夢追いランナー笑石人の部屋

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'11 さくら道国際ネイチャーラン


【大会情報】

部門: 250kmの部(愛知県名古屋市名古屋城~石川県金沢市兼六園)
記録: 30時間03分
順位: 11位/89人
出走: 104人
完走率: 85.6%
天候: 全般的に晴れ時々曇り
16日(土)名古屋:最低7.8度/最高21.3度
16日(土)岐阜:最低7.9度/最高19.8度
17日(日)高山:最低-0.8度/最高19.5度
17日(日)砺波:最低1.2度/最高11.4度
17日(日)金沢:最低3.4度/最高14.8度
※道路に気温表示されているので確認した最低気温は、ひるがの分水嶺付近以降白川郷くらいまで0度でした。
ただし、制限時間くらいで完走したランナーは-2度という表示を見ているそうです。



【前々日】

この週は仕事がとても忙しい上に、中国への発注と時期が重なってしまったので、発注用の加工指示書や部材詳細図などの書類作成のため出発前夜も徹夜になってしまい、荷造り準備が疎かになってしまいました。



【前日】

発注先が書類を全てダウンロードできたことを確認し、急いで出発。

ギリギリの新幹線の一本前に乗る事ができましたが、電車の中で荷物の再チェックをしたら、エイド荷物用のビニール袋(大)、サプリメントやデジカメ、携帯とデジカメの充電器、手作りの被災地激励メッセージプレートを忘れたことに気付き、ガックシorz。。。とても凹みました。

前回の遠征の記憶がなくなっていたので地下鉄の乗り換えが心配でしたが、無事に乗換えることができました。会場に近くのコンビニでエイド用のビニール袋を買い、受付会場のKKRホテルへ説明会の20分前到着。

何か忘れたものがないか心配で心ここに在らずという状態でしたが、無事に受付も済み周囲にいるウルトラランナーたちと歓談していたら段々と落ち着いてきました。それと同時にそれまでの疲れがドッと出てきました。

説明会では、今回の大会がいつもの趣旨に東日本大震災の復興祈願をを加えているということで、被災した方々へ黙祷を捧げてから始まりました。

今回は受付会場および各エイド、ゴール、閉会式会場で募金を募っるのです。
私も、わずかですが、受付会場で寄付をしました。

いつもプチ前夜祭を取りまとめている地元のKさんが故障で来ていなかったので、コンビニ飯で済まそうかと思ったのですが、他の人が幹事となって取りまとめていたので、急いでホテルにチェックインし、いつもの会場"やまちゃん"へ向い合流。

一杯だけビールを頂き、名物の手羽先などを食べながらお互いの近況報告や決意表明などで盛り上がりました。



----------大会当日----------


【体調】

走り込みをしていないので耐久性に不安あり。また、気管支炎の名残で時々咳が出てしまう。走っている途中に咳き込んでしまうと辛い。無理は禁物。


【作戦】

こんなに走り込みをしないで走るのは初めてなので、とりあえず、初参加したとき(30時間40分)を目安に走る事にしました。

明るいうちに夜間装備を置いた白鳥町にたどり着き、それ以降はペースを落として体調最
優先で安全に走り、確実にゴールを目指すつもり。



【荷物】

白鳥町(106.9km):ライト、通気性の良いウィンドブレーカー、薄手のインナー長袖シャツ、反射タスキ、レース用手袋、雨用ポンチョ(不使用)
荘川桜(143.0km):防寒服(薄手のウィンドブレーカー上下、防寒用手袋)薬、雨用ポンチョ(不使用)、交換用ソックス(不使用)
ゴール:風呂用品(髭剃り、タオル)、着替え一式、小銭

※今大会は、荷物の置けるエイドは、SMLのうちLのみでした。脱ぎ捨てはどこでも自由は同じ。



【スタート前】

<br />
スタート地点へ移動中
地元の走友さんたちがスタート地点の名古屋城入口に来て激励してくれました。嬉しかったですね~♪
元チームメイトのK井さん、楽天ブロガーのLARUM♪さん、江戸一コーチ夫妻、本当は一緒に走るハズだったT石さん、前回完走できず選考されなかったN村さんなど。
走りたくても走れない人たちの分も頑張ってゴールせねば!(決意)
<br />
最終組スタンバイ中
最終組歓談中1
最終組歓談中2



