平穏な日々。~ドラマCDに明け暮れて~

平穏な日々。~ドラマCDに明け暮れて~

永遠の誓約3~後編~


18歳未満の方は、ご遠慮いただきますようよろしくお願い致します。
また、BLで、そういったお話が苦手という方も、ご覧にならないようよろしくお願い致します。
たいして、ハードな話ではないとは、思いますが…
私は大丈夫!!!と言う方のみ、お読み下さいませ。





。;’* + ☆,°・ ‥. 永遠の誓約3~後編~ 。;’* + ☆,°・ ‥.




シンが家に帰り着くと、窓辺で壁にもたれ掛かって寝ているユダを見つけた。
(お忙しいのにわたしのせいで……ユダ様……)
風邪をひくと思い、ユダでも羽織れる大き目の布をかけようと近づいた。その時、握ったユダの指の間から、光る物が見えた。月夜に眺めていた、あの指輪――
(やはりユダ様は、想う人のところに行きたいんだ……それなのに、わたしがこんな状態だから、行くに行けないんですね……)
動揺のあまり、シンは側にあった机の角に腕が当てて物音を立ててしまった為、ユダが目を覚ました。
「シン。いつ戻ったんだ? すまない。気がつかなかった」
「いえ、今帰りました。ユダ様、お疲れではないのですか? このようなところで……」
「いや。風が気持ちよくて、つい眠ってしまっただけだよ。シン。今日は、ゴウ達に会っていたんだな。泉のほとりへ俺も行ったんだが……」
少し寂しそうにユダは笑い
「お前達が、あまりに楽しそうなんで、声をかけるのはやめたんだ」
(どうして、ユダ様は寂しそうな顔をしているの?)
疑問を感じたが、シンは口には出来なかった。
「ゴウとガイには偶然会ったのです。レイに、わたしがよく行く泉があるから行ってみないかと言われて……ガイはあの頃から変わりないですね。ゴウがかなり大きくなっていたので、驚きました……」
シンが一生懸命語ってくれるのを、優しく見つめながら聞いていた。
「今日、泉を覗きこんで、自分の姿にも驚きました。今のわたしはこのような姿をしてるのですね……いつから、髪をまとめるようになったのでしょう」
「それは……俺がお前に、作ったのだよ。髪を下ろしているお前も綺麗だが、束ねた方がより似合うと思ったのでな」
シンとの出会い、そして……いろいろな事を思いだしながら、ユダはシンに言った。
そのせいか、シンは、自分を通り越して誰かを見ているような錯覚さえ覚えたのである。
(あなたはいま、どなたを見ていらっしゃるのですか?)
ユダの瞳の穏やかさに、またシンの胸がちくりと痛む。
「あぁ、そうだ。シン。おなかがすいただろう?」
ユダは、色々なものをシンの為に作っていた。
「この夕餉、ユダ様が作ってくださったんですか!? 本当に? すごいです……」
目の前に並ぶ料理の数々に、シンが感嘆の声をあげる。
あまりに嬉しそうに料理をみるシンを見て、
(やはり、精神(心)はまだ幼いのだな)
と実感した。
二人で夕餉を終え、寛いでいた時にユダが話を切り出した。
「シン。一つ聞きたいことがあるんだが……お前が、もし、俺と一緒にいると安らぐ事が出来ないのであれば、やはり、レイにここに来て貰うが……」
「いえ、そんな事……わたしより、ユダ様にご迷惑がかかってるのではないですか? ……そうですね、レイにお願いした方がいいかもしれません」
(ユダ様の傍にいるのはとても安心する……でも、ユダ様は、やっぱり……)
ユダは、シンの言葉を聞いて、とても寂しそうに、そして辛そうに呟いた。
「俺は……俺は、このままシンの側にいたいのだがな」
「……本当に? 本当にわたしの傍にいたいと思って下さっているのですか? ユダ様は……」
「当たり前だ。何故、そのような事を聞くんだ? シン」
「ユダ様は責任感の強い方だとレイに聞きました。わたしも、数日ユダ様と過ごしてそう感じました。だから……」
「今のお前を一人にしておくのは不安だ。出来るなら、俺が側にいてやりたいと心から願っているぞ?」
(心から、お前の側にいたい。いつでも、お前を独占していたい……俺だけを見て俺だけを感じて……今のシンには、言ってはいけないことだが。憧れの目で見てはいてくれても、それは……恋や愛からではないのだからな)
ふと寂しそうに微笑むユダ。
「シンが、レイの側の方が良いというなら、無理強いは出来ないが……」
「わたしは……ユダ様のご迷惑にならないなら、このまま傍にいて欲しいです……けど、ユダ様には他に想う方がいらっしゃるんでしょ?」
「なんのことだ?」
(シン以外にはいないが……何かをみて、また、誤解しているのか? シン)
「指輪をみてしまいました……なので、ユダ様がその方の元に行きたいとおっしゃるなら、わたしには止めることはできません……」
ユダは、先ほどとは違う笑みをふっと浮かべた。
(シンは……いつもきちんと俺を見てくれていたんだな)
「シン、それは、どういう意味に俺は取ったらいいのだろう?」
少し意地悪げに聞いた。
「言葉どおりの意味です……」
今にも泣き出しそうな顔でシンは俯いた。
ユダは、シンの頭をそっとなでながら、シンに語りかけた。
「シン。その引き出しを開けてみてくれないか?」
引き出しには一つの指輪が入っていた。
(これって……!?)
シンは驚きの表情を浮かべたまま、ユダの顔を見つめた。
