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平穏な日々。~ドラマCDに明け暮れて~
時空のいたずら(ユダxシン)
*.♪。★*・゜・*♪ 時空のいたずら *.♪。★*・゜・*♪
ユダとシンが相変わらず、泉のほとりで仲良く会話をしている時であった。
ふいに、何かが上から降ってきたのだ。それをユダの視界をかすめる。
「シン! 危ないっ!!!」
「えっ? 何ですか、ユダ?」
咄嗟にシンの身を庇うように、ユダは己の身体の下にシンの身体を抱き込み、地にふせた。
何かが、ユダに直撃した。
その時―――
「ぼんっ」
という爆発音が聞こえた。
辺り一面を煙が覆いつくし、煙の中では何がどうなっているのかが見えない状態である。
そこに―――
「ユダ!! シン!!! さっき女神さまのところからちょっと借りてきた小瓶なんだけど、手が滑ってそっちの方に飛んでったと……」
ガイが泉を見ると煙で包まれていた。
「げっ。なんだよこれ!!?」
「ガイ! さっき、女神の所から持っていった小瓶をすぐに返せ! あれの中身が万が一天使にかかると―――」
ゴウが追いかけてきた。が……
「はぁ……手遅れか? もしかして……」
「なぁなぁ、ゴウ。天使にかかるとどうなるんだ?」
こうなるのである――
「ユダ。大丈夫ですか?」
「ん……ここ……どこだ?」
「ユダ……?」
シンの目の前には、身体つきが一回り以上小さくなった、少年期の姿の……ユダがいた。
「僕は、ここで何をしているんだ? さっきまでルカと修練場にいたはずだが……」
目の前のシンに気付き、
「君は誰? 何故ここにいるんだ?」
と、不思議そうに見つめ質問した。
「えっと、私はシンと言います。何故ここにいるかというと、貴方とお会いしていたからで……って、ユダ。本当にユダなのですか? どうしてそのような姿になってしまったのですか……?」
シンがパニックになって、自分で何を言ってるかも解らないままに言葉をつむいでいる間、ユダはずっとシンを見つめていた。
「ここ、怪我している」
ユダは、地に伏せた時に草でかすったのであろうシンの頬の赤くなっている部分に口づけたのである。
「あ、そこも怪我をしているよ」
と、次はシンの手を取って傷口を消毒(口付け)したのである。
「あのっ、私のことは構いませんから、ユダっ、ちょっと……」
少年の姿のユダに触れられて、シンは完全に混乱していた。
「そうだ。ここはどこなんだ? 何故僕はここにいるのだろう」
自分の状況より、シンの怪我のほうが気になってたユダであった。
「手遅れだったか……」
ゴウが現れた。
「ガイ。お前が女神から奪ったそれはだな。中の液体が天使にかかると、一段階、成長を前段階にさかのぼらせてしまうというものなんだ。青年期だと少年期、少年期だと幼年期といった具合に」
「え~~~!!!??? そうなのか? オレ、知らなかった……」
「ったく。イタズラも大概にしろ! ガイ」
「ごめん……そんなつもりじゃ……」
ユダが少年期に戻ったのは、そういう事であった。
そこに、ルカとレイがやってきた。
「ゴウ、ガイ。お前達も来ていたのか。ユダはまだ来ていないのか?」
「ルカ……」
皆の沈黙が流れた。
「ルカ? どこにルカがいるんだ?」
少年天使のユダが一番に声を出した。
「!? 一体これは……? 何があったんだ?」
驚きと共に、ガイを睨むルカであった。
「なんで俺を睨むんだよ! ルカ!」
ガイがルカに怒ったが―――
「こういった事件は大抵お前が起しているんだが、今回は違うのか?」
「いや……そう……なんだけどさ……」
「ったく。状況を説明しろ」
静かに怒りながらルカはガイに言った。
ガイが説明をし終えた。
「……ルカって、君が? 何故そんな姿に。さっきまで僕と同じだったよな? ルカ」
「ユダ。今のお前は少年天使だが、さっきまではお前は青年天使だった。時を少し遡ってしまったんだ」
「遡る……。ガイさんが説明していたことは事実と言う事か。状況は分かったが……」
これからどうするべきかユダは考えていた。
「ひとまず、僕の家に戻る事にするよ。その後、元の自分に戻る方法を探してみる」
「ちょっと待て。その状態で、一人にはさせられないだろう。だが……私は明日から少しの間ここを離れないといけないし……」
そう言うと、ルカはシンを見つめた。
