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(Wikimedia)やさしいJAZZ入門 第7回 めざせ Blue Note 東京もうJAZZなんて怖くない!!『アニメ-ションのJAZZ』さて、めざせブルーノート東京を合言葉にw お送りしておりますJAZZ入門講座第2シーズン 第1回目の今回は 『アニメーションのジャズ』 をお送りしますJAZZをアニメに使用する事は 今ではもう珍しい事では無いですがアニメとJAZZは 昔から意外な程 密接な関係にありましたアニメーションがTVで放送される様になった 60年代後期から70年代はドラマやアニメの 劇伴 と呼ばれるBGM の録音にはJAZZ系のミュージシャンが多用されて来ましたというのも当時の JAZZ系のミュージシャンはJAZZを演るだけでは 経済的な余裕を持てない事から昼は TVやレコードの 録音の仕事を演り夜は ステージでJAZZを演奏するという事情があったからなのです旧作のルパン三世の音楽を担当した 山下毅雄新ルパンの 大野雄二サックス奏者 渡辺貞夫 に師事を受けた マジンガーZの 渡辺宙明など 全てJAZZ系ミュージシャンでした後に作曲家として名を馳せたClassic も JAZZ もOK の ハネケン こと ピアニストの 羽田健太郎あの マイルス・デイビス と共演予定があったという伝説のドラマー 村上(ポンタ)秀一ベテランセッションベーシストの 高水健司YMOファミリーだった ギターの大村憲司 など日本が誇る様々なJAZZ系セッションミュージシャン達も皆アニメのBGM、主題歌の演奏を担当して日本のTV 映画を 影から支えていたのでした当時の音楽界は レコードの棚が Classic JAZZ ロック フォーク とジャンル分けされる様な 細かくカテゴライズされた事とは裏腹にミュージシャン達は、日本の音楽を担うと言う位置付けでその一員として、音楽の幅広さを 求められるという風潮がありそのどれにも柔軟に応じて来たのは他ならぬ JAZZ系ミュージシャン達だったという訳でした今日の日本のカテゴライズされた様々な音楽ジャンルにそれぞれのジャンルで活躍するミュージシャンで 成り立つ様になったのも先人達の労苦があったからこそでありアニメも その恩恵に賜って来たと 言えるのでしょうというわけで、今回も一緒に勉強していきましょう♪△▼ △▼ △▼Yuji Ohno - Lupin The Third '80 (1980)大野雄二 - ルパン三世のテーマ '80Written by Yuji OhnoTVアニメ 『新ルパン三世』 OPテーマ曲収録アルバム『ルパン三世・3』Mercedes Benz SSK (Wikimedia)ドラマ 映画 アニメの劇伴(BGM) で名を馳せた ジャズ・ピアニストで作曲家 大野雄二 最大のヒット作です慶應義塾大学在籍中から既に頭角を現し同級生に当たる俳優の石坂浩二の大ヒット作『犬神家の一族』 の音楽が話題を呼び以降 様々な作品を担当して行きました大野雄二の音楽は、 それまでの 映画 ドラマの後付的役割程度だった劇伴に対しておおよそ その様なものを感じさせない 垢抜けた欧米的なサウンドが特徴で作品の雰囲気すら大きく左右させる程の個性的な楽曲を提供し日本の劇伴の世界に 多大な功績を残して来ました現在は 作曲の仕事は抑えて、トリオ編成のJAZZバンドの演奏を中心に本来のジャズ・ピアニストとしての活動を続けているとの事でした△▼ △▼ △▼Koich Sugiyama - Death Fight (1980)すぎやまこういち - デス・ファイト Written by koichi SugiyamaTVアニメ 『伝説巨神イデオン』 挿入BGM曲収録アルバム『伝説巨神イデオンBGM集サントラ』すぎやまこういち (Wikimedia)富野由悠季監督作 TVアニメ 『伝説巨神イデオン』 からドラクエの すぎやまこういち 作編曲による、アニメのBGMという領域を遥かに凌駕した今では考えられない布陣の 日本が誇るトップスタジオミュージシャンによる正にタイトル通りの 極上ソロ・バトル を堪能することが出来ます本曲の作曲は すぎやまこういち のペンによるものですが本テイクのソロ部分は 各奏者の即興の 『アドリブ・ソロ』 によるものでタイトルの 『デス・ファイト』 を白熱した演奏で表現する狙いがあったものと思われますソロ奏者の順番は以下の通りトロンボーン:荒井英治ピアノ:羽田健太郎トランペット:数原 晋ギター:直居隆雄ベース:高水健司ドラム:田中清司本テイクは 「井上堯之バンド」「大野克夫バンド」 のドラム 田中清司によるタイトなプレイを聴く事が出来ます■ □ ■□■□Koich Sugiyama - THE BATTLE (1978)すぎやまこういち - 戦闘 Written by koichi Sugiyama『劇場版 科学忍者隊ガッチャマン』 挿入BGM曲収録アルバム『交響組曲 科学忍者隊ガッチャマン』安倍 圭子 [マリンバ奏者] (Wikimedia)こちらは同じく、すぎやまこういち が音楽を担当した (78) 『劇場版 科学忍者隊ガッチャマン』 で「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」のヒットを受けて70年代当時 破格の予算を導入しアニメのBGMとしては「音楽界の事件」とも言えるNHK交響楽団を起用し、加えてドラム:村上秀一ピアノ:羽田健太郎ギター:安川ひろしベース:高水健司トランペット:白磯孝テナー・サックス:村岡健マリンバ:安倍圭子などのJAZZ系ミュージシャンのファンクなビートがN響の豪華な演奏をバックに炸裂するアニメ史上最大級の極上の演奏となっております。特に村上(ポンタ)秀一のうねる様なドラミングや安倍圭子の耽美でエモーショナルなマリンバ演奏などアニメのBGMの領域を超えた秀逸なサウンドが堪能できます。△▼ △▼ △▼Aoi Teshima - Lullaby Of Birdland (1952)手嶌葵 - バードランドの子守唄Written by George ShearingTVアニメ 『坂道のアポロン』 挿入歌収録アルバム『菅野よう子 / 坂道のアポロン オリジナル・サウンドトラック』Birdland Jazz Club (Wikimedia)盲目のジャズ・ピアニストの ジョージ・シアリング が52年に作曲したスタンダードナンバーをギター:古川昌義ピアノ:松永貴志ベース:鳥越啓介ドラム:石若 駿という錚々たる布陣で『ゲド戦記』 で大抜擢された 歌手 手嶌葵 が自身のルーツであるエラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデイ に想いを馳せるように情感を込めて唄い上げております曲名の 『バードランド』 とは 、当時ジャズのメッカであったニューヨーク・マンハッタンで営業していたJAZZ黄金時代を牽引した往年の名ジャズクラブの名前で名前のバードとは アルト・サックスの巨人チャーリー・パーカー のニックネームにちなんで付けられたものでした本アニメの劇伴は 菅野よう子 が担当し彼女自身もJAZZ系の劇伴を多く作曲して来ましたがスタンダード・ナンバーの演奏と差別化する 演出上の狙いがあったのかOP曲 ED曲 劇伴 共に 通常のタイプの音楽を使用しておりました△▼ △▼ △▼Keiko Lee - The moment of love (2003)ケイコ・リー - ザ・モーメント・オブ・ラブWritten by Keiko Lee/Donny SchwekendiekTVアニメ 『巷説百物語』 エンディング・テーマ曲収録アルバム『VITAMIN K』竹原春泉画『絵本百物語』より「小豆洗い」 (WikiMedia)京極夏彦 作 怪奇時代推理小説 『巷説百物語』 のアニメ化にディープボイス の異名を持つ ジャズ・ボーカリスト ケイコ・リー が担当したエンディング曲でピアノ:野力奏一ベース:坂井 紅介ドラム:渡嘉敷 祐一の極上プレイが光る ムーディーなバラードナンバーですケイコ・リー は元々はピアニストで自分の低い声には幼少の頃からコンプレックスがあり悲鳴を挙げても 他の女の子のような黄色ではない茶色い悲鳴になるのが 嫌だったと聞きますピアニスト時代 偶々唄う機会があり唄ってみたらミュージシャン仲間に『下手』 と 言われたという異色な歌手デビューを果たした人物でもあります△▼ △▼ △▼と言った所で文字数の制限に達しましたので、本日の講義は終了です。本日の成果として、前回も書きましたが女性ボーカルの声が低ければ 『ディープ・ボイス』 と言ってみましょう☆ではごきげんよう~☆■■■■■■■■■■楽天市場■■■■■■■■■■【CD】ルパン三世 オリジナル・サウンドトラック3価格:2042円(税込、送料無料) (2021/6/7時点)【CD】伝説巨神イデオン 総音楽集価格:4645円(税込、送料無料) (2021/6/7時点)【中古CD】交響組曲 科学忍者隊ガッチャマン価格:2880円(税込、送料別) (2021/6/7時点)【CD】TVアニメ 坂道のアポロン オリジナル・サウンドトラック [ 菅野よう子 ]価格:2751円(税込、送料無料) (2021/6/7時点)【CD】 KEIKO LEE ケイコリー / Vitamin K 【SACD】価格:2834円(税込、送料無料) (2021/6/7時点)
