「夢の中へ」 第一章


  第一章
 私は夢を見ていた。
すべてが不思議であった幼い日々。
夢と冒険と、発見の少年時代。
競争、挑戦、そして、挫折の青年時代。
自分を信じ、能力の限り戦い、空しく敗れはしたが、人並みに生きることを知った壮年時代。
やがて、人生の本当の意味は、ただ生きること・・・それがすべてであることを知った、中年時代・・・。
走馬灯のように、繰り返し流れる映像を見て、私は、ふと思った。
(俺は・・・死んでしまったんだな・・・)
今際の際に、人はその人生のすべてを、瞬時に思い出すと言う・・・。
生まれることも、死ぬことも、人は自分の意志では選べない。
もちろん、生きている間の、運命さえもである。
そんな、当たり前のことを学んだだけで、突然迎えた「死」であった。
まだ、少し早い気もしたが、私は、素直に「それ」を受け入れた。
納得の出来る人生ではなかった。
しかし、不幸の数より、幸せの数のほうが、いくらか多いような気がした。
やり残した事、悔いの残る事、数え上げればきりはないが、未練が残るほど、価値のある人生だったとも思えなかった。
ただ・・・もし・・・許されるなら・・・ゲームのようにリセットして・・・最初から、やり直してみたい・・・そんなことを、ふと思った。
その瞬間。
私の全身に、息も詰まるような激痛が走った。

体の何処から発する痛みであるのか、それも定かではなく、薄れる意識と戦いながら、私は、辛うじて目を開いた。
やがて、痛みに慣れたのか、それとも、麻痺してしまったのか、その痛みは断続的になり、その僅かな隙間で、私は、小さく息を吸い込んだ。
(生きている・・・!)

そして、再び意識を失った。

次に目覚めた時には、意識もしっかりしていた。
白い天井の、私の頭より、少し下、腹のあたりの位置に、丸いくぼみがあり、淡いオレンジ色の電燈が点っている。
それを囲むように、U字型のカーテンレールが埋め込まれている。
それと平行に、直線部分だけのレールもあり、そこには左右とも、S字型のフックが並んでいる。
右側のそのひとつには、ハンガー状の器具がぶら下がり、両腕に、透明なビニール袋をぶら下げていた。
それぞれの袋から、細い管が伸びている。
それが、私の

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