「え?」
ルカの瞳が言外に告げている事を察し、シンは小さく驚きの声を上げた。
「そうだよな! シンが一番ユダの事知ってるしな。シン、ユダのことは頼んだぜっ!」
ガイもシンにユダを託した。
少年姿のユダを一人には出来ないからと、ユダが元の姿に戻るまで、シンがユダの傍にいることになった。
「でも、今のユダには、私は見も知らぬ天使で……かえって気が休まらず、ユダに負担がかかってしまうのでは?」
シンが不安そうにルカに問いかける。
「いや。大丈夫だろう。……おそらく。私たちの中で、私以外だとシンが一番ユダの事詳しいしな」
結局シンは、ユダと共に、ユダのうちまで来てしまった。
「えっと、君はシン……さんって言うんだよね? 君は僕の何? 僕はどういう青年天使なの?」
色々聞きたいことがあるらしく、シンに質問攻めをしているユダであった。
「あの、ユダ……貴方にはずっとシンと呼ばれていましたので、これからもシンと呼んで下さい。敬称をつけられると、貴方ではないような気がして……。私は、貴方と親しくさせて頂いている者で……」
ユダの勢いに押されつつ、丁寧に説明をするシン。
「私は青年になってからのユダしか知らないのですが、ユダはいつも正しく前を見据え、周りの天使たちにも常に気を配り、動物や植物を愛し、全てにおいて他を凌ぐ、それはそれは素晴らしい天使です。神からの寵愛もめでたく、全ての天使から尊敬を受けています。己の正義に突き進んでいく貴方を、私もお慕いしております」
穏やかな瞳で語り、シンは微笑みを浮かべた。
「ユダ、気になる事はいろいろあると思いますが、ひとまず落ち着きましょう。質問には、全てお答えしますから。今、お茶でも入れます」
シンはユダを椅子に座らせ、お茶を入れるために背を向けようとして、ユダを振り返った。
「あ、台所、使わせて頂きます」
一言断りを入れ、ユダの元を離れた。
「…………」
ユダはシンについていった。
そして、台所立つのが慣れているシンを見て、
「シンは、よくここには来るのかな?」
と何気なく言った。
ユダの言葉に、一瞬目をみはったシンだが、自分の気を落ち着かせるように呟いた。
「はい、時折、夕餉に招いていただいています。ユダはとても料理が上手なんですよ。私は少し不器用なので、ユダにご馳走になってばかりで……。私はそのお礼に――」
そこまで話して、シンは不意に口をつぐんだ。
(今のユダに、私達の関係をどこまで説明したら良いのでしょうか……)
「僕も料理をするのは好きだ。青年天使になっても同じなんだな」
シンの行動、想いを見透かすようにじっとユダはシンを見つめていた。
「シンって……僕の恋人?」
「えっ?」
ユダの爆弾発言に、シンは目を見開いてユダを凝視した。その拍子に、持っていた熱湯入りの器を取り落としてしまう。
「……っ……」
落ちた器からお湯が跳ね、シンの指に少しだけかかってしまった。
シンはユダの言葉が気になって、指を火傷したことよりも、次は何と言われるのかと、そちらばかりに気を取られてしまう。その顔は真っ赤に染まっていた。
(どうして? 私はまだ何も、言ってないのに……)
「シン!!!」
ユダは叫んで、シンの手をとり、水で冷やさせた。
「火傷しているのに、何をぼ~っとしてるんだ? シン」
シンの顔を覗き込みながらユダは言った。
「すみません……」
「さっき……僕が言った事って、図星だったりする? そうだったら、いいなと思っただけだったんだけど……」
「いえっ、その……ですね……えっと……」
ますます真っ赤になって、口ごもるシン。
「シンって、隠し事の出来ない天使だね。とても、かわいい」
少し照れながら笑うユダであった。
少年期のユダに可愛いと言われ、喜んで良いのか落ち込んで良いのか解らない。
「もう、大丈夫かな……後は、僕がお茶をいれるから、座ってて。シンって……不器用そうだし」
こう言うところは、まだ幼いからだろうか。
結構シンが、傷つく言葉もすぱっというユダであった。
「はい……ありがとうございます……」
とりあえず落ち着こうと、ユダの好意に甘えることにした。
「シン。落ち着いた?」
そういって、シンにハーブティーを差し出した。
「ありがとうございます。頂きます」
ユダはシンの様子をとても嬉しそうにじっと眺めている。
穴があくから!とはまさにこの事とばかりに。