「俺は、本当に、俺の対となる指輪の持ち主の所へ行ってもよいのだろうか?」
「わたし……なのですか? ユダ様の指輪の相手というのは……本当に?」
引き出しの中から指輪を取り出し、シンはぎゅっと抱きしめるように胸元で握り締めた。
「それは、シン、お前が俺の為に作ってくれたものだ。まぁ……色々とあったがな……」
あの時の事をユダは思い出し、苦笑した。
「シン。お前が嫌じゃなかったら、今、抱きしめてもいいだろうか?」
「……はい……」
ユダはシンをそっと抱きしめた。
腕の中のシンは、緊張の為か少し震えている。
「シン。今日は何もしないから安心しろ」
そっとユダはシンの耳元で囁いた。
――今のシンには、過激すぎたのだろう。カクンと足が折れ曲がり力が抜けたのである。
ユダは、予測してかしないでか……きちんとシンを受け止めていた。
「やはり、早急すぎたな。すまない。シン」
少し申し訳ない声でユダは謝った。
「いいえ、嬉しいのです、ユダ様。ちょっとびっくりしただけ……」
恥ずかしさの為か、小さな声でシンが答える。
あまりに可愛いシンを見て、ユダは、そっと口づけをしてしまった。
(何もしないって言った矢先に俺は……)
反省しつつ、そっとシンを自分の腕の中から離し、
「すまない。あまりに可愛いお前を見ているとつい……」
顔を真っ赤にして、シンはぶんぶんと頭を振った。恥ずかしすぎて、言葉にはならないらしい。
ユダは、このままシンを押し倒してしまいそうになる自分を抑えるので精一杯だった。
「本当は、このままお前自身を俺のものにしたいが、今のシンでは、無理だしな。今日は、もう寝たほうがいい。シン」
身を離しかけたユダに、あろう事かシンは引き止めるように腕を掴んだ。
「やっと想いが通じたのに、このまま離れるのはいやです。ユダ様……初めて見た瞬間からあなたが気になって、傍にいると嬉しかった……ルカ様と一緒にいる時のユダ様の寛いだ顔を見て、ユダ様の想う方はルカ様なのかと思いました。でも……ユダ様は……わたしを……」
シンの瞳から、涙が次々と溢れてくる。
(ルカと誤解をされていたのか……)
かなり複雑な心境のユダであった。
しかし、そんなことは、もうどうでも良くなっていた。
「ユダ様は、青年期のわたしじゃないとだめですか?わたしは……ユダ様が好きです……」
「シンはシンだ。たとえ姿が変わろうとも、何があってもお前が好きだ。ただ……お前は、憧れとそういった感情を勘違いしていないか、それが心配なだけだよ。シン。嫌だったら、言ってくれ。シン……」
もう一度、そっとシンに口付け、ベッドに横たわらせた。
横になったシンは、恥かしさのあまり身を震えていた。
やはり、震えているシンを見ると、このままシンを抱いてしまっていいものか……とユダは躊躇するのであった。
「そう言ってわたしを気づかってくださるけど、ユダ様は青年期のわたししか見てないのですね……。今のわたしを通して、成長したわたしを見ていらしたのでしょう? たまに辛そうにわたしを通して、誰かを見ているユダ様を感じました……あれは、青年期のわたしなのですね……」
一度止まった涙がまた溢れてくる。
ユダは、そっとシンの流れた涙を唇で拭った。
「シン……それは違う。俺とお前が出会ったのは、青年期になってからだ。それまでのお前はまったく知らない……だが、今目の前にいる。青年期のお前も、今のお前もこんなにもいとおしい。お前のことを大切に想うから……だから、不安にもなる。もし、お前自身が、勘違いしているだけなら――」
「今のわたしがユダ様を好きなんですっ!! 青年期のわたしじゃない!!!」
青年期のシンにはありえないくらい、まっすぐに気持ちをぶつけるシン。
それに対してユダは――
「今のお前は、こういった行為は、とても耐えれないくらい恥かしい行為だと……そう思うから。だが……それがお前を傷つけてしまったようだ……」
ユダは、シンの気持ちを汲み取ってやれなかった事を悔いながら答えた。
「恥ずかしいけれど、それよりもユダ様に愛して欲しい……」
「俺も、今のシンを抱きたいと、そう思う」
そっと、シンの唇をついばむように口づけた。
そして、徐々に、激しいキスに移り変わっていった。
「んっあっ」
シンは、呼吸が上手く出来ず、少し苦しそうにしていた。
「シン……このまま進んでしまうと……多分……止められないが……本当に良いのか……?」
シンは無言でコクコクと頷いた。
ユダは首筋からシンの胸へと唇を這わせていった。
「うっ……くぅ……」
「シン。我慢せず、声を出せ。お前が辛くなるだけだから」
そう言って、シンが少しでも、楽になるよう額に、まぶたに、頬に、唇に……ユダは口づけた。
いつも以上にシンを気遣い、ユダは優しく全身に愛撫を降らせてゆく。ゆっくりと、今のシンのペースに合わせるように。
健気に全てを任せるシンの両手に、己の手を絡めて強く握り返す。
「ユダ様……好き……好きだから……」
苦しげに睦言を繰り返すシンに、ユダはいとおしさが溢れてくる。
二人が絶頂を極めた瞬間、シンが耐え切れぬように気を失った。
気を失う寸前に、わたしを忘れないで……と微かにシンの囁く声が聞こえた。
ユダは、シンの全てを包み込むように、抱きしめて眠りについた。

