うさぎ小屋 1番館

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ストップ狩り



■ヘッジファンドが行う「ストップ狩り」とは?
ストップ狩りという言葉をご存じだろうか?
ストップ狩り(ストップ・ハンティング)とは通常、ヘッジファンドなど巨額の資金を操る投機筋が利益を上げようとする一つの手法を指す言葉。マーケットに出ているストップロス注文を「狩り」に行くのがストップ狩りだ。
直近の安値や高値、あるいは90円、100円といった切りのいい数字……こういったレートの近辺は多くの投資家の注目が集まり、多くのストップロス注文が入っていることが想定される。
たとえば、仮にドル/円が90円と95円の間を行ったり来たりするボックス相場だったとしよう。ここで今、ドル/円が95円付近から段々下がってきて、90.30円ぐらいになったとする。
この時、94円や92円、あるいは91円でドル/円を買っていたトレーダーは90円近辺でまた反発することを期待して我慢しているだろうが、90円を割れたら、もうダメだ~と思いそうだ。90円を割れたら、ボックス相場が終わって、大きく下落する可能性が出てくるからである。
そこで、そういうトレーダーたちは90円とか、あるいはもう少し下の89.90円、89.80円あたりにストップロスの売り注文を入れておくことになる。ヘッジファンドはそこを狙うのだ。
彼らは大量の売り注文を市場に出し、強引に相場を下げようとする。狙いは90円~89.80円あたりに入っているストップロス注文だ。
大量の売り注文によってレートがみるみる下がっていき、90円を割れると、大量のストップロス注文が引っかかって、それがさらに下げを加速させる。そうやってパニック的な下げとなっていく中で、最初に売っていたヘッジファンドはそれを買い戻して利益を確定させる……これがいわゆるストップ狩りである。

■【妖怪「ストップ狩り」】は果たして実在するのか?
ところがこれとは別種の特殊なストップ狩りが存在すると、一部のネット界隈では囁かれている。それはFX会社が行うストップ狩りだ。もし、それが本当なら衝撃的なものである。そのようなストップ狩りは――それをここでは【妖怪「ストップ狩り」】と名づけてみたいが――果たして実在するのだろうか?
ヘッジファンドはいろいろな情報を持っているだろうが、いくらなんでも全世界のトレーダーがどこにストップロス注文を置いているか、といった詳細な情報をすべて持っているとは考えられない。それでも、相場を見る目があれば、先ほどの例のように90円を割れたところにはたくさんのストップロス注文があるだろうと推測可能だ。
では、FX会社はどうか? FX会社には顧客のストップロス注文が当然見えている。もちろん、全世界のトレーダーのストップロス注文が見えるわけはない。しかし、自社の顧客の注文に限っては全部丸見えである!
ならば、そういったストップロス注文がたくさんあるところに相場が近づいてきた時、意図的にFX会社がちょこっとレートを動かし、そうした注文を狩りに行くようなことがあるのではないか?……これが一部のネット界隈で囁かれている【妖怪「ストップ狩り」】である。
たとえば、相場があまり動かない時間帯、ドル/円の市場レートが94.44円の時、そのFX会社では94.50円のところにたくさんのストップロスの買い注文があったとする(この例では先ほどのヘッジファンドの例とは反対に、多くのトレーダーが売りポジションを持っており、買いのストップロス注文がたくさん入っている状態を想定している。また、ここで市場レートというのは、インターバンク市場のレートのことを指すこととする。そして、FX会社は相対取引のFX会社とする)。
この時、市場レートは94.44円のままなのに、FX会社が故意にレートを一瞬だけ動かし、94.50円をつけにいくとしよう。すると、大量のストップロスの買い注文が94.50円で約定する。
顧客が94.50円で買ったということは、FX会社は94.50円でその分を売ったということである。この時、市場レートはまだ94.44円のままのはずだから、FX会社は瞬時にインターバンク市場でカバーをとればいい。つまり、インターバンク市場で94.44円で買えば、94.50円と94.44円の差=6銭のサヤを抜けるというわけなのだ。

■FX会社の提示するレートは各社間で微妙に異なる
注意してほしいのは、今挙げた例は一部のネット界隈で囁かれていることをわかりやすく説明しようと試みただけであって、現実にこのようなことが行われていると確証があるわけではないということだ。実際、それを…
実際、それを実証することは極めて難しい。真相は闇の中だ。だからこそ、このストップ狩りは“妖怪”なのである。
ただし――。FX会社の提示するレートが各社間で常に微妙に異なっているのは事実である。FXの基本は相対取引なのだから、それは当然のことなのだ。
では、ここで「相対取引」ということの意味を今一度よく考えてみよう。

