南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2006/06/04
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キラズ(サクランボ)
我が家でも、旬の味覚を味わいたくて、何週間か前からパザールで500gずつほど購入しては少しずついただいてきた。
たぶん今年は、田舎から送ってこないことだろうし・・・・と。

夫の郷里のキョイ(村)にあるアンネのヤズルック(夏の家)の隣の敷地には、夫が数年前に苗木を植えたばかりのサクランボ畑があって、ようやく実を結ぶようになった2年前から、この時期になると義妹や義兄が収穫してくれ、アンタルヤの我が家まで送ってくれていた。

一昨年には4kgほどだったのが、昨年は19kgにもなって、かなり往生した苦い思い出がある。
わざわざ19kg分も収穫してカゴに詰め、カルゴ(貨物便)で送り出してくれた義妹に文句を言えた義理はないが、受け取る方も相応の苦労をしたのである。

まずは、義妹がカルゴ会社に持ち込んだのが金曜日。義妹はすぐに「発送したから、明日には受け取って」と連絡してくれたのだが、翌土曜日、自宅で待てど暮らせどやって来る気配もない。夕方になって痺れを切らしカルゴ会社に連絡してみると、「今日はまだ着いていません。アンタルヤまでは大体2日はみていただかないと。明日は日曜日で閉店ですが、月曜日には間違いなく受け取れるでしょう」という。
昨年も同じように暑い日々が続いていた。金曜に収穫したばかりとはいえ、トラックの中や、クーラーもあるかどうか分からぬカルゴ会社の営業所で丸々3日置きっぱなしにされては、大方腐ってしまうに違いない!ここでは、日本と違ってクール宅急便なんて発達してないんだから。

月曜日、朝10時頃だったろうか。カルゴ会社の営業所に、何時頃の配達になりそうか確認の電話を入れたところ、「これは宅配じゃなく、営業所留めになってますね~」というではないか!ゲゲッ!どうして、宅配にしてくれなかったの~!?

仕方がないから、諦めてミニビュスに乗り、営業所へ。

義妹がどれくらいの量を送ってくれたのか、あらかじめ訊いてもいなかったので、営業所の床の上に置かれているふたつのプラスティック製のカゴを見てドッキリした。
なんと、あわせて19kg。料金着払いにしてあるので、しめて49ミリオンTL(当時)ほどを支払う。
カゴは、義妹の配慮か持ち手付きだったので、19kgなら何とか持ち帰れるだろうと両手に提げ、営業所を後にしたまでは良かった。
しかし、50mも行かぬうちに断念。細くて、断面が長方形になった持ち手が手に食い込み、痛くて我慢できないのだ。
私は営業所に取って返し、友達のユリ (トルコ人) のところに電話して窮状を訴えた。ユリは、ご主人のヒロさん (トルコ人) に連絡してくれ、ヒロさんが車で拾ってくれ自宅まで送り届けてくれることになった。
ヒロさんには、お礼としてカゴをひとつ丸ごと差し上げた。「もしかしたら、半分くらい悪くなってるかもしれないですけど」と、言い添えて。

自宅に帰り、上に被せてあった新聞紙を破り取る。案の定、4割くらいがとうに腐っており、下の方には潰れた実から染み出た果汁が溜まって、サクランボの甘酸っぱい匂いが広がっていた。
私は、腐ったものは捨て、痛みかけたものはジャム用に、きれいなものは生食用にと一粒一粒選別し、その作業ですっかり疲れ果ててしまった。それでも、生食用は2~3kgはあっただろうか。

フランスにはサクランボの種抜き器まであるそうだが、これだけジャム文化の発達したトルコで、なぜその手の便利な道具が販売されてないのか、無性に腹が立った。
手間のかかった割には、ジャムはわずか一瓶と半分に収まるほどしかできなかった。

ちゃんと手元に届いたかどうか電話してきた義妹に、営業所留めにした理由を尋ねると、「その方が早く取りに行けると思って」と答えた。
車も持たない私が、19kgの荷物を営業所まで取りに行く方が早いと思ったなんて・・・。
着払いの費用を考えると、結局パザールで買うのと金額的には変わらない。それに、せっかく送ってもらっても、腐っていては元も子もない。夫の畑のサクランボは、それは見事なナポレオンだけれど、わざわざ送ってもらうまでもない気がした。

私は夫に事の顛末を話して聞かせ、夫も「そうだよなあ~」と、私の意見に同調。一度はズベイデに、「来年は必要ない」旨を伝えたはずだった。


先週月曜日、アンタルヤに戻った夫が、急に思い出したように呟いた。
「サクランボはもう出来てるだろうなあ。送ってもらわないと」
去年、妹のズベイデに宣言したことを、夫はちっとも覚えてなんかいなかった。
「送らなくていいって言ったと思うけど?ズベイデにそう言ってたわよ、あなたが自分で」
私の言葉なんかまるで聞こえなかったように、さっさとズベイデに電話し、週末にはキョイに行って収穫し、アンタルヤまで送ってくれるよう頼んでいた夫。
結局のところ夫も、自分の畑のサクランボの今年の出来具合を見てみたいのであった。

しかし、今年は昨年の轍を踏まないよう、カルゴでなく夜行バスに載せてもらうことにした。夜8時半発のバスで、翌朝アンタルヤに到着する。今朝、夫は早めにオトガルに出掛けていったが、バスが着いたのは10時頃だったという。
ダンボール一箱分。開けてみると、まだ色付きが浅いが、十分見事なサクランボたちである。大粒で、パザールならキロ3YTLはくだらないだろう。体重計に載せてみると、13kgあった。
電話で義妹に無事受け取ったことを知らせた夫は、来週もう一度送ってもらうよう頼んでいた。まだ生りはじめたばかりで、本番はまだこれからなのだそうだ。


こちらが、ババ(パパ)の畑で収穫されたサクランボ。
熟すと赤黒い色になるのだが、色付きはまだまだ。早速口に含んだ夫も、「う~~ん、ちょっとまだ酸っぱいね~」と眉をしかめていた。


ババの畑のサクランボ-1


ババの畑のサクランボ-2









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最終更新日  2006/06/05 05:55:42 AM
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