2013年10月29日
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Miles Davis (Wikimedia)めざせ Blue Note 東京やさしいJAZZ入門 第6回もうJAZZなんて怖くない!!『映画音楽のJAZZ』■一ヶ月に渡り特集して来ましたJAZZ入門講座、いかがでしたか?最終回にマイルスも名残惜しいのか、幾分表情が悲しそうですね・・・そんな訳ないですよね さて最終回は当レビューに相応しく映画音楽に使われたJAZZ をご紹介します。 音楽は映画にとって何かと関わりのある重要な要素でした。世界最初の物語のある映画として公開された作品は1902年に公開されたSF映画『月世界旅行』でした。この時代の映画はまだ「音」が付いていなかった事から「サイレント映画」「活動写真」と呼ばれセリフは場面と場面の間に挿入される「字幕画面」で対応しておりました。サイレント映画には音が無いので、その代わりとして映画館専属ピアニストが独特のペーソスを感じるメロディーと軽妙なリズムで奏でる「ラグタイム」と呼ばれるダンス音楽を演奏して「効果音」をカバーするというスタイルで当時は映画を上映しておりました。日本では英語字幕対策として「活弁士」と呼ばれる人物が映画館に常駐し「活弁士」がその場で字幕の解説をしたり俳優の代わりにセリフを語りながら「無声」をカバーするという独自の文化が発展して行きますがこの「サイレント映画」時代の音楽演奏は映画の背景に流れるBGM(バック・グランド・ミュージック)「劇伴」と呼ばれる様になり、映画音楽の代表格として定着して行きます。1920年代後期、フィルムに直接音声が移植された「サウンドトラック方式」が開発されると映画興行としての活動写真の時代は終わりを告げ、発声映画「トーキー」に取って代わる事となります。それまで演奏主体だった音楽も唄を加えた演奏が登場する様になりそうして演奏された唄は映画の主題歌として人気を博していきます。人気の高い主題歌は映画公開後も様々なミュージシャンによって演奏され、やがてJAZZの「スタンダード・ナンバー」として定着して行く様になります。こうして長い年月を掛けて愛聴されてきた「スタンダード・ナンバー」は後日、再び映画主題歌として使用されながら「活動写真」時代に誕生した映画音楽は歴史の中で一巡して、姿を変え回帰して行くのでした。 しかし「JAZZ」と「映画」は黒人、白人それぞれが作り上げた文化的芸術である事から、相反する立場を取り続け、トーキーの時代に入るまで互いの歩み寄りは無かったという歴史があります。一方、JAZZと映画の相性に気付いたヨーロッパではJAZZをいち早く映画のBGMとして導入し、そうして作られた作品がやがて日本に渡ると、今度は反米という立場から日本でJAZZが受け入れられ戦後、JAZZだけでは生計が立てられない日本の事情からJAZZミュージシャン達は食べる為に映画、ドラマのBGM制作に参加するという歴史がありました。差別や戦争を通してそれぞれの歴史を歩んできたJAZZと映画は、大衆の中から生まれた文化という点では共通していますが、JAZZが米国と欧州 アジアで、独自の映画音楽としての発展があった事には、音楽の数奇な歴史を感じずにはいられません。というわけで、今回も一緒に勉強していきましょう♪△▼ △▼ △▼Bill Evans - Waltz For Debby (1961)ビル・エヴァンス - ワルツ・フォー・デビーWritten by Evans映画 『大停電の夜に』収録アルバム『Waltz For Debby』Bill Evans (Wikimedia)アメリカのジャズピアニスト。ドビッシー、ラヴェルなど現代音楽の影響を受けスタンダード・ナンバーに独自の優美なスタイルを取り入れた印象派として、様々なミュージシャンに影響を与えたジャズの巨匠。スウィングやバップとも違う、エヴァンスが演奏する独特の『浮遊感』が、当時モードを提唱していたマイルスの目指す所と一致し、『カインド・オブ・ブルー』という大傑作を生み出す事に貢献した人物でもあります。特に、東洋人が苦手とするR&Bベースなスウィングやバップなどの特有のリズム感で占められた 黒人の音楽であるJAZZを、日本人でも演奏出来るようなポピュラーなものにしたのは東洋の音楽に影響されたドビッシーやラヴェルら欧州の現代音楽家の作品に影響を受けたエヴァンスの、欧州的クラシック・ベースの美意識が東洋人の理解を得たと捉える事が出来、米国で誕生したJAZZがエヴァンスによって欧州から東洋へと一巡したと、言えるものがあります。一方で、頭を下にもたげる、ナイーブで静かな演奏スタイルとは裏腹な内省的な美意識に根ざした音楽を追求する上での身を切る様な多大なストレスに晒される中で、ドラッグに依存しながらの音楽活動を続けた破滅的側面を持った演奏家としても知られ、エヴァンスの指から奏でられるこの上ない美しさで占められた音楽からはその対極にある様な、荒廃した私生活の中にあってまるで代償としての対価を払い続ける様なエヴァンスの静かな表情からは見えてこない壮絶な音楽人生が浮かび上がって来る思いがします。△▼ △▼ △▼Benny Goodman - Sing, Sing, Sing (1966)ベニー・グッドマン - シング・シング・シングWritten by Louis Prima映画 『ベニイ・グッドマン物語』 『スウィングガールズ』収録アルバム『レッツ・スイング! -ザ・ベスト・オブ・ベニー・グッドマン-』Benny Goodman (Wikimedia)『スウィングの王様』の称号を持つアメリカのクラリネット奏者。地元の音楽教室で年の離れた兄達に対して、末っ子で身体の小さいベニーに与えられた楽器が残り物を押し付けられた様なクラリネットだった事と、年の離れた兄弟にも臆せぬ気骨ある精神によってスウィングのリードには向かないとされるクラリネットを執念で激しい音楽と同居させるまでに昇華させた事で『スウィングの王様』と呼ばれるまでになります。1932年、23歳の時に自身の楽団を結成し、29歳の1938年には当時の72回転レコード片面全部を使う前代未聞の音楽的事件となった楽曲の力強いドラムから始まり、スウィング特有の強弱溢れる華やかなテーマに延々続くドラムソロを挟むベニー・グッドマンの代表曲となる『シング・シング・シング』を発表している新進気鋭の天才演奏家としても知られた人物です。ラグタイムやデキシーランドジャズが全盛の時代にクラリネットの様な力強くない楽器を激しい音楽の中でも埋もれずに奏でる様にする発想は、クラシックに精通し自身もクラシックの作品を発表しているアカデミックな教育に裏付けられた伝統主義的な音楽性に一つの要因があったと思われますがその様な保守的な姿勢とは裏腹に人種差別が激しかった当時の世相の中、黒人演奏家を積極的に起用したり、1950年代に発生した反共産主義に基づく社会運動「マッカーシズム」別名「赤狩り」にも反対したリベラル派としても知られる、非常に気骨のある人物でもあった事が、音楽性にも反映され伝統的なクラシックの楽器を、激しい音楽の中に投入する程の伝統を重んじながら熱い激情を秘めた人間的魅力に、一番の要因がある様に思われます。伝統的で生前とした欧州の音楽と、混沌として激しい黒人音楽を同居させ自らのリベラルな思想を投影した様な白人と黒人が手を取り合う、差別無き新しい時代を迎えるに相応しいクラシックとJAZZが一体となった一つの理想形としての演奏に本曲が時代を超えて色褪せない魅力を放つ理由があるのだと思います。