(ユダ……そんなに見られてると、別の意味で落ち着きませんから……)
ハーブティーに口をつけながらも、シンはユダが気になって仕方が無い。
「シンのこと色々教えて欲しいな」
「私の事? 聞いても楽しくないと思いますよ? 特にこれといった特徴など、ありませんし……」
「そう思ってるのはシンだけだと思うな。僕は色々知りたいよ?」
「そうですか?」
「何が好きなんだろう? とか。今何を考えているんだろう? とか」
少し考えて決心したようにユダは言った。
「青年天使の僕とはどういうお付き合いしたんだろう? とか」
丁度お茶を口に含んだ瞬間に言われたシンは――
思いっきりむせ返った。
「……っ……ごほっ……ユダっ……何……言って……」
苦しげに咳きこみながら、シンが切れ切れに言葉を発する。
「シン……」
苦笑しながら、シンの背中をさすってあげるユダであった。
「なにか、むせ返すような事でも、僕言った?」
「ユダ……解ってて言ってませんか……?」
「教えてはくれないの? シン」
少し寂しそうにユダはシンの顔を覗き込んだ。
「ですが……口で説明するのは、難しいのです……」
ん~と少しユダは考えた。
周りから見ると、どう聞いても、分かってて言ってそうな気もするが――
「口で説明するのが難しいなら、同じように行動でとかは……?」
「同じように……行動で……?」
今までのユダとのあれやこれやを思い出して、シンは首を横に振った。
「無理です……私には……無理……」
これまではずっとユダから求めてくれたから、シンは応えるだけで良かった。それが、自分から求めなければならないとしたら?
「……シンは、何も教えてくれないんだ……少しでも、青年天使の僕の事や、僕とシンのこと知りたかったんだけど……」
ユダはしゅんとしながら、椅子に座りなおした。
「違うんです、ユダ……そうではないのです……」
「シンには迷惑なだけなのかな? 僕と一緒にいるのは……ずっと困った顔している」
「そんなこと、ある訳無いじゃないですか……」
「無理してここにいる事はないよ? 僕は一人でも大丈夫だ。青年天使の僕はシンの恋人かもしれないけど、今の僕は違うし……」
少し俯いてユダはシンに言った。
「無理なんてしていません。それに、青年期のユダも、少年期のユダも、両方、ユダであることには変わりありません」
「………………」
ユダは、まだ俯いたままだった。
「その……ユダと私は……特別な関係にありましたから……なので、口で説明するのが、恥ずかしかっただけなのです……」
「シンは……さっき、僕も青年天使の僕も同じだっていったよね? だったら、同じ事できる? 無理でしょ……だって……僕は、シンのこと何も知らないもの……シンは何も言ってくれないし」
「ユダ……」
「もういいよ。僕が悪かったんだ。色々質問しすぎたんだ。ごめん。少しだけ頭冷やしてくる」
そう言って、ユダは一人で扉の方へ向かって歩いていった。
「待って下さい!!」
シンは去ろうとするユダの腕を掴んで止めた。
「……ユダに、そんな顔をさせたかったんじゃないんです……。私が、伝える言葉を間違ってしまったからいけないのですね」
シンは、そのままユダの腕を引き、寝所の方まで連れて行った。寝台にユダを腰掛けさせ、自分もその隣に座る。
「出会いから、お話すればいいですか? あれは、私が青年天使になってから、しばらく経っての事でした――」
泉での出会い。ユダからの誘い。ユダの家での逢瀬――
シンは、ゆっくりと今までの事をユダに語った。穏やかな笑みを浮かべながら。
話が終るまでじっとシンを見ていたが、シンが話終えた後のユダは、先ほどより余計に、しょぼんと肩を落としうなだれた。
「そう……」
「ユダ……?」
「やっぱり、外を散歩してくる……」
そう言って外に歩いて出て行ってしまうユダであった。
外に出たユダは、少し歩いた後、大木の下に座り込んだ。
どれくらい時間がたっただろう。
月夜を眺めながらぽそっと呟いた。
「なんだろう……僕の事を語ってるのに、すごく嫌な気分になるのは……なぜだ?」
誰に言うでもなく、自分に問い掛けるユダであった。
「シンは……僕を見てないからだな。ま、僕を見てというのも無茶な話だよな。ここでは、僕はいてはいけないのだろうか。早く、青年天使に戻らないとシンがかわいそうだよな……」
ユダがもの思いにふけっていると、遠くの方から小さなくしゃみが聞こえた。
