クラシック音楽は素敵だ!!

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チャイコフスキー交響曲全集

<チャイコフスキー:交響曲全集>

2005-05-14 21:24:41
<P.チャイコフスキー 1840-1893>




<作曲家豆知識>


1840年、ロシアのウラル地方ヴォトキンスクに生まれる。最初は法律学校を卒業し官僚となるが、A.ルービンシュタインの影響を受けて音楽家となる。ロシア音楽といえば先ず間違いなく名前があがる大作曲家。劇的かつ色彩的な管弦楽技法を駆使し、交響曲のみならず協奏曲・序曲・オペラに多大な名作を残した。特に後期の三大交響曲、三大オペラの管弦楽曲は、毎日世界のどこかで演奏されているのではないかと言われるほど有名。このコーナーでは彼の交響曲と協奏曲を取り上げます。






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<交響曲第1番「冬の日の幻想」>



TchSym1
H.V.カラヤン指揮/ベルリン・フィル (1979年録音)
チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」/歌劇「エフゲニ=オネーギン」より/スラヴ行...



1868年初演、28歳の作品。全交響曲中、この第一番の第一・第二楽章にのみ副題がついている。第一楽章が「冬の日の幻想」、第二楽章が「陰気な土地/霧の土地」。チャイコの交響曲と言えば後期三大交響曲がとにかく有名で、三番まではあまり演奏されないが、作風としてはこの第一番からチャイコ節全開。交響曲としての魅力は今一歩だが、どうしてどうしてこの第一楽章など非常に美しく、つい聴き入ってしまう。ロシア臭さとは無縁だが、チャイコの管弦楽の美しさを極限まで再現したかのようなカラヤン盤で聴いてみたい。







<交響曲第2番「小ロシア」>



TchSym2
H.V.カラヤン指揮/ベルリン・フィル (1979年録音)
チャイコフスキー:交響曲第2番「ウクライナ」/祝典序曲「1812年」@カラヤン/BPO□ドン・コ...



1873年初演。副題の「小ロシア」とはウクライナ地方のことで、この曲にウクライナ民謡の旋律が多用されていることから由来している。第一楽章から三楽章までは漠としているが、終楽章が大変派手で楽しく、まるで独立した音楽のようだ(ということは全体の構成力がイマイチ、ということなのだが)。これもきらめく金管が魅力のカラヤン盤で。




<交響曲第3番「ポーランド」>



TchSym3
H.V.カラヤン指揮/ベルリン・フィル (1979年録音)
(UCGG-7090)



1875年初演。「ポーランド」とは、終楽章の主旋律にポーランドの宮廷舞踏、ポロネーズのリズムが使われているからに過ぎないが、初演時の綽名がそのまま残ってしまった。前作の「小ロシア」同様、作曲者自身の命名ではない。彼の全交響曲中唯一ニ長調で書かれた曲(他は全て短調)で、全編を通じて弦楽器の響きが美しい。ドンシャリ気味の第一楽章、夢見るような第二楽章、寂しげな第三楽章。特にこの第三楽章は美しい。そして第五楽章は華やかなポロネーズ。大規模な舞踏会のイメージは交響曲と言うよりオペラそのもの。(楽天のものとジャケット写真が異なります)







<交響曲第4番>



TchSym4
Y.ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィル (1960年録音)
(UCCG-9511)



1878年初演。史上名高い後期三大交響曲の劈頭を飾る力作。「わが親愛なる友人に」という献辞とともにパトローナのメック夫人に献呈されている。この大富豪がいなかったら、チャイコの傑作の森はどの程度になっていたのだろうか。この時代はやっぱりパトロン達の力が芸術の発展に寄与した面が大きい。 第一楽章冒頭第一主題の劇的さはチャイコの全交響曲中ピカイチの迫力。実は私はこの主題が金管で最強奏される箇所が怖くて苦手。そしてこの交響曲の激性を十全に生かしたのがこのムラヴィンスキー盤だと思う。第一楽章の激しさとは打って変わった祈りのような第二楽章の歌わせ方、第三楽章ピッツイカートの強烈なメリハリのきかせ方、終楽章の雪崩のような突進力は、今でも全く色あせずに聴くものを圧倒する。(楽天のものとジャケット写真が異なります)







<交響曲第5番>



TchSym5
Y.ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィル (1977年 来日ライヴ録音)
(ALT 052)





楽天ではこちらのムラヴィンスキーをどうぞ
チャイコフスキー:交響曲第5番/大序曲「1812年」@ムラヴィンスキー/レニングラードpo. カ...
チャイコフスキー:交響曲第5番/大序曲「1812年」@ムラヴィンスキー/レニングラードpo. カ...


