを使うことについて、体にどのような影響が出るのかが実はまだよくわかっていません。
なぜなら、コンピュータが世の中に出てきてまだ40年くらい、
その中で子供も気軽に使えるようになったのはゲーム機も含めてここ20年くらいのことだからです。
 みなさんもゲームのしすぎやテレビの見すぎは目が悪くなるからお父さん・お母さんによくしかられているはずです。
インターネットはテレビやゲームよりも絵が動くのがおそいし、
文字が中心になるからそんなに悪くないと思っている人もいるかもしれないけれども、本当はあまりよくないのですよ。

 私は結婚していて、娘も一人います。
私の夫は今、コンピュータを使って建てられる前の建物の完成図や設計図を描く仕事をしていますが、
ずっと座って仕事をしているせいかよく腰が痛い・肩がこった・頭が痛い・目が痛い、とこぼしています。
それが原因で仕事を変わろうかと真剣に悩んでいるくらい、辛いらしいです。
私も子供が生まれるまでコンピュータを使う仕事をしていましたが、
よく肩が痛くなったり、目が痛くなったりしました。
子供がおなかにいるときは「電磁波」という目に見えない波の影響を受けないように専用のエプロンもしていました。
大人でこれなのですから、子供にはどんな影響が出るのか解りません。

 ネットの場合には電話代<電話線を使ってコンピュータをほかのコンピュータにつなぐから、そのためのお金がかかっています・・・>の都合で夜中につなぐ人もいるかもしれません。
 夜中に子供が出歩くのがいけないように、ネットでも夜中につなぐのはあまりお勧めできません。
人間の体には「成長ホルモン」という背を伸ばしたり体重を増やしたり、筋肉や皮膚を作る成分を出す働きがあります。
成長ホルモンが出るのは夜眠っている午後11時から午前2時の間です。
この間に子供の場合は骨を作ったり筋肉を作ったり
、大人の場合は傷んだ筋肉や臓器・皮膚を修理するのです。
睡眠時間を削ってネットをすることは結果的に成長ホルモンが働くのをじゃますることになり、
みなさんの成長を遅らせ、健康をさまたげることになります。
また、夜中に眠っている間に、頭の中では一日にあったことを整理して
次の日に脳がしっかり働くようにします。
脳の中がすっきりする、ということは心もすっきりして気持ちよく体を動かし、人を思いやれる基盤になるのです。
だから育ち盛りのみなさんが夜中にネットをするのはあまりお勧めできないのです。


 だからといって、インターネットをするのが悪いとは言いません。
 自分の好きなマンガや映画がクラスの友達と違って話しにくいことってあるよね。
 そういうときに自分の好きなマンガや映画や音楽のことで一杯おしゃべりできる友達がネット上にはいます。
 大好きなマンガの漫画家さんやドラマや映画の製作者の人たち、
本の作家さん、タレントさんや役者さん・声優さんたちとも
ホームページを通じて直接お手紙を出すことができるし、チャットを通じてお話しすることもできます。
 おしゃれの情報を好きなブランドから直接仕入れることもできるし、
どんな化粧品やシャンプーがいいのかの情報も手に入れることができます。
 もし学校でみんなからいじめられて、誰も信じられないとしても、
名前を隠して自分の心の中を正直に思いっきり吐き出すことができるし、
なおかつその言葉に優しい答えを返してくれる誰かがネット上にはいます。
 ゲームひとつとってもオンラインゲームで世界中に友達を作ることだってできるのです。
 これらの楽しみは、よい面へ向けば心のよい栄養になって、辛いことや悲しいことを乗り越える力になってくれます。

 ネットを上手に使えば、子供が世の中を変えていくこともできます。  自分でお小遣いを出さなくても、ボタンをクリックするだけで水道のない地域に安全な水を運ぶ水道を作る人たちや学校に行けない子供たちに力を貸すことができます。
 世の中を良くしようという大人たち<よく知られた大きな会社や、小さな会社でも世の中の役に立とうとしている会社のえらいひと>が、あなたに代わってお金を払ってくれるようなホームページがあり、そこでは大人でも子供でもボタンをクリックすることで募金することができるのです。
 また、自分で作ったゲームやプログラムを売って、会社を作ってしまった中学生・高校生が外国には何人もいます。
 「戦争をしないでほしい」とのメッセージをお母さんのホームページに乗せてもらった子供たちがアメリカにはいました。
 日本ではこの間、夏至の日に電灯を消して電気の使い方を考えよう・・・というイベントがありましたが、そこには高校生や大学生のお兄さん、お姉さんたちが多く参加をしました。
電灯を消してろうそくの灯りの中で食事をしたり、友達や恋人、お父さんお母さんと普段はできないような話をしたりして、時間をすごしたそうです。
 世の中をよりよく変えていく力が、インターネットにはあると私は信じたい。
 その楽しみと力を安心して受け止め、上手に使うために、お母さんとしてはネット上で起きる危険のことを勉強して、避けるようにしてほしいのです。



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