MY THOUGHTS

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December 6, 2010
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早稲田でジャーナリズムを学ぶ 野中章弘 ゼミの皆さまとご一緒させていただき

多摩川のホームレス、佐藤さんを訪問、そして、夜は新宿中央公園の炊き出しに参加。


自分の目と耳と足と時間とをつかって経験をするということの大切さ

いろいろなところに出向いてインタビューをする身としてわかりきっていたことだったが

その大切さをあらためて痛感させてくださった野中さんとゼミの皆さまには心からの感謝。


~~~


みんなでぞろぞろ、土手の下の佐藤さんのお住まいにお邪魔する。


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夜、9時過ぎから明け方5時頃まで空き缶を50キロから60キロ拾い、

4000円から5000円の現金収入を得る。

何度も自殺を考え、来年小学校に上がる孫のためにも早く仕事に就きたいと涙を流し、

番犬と捨て猫を育てるためのエサに一番困っているという佐藤さん。

現在本を執筆中。夢と希望は捨てていない。


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窓枠まで付いた一戸建ては「ツーバイフォー形式で一日で建っちゃう」とのこと。

台風時、川を流れてくるベニヤを集め、釘を抜き、それが立派な家になった。

元は建築関係のお仕事をされていたのだとか。


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いつも危険とは隣り合わせ。

台風などの増水で昨年は3人の方が流され行方不明となった。

放火や嫌がらせも絶えない。何度もテントが焼かれた。何度も場所を移動した。


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秋はじゃがいもより美味しいというからいもを掘り起こし、野生のニラもいけるとか。

四季で食べ物が違う。一人分ならなんとかなる。

猪苗代湖のほとり、貧しい百姓の家に生まれた経験が生きている、と笑う。

小学校一年生のときには、腰まで埋まる豪雪の中、

学校に行く前に高野豆腐を売り、お金になるからと「生け花」用の冬の草を取った。




河原に猫が食べられる食べ物なんてない。猫も缶詰しか食べない元は飼い猫。

猫缶を買ってやるお金がないと目がしらを押さえる。

猫は神様だ。体調を崩し、布団をかける気力もなく倒れていたとき、

猫たちが佐藤さんを首から身体からとすべて覆って温めてくれたという。


佐藤さんを育み、多くのいのちと出会わせてくれる多摩川の自然。


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佐藤さんにお礼を言って土手の上からお別れをする。

となりの学生が「なんか上から手を振るのっていやですね」とつぶやいた。


その後公園で、「 あしがらさん 」というホームレスの映画を撮った飯田基晴監督と

車座になってディスカッション。

「最初にホームレスの方に声をかけるとき、どんな気持ちでしたか?」

「撮られる側への影響は考えましたか?」

「今日、来ることを最後まで迷っていた。どういうスタンスで話を聞けばいいのか、わからなかった」

「自己責任だと思っていましたが、佐藤さんには向上心があった」

公園の芝生からしんしんと冷えが伝わってくる。まぶしい夕日があたたかい。


一旦解散し、有志で新宿中央公園の炊き出しボランティアに参加。

実際にボランティア参加できるのは人数制限があり6人だけ。他の人は見学。私も見学。


この発泡スチロールの中に800人分の炊かれたご飯が。


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グリーンピースやベーコンが入ったご飯を学生たちがボールによそっていく。


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ずらり800人分。


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午後7時炊き出し開始。


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炊き出しを受ける人は、8人ずつ横一列になって並んでいる。

「はい、次どうぞ!」の掛け声で一斉にご飯を頂く。

そこを分ける大きな川のような、二人の腕の長さを合わせた距離。

「施す人」「施されれる人」があからさまになった瞬間、

カメラを構えながら、その場から逃げ出したくなった。



昼間、佐藤さんと話をしながら、私は自分との違いを見つけることに終始した。

税金を払っているかとか、不法占拠かとか、、、

それが「孫のためにも仕事につきたい」という涙になっているのか。

自殺を考えたという、木の枝ににかけた紐になっているのか。


けれど、そうでない部分では、一体何が違うのか。

向上心、生活力、夢、希望、悲しみ、苦しみ、、、

みんなが持っているすべてを佐藤さんも持っている。

違いが見つからない。どうしても見つからない。

あえて言えば、きっと私の方が、なまけものだ。


会社を退職し、ウィルウィンドを一人ではじめた。

事業家になりたいという思いからはじめたのではなく

いのちをつなげたいという活動のようなスタート。

想いや志はある。でも資本金がなくなる。食べていけない。

もっとがんばる。そこそこなんとかなる。でも明日のお米の保障はない。

MEMORO「記憶の銀行」でボランティアをはじめる。

夢がある、希望がある、でもますますお金はなくなる。どんどんなくなる。

友人からごちそうしてもらう。お米をもらう。車を売る。

ローン返済中の家から、皮肉にも眼下の新宿中央公園を見下ろす。

何がなんでも、持続性のある活動にしたいし、

そのためには事業にしなければならない。命をかけている。

でも悲壮感はない。自身の能天気さに自分でも驚く。

いのちをつなぐことの大切さを、みんなで考えていきたい。

本気で、みんなでノーベル平和賞をとりたいと思っている。


そんなときに見た、あの腕と腕との間の距離。


炊き出しで支援を受けるホームレス。

自活に意地をかけるホームレス。

家族を捨てたホームレス。

家がないハウスレス。

「ホームレス」という言葉が、脳の中で一つの像を結んでいたのに

ちりじりばらばらに分解して、私自身と重なりあう。


まだ何もまとまらない。


ただ、一つだけ願いが生まれた。

並んでいる方々も、どこかで誰かの役に立っていると思っていてほしいということ。

腕をのばして受け取ったご飯、くるりと振り返って、次の誰かに渡していてほしいということ。

少なくとも私は受け取った。

生きることについて、たくさん教えていただいた。













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佐藤さんのお隣りさんは30代女性。


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お住まいはカナディアンログハウス風!?


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玄関口には朝顔のガーデニングと家庭菜園。



いっぱいいっぱい受け取った一日。

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Last updated  December 6, 2010 11:34:10 PM コメント(4) | コメントを書く


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