【螺旋航路】



『小さき願い』

寒い寒い 透き通った夜空
静かで長い 冬の夜には

小さく刻んだ キノコの入った
温かいスープが飲みたくて

おひさまのぬくもりを たくさん浴びた
大きな毛布にくるまりたくて

冷たい冷たい 風の吹く街
暗くて長い 冬の夜には

読みかけの本を手に コーヒーを飲みながら
ただ風の音を忘れたくて

愛のこもった あなたの掌を
そっと頬にかざしてみたくて

寒くて冷たい 冬の夜には
静かで暗い 冬の夜には

少しでもいい 小さくてもいい
ただ温もりが欲しくて。。。

静かで暗い冬の夜には
ふとこんなことを思うのです

(2001.12.16)


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『鎮魂と生命への賛歌』


この世に生きる
全ての生命(いのち)へ

生から死へむかう その道が
たとえ 辛苦であろうとも

踏み外すことなく
歩むのだ!

全てに訪れる 死に向かって
力強く 歩むのだ!

苦渋に満ちた現実の中
希望という名のもとに生きるのだ!

この世から去った
全ての生命(いのち)へ

人知を超えた先の世で
たとえ何があろうとも

惑うことなく
安らげよ

永遠(とわ)の安堵に包まれて
傷付いた羽を癒されよ

案ずることはなにもない
希望は我らが引き継いだから。。。

(2002.1.1)


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『幻想乱舞』


追い求めても 届かない

掴むことなき幻よ

病みて朽ちても掴めずに

儚く散りゆく この身を思う

神聖ゆえに尖り立ち

罪深くもある そのこころ

形無きゆえ 露も崩れず

ただ空を切る掌が

明日の自分を 求め行く

掴むことの出来るのは

夢か希望か また幻か。。。

(2002.1.4)


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『明日への糧』

春が過ぎ 夏が過ぎ
秋が過ぎ 冬が過ぎ

僕の元には また明日が来る

楽しくもあり 苦しくもある
明日がまた来る

永遠へと続く道は
過去を引きずって歩くしかなく

未来への階段は
希望を抱いて上るしかなく

来るべき明日への糧として
僕は今日の小さな喜びを
この胸にしまい込み
また明日へ向かうのだ

春が過ぎ 夏が過ぎ
秋が過ぎ 冬が過ぎ

僕の元には また明日が来る


(2002.1.4)


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『さがしモノ』


僕は探している
ズット探している

世の中に失くしモノは多くあり
世の中にまた不思議は多くあり

僕はズット探しつづける
今もズット探しつづける

失いしモノを
その不思議の答えを

たった一つでも見つかったかい?

答えは否

そんなものは初めからありはしない
頭蓋骨の奥の方 フワフワ浮かぶ喪失感

僕の記憶がコツコツと音をたて
探せ探せと騒ぐんだ

探しモノは見つかったかい

答えは是

それは全て揃ってた
頭蓋骨の奥の方 自分の中にあったんだ。。。

全ては無であり そして 全ては有であり

ほっと息をついて
僕はもう探すのをやめたのです

(2002.01.12)


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『現実の中へ』

翼がない 翼がない
飛ぶことのできぬ僕は
また 闇の中でそっと
明日へ続く 光をたぐりよせ
それを抱きて 深い眠りに
大空へはばたく 夢の中へ

翼がない 翼がない
覚めた眠りを求め続け
また 夢の中でずっと
まとわりつく 闇を振り払い
日々を生きて ただ未来に
現実へ戻る 扉の前へ

生きている
ただ そこにいる

それだけで はばたける
翼などなくとも 目指す場所へ

その事に気がついたのは
あなたと出会った頃からだろうか

伝えたい 伝えたい
もうここにはいないのに

浮かんでは消え行く この気持ちを
心の奥に しまい込み
立ち止まったこの場所から
また前へ

ただひたすらに 前へ空へと

(2002.01.27)


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『等身大の幸せ』

幸せと思える 大切な瞬間

本当の幸せって 見過ごしそうなほど
ちっぽけなものなのかも

感じることは いつも違うけど
君の幸せは きっと僕も感じられる

根拠のない 自信は 
どこからわいてくるんだろう

きっとそれも 幸せの一部なんだ

緑や青の春風を受けて 
幸せが今目の前に

立ち止まった 僕の横に
太陽の祝福を受け 君が寄り添う

天使の羽に 包まれながら
このうえなく微笑んで

空を行く 鳥たちは
何を思っているのだろう

ただ あるがままに受け入れて
今ある幸せを かみしめる

それだけでいい

たった一つの生命として
等身大の幸せで 

(2002.2.8)


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『  前へ  』

過去の中に 
あなたの記憶を見つけた

繋がる術は もうないはずなのに
もしかしたら。。。

一瞬気持ちがこわばった
次の瞬間――― 

そんなわけないよ。。。
現実に戻る安堵の中

和らいだ気持ちで 
前を見る

お日様の光がまぶしい

手のひらをかざして

僕はまた 前をめざす


(2002.02.13)


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『中心の外側』

大都会の中心
流行の真っ只中
中心的存在
世界の中心地

世の中の大半は
中心を目指す

あたかもそこが
全てであるかのように

集約された全ては 
まるで全能であるかのように

では 外側は何なのだ

無能の集団?
空虚な世界?
不必要な部品?

はたしてそうだろうか
否 そうではない

知らないことはないだろう?

ポッカリと 穴の開いた
ドーナツの味を

(2002.02.25)


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『求めたもの』

幾度も幾度も立ち止まり
引き返しては また進む

この世に生まれて来たものの
その理由もわからずに

求めるものがなんなのか
その答えが 知りたくて

その眼で 心で探し出す
なのにつゆも 見つからず

探し疲れた その時に
ふと振り返り 見たものは

涙で霞んで見えるのは

過去から未来(あす)への
一筋の人生航路

ああ 輝いている! 

求めたものは これだったのだ

(2002.03.07)





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