低侵襲心臓手術とは…

低侵襲心臓手術後の社会復帰の早さ



パパの主治医で慶應義塾大学病院の四津良平先生がお勧めしている低侵襲心臓手術は、胸骨正中切開を行わずに ポートアクセス法 という方法で、患者の術後のことを一番に考慮してくださっているようです。
まずは下記の抜粋記事を読んでください。


低侵襲心臓手術(MICS)とは、これまで昔から行われている心臓手術と違い弁膜症に限らず、いろいろな心臓手術で、胸骨を縦に全長にわたって大きく切離する胸骨正中切開は行いません。
その代わり胸骨を全く切離しないか、切離しても胸骨の切離部分を必要最小限にとどめ、患者さんに与える術後の疼痛や感染症を軽減し早期の退院が可能なようにします。
患者さんに優しい新しい心臓手術のアプロ-チです。

この方法は美容上の観点からも優れた心臓手術で、昔ながらの手術が胸に約25cmの傷跡が残るのに対し、小さいものでは約5cmの傷跡しか残りません(ポートアクセス法)。
そのような手術を行うには内視鏡などの医用工学の技術を用います。
低侵襲心臓手術の完全内視鏡下手術であるコンピュタ-制御遠隔手術装置"da Vinci"(ダビンチ)ロボットを使った心臓手術では患者さんの胸に3~4個の孔(約1cm)が設けられるだけです。

 その手術の特徴は、いろいろな先端技術を取り入れて、手術後早く退院して帰宅できるように手術の計画を組んでいることです。
病気の種類にもよりますが、Port-Access法という新しい方法で手術を行った患者さんは、早い患者さんでは3~4日で歩いて退院されます。
手術前には患者さんは心臓の手術を受けて、そんなに早く退院することに驚かれますが、外来で会う度に、「やはり早く自宅に帰って良かったです。」と喜ばれています。
現在では成人開心術の多くの症例が、低侵襲法で行われ、そのほとんどが無輸血手術です。
2001年9月には、アジア地域でまた本邦で初めて"da Vinci"ロボットを導入し僧帽弁形成術と冠動脈バイパス術に応用しました。

 慶應義塾大学病院では1996年12月に第1例目の胸骨部分小切開によるMICSを僧帽弁形成術に適応して以来2005年3月末までに各種の心疾患に対し400例以上のMICSを行ってきました。
また1998年にはより進んだ低侵襲心臓手術である米国Heartport 社のシステムによるPort-Access法を本邦の第1例目として行いました。

現在(2005年3月末)までに174例を累積しています。その手術成績は1例の手術死亡を除いて良好でありました。
また遠隔死亡(退院してからの死亡)はありませんでした。
特にPort-Access法で手術して退院した連続173例では、最短で術後3日で退院しています。
病気の種類によって退院までの入院期間は違いますが、全体を平均すると術後8日で退院しました。
日常生活には帰宅後6日で復帰していました。
就業についてみると帰宅後16日でデスクワークに、また帰宅後21日で大工仕事などの肉体労働に就いていました。
これら患者さんへのアンケートをみますと低侵襲心臓手術(MICS)手術への満足度は非常に高いです。

 慶應義塾大学病院は早くからこの低侵襲心臓手術(MICS)を導入し、1997年に日本低侵襲心臓手術研究会を発足させ、事務局を慶應義塾大学に置き、四津良平教授が幹事を務めています。

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