「あれ? ここは? 私は?」
朝、目が覚めたシンは、自分の寝台に横になるユダと自分の姿を見て混乱していた。
(あの時、ユダと口論になり別れて……それからどうしたのでしょう?)
「ん……シン。起きたのか。おはよう」
朝の挨拶とばかりに、そっと口付けをした。
「まだ、レイが来るまでに時間があるな。シン。朝食でも――」
(昨日のシンとは違うような……?)
「あの、ユダ……。これはどういうことでしょう? 説明、して頂けますか?」
にっこりと微笑むシンだが、眼が笑ってない。
シンに、一通りの説明を事細かにユダはしたのであった。
「……という事だ。お前は、俺が、無理やりにこういったことをすると思ったんだな。俺がそういうやつだと思われていたのだな……お前が記憶が戻ったのなら、俺がここにいる必要もないだろう」
深いため息をついて、ユダは寝台から出て行こうとした。
「ユダ……あの……違うのです。その、驚いて……」
シンは焦ってユダを引きとめた。
ユダはくすくす笑いながら。
「分かっている。誰でも、いきなりあの状況であれば、そうだろう」
「……分かっていて仰ったのですか? 意地の悪い……」
「お前には訳の分からぬことかも知れぬが……おかえり……シン……俺の元に戻ってくれてありがとう……」
シンを力強く抱きしめるユダであった。少ししてからユダはくすくす笑い出した。
「しかし、俺は今後お前を簡単には抱けないな……お前を怒らせてしまいそうだ。先ほどのお前はとても怖かったからな。だが……口付け位は許してもらいたいものだ。シン」
シンの額に自分の額をこつんと当て、少し意地悪そうにユダはシンに囁いたのであった。
「ですから、違うのです。いきなり記憶が飛んでる上にあの状況だったので……」
困ったように呟いて、シンはユダの胸を顔を埋めた。