「……? 誰かいるの?」
だいぶ離れた木の影から、シンが姿を現した。
「今のユダを一人にする事なんて、私には出来ませんから……」
「シン……」
「私はまた、言葉を間違えてしまいましたか? どうして、そんなに辛そうな顔をしているのですか? ユダ……」
黙って何も答えないユダ。
シンは静かに言葉を続けた。
「どう言ったら、信じて貰えるのでしょう、今の貴方に……私は、青年のユダへの想いと同じものを、いだいているというのに……」
ぱっと顔をあげ
「違うんだ。青年天使のユダを語るシンはとても幸せそうで。遠くに感じた。急に心が痛くなったんだよ。シン」
そう言って、シンにそっと抱きついた。
身長差があるので、以前のようにシンを包み込む事は出来なかったが……。
「ごめん……早く僕が戻ればシンも辛い思いしなくてすむのに。早く戻れるようにするから」
そう言ってシンを見上げた。
「いいえ、ユダが気にすることではないのですよ。私は、今のユダも大切です。無理に戻ろうとしなくてもいいんです」
シンはそう言って、ユダの頬にそっと唇を寄せた。軽く触れるだけの口付け。
ユダは、シンが唇を頬から離した時、もう一度、肩の服を引っ張り、自分へと引き寄せた。
シンの唇に、自分の唇をつけたのである。深い深い口付け。
シンは、驚きの為咄嗟に離れようとしたが、予想以上にユダの力は強かった。
ユダがシンを解放して、
「やっぱり、僕を子供あつかいしているよ。シン。一緒だって言っても……。シンは気付いてないかもしれないけど、僕を見てないよ……対等には……」
「そんなこと……」
シンは寂しげに呟いた。
「口付けしてごめん……このままだと、シンの体が冷えて風邪引いちゃうから、家に戻ろう。お茶入れなおすから」
そういって、無理に笑顔を作り、シンの手を握り家に戻った。
シンはユダに手をひかれたままユダのうちまで戻り、勧められる通りに椅子に腰を下ろした。
(どうしたら、ユダに伝わるのでしょう……想いが伝わらない事が、これほど辛いなんて……)
ユダが台所から戻ってきて、テーブルの上にハーブティを置いた。
「早く飲んで身体温めて。おなかはすいてない?」
「ありがとうございます……私は大丈夫ですが、ユダはどうですか? 召し上がって貰って構いませんよ?」
「僕は大丈夫だ」
「そうですか……」
「明日は、図書館へ行こうと思う。何か元に戻る手がかりがあるかもしれないし」
「はい、私もご一緒します。幸い、私は図書館には結構通っていますので、探すのに役立てるかもしれませんし」
「もう遅いし、帰りは送っていくから。それ飲んだら、シンは家に帰ったほうがいい」
何も無かったかのように、笑顔でユダはシンに言った。
(もう、我侭は言わないから。ごめんね。シン)
「大体の、状況は分かったし、なんとかなると思う。ずっとこのままのはずはないだろうし。もしかしたら、明日には戻ってるかもしれないから」
「いいえ、戻りません。ここにいます」
ユダの言葉を遮るように、シンが言った。いつもとは違い、少し強めの言い方だ。
「……それとも、私では、ユダのお役に立てませんか? こちらにいる意味はないのですか? もし……ユダのお役に立てないのであれば、ゴウかレイに頼んで、明日からこちらに来て貰います……」
最初の勢いは消え、だんだん声が小さくなっていく。最後の方は、ほとんどユダが聞き取れないほど微かなものだった。
「ちがっ。違うよ。シン……そうじゃないんだ……」
シンの傍に行って抱きつくユダ。
「ごめん。僕どうしたらいいか分からなくて。早く戻らなきゃって思うし。そうしないと皆に迷惑かけるだろうし。シンにも……」
「ですから、迷惑などと、思ってはいません。きっと、皆も同じ気持ちです。私は、ユダのお役に立ちたいだけ……」
「シンは、青年天使のユダが好きだったから、僕の事も好きって言ってくれてるんだろうし……」
「……違います……」
「僕は、一目惚れだった。青年天使の自分にもやきもち焼いちゃうくらいシンが好きだ。会って間もないのに……」
「ユダ……」
「それに、シンを困らせてばかりいる。気付いてるか? シン。僕と話する時、少し困ったような顔しているのを」
ユダは、誤解していた。
シンが照れている顔を困ってるように見えていたのである。