1888年初演。冒頭の「運命の主題」が全編を貫き、チャイコの交響曲の中でも非常に構成力の強い作品となっている。寄せては返すような主題が印象的な第一楽章の開始。陰影を含んで美しい第二楽章アンダンテ・カンタービレ。そして終楽章は派手に。まさにチャイコ節全開の作品なのだが、トスカニーニはこの曲を「不誠実な音楽」と言って演奏しなかったらしい。
 彼には申し訳ないが凡夫の私はどうもこの曲が好きらしく、昔から実によく聴いてきた。お勧め盤は昨年生誕100年を記念して発売されたムラヴィンスキーの1977年来日ライヴ録音。ソビエト連邦の文化大使としての使命感漲りまくる、正確無比なアンサンブルを駆使した恐るべき録音といえるだろう。





<交響曲第6番「悲愴」>



TchSym6
カラヤン/チャイコフスキー:交響曲第6番
(POCG F35G50043)



1893年初演。終楽章が異例のアダージョだったこと、初演して数週間後にチャイコ自身が亡くなってしまったことから、彼の音楽的遺言のように語り伝えられている名曲中の名曲。私は高校時代、この曲を聴いてクラシックの森に入った。
 曲は暗く始まり、暗く終わる。ただ、それは呟きではなく、この上なく優美で悲しい旋律に包まれて、聴くものを捉えて離さない。 多くの録音を聴いて来て現在のベストはカラヤン/ウイーン・フィル84年録音盤。彼は三大交響曲集を四度も録音しているが、BPOと喧嘩別れしてから行ったこの録音は、BPO時代の独特の派手さが控えられ、人生終盤の悲痛な思いがこめられた、魂の記録にもなっている。また、WPOのふくよかな弦の魅力が最大限に生かされた演奏でもある。
他にも推薦盤は星の数ほどあるが、とりあえず以下2枚をあげておきたい。





TchSym6-2
W.メンゲルベルク指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ (1941年録音)
(TELDEC 4509-93673-2)


 モノラルで音は悪いが、ポルタメントとヴィヴラートを多用した、「泣かせ」演奏の最右翼としていつまでも歴史に残る演奏。メンゲルベルクは戦後ナチ協力者として追放されてしまったが、彼がこの曲をステレオで残してくれていれば、と残念でならない。





TchSym6-3
Y.ムラヴィンスキー指揮 レニングラード・フィル (1975年来日時ライヴ録音)
(ALT 059)

トスカニーニ盤に匹敵する、徹頭徹尾オケを支配し酷使した恐るべき演奏の記録。この曲のもつ感傷的部分を極限まで排し、純音楽的な美しさに徹した演奏として、是非聴いてみていただきたいと思う。




<他 参考盤>

○トスカニーニ/フィラデルフィア(42年録音)
○トスカニーニ/NBC響(47年)
ザンデルリンク/ベルリン交響楽団(79)
○ゲルギエフ/キーロフ歌劇場(97年)
ゲルギエフ/ウイーン・フィル(04年)
○フルトヴェングラー/ベルリン・フィル(38年)
小澤征爾/サイトウ・キネン(95年)
○バーンスタイン/ニューヨーク・フィル(86年)
○チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル(92年)
○フェドセーエフ/モスクワ放響(91年)
○シノーポリ/フィルハーモニア(89年)
○ムラヴィンスキー/レニングラード(60年)
○フリッチャイ/ベルリン放響(59年)
○オフチニコフ/モスクワ放響(82年)
○マルティノン/ウイーン・フィル(57年)
○ジュリーニ/ロスアンジェルス・フィル(80年)
○オーマンディー/フィラデルフィア(81年)
○カラヤン/ベルリン・フィル(54年・64年・71年・76年・84年)






<マンフレッド交響曲>



Manfred
M.プレトニョフ指揮/ロシア国立管弦楽団 (1993年録音)
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲/幻想曲「テンペスト」@プレトニョフ/ロシア・ナショ...



1886年初演。バイロンの同名作品からの4つの情景に旋律をつけた交響詩なのだが、四つの楽章を持ち演奏時間も50分を越えるため、現在では交響曲に分類されている。シューマンの「マンフレッド序曲」同様暗い内容だが、そこにはチャイコ独特の憂愁がこめられ、三大交響曲に伍した作品になっていると思う。演奏はプレトニョフの指揮によるものが、ロシア的仄暗さを表出させて美しい。






<ピアノ協奏曲第1番>



TchPCon
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
C.アバド指揮/ベルリン・フィル/M.アルゲリッチ (1994年録音)
(POCG 9770)



1875年初演。およそ現存するすべてのピアノ協奏曲の中で最も有名であろう名曲。特に冒頭の壮大な主題は交響曲ジャンルにおけるベートーヴェンの「運命」と並び、クラシックに興味のない人でも必ず聴いたことがある旋律だ。かつてその時代の比類なきピアニスト、ルービンシュテインに「演奏不能」と言わしめたこの曲は、今ではチャイコフスキーコンクールの課題曲として、若手の必須曲となっている。
 豪快さと叙情が見事に融合しているこの曲の推薦盤のアルゲリッチは、この録音がすでに三度目。二度目のコンドラシンとの録音も素晴らしく、甲乙つけ難かったが、僅かにオケの優秀さでこちらを選んだ。もちろん、トスカニーニとホロビッツ、カラヤンとリヒテルの録音も素晴らしい。名曲には多くの名演が存在するのだ。




<ヴァイオリン協奏曲>



TchVnCon
キョンファ/チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
C.デユトワ指揮/モントリオール交響楽団/チョン・キョンファ(Vn) (1981年録音)
(POCL-5013)



1881年初演。ベートーヴェン、ブラームスの協奏曲と共に三大ヴァイオリン協奏曲と称えられる名曲。この曲も初演時には酷評されたが、現在ではソリストにとって絶対避けては通れない曲の一つに数えられており、第一楽章の華麗かつ壮大な主題は、一度聴けば絶対に忘れられない感動を与えてくれる。あまたある録音の中で私が押すのは今をときめくチョン兄弟の長女・キョンファの録音。デユトワの絶妙なサポートと相俟って、繊細さとダイナミックさを併せ持つ彼女の魅力が余すところなく発揮された名演だと思う。




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