800

陸上やっている中二の Marryさん が読んでた本。
crown2800
800m走の話ですよ。 映画化もされてます。

<著者>
川島 誠

<内容>
助っ人で借り出された800m走にはまるテキ屋の息子中沢。 思い込んだら一直線。
一方、ずっと陸上をやっているいいうちの息子広瀬はすべてにおいて理性的で緻密に計算して行動するタイプ。
試合で知りあった対照的な二人に、広瀬のガールフレンド山口、妹の奈央、中沢が憧れるハードル選手の伊田がからんでおりなすスポーツ・恋愛・セックスの青春ドラマ。

<感想>
二人が代り番こに一人称で話すスタイルは大昔読んだ「ジョンとメリー」や映画「ハリーとサリー」を思い出した。

まず全編を通して感じるのがあらゆる面で「官能的」な若者の生活。
風景や自然の表現の豊かさ。
冒頭から引き込まれる。 「なぜ800メートルを始めたのかって訊かれたなら、雨上がりの日の芝生の匂いのせいだって答えるぜ」
「空が違って見えるんだ、スタンドで見上げてるやつとは。 めちゃくちゃ大きい。」

鍛え抜かれた体「ぼくが触れる伊田さんのふくらはぎ、腿、そして腹筋や背中。それらにはまったく無駄がない。 皮下脂肪のそぎおとされた、完ぺきなまでの肉体。」

レース中に自分の体の声を聞く「アゴを引き、腕を強く速く小さめに振る。 しかもリラックスをめざす。 少しずつ、少しずつ、中沢の背中が近づいてくる。 ぼくは手と脚が、全身の筋肉が熱く痛み、硬直しそうになるのに耐える。」

そしてセックス。

普通そうな中高生がこんなにすぐ寝ちゃうのは自分とはずいぶんかけ離れているが、それも含めて展開のスピード感が楽しい。

理知的なはずの広瀬は案外簡単に山口にあやつられていただけ? と最後に気づいた。

<勝手にレーティング>
ストーリー:4.5
文章:4.5
オリジナリティ:4.5
アマゾン:4.5
合計:18


後書きは江國香織です。

<その他の作品>
セカンドショット
ロッカーズ
もう一度走り出そう

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