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南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し
(10)夢の跡
《ヒッタイトの足跡を訪ねる旅―第1回》 (2003年8月の旅の記録)
(10)夢の跡
夏枯れた草の生い茂る小高い丘陵地の周囲は、鉄条網で囲まれ、入り口の柵には錠がぶら下がっていた。
「閉まってるね。誰か来ないかなあ」
車を下り、背伸びしながら柵の向こうを眺めていると、やがて管理人がやってきて錠を外し、私たちを中へ招き入れてくれた。
雑誌に掲載されている記事によれば、クバダバード・サラユの発掘は今から半世紀前、初めてこの地から彩釉タイルが発見された1949年に始まり、1965年から68年にかけての発掘によって、この離宮が単なる宮殿にとどまらぬ、総面積5,200平方mを占める小さな町であったことが明らかになったという。
低い城壁に囲まれた敷地内には、大宮殿、小宮殿、狩猟動物公園、スルタン専用のボートや帆船を接岸することのできる造船所の他、16の建物の跡が見つかっているそうだ。
丘の最も小高い位置に、発掘調査のための立派な宿舎が聳えているが、肝心の宮殿の跡はいったいどこにあるのだろう。
歳のころ40後半と思われる管理人は、饒舌すぎず、寡黙すぎず、淡々と私の道案内を務めてくれた。
ここの発掘隊はアンカラからやって来ること。今は発掘が行われてないので、こうして錠を掛けていること。自分はここでもう20年も管理人をしていること・・・。
一面枯草に覆われた丘の右手は少し落ち込んでいて、そこだけは緑色も鮮やかな木々が茂り、水のせせらぐ音が聞こえている。
「あそこから水が湧き出しているんですよ」
ああ、泉がここにも。
この湖の周辺一帯は地下水脈に恵まれ、あちらこちらの岩の隙間から湧き水となって地上に出現し、それらがすべて湖へと流れ込んでいるのだった。
泉の存在が、アラエッディン・ケイクバードがこの土地を選択する上で重要な鍵になったことは間違いなかった。
遺跡らしきものはなかなか見えてこなかった。
わずかな丘を越え、湖面が見え始める頃、ようやく前方に石を積み上げた建造物の跡が見えてきた。
近寄って見るまでもなく、そこには、かつての面影を偲ぶ手掛かりはわずかしかないことが分かった。天井はもちろんのこと、床の舗装、壁のしっくい、門の周辺装飾等の一切が失われ、壁の構造体だけが剥き出しのまま残っているのだ。
小宮殿であると認められているその建物は、主室のほかは小さな控えの間をいくつか持つだけのこじんまりとした宮殿で、主室の前方に開けた窓から湖がはるかに見渡せる点だけが、夏の離宮としての唯一の名残だった。
ガイドブックによれば、宮殿の壁は彩色の施された化粧しっくいと彩釉タイルで仕上げられており、特にハーレムとスルタン個人の居室は、実在の動物や空想上の動物―ライオンやドラゴン、単頭や双頭の鷲、スフィンクス、人魚、グリフィン―を象った星型タイルや十字型タイルで覆われていたという。
それこそが、私がコンヤのカラタイ・メドレッセで魅了されたタイルで、黒い下絵の上からターコイズ・ブルーの釉をかけて焼成されたもの。
この地から発掘されたタイルは、その他にイスタンブールのチニリ・キョシュキュ(装飾タイル博物館)にも運ばれているので、この遺跡にほんの一片も残されているはずもないのだが、せめて壁の化粧しっくいの一部でも、という淡い期待がないわけではなかったから、表面は平静を装いつつも、私はこの光景にすっかり落胆してしまった。
それでも、さらに先には大宮殿があると聞くと、足を伸ばさずにはいられなかった。
周囲をあまねく見渡せそうな見晴らしのいい場所に立つ宿舎の前を過ぎ、丘の端までやってくると、小宮殿同様、壁だけとなった宮殿の遺構が眼下に見えた。
それを見届けると、もうこの場所にこれ以上居続ける必要はないと判断した。
この遺跡はまだ発掘途上。予算の関係か、発掘隊の予定の関係か、これ以上重要な発見が期待できないためか、いずれにせよ発掘が近年積極的に進められているとは到底思えなかった。
その時点になってようやく、“アンカラから”という言葉には別の意味があるのではないかと閃いた。単に、在アンカラの大学や研究機関という意味ではなく。
保養所にも見える立派な宿舎が、それを暗に物語っているような気がした。
「発掘が進んで、早く一般に公開されるようになればいいですね。そうすればここに至る道ももう少し楽になるでしょうし。標識がないということは、ここを訪れる人もほとんどいないのでしょう?」
こんな人気のまったくない丘の上の遺構を20年も見守ってきた管理人の男性に、ねぎらいの気持ちを込めて言葉をかけた。
「ある旅行雑誌にここが紹介してありましたけど、記者は実際に見たのかしら」
おそらく自分の目で確かめずに、考古学者か観光局の説明をそのまま掲載したのだろう。湖周辺の見所として一般に紹介するには、ここはあまりに不便すぎた。
ここ20年のことはすべて熟知しているに違いない管理人は、淡々とそれに答えた。
「その雑誌は知りませんが、今までにナショナル・ジオグラフィックやアトラスは来ましたよ」
入り口まで戻り、きちんと礼を述べると、私は夫と子供の待っていた車に乗り込んだ。
私たちが去った後、あの男性は柵に再び錠をかけ、そして次にやってくる訪問者を待ちながら長い時を過ごすのだろうか。
柵のすぐ脇で、まるでその土地に縛り付けられているかのように、じっと動かず私たちの車を見送る管理人の仕事とは、誇りと責任感と孤独との戦いなのかもしれない。
もうここを2度と訪れることはない。それだけは確かな気がした。
つづく
(11)帰路
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