簡単♪気楽に♪いろんなお話♪

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うなぎは何で丑の日に食べるか?


有名な話しでは、エレキテル(電気)や歯磨き粉を発明した江戸
時代の学者平賀源内先生が、売れない鰻屋に看板を頼まれて「本
日土用の丑の日」と大書して店頭に掲げたところ大評判となり、
千客万来になったというお話し。

さる大名から鰻の蒲焼の注文を受けた鰻屋が、夏土用の子、丑、
寅の3日間に渡って焼いたところ、丑の日に焼いたものが一番お
いしかったという話・・。

夏の暑さがこたえる土用の丑日に栄養豊富な鰻を食して、夏負け
しないように願った。・・などなど諸説紛々。つまり真意は誰に
もわからないということですよね。そんな中、なんだか妙に納得
する説を見つけましたのでご紹介します。

現在では「夏の土用」だけが有名ですが、実は土用は年に4回あ
り、二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬前のそれぞれ約18日
間のことを言います。土用の「土」は物を変化させる作用のこと
を指し、「用」はハタラキの意味を示しています。平たく言えば
「季節の変わり目」。昔の人は体調をこわさぬように用心したの
でしょうね。

7世紀初頭に中国から伝来した陰陽五行説(いんようごぎょうせ
つ)は、日本人の暮らしに深く浸透してその名残が現在でもそこ
かしこに残っています。

まず「陰陽」とは、全てのものには対立する陰と陽があり、例え
ば夏と冬、熱さと冷たさという表裏があると説いています。

また、「五行」とは相生(そうしょう)と相剋(そうこく)とい
う、相性の良いものと悪いものが存在することを意味します。

五行相生(ごぎょうそうしょう)は木→火→土→金→水→木と連
続する相性があると説いています。(木は火を生み、火は土を生
み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生むということ)

もう一つは、対立する関係である五行相剋(ごぎょうそうこく)
です。木は土に、土は水に、水は火に、火は金に、金は木に勝つ
関係にあると説きます。(わかりやすく言うなら、水は火の勢い
を消し止めるということです)

さてその昔、夏の土用の暑さは食欲を減退させ、疲れを呼び、病
気を引き起こすやっかいなものでした。現在のように医療も発達
していなかったので、病気になり死亡することに人々は恐怖を覚
え、それを封じる手段として、まじないや呪術に拠りどころを求
め、陰陽五行説に則った食事をして、防御しようとしたようです。

陰陽五行を季節に配置すると木気(春)・火気(夏)・金気(秋)
・水気(冬)となり、各月の最後にそれぞれ土気が配されています。

相剋の関係で、火気(夏)に勝つのは水気(冬)です。水気(冬)
の土用は丑月(12月)にあり、水気は陰、火気は陽ですから
「夏の土用の丑の日」に水気を象徴するものを食べて陰陽の均衡
をはかり、暑気あたり、食中毒、疫病を予防したようです。

水気の色彩は「黒」であり、ごぼうや黒豆などが該当します。水
に棲息する黒色の生物なら尚一層適しています。鯉、どじょう、
うなぎ、タニシ、シジミなどです。

また、丑(うし)の頭文字「う」のつく食物も良いとされました。
うなぎ、瓜、独活(うど)などが該当します。ですから水に棲み、
黒くて、頭に「う」がつくうなぎは、最適な食べ物だったという
わけです。

「鰻の蒲焼」う~、聞いただけでもおいしそうー!そうそうこの
「蒲焼」(かばやき)の由来ですが、現在のように開いて蒸して
タレをつけて焼く技術が開発されたのは江戸中期頃と言われ、そ
れ以前は、ブツ切りにしたうなぎの下から竹串を刺し、あぶって
山椒味噌などをつけて食べたらしいのですが、その格好が蒲(が
ま)の穂に似ていたので、「蒲焼」となったようです。



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