■トレーダーは市場を相手にしていない!?
現在、日本のFXサービスは公設取引所の「くりっく365」もあるものの、その主流は相対取引となっている。相対取引とは売り手と買い手が1対1で取引を行う取引形態のことだ。
為替を取引する時、トレーダーはおそらく市場を相手にしていると感じていることだろう。つまり、「トレーダー VS 市場」という構図だ。
けれど、厳密に言えば、トレーダーはFX会社を相手に取引しているのだ。相対取引とはそういうことである。つまり、「トレーダー VS FX会社」である。
そして、FX会社はトレーダーからの注文に対して、インターバンク市場でカバーをとるから(「FX会社 VS 市場」)、これらをつなぎ合わせれば、最終的には「トレーダー VS 市場」という形にはなる。
全体の大きな構図で言えば、取引は「トレーダー VS 市場」に最終的にはなっているのだが、厳密には「トレーダー VS FX会社」であり、トレーダーが直接取引する相手はFX会社ということなのだ。
また、取引はトレーダーとFX会社の間で成立しているわけだから、市場レートがどうであろうと、FX会社はどんなレートを提示するのも原理的には一応自由ということになる。
実際、FX会社が市場とものすごく異なるレートを提示することは通常のケースではあり得ないが、先に述べたように各FX会社が微妙に異なるレートを提示しているのは確かだ。
FXは以上のようなしくみで取引されているからこそ、妖怪「ストップ狩り」の実在がウワサされてしまうというわけなのだ。実証は難しいけれど、論理的には否定できないよね、というのが妖怪「ストップ狩り」なのである。

■【妖怪「ストップ狩り」】が怖い人はどうしたらよいか?
では、もしかしたら存在するかもしれない【妖怪「ストップ狩り」】の幻影に悩まされないために、個人トレーダーはどうしたらいいのか? その一つの解決策は相対取引ではなく、取引所取引である「くりっく365」を利用することだろう。
もう一つは相対取引のFX会社の中でもインターバンク直結の会社で取引することである。
先ほどFX会社がインターバンク市場でカバーをとることについて説明したが、そのカバーのとり方はFX会社によって異なっている。
たとえば、FX会社には顧客から買い注文も売り注文も入ってくるから、もしも、買い注文と売り注文が同じ数量であれば、それらは相殺される。だから、相殺された分はカバーをとらなくていいという考え方もあり得る。
そういうFX会社ではある程度は注文を貯めておいて、買い注文と売り注文を相殺して残った分の注文に対してのみインターバンク市場でカバーをとる、ということを人間のディーラーが行っていたりする。

■限りなく「トレーダー VS 市場」の形に近いシステム
一方、インターバンク直結のFX会社は、顧客から入ってきた一つひとつの注文に対し、一々インターバンク市場でカバーをとっている。もちろん、それはシステムが自動的に行い、人間のディーラーの裁量が入ったりすることはない。
つまりこれは、先ほど説明した構図で言えば、相対取引のFX会社なのだから、取引は「トレーダー VS FX会社」の形になっているのだが、それが実質的には限りなく「トレーダー VS 市場」の形に近づいているということになる。これがインターバンク直結のFX会社なのである。
なお、相対取引のFX会社でインターバンク直結の会社は、実は全体から見ればまだごく少数派。おもな会社を挙げると、
・「FX ZERO」
・「FXCMジャパン」
・「上田ハーローFX」
といったところぐらいである。【妖怪「ストップ狩り」】が怖い人は、こういったFX会社で取引するのも一法だろう。



あなたは経験したことがありますか?
怪しいスリッページやレートずらしを…

今回は「スリッページ」と「レートずらし」について取り上げることにしよう。

■FXですべったことありますか?
FX会社の取引画面でピコピコ動くレートを見ていて、「ここだ!」と思った瞬間にクリック。「ここだ!」と思った瞬間は103.00円だったのに、実際に約定して買えたレートはそれより不利な103.05円だった……なんて経験はないだろうか?
そう、FXの取引ではレートが「すべる」ことがあるのだ。このように狙ったレートと実際に約定したレートに差が出る現象、またはその差自体のことを「スリッページ」という。
為替相場は時に目まぐるしく動く。そして、「今」クリックした~! と思っても、その注文がFX会社のサーバーに届いて処理されるのは「今」よりもわずかながら後ということになる。まったく完全に同時ということはあり得ない。アインシュタインの特殊相対性理論を持ち出すまでもなく(?)、このことは理解していただけるだろう。
となると、その間に為替相場が変動すれば、ある程度のスリッページも仕方がないということになるのだろうか。

■許容できるスリッページを設定できるFX会社も…
最近では自分が許容できるスリッページの範囲を段階的に設定できるFX会社も増えてきた。たとえば、「××pips(ドル/円であれば××銭)以上のスリッページが生じたら、注文を約定させない」といったしくみだ。
この許容範囲を自分で狭く設定しておけば、自分の思ってもいないレートで約定するという事態は防げる。ただ、狭く設定しすぎれば、今度は約定させたいのになかなか約定しないよ! ということも起こり得るわけで、なかなか難しいところではあるのだ。

■もっと怪しいスリッページとは?
そして、一部のネット界隈で囁かれているのは、そういった相場の変動による普通のスリッページではなく、もっと怪しいスリッページのことである。
一部のFX会社では、顧客の不利な方向へ意図的にスリッページさせているのではないか? というのである。スリッページさせた分はFX会社の利益になるというわけだ。
そのようなことが実際に行われているのかどうか……。真相は闇の中としか言いようがないのだが……。
では、スリッページをなるべく避けるにはどうしたらいいのか?

