UNFINISHED

第4話 思込み



眼



 喘息発作による入院はもう4度目になる。
 入院した次の日、レントゲン写真を撮りに放射線科へ行くことになった。
 私ともう一人、同じ日に入院した、ピンクに花柄のパジャマを着た小学生くらいの女の子と一緒に。
 看護師さんに連れられて病棟から1Fの放射線科へ行ったのだが、一般の患者が多くて少し待つことになった。

 少し沈黙のあと、彼女が口を開いた。
「Sallyさんはどうして入院したの?」
(名前はお互いの点滴に書いてあるのでわかるのだ。)
「あぁ宮川さんと同じ理由だと思うよ。」
(同じく点滴に使っている薬が同じ気管支拡張剤だった。)
「私、初めて入院するんです。Sallyさんは?」
「僕は今年に入って4回目だよ。」
「私、小学校の3年のときに肺炎になって、それ以来喘息になったの」
とまあ、レントゲンを待つ30分間、話をした。

 その後、病棟に戻ったのだが、部屋が隣同士で他に若い人がいないため、しきりに私のところへやってきて、喘息の話とかするようになった。
 数日後、僕は退院することになり、そのことを彼女へ教えてあげた。

「そうなんですかー。頑張って下さいね。」
「宮川さんも早く元気になって学校へ行こうね。」
「そうだ。外来のある日とか、Sallyさん都合良かったら逢いませんか?」
「えっ?あっいや・・・平日は仕事とかあるし・・・」
 (まさか、小学生と付き合うなんて・・・)
「そうですか。じゃあ機会がありましたら飲みに行きましょうね。」
「えっ?飲みにってお酒飲めるの?」
「ええ。コンパとか飲み会とかよくあるもん。」
「宮川さんっていくつなの?」
「私は21歳。大学3年生です。」

 ジャンジャン!
 僕はずーっと小学生だと思ってたこと、言えなかった。
(と同時に惜しいことしてしまった・・・w)













→第5話


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