ほのぼのノルウェー暮らし

ほのぼのノルウェー暮らし

お先真っ暗な北欧の老後の実態


☆ ある老夫婦の場合


 夫・・・・70歳
 妻・・・・68歳


 ご主人はアルツハイマーで老人ホームにて生活。
 奥さんは体が不自由なため、電動車イスを使用してるものの
 なんとか自力で生活しているわけですが、この奥さんには
 コミューンから一年に片道150回もしくは往復75回の
 車での外出補助が受けられるそうである。
 片道150回、往復75回といえど、外出先は一箇所に
 限定されており、一回の外出で複数の場所に行く事は
 不可らしい。

 まあ、外出先の距離にもよりますが、買い物に出たときなどは
 やはり往復ですかね?

 しかし、年間、往復75回っつーことは平均して週に一回
 しか外出できないわけですね!

 まあ、車イス利用者でも生活するのに便利な場所に
 住んでるか、車がないと買い物にも行けないような
 田舎に住んでるかにもよりますが、ノルウェーのお年寄りや
 体に障害のある人は、基本的に積極的に外出する人が多いので
 週一回しか外出できないというのは、ものすごく酷な話だと
 思うわけですよ。

 しかし、この女性の場合、買い物( 基本的に食料 )
 に行くほかに、老人ホームにいるアルツハイマーのご主人が
 できる限り長く自分の家族を覚えていられるように
 できる限り見舞いたいわけで、週一回しか外出できないと
 なると、この女性はスーパーに行くかご主人を見舞うか
 毎回究極の選択を強いられるわけです。


 そんな訳で、彼女はコミューンに外出補助の回数を増やして
 もらえるよう懇願したらしいんですが、コミューンの
 回答は

  『 ご主人のことは忘れなさい 』  だったそうです。


    ああ・・・・無情



 そこで、彼女は自力で外出できる方法をあれこれ模索した
 らしいんですが、個人で車イス搬送可のタクシーなどを
 利用した場合、片道400KR~500KR 
           (約7200円~9000円)
 かかるとのこと。

 こんなもの働いてたって払うの無理ですよ。


 このご夫婦の子供の有無とか時々買い物や家事なんかを
 手伝ってくれるお友達やご近所さんや親戚などがいるのかどうか
 など、詳しい事は知りませんが、北欧は基本的には個人主義の
 国なので、こういう場合、家族からの手助けなどは期待せず
 基本的には国のサービスに頼るのが実情なようです。

 でも、こういうサービスもしっかりしてるように見えて
 怪しいんですよね。





 ☆ スウェーデンに住む義理ママの叔母の場合


 80歳をとっくに過ぎていますが、頑張って一人暮らし
 してました。 すぐ近所に息子が住んでましたが
 週一回しか顔出さないらしいです。→ 買い物する為

 叔母さんは、足が不自由なため、歩行器を使わないと歩けません。
 それも、とてもゆっくり・・・。
 でも、この叔母さんは人に弱みを見せるのが嫌いなので
 歩行器を使っているところを人に見られたくないらしく
 外出は最低限になって行きました。

 スウェーデンでは、こういうお年寄りのためのタクシーの
 サービスがあります。 近距離に限りますが
 スーパーなどに行く場合、一回10KR (約160円くらい)
 で利用できるそうです。


 そんな叔母さんでしたが、加齢とともに目が見えにくくなって
 一人での生活に支障が出始めました。

 すぐ近所に住んでる息子は、自分の生活があるので
 母親の世話ばっかりしてるわけにはいきません。
 北欧には、こんな時のためにホームヘルパーなどを
 派遣してもらうことができますが、ワタシ、これって
 国費でまかなわれると思ってたんですよ。
 なんてったって福祉の行き届いている国、北欧ですから・・・・。

 と、義理ママが言うじゃないですか・・・。
 自腹よ自腹!!  それも決して安くないのよっ!


 この幻のホームヘルパーサービス・・・・
 受けられるのは裕福なお年寄りだけ・・・・
 って事らしいです。



☆ あるガン患者の場合


 義理ママが仲良くしていたアメリカ人のオバサンがいたんです。
 彼女はアメリカで女優!! だったらしいですよ。
 60歳過ぎてからノル人と再婚。 で、ノルウェーに引っ越してきた
 わけです。  しかし、そんな幸せな結婚生活は長くは続かず
 6年後にノル人夫は病死。その3年後にはアメリカ人のオバサンが
 末期のガンであることが判明。

 オバサンは入退院を繰り返していましたが
 ある夏、入院中のオバサンは自宅に帰されました。
 その理由が、看護婦の多くが夏休みに入ったため人手が足りなく
 なったから・・・・。


   ええええええええええーーーーーーーっ!


 このオバサンは、ノルウェーには一人も身内がいないんですよっ!!
 どうして、そんな人を自宅に帰すんですかっ!!
 トイレにはかろうじて自力で行ける状態にはありましたが
 買い物に行ったり食事の支度なんてできないんですよ!!

 幸い、このオバサンには仲良くしてるお友達がいたので
 彼女が毎日食事を運んでたみたいです。
 しかし、そのお友達も夏休みで出かけてしまい
 その間、義理ママが彼女のところに食事を作って運んでました。

 こういう親切な人が回りにいない場合、一体どうなるんでしょう?












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