スリッページをなるべく避けるには、発注から約定までがスピーディーに完了するシステムになっているFX会社を選ぶというのが一つの方法だろう。また、「ウチはスリッページさせません!」とうたっているFX会社を使う手もあるだろうか。

■「レートずらし」ってどういうこと?
では、次に「レートずらし」を取り上げよう。
これはどういうことなのか?
「レートずらし」とはFX会社が顧客に提示するレートを、市場レートよりも高い方か、低い方へずらして提示するというものだ(ここでの市場レートとはインターバンク市場でのレートのことを指す)。
この時、スプレッドが広がるのではなく、スプレッドは狭いままでレートが平行移動するような形になるという。そういうことをしているFX会社があると一部のネット界隈では囁かれているのである。
たとえば、相場が上昇基調にある時は、売りよりも買いに注文が集まると考えられる。こういう時は市場レートよりも高い方向へレートをずらしておくという。
市場レートよりも高いところで顧客が買えば、それを受けたFX会社は市場レートよりも高いところでその分を売っていることになる。そして、市場レートはそれよりも低いところにあるわけだから、すぐに市場で買い戻せば、FX会社はレートをずらしていない時よりも、より多くのサヤを抜けるというわけだ。
このようなことをやっているFX会社は本当に存在するのかどうか?
インターバンク市場における「市場レート」といっても、インターバンク市場に参加している金融機関はいろいろあって、それらがすべて完全に同じレートを提示しているわけではない。「これが唯一絶対の正しいレートである!」といったものは為替市場には存在しないのであり、レートが本当にずれているかどうか比較する絶対的な基準はないのである。
また、仮に「レートずらし」があったとしても、いつも常にやっているとは限らないし、結局、「レートずらし」を実証することもなかなか難しいという話になってしまうのだ。

■レートずらしが理論的にはまずないFX会社とは?
ただ、相対取引のFXサービスでは、「理論的には」レートずらしがあったとしても不思議ではないとは言える。「理論的にはある」ということを気持ち悪いと思うのであれば、それが「理論的にはまずない」と思われるFX会社を利用するのも一つの手だろう。
そうなると、前回の「ストップ狩り」の件と同じく、相対取引ではなく取引所取引である「クリック365」か、相対取引でもインターバンク直結となっている以下のFX会社がその候補として挙げられよう。



【ストップロス・ハンティング(ストップ狩り)について】

自分が置いたストップロスがヒットし、ロスカットされた直後に、
値が反対方向(つまり、当初自分が意図していた方向)に向かって、
何事もなかったように動いていくような経験をしたことは誰にでもあると思います。そういう場合は、
他の多くのトレーダーも同じ場所にストップロスを置いていた可能性が高いと言えます。

ストップロス・ハンティング(ストップ狩り)とは、ヘッジファンドや銀行などのビッグプレイヤーが、
自分たちの意図するトレンドのモメンタムをより高める目的で、
主に短期トレーダー(ウィークロングとも呼ぶ)が置いているストップロスを一掃する
言い換えれば、損切りさせるための為替戦略を指します。

通常、多くのトレーダーは、心理的な節目や、ピボットなどのテクニカルポイント、また、
「.00」等の区切りのいい数字にストップロスを置くことが多いため、そうした値に近づくと、
ストップロス・ハンティングが起きる場合がよくあります。
また、下値が綺麗に切り上がっているようなトレンド相場でも、
下押しする際に、直近の安値を意図的にブレイクすることでストップロス・ハンティングを行い、
再び反発して上昇を続ける場合もあります(逆のパターンもあります)。
こうしたストップハンティングには、指標の発表時や、膠着しているような状況での値のスパイク
(突然の急騰や急落で再び元の位置に戻る)など、さまざまなかたちがあるようです。

ストップロス・ハンティング(ストップ狩り)対策としては、
「.00」等の区切りのいい数字にストップロスを置かず、
サポートあるいはレジスタンスの外側に置くようにすることである程度避けることはできます。
ただし、値動きの激しい時にはこの方法でも通用しないこともあります。


Q:ストップロス・ハンティングを避ける方法はあるでしょうか?

A:難しい質問ですね。
ストップロス・ハンティングを仕掛けるヘッジファンドや銀行などのビッグプレイヤーは
より大きなタイムフレームでトレードを行っていると言われています。
したがって、ストップロス・ハンティングを避けるためには、
そうしたビッグプレイヤーの立場に立ち、彼らが何をよりどころにトレードを行っているかを
考えてみる必要があります。そのためには、大きなトレンドの方向を4時間足等で必ず確認し、
その大きなトレンドの側に自分がいることを常に意識する必要があります。チャンネルライン、
トレンドラインを引いてみたり、レジスタンスやサポートラインをチャート上に落としてみます。
そして、ストップロスをそうした節目の外側に置くようにします。
ポジションの分布状況がほぼリアルタイムで見ることができれば、
クラスター以外の場所にストップロスを置けば、刈られる確率はより低くなると思うのですが、
残念ながら、現時点でそのようなサービスを提供しているFX業者は国内ではないようです。

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