たぬきぶたの日記2

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C55と利尻富士



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C55と利尻富士




昭和50年8月1日 撮影

ついに、この1枚をアップします。 北海道には通算5回渡っているが、一番の思い出は

この宗谷本線 南稚内~抜海 のサロベツ原野でしょう。

(抜海は秘境駅ランキング44位)

利尻富士を望むこの場所はあこがれの地でした。



南稚内~抜海の駅間は8.8kmです。そして、この撮影場所は、

ほぼ中間点あたり。 そこまで、どうやって行くか? 

わかる人、手を挙げて~~。

「やっぱ、ヒッチハイクでしょう?」

「おそらく、歩いたのと違いますか?その方が話が面白いから。ww」

「ピンポ~ン。正解です。」

線路沿いに道はないと資料にあった。ひたすら自分の足が頼りです。

リュックとカメラバッグと三脚を担いで、線路を歩くのです。

枕木の間隔が歩幅にあっていないので歩きづらい。そんな贅沢はいえません。

ただ、ひたすらに歩く。ひたすらに歩けば、あの利尻富士が拝めるのです。

周りの景色はまさしく原野。 誰の手も入っていない、自然の景色そのままです。

標高は低くても、緯度が高く、寒冷地特有の風景です。

信州の高山地帯と似た植物群生状態ですね。 

すんまそ~ん、漢字がぎょうさん並びまして。

目的の場所には1時間以上も歩いた。

8月1日でした。快晴だった。汗びっしょりになっていた。

撮影ポイントには、すでに何人かのSLファンが場所取りを済ませていた。

腰のあたりまでしかない笹を掻き分けて、お立ち台に着いた。

結構有名な場所ですから、撮影の足場は良かった。

周りにいた人達の一人が話しかけてきた。

「あなたは今日が始めてですか?」

「ええ、今日初めてここに来ました。」

「え~、運がいいですねえ。じつは、僕たちは3日前から、がんばっているのですよ。

それで、今日は晴れてくれたので、喜んでいるのですよ。」

「えっ、なんで?3日も?」

「昨日まで、天候が悪くて、利尻富士が見えなかったのですよ。やっと、晴れてくれた。

僕たちが来たときに、すでに3日もここでがんばっていた人がいたけど、ついに帰りましたよ。

それで、ぼくらもがんばって、今日が4日目。やっと晴れてくれた。

だから、あなたはほんとうに、運がいいのですよ。1週間ぶりの晴れですよ。」

「あ~、なるほど。そういうことですか。ご苦労様でございます。」

当時のおいらは運は良かったかな。  今は運を使い果たして、悲惨です。



このC55の客車列車を写すために、ここまで来ました。

カメラはフジカ69BL、フィルムはコダック プラスエックス のブローニー判 です。

新しくフィルムを入れ替えて、準備万端。 

ところが、いいフィルムを入れているからと、枚数をケチってしまって、大事なコマを1枚目に撮影した。

端っこは現像のときに、失敗したりするので、できれば数コマ先から、写し始めるのだが、

このときは何故かな?

きっと、遠くのところからシャッターを押すからと、思ったようだ。

しかし、やってきたC55のスピードは速く、連写ができない。

やむなく、ここぞの予定ポイントでシャッターを押した。

せめて、もう1枚は押したかったなあ。やはり、画面の左側には光が漏れたような、

かぶり現象になっている。

まあ、ゆとりのある、6X9cmですから、かろうじて、全紙に拡大できた。

まあ、贅沢はいえないよね。自分の装備と技術の問題だからね。



周りの鉄ちゃんたちは、ニコニコ顔でしたね。まあ、そりゃあそうだ。

3日も同じ場所に固執するとは、根性ありますねえ。

ここでは、9600の貨物を写して引き上げた。作品的にはこちらのほうがきれいに撮れた。

でも、C55を写したかったから、ここまでがんばった。

たった1枚の写真で、こんなに文章を書いている。これも、すごい根性だわね。(笑)



もちろん、線路沿いを歩いて帰ります。ひたすら歩きます。

帰りがけに、96の貨物が来るので、どこかで写そうと思ったが、逆光だし、

背景が面白くないので、南稚内の町を入れて、貨物列車を後追いで写した。

その作品は自分としては、いいなあと思っている。最果ての町、稚内へ原野を行くSL。

絵になりますねえ。残念ですが、まだアップしていませんです。



もう少し付き合ってちょ。

今回、地図をリンクして表示していますが、よく見てください。

なんと海岸沿いに道路がありますね。道道106号線でしょうか。

でも、35年前の僕の写真では、道路はありません。

小高い丘に上がって撮影しましたが、その場所からみれば、海岸の方には何も

なかった。あとで、埋め立てられて、道ができたのでしょうか。

撮影地は海岸線から予想すると、道路から近い場所みたいですね。

今度、訪ねて行くときは、レンタカーで行きたい。もう歩けないよ。




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