△▼ △▼ △▼Nat king Cole - Mona Lisa (1950)ナット・キング・コール - モナリサWritten by Ray Evans/Jay Livingston 映画 『別働隊』(1950) アカデミー歌曲賞受賞収録アルバム『ベスト・オブ・ナット・キング・コール L-O-V-E』Nat King Cole (Wikimedia)スウィング・ジャズ時代の末期に、ドラムレスのトリオ編成で一世を風靡した『コール』の愛称を持つジャズ・ピアニスト兼 歌手。「箱バン」と呼ばれる大編成のビッグバンドが主流だった頃ギーター、ベース、ピアノのみのトリオ編成は、画期的と評価されその後、トリオ編成によるJAZZの流れを生む立役者でもありました。ピアニストとしてのデビューは1930年代、オルガン奏者だった母親仕込の腕前により10代で頭角を表し、JAZZピアニストとしての功績を残すまでになり1939年 20歳の頃 ドラムレスの「ナット・キング・コール・トリオ」を結成します。同時に華のある歌声を買われて歌手としても活動する様になるのですが、そもそもトリオとなるきっかけを作ったのが当初、セッション予定だった筈のドラマーが来なかった事でドラム抜きで演奏した所、上手く行った所にありました。元々「ナット・キング・コール・クインテット」として予定していた演奏が「ナット・キング・コール・トリオ」となったのは偶発的な出来事だった訳です。加えて、ドラマーが来なくなりトリオで始めた演奏が好評になった時の事、ある日客に後の代表的ナンバーとなる「Sweet Lorraine」を唄えと絡まれ始めは断った所、店主からの命令で渋々唄った事が歌手としてのスタートとなります。因みに、ナット・キング・コールのミドルネームとなる「キング」は本名では無くL.Aでの興行の時、酔った客に被せられた折り紙の冠が「KING」と呼ばれるきっかけを作ったとかなんとか・・・w元々ピアノ演奏だけではレストランなどでは飽きられるとの対処から店主の命令をきっかけに歌い始めた歌手活動でしたがやがてピアノ以上の評価を受けるまでになり、1950年代に入りますとJAZZからポップスへと移行しソロ歌手として活動し「モナリサ」「スターダスト」「ルート66」などの大ヒット曲を次々と飛ばしスターとしての名声を確立するまでになります。しかし一気にスターダムにのし上がった事への不安からか、50年代後半からはポップスからストレートなジャズの演奏に原点回帰をしていく様になります。コールの音楽人生とは、ピンチをチャンスに変えて来た所に骨頂がある訳ですが、牧師の両親から学んだ、世の中の道理をわきまえる姿勢と状況を冷静に判断する、持ち前の生真面目さがチャンスをモノにする原動力となった様な印象があります。しかし、真面目さが裏目に出たのかピアノ以上に評価された歌声を維持するためと信じて続けた煙草は一日3箱以上にもなった事が大きな要因となったのか、1965年2月15日に肺ガンにより逝去します。本当に欲しかったものはシナトラの様な地位だったコールにとっての音楽は人としての理想を追い求める、純粋な想いが原動力になっていた所があり歌手としての絶頂期の45歳の若さで命を落とす事になるのは、残念ではあっても理想を追い求める高まりの中での悔いのない人生であったと、そう思いながらの安らかな死去だったと、JAZZファンの一人として、そう思いたいです。△▼ △▼ △▼Louis Armstrong - What a wonderful world(1967)ルイ・アームストロング - この素晴らしき世界Written by Bob Thiele/George David Weiss映画 『グッドモーニング, ベトナム』収録アルバム『ベスト・プライス~ルイ・アームストロング・ベスト』他Louis Armstrong (Wikimedia)『サッチモ』の愛称で知られるトランペット奏者であり歌手でもあるJAZZ界の大スターです。一度聴いたら忘れられない特徴のあるしゃがれた声が人間的な暖かさを感じさせる非常に高い演奏力と独創的なカリスマ性を併せ持った不世出の天才奏者でもあります。明朗な性格とエンタテインメントに長けた幅広い活躍をした事でも知られ、『ハロー・ドーリー』『5つの銅貨』『聖者が街にやってくる』等、国民的に受け入れられる音楽を作り続けた巨匠としても知られています。ニューオーリンズのアフリカ系アメリカ人が多く住む貧しい居住区で生まれ育ったルイは、その様な環境の中、タフな人格を身に付けるに至りますが犯罪行為で少年院に送られる複雑な過去を持った人物でもありました。その少年院の厚生の一環としてのブラスバンドとの出会いがコルネットを演奏するきっかけを作る事になります。1923年 サッチモ22歳の時 シカゴのキング・オリヴァーの楽団に加入した事がミュージシャンとしてのデビューとなります。1964年 サッチモ63歳の時に発表された『ハロー・ドーリー』は全米一位に輝いた楽曲でビートルズ・ブームの世の中にありながら、ビートルズの一位の座を引きずり下ろす快挙となり世界的なメガヒットとなった「この素晴らしき世界」は1967年 サッチモが66歳の時の作品でこれらサッチモの偉業は全米を驚愕させた事でも知られております。サッチモは根強い黒人差別がはびこる白人社会の中で評価される黒人演奏家として、黒人の社会的地位の向上に務めるべく息の長い音楽活動を精力的に続けますが、黒人社会では白人に迎合する「アンクル・トム」と蔑まれる様な裏腹な事態を招いてもいる様でした。加えて第二次大戦では慰問公演を行なった際、白人と同じホテルに宿泊出来ないなどの、白人社会からの差別を受けており、白人と黒人、共に深く根差した深刻な社会問題を打破する事は大スターとなっても叶うことはありませんでした。しかしサッチモが何よりも『偉大』であったのは、若い頃の過ちから学んだ、タフさに裏付けられたメンタルの強さによるそんな差別意識すら甘受する様なあの笑顔で、音楽には肌の色は無いと、伝え続けた事にこそにあるのだと思うのでした。△▼ △▼ △▼と言った所で全ての講義は終了です。お疲れ様でした。本日の成果として、ルイ・アームストロングの事は『サッチモ』と言ってみましょう。これでもう 『ジャズをカジッタ』 と 胸を張って言う事が出来ます。ではごきげんよう☆■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【Blu-ray】大停電の夜に スペシャル・エディション価格:3344円(税込、送料無料) (2021/10/25時点)【CD】ワルツ・フォー・デビイ +4 [ ビル・エヴァンス ]価格:1650円(税込、送料無料) (2021/10/25時点)【DVD】ベニイ・グッドマン物語 [ スティーヴ・アレン ]価格:1100円(税込、送料無料) (2021/10/25時点)【Blu-ray】スウィングガールズ [ 上野樹里 ]価格:4181円(税込、送料無料) (2021/10/25時点)【CD】ベスト・オブ・ベニー・グッドマン価格:1980円(税込、送料無料) (2021/10/25時点)【DVD】別働隊価格:4627円(税込、送料別) (2021/10/25時点)【CD】ベスト・オブ・ナット・キング・コール L-O-V-E価格:2409円(税込、送料無料) (2021/10/25時点)【DVD】グッドモーニング、ベトナム価格:1572円(税込、送料無料) (2021/10/25時点)【CD】この素晴らしき世界/ハロー・ドーリー ルイ・アームストロング・ベスト [ ルイ・アームストロング ]価格:1046円(税込、送料無料) (2021/10/25時点)
2012年04月30日
