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震災がこの地を変えた

(6)

テーマ：阪神淡路大震災から１１年(7)

カテゴリ：ひとりごと　その他

　一昔前のここは、ファミレスもなくて、長男と結婚したら親と同居するのが当たり前で、賃貸のアパートやマンションは、転勤などで遠くから来た人のためにあった。ワンルームマンションなんてなかった。共働きは珍しくなかったけれど、女性が我慢を強いられた時代。仕事を持っても家事は完璧を求められ、夫の協力は期待してはいけなかった。
　周りに合わせることがよしとされ、しきたりが(必要以上に)重んじられ、女性が男性に、年少者が年長者に意見するなど認められなかった。典型的な昔の田舎社会が、平成になっても変わらず続いていた。

　そんな地域が変わってきたのは、阪神大震災で被災された人が大勢ここに移ってきたからだと思う。

　核家族、男女同権が普通のこととして受け入れられ始めた。
　余計なしがらみがないので、思いを率直に口にできる人が出てきた。また、その思いを行動に移す人が何人も現れ、それに追随するように地元の人々が動き出した。
　ショッピングセンターやコープの店舗ができ、バイパス沿いに店が増えて、郊外化してきたのもこの頃。時代の変化もあるが、それだけではこの変化は無かっただろう。

　各町にできた子育て学習センターやそこから派生したさまざまなサークル、ＮＰＯは、彼らがいなければなかったかもしれない。人々の意識も今ほどには変わらなかったかもしれない。

　その昔、中国から来た渡来人が日本に多大な影響を与えたように、彼らがここに与えた影響はとても大きい。人事異動のような少人数での移動ではたぶんこの流れはできなかっただろう。

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