南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2006/06/09
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テーマ: 海外生活(7808)




以前にそんな経験があったために、今回の件もすんなり新しい経営者が登場して一件落着となるような、淡い期待を抱いていたのである。
しかし、なかなか決着せず、話が二転三転する状況を見て、さすがの私も強い不安に襲われるようになった。

多くのトルコ人父兄のようには、それまで学校や教師に関してほとんどアラシュトゥルマ(調査)やデディコドゥ(噂話)をしたりしない私だったが、娘のクラス友達の母親と出会ったりした時、今回の件に関して思わず訊いてみるようになった。
その多くは、「成り行きを待っている」という返事だったが、建前と本音の大きく違う、そしてまた土壇場で180度意見と態度を変えてしまうトルコ人のこと、裏で何を考えているか、どう行動しているかは窺い知れなかった。

私は、4年生の娘を同じコレジに通わせている仲のいい友だちユリにどうするか訊いてみた。彼女だけは本音で話し合える数少ないトルコ人の友だちだった。
彼女は、昨年開校した有名ブランド校Tコレジに転校させることを希望していたのだが、編入試験に落ちたのか、あるいは高い学費のためか断念し、今のコレジに留まり、昨年学校の近所に引越しまで済ませていた。
ブランド好きの傾向がある彼女は、やはり今年9月に開校となるブランド校Bコレジに関心をかなり示していたが、学費が高いので難しい、「もし学校が閉鎖になれば」今のコレジと同様伝統のあるAコレジにするだろうと言った。

そんな話を電話でした30分後、彼女から嬉しい一報が入った。

「これでほとんど決まりらしいわよ」
彼女がきっぱりと明るい声でそう言うので、なにかと懐疑的な私も初めて安堵のため息をついたのだった。

翌朝、副校長と校庭で出会った私は、この件について早速尋ねてみた。
彼女も「今よりずっと良くなりますよ。1~2週間後には新聞にも発表されるでしょう」と太鼓判を押していたのだが・・・・。
それから待てど暮らせど、公式発表はなかった。

その間にも、エミはクラスの友達から聞いた噂話を自宅によく持ち帰ってくるようになった。
「学校が閉鎖になるかもしれないって。そうなったら、誰々くんはデヴレット・オクル(国立学校)に行くんだって。誰々くんは、ベレキに新しく開校するコレジに行くって言うし」
「売店のおばさんがやめたんだって。給料を3か月分もらってなかったんだって」
などなど。
恐ろしいことだが、父兄間のデディコドゥが子供の耳に入るのはあっという間なのである。中には、学校の事情を包み隠さず子供に説明している父兄もいるのだろう。

それにしても、状況はいったいどうなっているのだろう?

十中八九、学校は閉鎖されるだろうこと。今年はもうカユットも難しいから、諦めて他の学校を探した方がいいこと。
そして、これまでの裏事情も・・・その裏事情とは、こうだ。
現在のオーナー、実は購入予定の実業家から借金をしており、借金が返せないので学校をその人に売ることで借金を帳消しにしようとしていた。
ところが、後になって借金先は自分だけではないことを知った実業家が、購入を断念する。
その後、この実業家は再度オルタック(共同経営者)を見つけ売買契約の話合いに入ったが、現オーナーが、売っても借金返済で手元に残らないのが分かったか、もっと高く売れると欲を出したか、売り渋り出したというのだ。


これを聞いて、私たちはすぐ上の娘エミの担任トゥーチェ先生に訊いてみることにした。エミともども、トゥーチェ先生を大いに慕っている私たちは、競売の話が公になって以来、彼女の動向も常に気にしていたのである。
昨年Tコレジが開校した際には、トランスフェル(移籍)する先生を追いかけて(というより引っぱられて)クラス全員で転校していった例もあるので、もし本当に学校が閉鎖となるなら、彼女の行き先次第では一緒に転校するということも十分ありえる話だった。

トゥーチェ先生の教えてくれた内容は、予想はついたが多少驚いた。
今のコレジの小学部の校長は、もうすでに辞職を申し出ており、今年開校するBコレジにトランスフェルすることが決まっていること。この校長が一緒に連れて行く教師を何人も集めており、その中にトゥーチェ先生も入っていること。そのためトゥーチェ先生もBコレジとの面接を進めていること。
そして、トゥーチェ先生の元には、私たち同様彼女の動向を気にして来ている父兄がいるので、近々外で集まりましょうという話だった。

転校先として、Bコレジはとうに不可能と諦めている私たちは、ため息をつくしかなかった。
昨年開校のTコレジに並び、今年開校予定のBコレジも、年間学費は給食費、セルヴィス(通学バス)含めて約1万3千YTL(今のレートで約100万円)だと聞いている。娘ふたりを通わせると、200万円!現在のコレジには、娘ふたり分の年間学費として、給食費込みで約1万3千YTL払っているが、建設資金のためにクレディ(信用貸付)まで受け、毎月の返済に追われている私たちには、学費が2倍になる学校になどとても通わせられない。
Aコレジとて、学費、セルヴィス、給食費を合わせると、約1万YTL(約75万円)だというので、今のコレジの5割増である。

他の中小コレジを当たってみるか、さもなくば、思い切ってデヴレット・オクルに入れるか。
夫は来週早々帰ってしまい、9月まで戻らない。夫の留守中、学校に関する情報収集と準備は、私に残された仕事となる。
のんびりと構えた夫を急かせ、「もしも」の場合に備えて、私たちは遅まきながらアラシュトゥルマ(調査)を開始したのであった。


(後編につづく)









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最終更新日  2006/06/10 05:17:26 PM


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