【スタート(名古屋城)~CP1白鳥町(106.9km)】

最終(第6)組で6:15スタート!
最終組スタート♪
最終組は過去の実績で上位のランナーばかりなので、あっという間に置いていかれてしまいました。
ビリから3番目
焦らずマイペースでと思うのですが、最終ランナーにはなりたくないという気持ちからか、キロ6分をちょっと切るペースで進み、徐々に先行組に追いつきパスしていきました。
マックと前後
この区間は3年前同様、旧チームメイトのマックやS藤さんと前後していたし、先行組に追いついてはお喋りすることが出来たので楽しい区間でした。
えみっこと前後
岐阜に入ってだんだん向かい風が強くなってしまいましたが、太陽が出ている間は蒸し暑さが解消されてちょうど良かったかも。しかし、風に当たってお腹が冷えたせいで便意をもよおし、道の駅の綺麗なトイレで体重を軽くしました。

この後、愛知の加納くんが家族全員(奥様、Jr.1号、Jr.2号)で激励に来てくれていました。
可愛い奥様、と可愛い子供達に囲まれ幸せなオーラがぷんぷんでした。
来年は走れるといいねー。

トイレか信号のタイミングか何かでいつの間にか後方を走っていたマックにパスされました。
夜間装備を白鳥町の一つ先のエイドLに置いているらしくペースを上げて行ってしまいました。もう会えないかなー?

私は白鳥町に夜間装備を置いているので追わずにペースを守り淡々と走り、白鳥町へ。
旧道入口にはボーイスカウトとその引率家族?の出迎え応援がありましたが、子供達によるエイドまでの伴走はありませんでした。ちょっと残念。

白鳥町エイドには16:51到着。



【CP1白鳥町(106.9km)~CP2荘川町荘川桜(143.0km)】

白鳥町で補給をしっかりとり、ストレッチやマッサージをして夜間装備を装着して出発しようとしたら、元チームメイトのまつたけくんに遭遇。
しかも、顔の半分にガーゼが張り付いている!聞けば途中でよそ見をしていてコケたそうな…。

昨年は夫婦それぞれで男女別一位でゴールし、今年も!と期待が大きかっただけに残念。
でも、なんとか走れるそうなので彼なら怪我をしてもちゃんとゴールするだろうと、先行させてもらいました。

しかし、気温が冷えてきたのに正味20分も休んでしまったので足がカチカチ。
次のエイドに着くころにようやく足が動くようになってきましたが、今後の休憩時間はできるだけ短くしたほうが良さそう。

そろそろライトを点けようかというくらい薄暗くなった頃、前方にランナーを発見。
しかも、そんなに急な勾配の坂でもないのに歩いている…。

なんと同郷のO島さん。100kmアジア選手権で入賞したツワモノランナーだ。
残念ながら昨年から故障を抱え満足な走りができない状態だったのだが、とうとう、走れなくなったか…。
一声掛けてパスしていったが、次は自分の番か?と不安になってしまった。
(しかし、その後も80kmも歩き続け、なんと後半に走れるようになり時間内に完走!)

おでん下さい♪
おでん頂き中♪
ダイナランドスキー場入口付近のエイドに着く頃にはすでに真っ暗となり、標高も800mくらいあるので気温が低く寒い!

エイドで北海道の縞猫さんや富山のO島さん、初顔のW坂さんに追いつきましたが、防寒着は荘川桜エイドにあるので、補給が済んだらそそくさと先行。

このとき、道路の所々にある温度表示は、0~1度。
周囲は今までにないくらいたくさんの雪が残っています。寒いわけですねー。

相変わらず風は強かったので体感では氷点下2、3度くらいだろうか?
荘川桜エイドまで一目散で走りました。

荘川桜エイドに21:31到着。



【CP2荘川町荘川桜(143.0km)~CP3道の駅白川郷(172.6km)】

荘川桜エイドで防寒着を着ようとしたら、マックが毛布に包まって横になっていました。
睡魔に負けてしまい、温かいココで仮眠を決めたそうな…。

私同様、徹夜してギリギリ説明会に間に合ったので仕方がないか…。
私はまだ睡魔に襲われていなかったので、防寒着を着て先行。

ここでも20分くらい休憩してしまったので、3~4人に抜かれた模様。
さらには、気温の低さと休憩時間の長さで足が固まり、しばらく超スロージョグ。

でも、超スロージョグだとなかなか体が温まらず、さらに長い下り坂で胃腸へ刺激が加わり便意をもよおしてしまいました。
新しく整備された御母衣の電力館エイドでトイレ(大)タイム。

なんか休んでばかり…。
体があの手この手で走らせないようにしているのだろうか?