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①フリーに癒やしを求めたコルトレーン②フリーに緊張感を見い出したコールマン③フリーと調和を同居させたメセニーJohn Coltrane (Wikimedia)やさしいJAZZ入門 第5回めざせ Blue Note 東京もうJAZZなんて怖くない!!『フリーなJAZZ』■さて・・・今回は冒険の旅に出かけてみましょう。 さあ、何の冒険かフリー・ジャズの世界へ旅立立って頂きます! と、ここでページを閉じないでください大丈夫です、 同じミュージシャンが演奏する普通の曲もご用意しております再生中精神的に無理になりましたら、即座にそちらを再生されますと宜しいかと思います。アメとムチ というわけです。 先にフリーなジャズを体験されまして充分ムチ打たれた所を普通の曲を再生されて暫しアメをご堪能頂くと言ったシステムになってございます・・・何やら新手の××クラブのご案内の様になっていますが、当講座は到って良心的でございますのでご安心を・・・フリージャズについてはウィキペディアなどに記述がありますが、少しでも理解する為には実際に聴いて体験するのが一番だと思います。ジャズとはどんなにアウトしようとも理論に基づいた世界でことフリーに到ってはその範疇に無く本来ジャズの枠内で収まるものですら無い、偶発的で観念的な音空間を目利きする世界であるように思われます。難しいのはここまでで子供の様な気持ちになって音に接してみると、見えてくるものがあるかもしれません。ただし(あくまで)念の為に申し上げるが精神状態のすぐれない方や心臓の弱い方など、雑音の様な音響を耳にして体調を崩されるような可能性のある方の視聴は固くお断りいたします。というわけで、今回も一緒に勉強していきましょう♪△▼ △▼ △▼■「フリー」に癒やしを求めたコルトレーン■John Coltrane (Wikimedia)【ムチ】 『フリーな曲の方』John Coltrane - Ascension (1965)ジョン・コルトレーン - アセンションWritten by Coltrane収録アルバム『Ascension』■アメリカのサックス奏者。モードでもフリーでも大きな功績を残したジャズ界の巨匠。マイルス同様、名前だけは聞いたことのあるミュージシャンの代表でジャズに『気難しい』『難解』のイメージがあるとしたら。全部この人のせいです。椅子に座って穏やかにたたずむコルトレーンが写る、本作が収録されたアルバムはジャケットを間違えたのではと思う程、騒がしさに満ちて調和の欠片も無い演奏が飛び出して来ます。この演奏から 何かの啓示や意味を見出そうとしても意味は無いと言っているかの様なそれぞれの演奏者が、それぞれの考えとそれぞれのタイミングで演奏し纏まった「集団」では無く、バラバラな「集まり」そのものを意識して演奏しているような一つの目的の為に、チームが一丸となる整然 では無くそれぞれの目的の下、人々が集う盛況をそのまま表現している様な印象を受けます。【アメ】 『美しい曲の方』John Coltrane - Say It (1962)ジョン・コルトレーン - セイ・イットWritten by Loesser/McHugh収録アルバム 『ジョン・コルトレーン/ バラード』■対して美しいメロディーに満ちた曲が収録された方の「バラード」のジャケットからはなぜかおびえた様に目を剥いたコルトレーンが 左下に斜に構えた様な態度を取っており、まるでコルトレーンにとって調和された美しさには不自然で居心地の良くないものに捉えているかの印象を受けるものがあります。それは、まるでこれまで上質で芸術性の高い作品を仕上げてきた代償として音楽の為に一丸となって、各人が緊張の糸を張り詰めて最高に美しい演奏を引き出す為に精神をすり減らし身を切る思いで演奏した挙げ句鬱を患うほどに憔悴する様なそんな壮絶な演奏活動を彷彿とさせるものが怯えたコルトレーンが写ったジャケットから見えてくる様な気がします。一方で、安らかな表情で佇むコルトレーンが写った「アセンション」のジャケットからは「黒人解放」のムーブメントと出会う中で「フリー」に目覚めたコルトレーンが無秩序な演奏の中に「孤立」しない「繋がり」を感じて「孤独」ではない平穏の中に居る様な感覚を意味深いものに思っているかのそんな印象を受けるものがあります。思うにコルトレーンにとって「フリー」とはさながら、都会の街頭で自由に演奏する「ストリート・ミュージシャン」の様に「無秩序」な雑踏の中で「ありのまま」の自分で居られる「癒やし」を求める 必要 なもの、だったのかもしれません。△▼ △▼ △▼■「フリー」に緊張感を見出したコールマン■Ornette Coleman (Wikimedia)【ムチ】 『フリーな曲の方』Ornette Coleman with Pat Metheny - Happy Hour (1987)オーネット・コールマン - ハッピー・アワーWritten by Colemanアルバム 『オーネット・コールマン&プライム・タイム / ヴァージン・ビューティー』 ■オーネット・コールマンはアメリカのサックス奏者で50年代後期に実験的な作品をリリースし後にフリー・ジャズの流れを生み出したフリージャズの生みの親と言っても過言ではない人物です。「フリージャズ」そのものは誰かが生み出したものではありませんが、50年代後期から60年代前半にかけて「黒人解放運動」に呼応した同時多発的に発生したムーブメントと呼べる動きであると言えます。コールマンの「フリー」の考え方はユニークで 『何をしても良いが人の邪魔だけはしない』というルールで演奏する所にあります。本曲は、アルバムバージョンとは異なったジャズギタリストのパット・メセニーが参加したテイクとなりますがこのメセニーのギターが本テイクの一つのハイライトとなっております。まずは都会のお祭り騒ぎをスケッチした様な演奏で始まりますが フリーでありながら、愉快でユニークな印象で占められた所に本曲の特徴があります。誰が主軸になっている訳でも無いフリーな演奏が続きますがGR300シンセギターを用いたメセニーのソロが始まるとメセニーの為に演奏者は一旦引くのでオーネット・コールマンの「フリー」とは「雑然」とした中で巨大な「意思」を感じる様な、ある種の「様式」の中で「流れ」を汲んだ脚本の無い「ドラマ」があり、それが漠然と「都会のお祭り」の様な印象を与えるのかもしれません。メセニーのギターは祭りもいよいよ最高潮に達したかの様に、興奮の極みに上り詰めて行きよく見ると 途中4分過ぎでメセニーのギターの弦が切れるのですが、それでもメセニーは調子を狂わせる事無くむしろ更にヒートアップしたプレイを続けて行くので巨大な山車が思わぬハプニングに見舞われたかの狂気にも満ちた狂乱の様が描かれ、それを静かに目を閉じ聞き入るコールマンはやがて口元をニヤリと動かし何かに納得したのか、おもむろにゆっくりと頷いた所でメセニーのギターがフェイドアウトし張り詰めていた様な緊張の糸がほぐれたかの様に元の愉快でユニークな雑踏をスケッチした演奏に戻って行きます。コルトレーンはフリーの中に癒やしを見出しましたが、コールマンのフリーは「調和」された「サムシング・エルス!」のアルバム中には聴かれない大勢の雑然とした集まりの中で意思を持った巨大な流れが生まれる瞬間の「緊張感」を切り出す事を愉しんでいるかの演奏に思われ、ある種「調和」された「サムシング・エルス!」の方が「落ち着き」感があるので、同じ「フリー」でありながら、コルトレーンとは取り組み方が真逆な所に大きな特徴がある様に思います。【アメ】 『普通な曲の方』Ornette Coleman - When will the blues leave (1958)オーネット・コールマン - ホエン・ウィル・ザ・ブルース・リーブWritten by Colemanアルバム 『オーネット・コールマン/サムシング・エルス!』より△▼ △▼ △▼■「フリー」と「調和」を同居させたメセニー■Pat Metheny (Wikimedia) 【ムチ】 『フリーな曲の方』Pat Metheny/Ornette Coleman - Song X (1984)P・メセニー/O・コールマン - ソングXWritten by Coleman収録アルバム『ソング X』GKSuJURd9RI&t=26s【ムチ】 『フリーな曲の方』Pat Metheny Group - Forward March (1984)パット・メセニー - フォワード・マーチWritten by Metheny収録アルバム『ファースト・サークル/ パット・メセニー・グループ』連続しての【ムチ】の楽曲にどれだけ打たれ強いのか試されているかの様ですがwと言った所でお馴染みの パット・メセニーの登場です。一曲目は、コールマンとのコラボでいたって 正統派 なフリーの演奏です。何をして「正統派」と定義するかは 定かではありませんが、この場合は通常のジャズ同様にテーマを挟んで後はお好きにというタイプのものです。2曲目は、何ともヨレた小学校の鼓笛隊の練習風景の様な演奏に聴こえますが、このバラけた感じが、これから成長の余地がある子供の個性を表した様なドラマチックな楽曲を得意としたメセニーらしい何かを「表現」する一環としての「フリー」の演奏を見て取れるものがあります。