月夜に夢を  

月夜に夢を  

2008.08.08
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カテゴリ: Impression
とにかく今度はハッピーエンドがいい、と
ツォツィ のラストにご不満の様子だった夫が
またもや ひとりで勝手に借りてきた。
もともと彼は 水戸黄門のようなわかりやすい話が好きで
フランス映画なんか観ようものなら
「これで終わりってどういうことだよ」と憤る人なのだから 無理もない。

で、今回観たのは アメリカ映画。



いや、確かにハッピーエンドだったけどね。

ほとんどの時間 あたしは なんかこう正視できず ウロウロしてみたり
洗濯物をたたんでみたり つまり珍しく集中できなかった。

これもまた格差社会のなせる業か 
高校時代数学が出来た、つまり頭がいい彼であっても 思うような仕事に就けていない。
もちろん 能力があっても不遇なひとは現実の社会にもたくさんいるし
彼は たとえ出て行ったにしてもとりあえず一時期は妻もいて
可愛い子供にも恵まれたわけで ましな方なんだろう。

そこからなんとか這い上がろうと彼はもがくのだが タイミングに恵まれない。
要するに あんまりツイテイナイ。
観ているだけで こっちの運まで吸い取られそうな勢いだ。


そして あちらこちらがアメリカ的。

小さい子を連れているから許される というわけではないにしろ
なりふり構わず 他人を押しのけていく。

・・・なるほど。
あたしが正視できなかったのは たぶんこの余裕の無さ 無神経さだ。

他人の幸せなんか 二の次。嘘なんか いくらでもついてやる。

それ以外のことなんか 構っていられるもんか。

そういう必死さをまとっていたかつての自分を見るようで きつかったんだな、きっと。
確かにそれは 素敵な生き方とは言い難い。


だけど きっと その最中にしか まとえないオーラがある。
月明かりのわずかな光をたよりに 必死にページをめくる彼を見ながら そう思った。





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Last updated  2008.08.11 19:09:29
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