よれよれになりつつ、平瀬温泉白山タクシーエイド(156.6km)に到着したら、長野の走友のきたむうや24時間走世界大会でお世話になったKさんがお出迎え。

寒さで上半身に力が入りすぎて背中~肩が凝ってしまっていたのでマッサージしてもらいました。
しかも、ストーブで温めてくれたバスタオル付です。本当にありがとうございます。

快適すぎていつまでも居たくなってしまいましたが、元気復活して走ってもらうためのサポートですからね!気合を入れなおし、早々に出発しました。

しかし、マッサージ効果か防寒着が快適すぎたのか睡魔に襲われだしました。
時折来る車の音で路面のデコボコにつまづいてハッと我に帰るものの、数分でフラフラ~。

世界遺産の合掌集落で明かりが見えると、誰か出てきて中で休んでいけと誘ってくれるんじゃないか?ときょろきょろして走っていましたねー。
傍から見たら不審者だったろうな…。

深夜なので誰も出てくることはなく、しーんと静まり返って自分の足音だけしか聞こえない…。
とにかく、代わりはいないのだ!走れ!

休みたい願望と助け舟の妄想が膨らんだ白川郷でしたが、なんとか振り切って集落を抜け出すことができました。
きっとここには魔物が住んでいるに違いない。。。

道の駅白川郷エイドへ2:03に到着。



【CP3道の駅白川郷(172.6km)~CP4南砺市大鋸屋エイド(212km)】

白川郷エイドに着く頃には、筋肉痛だけでなく膝の痛みも増してきたし足首、足底も痛く体はボロボロ。
おまけに胃も痛くなってしまい食べ物を取ることができませんでした。

温かい紅茶を頂いただけで出発。

この後、各エイドには笑顔で入るよう心掛けてきましたが、作り笑顔がバレバレだったみたいで、すぐに温かいお絞りを差し出され、温かい飲み物と食べ物を勧められました。

温かいお絞り、本当にありがたいです。
一瞬、温泉に入ったみたい…。

でも、胃は痛いし食べたくない…。でも、食べないと動けなくなってしまうしボランティアの人に悪い…。
イチゴとか一口パンを一個だけ無理やり食べた気がしますが、この区間はどこで何を補給したかよく覚えていません。

No.38エイドで、富山のO島さんが追いついてきました。
3年前、彼がハーフを走っていた時もこの辺を一緒に走りました。
精一杯の作り笑顔

4年前に立山登山マラニックの時、途中、お喋りしながら走ったのですが、勾配がきつくなる立山駅以降でとてもついて行けず、背中を見送った彼です。

エイドを出たのは一緒でしたが、上り坂がきつくてとても一緒には付いて行けません。
咳き込んでいるうちにどんどん離されていきました。

でも、彼のトイレ休憩の都合もあって、次の五箇山タクシーエイド(198.1km)には私が1分も早く到着。

五箇山タクシーエイドには、平瀬温泉タクシーエイドでマッサージをしてくれたKさんが元気に出迎えてくれました。

疲労困憊で胃も痛くて何も食べたくなかったですが、五箇山の坂は絶対歩かないと決めていたので、エネルギーを少しでも補給せねば!と稲荷ずしを一つ食べました。

O島さんはこの先の地元の地を快走するため入念にマッサージを受けるというので、気合を入れ直し先行!
残り約50km、全部歩いても時間内ゴールはできる!やっと完走できる気がしてきました。

ここからの坂はとてもキツイのですが、トンネルを越えるまでは決して歩かないと決めていました。
前回、睡魔に負けけて合掌造りのバス停小屋で横になって寝てしまったので…。

無事トンネル手前のエイドまで走りきり、水分をちょっとだけ補給し、出発。
トンネルの間の橋付近は凄い雪景色でした。
といってもデジカメがないので画像はありません。orz(泣)

長い五箇山のトンネル(3km強!)内では時々つまづいたりしましたが、無事に通過。
急な下り坂で何度か吐きそうになりましたが、吐くエネルギーがもったいないので耐え続けました。

ちょっと頑張りすぎてしまいました。
へろへろを通り越し、ゲッソリ状態で南砺市大鋸屋エイド(212km)に7:37に到着。



【CP4南砺市大鋸屋エイド(212km)~ゴール(兼六園250km)】

ここからしばらくは平坦なので、何か食べなければと思うのですが、結局食べたのはイチゴ1つ。

もう、太陽の日差しがあり、防寒着や夜間装備は不要なので脱いで預けました。
一つ一つの動作が緩慢で、時間が掛かりましたねー。

その間にW坂さんが到着し、たこ焼きをお代わりするほど食べてました。
やたらと元気です。若さでしょうかねぇ~。羨ましいです。

20分くらい休憩して出発すると、W坂さんが元気に追ってきました。
一緒に走るには相手が悪すぎ。

トイレ休憩をして先行してもらいました。
しかし、W坂さんは走るのは早いのですがエイド休憩が長く、次のエイドで追いつき私が先行することに。

競走意識はありませんが、兎と亀の世界ですね。
結局、道の駅福光以降、会う事はありませんでした。

ここからゴールまでは完全に一人旅でした。

途中、農作業中のおじさんに声を掛けられ長話したり、自転車に乗った高校生に"もう坂はないですよ!頑張って!"と激励されたりして、段々とパワーが蘇ってきました。

No.47鳴瀬元町エイド(239.2km)は家族3世代でサポートしてくれました。

小さなお孫さんが不思議そうにきょとんと私を見つめていましたねー。
来年、会うころには大きくなっているんだろうなー。名前を聞いておくんだった!