この曲を聴いた後、次の 『ファーストサークル』 を聴くと メセニーの狙いがおぼろげながら掴める様な気がして来ます。一曲目で、成長の余地がある 子供の健気さを表現し、二曲目で、やがて子供達が仲間を作り共に行動し楽しい事や辛い事、悲しい事を経験していく中で厚い友情の絆で結ばれて行き様々な苦境を乗り越えながら、成長していく姿を描いているかの「ジュブナイル」作品の連作と捉えてみますと、全く個性の違った曲を並べる事で、何かを表現する方法論の一環として連続性を利用した「フリー」と「調和」を同居させる導入法の一つとして 捉える事が出来、ある意味「フリージャズ」の在り方としての完成形を見る様な、実験意欲の高いメセニーらしい、非常に意義のある表現法と言えるものがあります。【アメ】 『美しい曲の方』Pat Metheny Group - First Circle (1984)パット・メセニー - ファーストサークルWritten by Metheny/Mays収録アルバム『ファースト・サークル/ パット・メセニー・グループ』△▼ △▼ △▼他にもセシル・テイラー、アルバート・アイラーなどの名前が挙げられるがフリーと言うより前衛音楽の括りに入り多様化が過ぎるものや燃やしたピアノを弾き続けた日本の山下 洋輔など、インパクトはあるが上級者向けだったりと、自分なりの方法論を持った演奏者が大勢存在する。その多くが、コールマンの影響を言及しその目的は既存の演奏法に従わない、現状打開の他は束縛からの自由が理由と言われている。△▼ △▼ △▼と言った所で文字数の制限に達しましたので、本日の講義は終了です。本日の成果として、もしシタリ顔の自称・ジャズ・マニアがフリーに付いて尋ねて来る様な稀有な場面に出くわしたら 『フリージャズと言えば、コルトレーンかしら』 と語り連中にムチを入れた所で『でも良く分からないケド・・・』と、暫しアメを与え間髪入れずに『コールマンもいいわねエ』と、トドメのムチを入れてみましょう。 では次回最終回まで、ごきげんよう☆■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【CD】アセンション [ ジョン・コルトレーン ]価格:1694円(税込、送料無料) (2021/10/24時点)【CD】バラード [ ジョン・コルトレーン ]価格:3080円(税込、送料無料) (2021/10/24時点)【CD】ヴァージン・ビューティー [ オーネット・コールマン&プライム・タイム ]価格:1640円(税込、送料無料) (2021/10/24時点)【輸入盤CD】 ORNETTE COLEMAN / SOMETHING ELSE(OJC REMASTERS)価格:1498円(税込、送料別) (2021/10/24時点)【輸入盤CD】PAT METHENY / ORNETTE COLEMANSONG X価格:2871円(税込、送料別) (2021/10/24時点)【CD】ファースト・サークル [ パット・メセニー・グループ ]価格:1516円(税込、送料無料) (2021/10/24時点)
2012年04月25日
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Jaco Pastorius (Wikipedia)やさしいJAZZ入門 第4回 めざせ Blue Note 東京もうJAZZなんて怖くない!!『超技巧なJAZZ』さて、本講座も4回目となり 普段あまりJAZZに慣れ親しんで来られなかった方も馴染んできた頃でしょうか と言うわけで今回は『ようこそ、超絶技巧の世界へ!』 と題し楽器を超人的なテクニックで奏でる音楽をご紹介したいと思います普通超人的テクニックで思い浮かぶのが早弾きですが音楽の真の目的は、曲を如何に奏でるかに真価が問われるものでテクニックはあくまでそれを支える技術に過ぎず それ自体を評価するのはあまり意味のある事とは思えません。音楽の表現と切り離されたテクニックは どれ程優れていても曲芸と何ら変わりは無いでしょう今回は 高速ギタリストの様な玄人向けのミュージシャンの紹介は他のレビュアーの方にお任せするとして当レビューは 音楽を聴く 観点から秀逸な技巧を駆使した演奏の幾つかをご紹介したいと思います というわけで、今回も一緒に勉強していきましょう♪△▼ △▼ △▼Jaco Pastorius - Donna Lee (1976)ジャコ・パストリアス - ドナ・リーWritten by Charlie Parker/Miles Davisジャコ・パストリアスの肖像 Jaco Pastorius (Wikipedia)数々の伝説を持つエレクトリック・ベースの巨匠フレットがウッドベースの様な仕様のフレットレス・ベースを駆使しまるで管楽器の様に奏でる超絶技巧な演奏で一世を風靡したエレクトリックベースを一気に花形楽器にまで押し上げた功績は大きい。本曲はチャーリー・パーカーの(マイルス・デイビス作)サックスの曲が原曲で典型的なパーカー・リフをベースのソロ曲としてアレンジしたものであるメロディ、と言えるかどうかも定かでない複雑な旋律を独特の躍動感溢れるタッチで 流麗で瑞々しい演奏を聴かせてくれる旋律の複雑さから長年難解な曲として通っているナンバーだが曲名の『ドナ・リー』とは女性の名前であり 例えば気まぐれでキュートな彼女に振り回される彼氏を想像すると頻繁に転調する曲調も 難解なメロディーも 躍動感ある瑞々しい演奏も『女心と秋の空』に『頭を悩ませる男性』 という情景を音で表現したと捉えたら理解し易くなるかもしれない。この世に究極の音楽があるとすれば、言語を持たぬ言葉として語られる音楽が方法論を突き詰めた末に、不条理な現象を表現する方向に向かうのは当然の帰結であると思われる。計算では成り立たない人間の行動こそ不条理の極みとしてあのマイルスが眉間に皺を寄せながら締まらない表情を浮かべ若い女性の気まぐれな行動を曲にするのも 当然の成り行きと言える△▼ △▼ △▼Keith Jarret TRIO - All The Things You Are (1983)キース・ジャレット - オール・ザ・シングス・ユー・アーWritten by Oscar Harmerstein II/Jerome Kern収録アルバム『スタンダーズ Vol.1』Keith Jarret (Wikipedia)アメリカのピアニスト。自身はクラシックから入りボストンの名門 バークレー音楽学院に進学しアカデミックな教育を受けるが この頃からJAZZの洗礼を受ける様になるJAZZのスタンダードとは、様々なミュージシャンによって演奏される事で定番となった曲の事の事を言う。従ってミュージシャン達の演奏が比較される 鬼門でもある。本曲は『サウンド・オブ・ミュージック』の作者 ハマースタイン2世によるミュージカル『5月にしてはあたたかい』の主題歌でテンポの速い複雑なコード進行が多くのミュージシャンを惹き付ける魅力を持つ非常に卓越した洗礼されたメロディを中腰で弾くプレイが特徴で本曲でもバド・パウエルにも見られる時に上げる奇声が印象に残るまるで頭の中を駆け巡る閃きに、ピアノが、音楽が、追いつかなくて無意識に口から漏れてしまうかの様であるドラムソロの時 4小節演るとドラムも同じ小節数を叩く掛け合いは通称『4バース』と呼ばれる演奏である△▼ △▼ △▼Gary Burton - Chega de Saudade(No more Blues) (1971)ゲイリー・バートン - 想いあふれてWritten by Antnio Carlos Jobim収録アルバム『アローン・アット・ラスト』Gary Burton (Wikipedia)ビブラフォン奏者の巨匠。片手に2本づつバチを持つ4本マレット奏法を高度に発展させピアノにも遜色無く演奏する方法を確立し、ジャンルを越えてマリンバ、ビブラフォン奏者に影響を与えた。本曲はジョビンのボサノバの名曲を目眩く煌びやかなサウンドで再構成されている。流麗な音色とは裏腹な常人の域を超えたバチさばきに目を奪われ楽器と一体となった究極の技巧に息を呑まずにはいられない。△▼ △▼ △▼Al Jarreau - Take Five (1976)アル・ジャロウ - テイクファイブ Written by Paul Desmond収録アルバム『ライヴ・イン・ヨーロッパ』Al Jarreau (Wikipedia)アメリカのジャズ・ボーカリスト。