ユダは、シンが戻ってきてくれたのがよほど嬉しかったのだろう。
ベッドの上に腰かけ、自分の膝の上にシンを座らせたのである。
まるで、大切なお姫様を抱きかかえるかのように――
「ユダっ、あのっ、恥ずかしいから降ろして下さい……」
「シン、本当に何も覚えていないのか?」
「……はい……何も……」
「幼い頃のシンも、とても可愛かったのだな」
昨日までの、少年期のシンの事をいとおしく、そして、懐かしく感じながらユダは少年期のシンを語った。
シンは静かに全てを聞き終わってから、俯いてユダから顔を逸らした。
「ユダはよほど幼い頃の私がお気に召したみたいですね。成長してしまった私は素直でもなく可愛くもなく、すみません」
少し怒った口調でシンが呟いた。
そんなシンを嬉しそうにユダはじっと見つめていた。
「少年期のシンも今のシンも、俺にとっては同じシンなんだ。そう拗ねないでくれ。シン」
「本当に意地が悪いですね、今日のユダは……」
ひざの上に座っているシンを見つめ、ユダは今までにない笑みをしていた。
「お前が、ここにいることがとても嬉しいからだよ」

結局、記憶が何故後退してしまったのか、まったく理由が分からなかった。
ルカやレイ達も、必死にいろいろと調べてはくれたのだが――
だが、シンが元通りになったので、ま、良いかという事となった。
結果よければ全て良し……なのである。

~後日談~
「でも、どうして精神だけ少年期に戻ってしまったんだろうな、不思議でならない」
泉のほとり。いつもように、二人は大木の下で寛いでいた。シンの手にはハープがある。
「それは、たぶん……」
ユダと口論になって別れた後、自分の行為をシンは悔やんだ。
どうしてあんなにもムキになってしまったのか。昔はもっと素直に言えたのに、と。それが引き金だったのかもしれない。
(それは、誰にも分からない事ですが……)
くすりと笑って、シンは続けた。
「いいえ、何でもありませんよ。それより、ユダ。次は何を弾きましょうか?」
「お前には何か心当たりがありそうだが? まぁいい。お前が戻ってきてくれただけで。そうだな。では、出会った頃によく弾いてくれていたあの曲を頼む」
「はい……」
穏やかな風と共に、シンのハープも軽やかな旋律を奏でていった。

おそらく、何事も真実は自分の中にあるのだろう。
何がきっかけでどういったことが起こるか……
それは、本人にしか分からない事……
いや……きっと誰にも分からないことなのだろう――




後書き
やっと、終わりましたっ。
い・・・いかがでしたでしょうか?
そんなハードなものでなく、うやむやっぽくしてみたのですが・・・
恥ずかしいものですね。そういうシーンを書くのは。
悶え苦しみました・・・あうぅぅ。

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