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2025.09.05
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カテゴリ: 怖い話
深夜、俺たちは四人で廃病院に忍び込んだ。

地元では有名な心霊スポットで、噂では「決して見つからない霊安室」があるらしい。



最初は肝試しのノリだった。

懐中電灯の明かりで廊下を進み、落ちているカルテや錆びたストレッチャーを見つけては笑っていた。



しかし、2階に上がったあたりから妙な違和感が出てきた。

俺たちの足音とは別に、後ろで「コツ、コツ」と靴音がついてくる。



振り返っても誰もいない。

「気のせいだろ」と強がったけど、全員が同じ音を聞いていた。



しばらくして、廊下の突き当たりに見慣れない鉄扉が現れた。





「……霊安室?」

誰かがつぶやいた。



扉の取っ手を引くと、重い音を立てて開いた瞬間――

鼻をつんざくような線香のにおいが一気に流れ込んできた。



「うわっ!」

思わず鼻を押さえた。

線香なんてこの廃墟にあるはずがない。



室内を覗くと、そこには古びた遺体安置用の引き出しが並んでいた。

そのいくつかが半分開いていて、闇の中から冷たい空気が漏れている。



そのとき――

背後で、ガサリ、と衣擦れの音がした。





顔は見えない。

ただ静かにこちらを向きかけている。



「やばい、出よう!」

誰かが叫んだ瞬間、線香のにおいがさらに強まり、視界がぐにゃりと歪んだ。



俺たちは我先にと階段を駆け下りた。



出口まで走り抜けたとき、耳元でハッキリと声がした。



「……誰を運ぶ?」



外に出た瞬間、においも足音も消えていた。



振り返ると、窓ガラスの奥に、白衣姿の誰かが立ってこちらを見ていた。

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最終更新日  2025.09.17 15:42:34
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