伸びやかでソフトな歌声ながら 卓越したスキャットの技術を持ちボイスパーカッション的な超絶技巧スキャットを展開する楽器と張り合える歌唱法の持ち主である。80年代にはAORの分野でも活躍し グラミーも受賞している。『After All』など日本のCMでも御馴染みの曲も多い。本曲ではデズモンド作の変拍子のリズムを変化自在にダイナミックに歌唱する。曲が始まる前からスキャットは始まっておりMCに絡めて歌唱が始まる出だしは秀逸。△▼ △▼ △▼Pat Metheny GROUP - Minuano 6/8 (1987)パット・メセニー - ミヌアノ Written by Metheny/Mays収録アルバム『スティル・ライフ』Pat Metheny (Wikipedia)当レビューの常連となったジャズ・ギターの巨匠。レコード・デビューは先程のゲイリー・バートンのアルバムの参加がきっかけ。13歳からギターを始め 18歳で名門バークレーで講師をする。本曲はメセニーの初号機 ギブソンES-175別名『歯ブラシ・ギター』でのスリリングな演奏を堪能出来る。曲名の『ミヌアノ』とは南部ブラジルの冬の季節風でさながら冬の道北と言った所か。厳しい自然現象をスキャットでエモーショナルに表現した後一転し朝を迎えたような 清々しい明るい演奏に変貌するのが見事。ここでメセニーは、最果ての地にも人の息吹があり生活があり喜びがある事を歓喜に満ちた躍動感溢れる超絶な演奏で表現している。この曲を聴く度 書いた作者は渡辺 淳一だったか高橋三千綱だったか道北の冬の朝 通勤や通学の人で街は活気を見せ始め厚着をした小さい女の子が頬を真っ赤にして口から白い息を吐きながら元気に学校へ登校する姿に 人間の強い生きる力に触れこんな不毛と思われた北の最果ての地にも 人生があり人の生きる喜びがある事に流れる様に行き着いた街のバスの中で涙が溢れてきたというエッセイを思い出す。△▼ △▼ △▼というわけで本日の成果は『4バース』でしたどこかで使用してスノッブ共の度肝を抜かせてやりましょう。ではごきげんよう☆
2012年04月20日
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Diana Krall (Wikipedia)やさしいJAZZ入門 第3回 めざせ Blue Note 東京もうJAZZなんて怖くない!!『女性ボーカルのJAZZ』早くも第3回になりましたJAZZ入門講座。タイトルの『~怖くない!!』 の 『!!』 が、怯えて見えるのは私の気のセイでしょうか。 この春 皆さんの中にも amazo!おおっとっつ!!!・・・楽天市場で 普段気にしなかったJAZZのCDを優雅に選ぶ午後を送られた方も 少なくないと思います怖くないと謳いながら毎回マイルスに睨まれて怖かったと思いますので魅惑の女性ボーカルの画像に変えましたがいかがでしょう?さて、JAZZ苦手(コワイ)の大きな理由としては演奏メインで歌が無い というのが挙げられるでしょうそこで今回は魅惑の女性ボーカルによる曲を 何曲かご用意しました。アフリカ生まれの跳ねるタイプのリズムが半分、ヨーロッパのクラシック音楽の理論がそのもう半分を占め、 それらが曲の中で常にせめぎ合うJAZZの姿は人の声を通すとより良く感じ取れるかもしれません。 JAZZボーカルが他のジャンルに比べて、始めにリズムありきとも言える程グルーブを強調しながら歌唱している事に意識しながら聴いてみましょう。 というわけで、今回も一緒に勉強していきましょう♪△▼ △▼ △▼Norah Jones - Dont Know Why (2002)ノラ・ジョーンズ - ドント・ノー・ホワイWritten by Jesse Harris収録アルバム『Come away with me』Norah Jones (Wikipedia)アメリカの歌手でジャズ・ピアニスト。女性ジャズ・ボーカルのお手本というべきハスキーな深い声質の持主でビリー・ホリデイの流れを汲む正統派なアーティストですレコードマニアの母親の影響を受け、好きだった曲がビリー・ホリデイの『You go to my head』だという非凡な少女時代を送った人物でもあります大学3年の時旅行で訪れたマンハッタンの音楽家達に刺激を受け残留し数年後にはブルーノート・レーベルからデビュー。デビュー・アルバムはグラミー数部門で受賞するシンデレラ・ガールとなりますこの時ノラは23歳でした本曲はとても聴き易いメロディのバラードで、ソフトな歌声がマッチした癒しのナンバーとも言える名曲です△▼ △▼ △▼Helen Merrill - You'd Be So Nice To Come Home To (1954)ヘレン・メリル - ユード・ビー・ソウ・ナイス・トゥー・カム・ホーム・トゥーWritten by Cole Porter収録アルバム『COLEZO!』Neumann U47 (Wikipedia)アメリカのジャズ歌手『ニューヨークのため息』の称号を持つ歌声は表現力が深いだけでなく力強さも特徴の一つ。親日家としても知られ、60年代には日本に暮らし日本のジャズ・ミュージシャンに大きな影響を与えましたコール・ポーターによって作曲された本曲の時代は 1943年の大戦中で曲名を直訳すると『家に帰るとあなたが居ると嬉しい』となり戦場で愛する我が家を想う兵士の心情を汲み入れた曲と考えますと一般的には敷居の高いと思われたJAZZのスタンダードが実感のこもった愛情を唄った歌に聴こえて来る様です又ヘレン・メリルは1993年の滝田洋二郎監督作『僕らはみんな生きている』の主題歌「手のひらを太陽に」を英語で唄っている事でも知られております△▼ △▼ △▼Anita O'Day - Take The "A" Train (1958)アニタ・オデイ - A列車で行こうWritten by Duke Ellington収録アルバム『アニタ・オデイ・シングズ・ザ・ウィナーズ』NYC Subway (Wikipedia)アメリカのジャズ歌手。40年代に楽団の専属歌手として名前を知られるようになりますが 退団後は下火となり52年にヴァーブレコードでの再デビューで今日知られる名作をリリースして行きます58年のニューポート・ジャズ・フェスティバルを収めた映画『真夏の夜のジャズ』での出演が有名。非常に颯爽とした小粋でハスキーな歌声は 『永遠の姉御』 の称号を持つ人柄を良く現しています現在では女性ジャズ歌手に良く聴かれる 切れの良いスキャットにハスキーボイスですが女性ジャズ歌手が黒人主流の時代に白人女性によるジャズボーカリストの先駆者の一人でもあり白人のハスキー・ヴォイスシンガーのはしりでもあった人物ですビリー・ホリデイにも通じる歌唱と、日本の綾戸 智恵を彷彿するステージが・・・という訳で次は△▼ △▼ △▼Chie Ayado - Tennessee Waltz (1999)綾戸 智恵 - テネシー・ワルツWritten by Pee Wee King/Redd Stewart収録アルバム『LIFE』(Wikipedia)こちらは『難波のおかん』の称号を持つ日本のジャズ歌手でピアニスト。両親がジャズファンで小学生の頃からジャズに目覚め、高校を卒業した後 渡米しロスアンゼルスのライブハウスや教会でゴスペルを歌う生活を送りますがJAZZシンガーとしての実質的なデビューは帰国後の1998年という遅咲きのアーティストです非常にエネルギッシュで明るい歌唱が魅力の人物ですが その歌声とは裏腹に海外の結婚生活での夫からのDVの末の離婚や自身は癌を患うなどの壮絶な半生を送ってきた事でも知られる人物です又、独特の切れのある歌唱は、闘病生活から高音質を失った声をカバーする事から生み出したものであるといいます誰もが元気付けられる満面の笑みで演奏する姿は誰よりも辛い経験をして来た人生を経た優しさが そうさせる様に思います△▼ △▼ △▼Diana Krall - Fly me to the moon (2007)ダイアナ・クラール - フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーンWritten by Bart Howard収録アルバム『ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ダイアナ・クラール』Diana Krall (Wikipedia)カナダのジャズ歌手でピアニスト高校のジャズバンドで活動を始め17歳で奨学金を得てボストンの名門バークリー音楽大学に入学した大変な秀才です妖艶な容姿に男性的なサバサバした行動力太くて深い表現力のある声に確かな音楽的力量で、90年代以降に最も成功したジャズ歌手の一人となりました私生活では歌手のエルビス・コステロの妻でもあります本曲は54年バート・ハワード作曲の3拍子の曲 『In Other Words』 が原曲で56年にジョニー・マティスが『Fly Me to the Moon』の題名を付けたものです現在良く知られるのは62年ジョー・ハーネルが4拍子のボサノヴァ風にアレンジしたもので、フランク・シナトラがカバーして爆発的ヒットを遂げましたNeon Genesis EVANGELION - Fly me to the moon (1995)アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』ED - フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン収録アルバム『新世紀エヴァンゲリオン オリジナル・サウンド・トラック』(Wikipedia)ボサ風アレンジとしては小野リサ版もいいですがオーケストラ使用の アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のEDで使用されたバージョンが非常に秀逸であった為 コチラもお聞き下さい△▼ △▼ △▼今回はここまで、ではごきげんよう☆
2012年04月12日
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Miles Davis (Wikipedia)やさしいJAZZ入門 第2 めざせ Blue Note 東京もうJAZZなんて怖くない!!『聴きやすいJAZZ』第一回講座、いかがでしたか?もうマイルスに睨まれても怖くありませんよね・・・やっぱり怖いですよねwさて、そもそもJAZZは、ヨーロッパが新大陸アフリカと出遭った不幸な歴史が始まりだったという事が最近の研究によって分って来ています。アフリカ生まれの跳ねるタイプのリズムをベースに交互に楽器を即興で演奏するダンスの為の音楽が今日JAZZとして世界中に知られているものだという事になります。奴隷としてヨーロッパに送られたアフリカの歴史の不幸が無ければ今日のJAZZの世界的な普及は無かったとも言えるわけです。日本も明治維新にヨーロッパと出遭っていますが、世界中に広まった音楽はありません。アフリカで生まれて、不本意にヨーロッパに渡ったものだけが後にこれ程まで世界に広まる訳ですから 歴史の皮肉と、言わざるを得ません。というわけで、今回も一緒に勉強していきましょう♪△▼ △▼ △▼Marcus Miller - Come Together (1995)マーカス・ミラー - カム・トゥゲザーWritten by Lennon/McCartney収録アルバム『ザ・キング・イズ・ゴーン』Marcus Miller (Wikipedia)アメリカのベース奏者でプロデューサー、作曲家、編曲家。いきなりロン・カーター、ポール・チェンバースと行かなくても『ジャズのベースと言えばマーカス・ミラーかなあ』と言えば少しはジャズ・フュージョンをカジッた様な『フリ』を出来ます。ジャズ・フュージョン界で活躍するミュージシャンで「ンッ ベキ!」というベース音のファンク・ミュージックの代名詞であるサムピング奏法を駆使し、独特の重量感あるサウンドで唄うようにリズムを奏でる、世界中のベーシストに影響を与えたミュージシャンである。又 独自の世界観を持ち、作曲編曲をこなしマイルス・デイビスの様なアーティストの作品をプロデュースする。凄い人なのである。10代の頃からプロとして活躍し、渡辺香津美の『トチカ』などに参加。 マイルスバンドのベーシストだった時は初対面で『お前凄いらしいが蚊トンボみたいだな』と言われたのは有名な話。本曲はビートルズの名曲を、ベースがメロディーを取る通常あまり耳にしない演奏をお聴き頂きたい。バンドでは裏方のイメージがあるベースだが、場合によってはこの様に演奏の主役となりメロディー楽器として活躍する事もジャズでは珍しくない。△▼ △▼ △▼Wes Montgomery - California Dreaming (1966)ウエス・モンゴメリー - 夢のカリフォルニアWritten by Mamas&Papas収録アルバム『夢のカリフォルニア』Wes Montgomery (Wikipedia)50年~60年代に活躍したアメリカのジャズ・ギタリスト。それまでは伴奏の用途としてバンドで使用されていたギターをリード楽器として世界的に認知させ、一世を風靡した人物。本曲は、80年代に何度もカバーされたママス&パパスの名曲『夢のカルフォルニア』を演奏したものである。モンゴメリーも元々スタンダードな人だったのだが、ポップスを演奏する様になった理由が自発的なものではなく、金回りの良い敏腕プロデューサーに誘われるまま始めたという点が他のミュージシャンと大きく異なる。40代半ばで謎の心臓発作で亡くなっている点でも、後期の広く名前を知られる事になる音楽性を本人が本当に望んでやっていた事なのかどうか、一抹の疑問を残す。特徴のある演奏スタイルはそれまで伴奏で使われたオクターブ離れた音を同時に弾くオクターブ奏法をメロディを奏でるのに使用し、親指をピック代わりに弦を鳴らす独特の演奏が相まってその後ジャズ・ギターの代名詞となるウォームなサウンドを引き出した。元々通常のフィンガー・ピッキングを使用していたモンゴメリーはギターの練習が近所迷惑にならないように親指で軟らかく弾いている内その弾き方しか出来なくなったという。ここにも歴史の皮肉が・・・△▼ △▼ △▼STING - Little Wing (1987)スティング - リトル・ウィングWritten by Jimi Hendrix収録アルバム『ナッシング・ライク・ザ・サン』STING (Wikipedia)何だスティングじゃん、と思った方は演奏者に注目していただきたい。何と、かのギル・エヴァンス・オーケストラである。ギル・エヴァンスは天才ジャズ編曲家で、ひな壇に座った管楽器のミュージシャンをピアノを弾きながら指揮するいわゆる『弾き振り』をし、最もオーソドックスなスタイルで演奏するジャズ・楽団を率いたジャズ界の巨匠である。原曲はロックスター、ジミ・ヘンドリックスによるバラードでギターは亡きハイラム・ブロックによるキャリア中最高のテイクが堪能出来る。ギルは生前ヘンドリックス作品を良く取り上げていた。一方、先程のマイルスと組み何枚もの名作を録音する凄い人でありながら多数の楽団員を率いる慢性的な財政難を抱えていた苦労の多い人物であった。それというのもジャズの編曲家というのは、作曲、演奏に比べて作品の印税が著しく低い職業であった為である。そこで月曜日の夜になるとギルと馴染みのミュージシャンが集まりギルと演奏をし財政支援をしていたと言う所からギル・エヴァンス&マンデイ・ナイト・オーケストラという名前が付いた。こんな有名なエピソードが<ギル・エヴァンス、スペース、マンデイ・ナイト、スペース、由来、>クリック検索で全くヒットしないのはなぜだ?△▼ △▼ △▼Keiko Lee - Stand by me (2005)ケイコ・リー - スタンド・バイ・ミーWritten by Ben E King収録アルバム『ヴォイセズ・アゲイン』(Wikipedia)『ディープボイス』の称号を持つ日本のジャズ歌手。ピアニストでハスキーな声と言う事で、何かと綾戸智絵と比較されることも多いピアニストとしてプロデビューし、後に歌手に転向。共演したミュージシャンからは『楽器と張り合える声』と絶賛された。本人は子供の頃この声がコンプレックスだったと言うが、夏の炎天下での野外ライブでは、歌い出しの第一声でその場の雰囲気が『昼間が夜になる』程のエモーショナルな声質を誇る人物である。本曲はNTT西日本の イチローが出演したCMで使用されたベン・E・キングの名曲である。△▼ △▼ △▼と言った所で文字数の制限に達しましたので、本日の講義は終了です。本日の成果として、取りあえず女性ボーカルの声が低ければ『ディープ・ボイス』と言ってみましょう。これが 『ジャズをカジッタ』 と いうことです。ではごきげんよう☆本人は子供の頃この声がコンプレックスだったと言うが、夏の炎天下での野外ライブでは、歌い出しの第一声でその場の雰囲気が『昼間が夜になる』程のエモーショナルな声質を誇る人物である。本曲はNTT西日本の イチローが出演したCMで使用されたベン・E・キングの名曲である。△▼ △▼ △▼と言った所で文字数の制限に達しましたので、本日の講義は終了です。本日の成果として、取りあえず女性ボーカルの声が低ければ『ディープ・ボイス』と言ってみましょう。これが 『ジャズをカジッタ』 と いうことです。ではごきげんよう☆