重い腰を上げ、出発!

あとゴールまで11km。そして時計は11時を回ったところ。
今から頑張れば30時間を切れるかも?

この後に及んで急に欲が出てきました。。。
20時間台と30時間台では随分とイメージが違います。

でも、膝も胃も痛いし信号多いから無理だよ。ゆっくり行きなよ!
悪魔か天使か分かりませんが囁きました。

えーい、つべこべ言ってないで突っ走れー!
一気にキロ6分ペースまでペースUP!

最初は息が上がり苦しかったですが、段々慣れてきました。
不思議と痛みも感じられません。

がー、最後のエイド手前の信号で赤信号STOP。
嫌な予感です。。。

最後のエイドにはスイカがあるのです。
過去、気持ち悪くて食べずに通過した苦い思い出があります。

時間はないけど、頂戴いたしました♪
これで、脱水もガス欠もありえない!

30時間切り狙ってスパートします!と宣言し、よーし、行け~♪と激励され出発。
しかし、残り7.2km。サブ30まであと38分。

働かない頭で必死に計算中…。
キロ5分で7kmを35分掛かるから…、あと200mを3分で走る。。。

キロ5分!?
いくらなんでもヤバ過ぎじゃない!?

でも、やるだけやってみよう!
完全に思考回路がイカれました。激走開始~!

しかし、金沢市街地です。信号が多いです。。。
自転車のおばちゃんを抜く勢いで突っ走りましたが、あえなく信号でSTOP。

30~40秒くらいロスしたかな?
青信号に変わったら再び激走開始。

今度は遠目で信号を見てタイミングをチェックし、危なそうなところはあらかじめダッシュをして点滅で横断。
しかし、結局、大きな信号3つに引っ掛かりもう、望みは絶たれた感じ…。

でも、どこからパワーが出てくるの?って思えるくらい、信号に引っ掛かるたびにペースUPしていました。
汗が目に流れ込むくらい頑張って走りましたが、兼六園入口の信号に捕まって万事休す。

信号が青に変わった時は残り時間30秒を切っていました。
ダメだったか…。

兼六園の入口
(↑本当はここが人で大混雑)

一瞬、落胆しましたが、この区間で脳内麻薬が出まくったようで凄く気持ちいいです。
桜も満開だし♪あっ、桜が咲いた兼六園を走るのは初めてだ!

いやぁ~、本当に見事に桜が満開で、まさに花道でした!
そのせいか観光客が大勢いてぶつかりそうです。(汗)
ゴールが見えた♪
(↑本当はここも人で大混雑)

ゴールエイド
ねっ、ゴールでしょ!

観光客をかき分け桜の木に抱きついてゴール♪
この佐藤桜にタッチしてゴール♪

良二さんの桜も満開で祝福しているかのようでした。
佐藤桜
満開の佐藤桜

良二さん、今年も完走させてくれてありがとうございます!

桜吹雪の一片となって太平洋と日本海をつなぐことができました。
太平洋と日本海を桜でつなごう

本当に長い長い道のりでした。

被災地でも桜が綺麗に咲いたようです。
私達に代わり桜が被災地を元気づけてくれることでしょう!

兼六園ゴール(250km)30時間3分。



【総括】

走り込み信者?に近かったので走り込みが全然できなかった今回は完走できるかとても不安でした。
2週間の調整だけで完走できたのは驚愕です。
しかし、肉体的なダメージは大きく、やはりある程度の走り込みは必要である事を再認識しました。

中盤以降はとても辛く苦しかったですが、苦しいときには、震災、体調不良、仕事などの理由で走りたくても走れなかった人を思い起こし、彼らの分も完走しなければ!と奮起しました。

完走できたのは、手厚いサポートや安全確保をしてくれたボランティアやスタッフの方々、励ましあった走友たち、応援、そして、辛いときに見えない力で背中を押してくれた震災などで走る事が出来なかった走友たち、そして、さくら道を作った佐藤良二さんのお陰です。

完走させてくれて本当にありがとうございました!



【Special Thanks】

デジカメを忘れてしまったので今回は自分の撮影画像はないです。
画像提供してくれた江戸一コーチさん、楽天ブロガーのラルムさん、JognoteのH山さん、
大変ありがとうございました!

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