2012年04月08日
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Miles Davis (Wikipedia)やさしいJAZZ入門 第1回 めざせ Blue Note 東京もうJAZZなんて怖くない!!『POPなJAZZ』JAZZ と言えば、普段外食を ガストと サイゼリアと スシローで 済ましている方が滅多に行かない京都観光で、嵐山会席料理店の敷居の様なお高いイメージを持っているかアタマを ピアノ位 ポマードでテカテカ に光らせたオッサンがカメラ目線で 元のメロディが分らなくなる位 やたらピアノを弾きまくるか 眼光の鋭い オヤジが 『ファ○ク・ユー』 とか 『クール』 とか言いながらラッパを時々 吹いたり 吹かなかったり して ステージ狭しと徘徊する様な 印象しか無いかもしれません今回は、そんな近寄り難い印象の JAZZ を より身近に感じる様な比較的聴きやすいポップな曲を 御用意しましたのでご鑑賞下さいそれでは皆さん一緒に勉強していきましょう♪△▼△▼ △▼Miles Davis - Time After Time (1984)マイルス・デイビス - タイム・アフター・タイムWritten by Lauper/Hyman収録アルバム『ユア・アンダー・アレスト』Miles Davis (Wikipedia)『帝王』の称号を持つジャズ界の巨匠。アメリカのトランペット奏者マイルス・デイビスの名前は聞いた事があるでしょう。もしジャズ=強面のイメージがあるなら全部この人のせいです知らない人の為に、何をやってきた人かザックリ言ってしまいますと聴くだけのジャズから踊るための音楽にしようと演奏スタイルをどんどん変えて行った人です関係者は音楽性の観点でマイルスを語りがちになり、しばしば本質を見失う発言をしますが本当は若者好き、オンナ好き、クスリ好き (???) の、只のぶっ飛んだオヤジなのです只、あまりにも天才過ぎて若者が踊る為の音楽と謳って作品を作ってみても 大きく逸脱したものとなりしばしば 新たなジャズの可能性を導き出す傑作を生み出し 物議を呼び不本意ながらジャズ界の活性化に 大いに貢献してしまうヒトなのです何だかピカソの話でもしているみたいですが代表作を上げても 『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』 『ビッチズ・ブリュ』 などジャズ・ファン納得の 名盤ばかりですがポップスに傾倒していた マイルスは、マイケル・ジャクソン や プリンス を リスペクトし誰でも口ずさめるメロディーを使用した 比較的誰でも聴きやすい本作の様な作品も幾つか発表し日本では馴染みの深い シンディー・ローパー の 本曲も収録されておりますジャズの権威を頑なに守る関係者達は下世話な作品だと散々コケ下ろしましたが本作発表後以降のライブでは必ず演奏する程の人気曲となりました△▼△▼ △▼Herbie Hancock - Rock it (1983)ハービー・ハンコック - ロック・イットWritten by Hancock収録アルバム『ゼン&ナウ~ライフタイム・ベスト』Herbie Hancock (Wikipedia)ジャズ界をリードする、アメリカのジャズピアニスト。これはこれで何でこうなった?という感じですが少なくとも JAZZ のお高い印象は吹っ飛んだでしょうマイルスの目指した方向性とは別の アタマのネジが外れたかの様な ぶっ飛びブリですこの人物も演奏スタイルを次々と変え 様々な作品を発表して来たミュージシャンですがマイルスが スタイルを変えていった動機が 若い娘にモテる為(???) だった事に対しハンコックの動機は 極めてストイックな 探究心 からでしただからと言って即、音楽性の崇高性がコチラが上 という話でも無いのがジャズの深い所でスタイルを変えても自分の世界を持つマイルスは マイルスのままだった事に対し特に自分の世界を持たず 音楽に対して器用だったハンコックはスタイルを変化させる事で 逆にハンコックらしさを追求して行ったと言えます本作の前にも 1973年に 『ヘッド・ハンターズ』 というソウル・ファンクなフュージョン・サウンドの問題作を発表し 物議を醸しやれ失墜した、やれ破廉恥でケシカラン、やれJAZZ界追放だと周辺は過剰な反応を示したと言いますが結局ビルボードのJAZZチャートで一位を取る大ヒット作となりましたともあれ本人は真面目に音楽をやっているだけでも権威 とは時に「挑戦」を「破壊行為」と 混同するものらしいです△▼△▼△▼Pat Metheny Group - Travels (1982)パット・メセニー - トラベルズWritten by Metheny/Mays収録アルバム『トラベルズ』Pat Metheny (Wikipedia)ジャズに留まらない幅広い音楽性で数多くのファンを持つ アメリカのギタリスト形を気にしないミュージシャンで、スニーカーに ジーンズに ボーダーシャツを 身に纏いガムテープと 手元にあった歯ブラシで補強された フルアコを メイン・ギターとし機能重視でデザインを一切無視した 多くの改造ギターを駆使し深く広がりのある サウンドを作り出します名手が揃った自身のバンドを従えて最新機材を駆使した まるで実験室の作業の様なスタジオ・ワークをこなしスケールの大きいオリジナル作品を 次々と発表する天才ギタリストです80年代の無個性と言われたギタリスト達の中で異彩を放ち◯◯と天才は紙一重と言う様にデザイン無視の改造ギターを抱えて演奏するメセニーは 稀代の変人かマッド・サイエンティストの様な面持ちでした本曲は、国から国へ演奏旅行がメインだった 当時のメセニー・グループらしいタイトルが付いたグラミー賞を受賞した 珠玉のライブ・アルバムに収録されたスロー・バラードで作曲者がアメリカ人とは思えない 日本的な旋律で出来ており素朴で 郷愁を誘う曲に 仕上がっています自分の生活を 犠牲にしてまで 音楽に打ち込み演奏旅行先の国の 音楽を 貪欲に吸収して来たメセニーの故郷を遠く離れた郷愁の念が この様な曲を作らせたのかもしれません△▼△▼△▼Erroll Garner - Misty (1954)エロール・ガーナー - ミスティWritten by Garner/Burke収録アルバム『ザ・ベスト・オブ・エロール・ガーナー』Erroll Garner (Wikipedia)アメリカのジャズ・ピアニスト何処かで聴いた事のある有名なメロディは、演奏するガーナー本人の作曲です一般の方にとっては、このやたらと弾きまくる いかにもジャズらしい落ち着きの無い演奏が肌に合わない拒否反応を示す典型だと思うので 少々援護射撃をしますとガーナーは子供の頃からピアノを弾いていたにも関わらず 楽譜は一切読めず代わりに天才的な音感記憶で 独学でクラシックを習得し独自の音楽的才能を開花させた 型破りなミュージシャンでした楽譜は読めなくても音楽を耳で覚えてその場で弾く能力が優れていた為特に必要と思わなかったらしくその辺りは圧倒的な唯一無二の作品を生み出し 興味の無い事は徹底的にやらなかった映画界の鬼才 スタンリー・キューブリック監督 みたいな印象があります誰にも似ていない独特の自由奔放な奏法と利き腕の左手でピアノの低音部に強力なビートを作り出し独特のスウィング感をもたらす「ビハインド・ザ・ビート」と呼ばれる左手で フライパンに塩をサッ と入れる様な手つきのジャズマニアのピアノ弾きが結構良く演る 人気のある奏法が有名なプレイヤーでもありますしかし、その独特さと 扱う曲がポップ過ぎる事から ジャズ関係者からの評価は低くどちらかと言うとガーナーのアカデミックでは無い音楽的な背景と まるで少年の様な人柄が権威あるジャズ関係者からにして見れば 人徳に足り得ない と捉えられていたのが本当の所なのではと 思うのでした△▼△▼ △▼と言った所で本日の講義は終了です。コレでもう「Blue Note 東京」も怖くないですよね・・・それは別問題ですよねwという訳で、ではごきげんよう☆
2012年04月06日
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