「困ってなどいないと、何度伝えれば解って頂けるのですか? ……ユダにこの想いを疑われる事ほど……辛いことはない……」
シンは悲しげに顔を歪ませ、俯いた。
ユダは、そっとシンの頬に口付けした。
「ごめん……疑ってるわけじゃないんだ。僕が自信がないんだよ。不安なんだ」
「どうして……」
「駄目だな……僕は……」
自己嫌悪に陥っているユダであった。
「私から行動を起こせば、想いは伝わりますか?」
ユダの頬を両手で包み込み、シンはユダの唇を奪った。積極的に舌を絡め、ユダのそれを貪った。シンにはそれが、精一杯だった。
「どうしたらユダに自信を持って貰えますか? 不安を取り除けますか? ユダが望むのなら、私は……」
ユダは心から驚いたようで、目を丸くしていた。
しばらくの間、何もしゃべれないくらいに。
シンには、その間が、ユダはやはりまだ信じてくれないのだろうかと不安になるくらいに。
すると――
「シン」
ユダはシンの名前だけ呼んで、そして、そっと抱きしめた。
「ありがと」
シンの耳元で囁くユダであった。
「今日はもう、遅いから――」
そう言った時、シンはユダにまた帰れといわれるのかと不安になった。
「違うよ。一緒に寝よ?」
とユダが言った瞬間、シンは瞬間湯沸し気のように顔が真っ赤になった。
「シン……何か想像した? 添い寝だけでいいから」
といって、ユダは笑った。
「ユダっ……酷いです……からかって……」
シンはふくれつつも、ユダと一緒に寝所に向かい、並んで横になった。
「シン……そういう顔しちゃ駄目だよ……せっかく我慢してたのに……」
そう言って、シンの上に乗っかり、そっと口付けをした。
「今はシンの方が、大きいのに、すごく可愛すぎだ」
「ユダ……そんなこと、ないです……」
「僕以外の人に、そういう顔しちゃだめだよ?」
そう言って、次は深く口付けるユダであった。
「……っ……ふぅ……」
「……シン……可愛い……」
「い……わない……で……」
ユダはシンの体中に口付けを落としていく。
「シン……好きだから、僕が……シンを……」
「解っています……ユダ……私も……」
ユダはシンとの甘美なそして淫らな一夜に酔いしれた――
疲れて眠ってしまったシンの髪を、ユダは優しくすき続ける。
「シン。ありがと。また明日……よい夢を……」
そっとシンの額に口付け、ユダは眠りについた。
次の朝――
ユダは元に戻っていた。
ユダの記憶は泉のほとり以降はない。
目覚めた時、隣から寝息が聞こえてきた。
ふと見ると、
「シン……なぜここに……?」
隣には、身に何も纏っていないシンが、穏やかな寝息を立てていた。
「あ、ユダ……おはようございます……」
少し眠そうに答えたシンが、ユダの姿を視界に入れた途端、がばっと身を起こした。
「ユダっ!! 元に戻ったのですね!? ……良かった……」
心底安堵しているシンの言葉の意味が、ユダには解らなかった。
「元に戻ったとは……一体どういうことなんだろうか? 泉のほとりに俺達はいたと思うのだが?」
「そのことなのですが……」
シンは事の顛末を、ユダに話した。
「そうか。そんな事が……ったくガイのやつは相変わらず……」
「本当に……けど、ユダが戻ってきて下さって、本当に良かった……」
いとしげな眼差しで、シンはユダを見つめる。
「シン? 少年天使の俺はお前に迷惑をかけてはいなかったか?」
少し複雑なユダである。
「あ……少年期の貴方は、少し……いえ、かなり……好奇心旺盛だったのですね。今はそんなことありませんが……」
「…………そうか……」
「質問責めにあいました」
苦笑気味にシンは答えた。
「質問責めか……ある程度想像はつくのだが。すまなかったな。シン。迷惑をかけた」
「いいえ。出会う前の貴方を垣間見れて、嬉しかったです。とても、可愛らしかったです」
「あと……これは聞くべきかどうか迷う所なんだが……」
少し言葉を濁すユダであった。
「はい、なんでしょう?」
「この状況と言う事は、昨日、俺と……」
「あっ……」
今の己の置かれている状況を再認識して、シンは微かに頬を赤らめた。
「……貴方が私を求めて下さっていると解っているのに、それを拒めると思いますか? ……どんな姿でも、ユダなのですから……」
ユダは苦笑しながら
「複雑だな。俺は俺でも、俺じゃないというか」
「ユダはユダじゃないですか……けど、本当に戻ってきて下さって良かったです。嬉しいです……」
瞳を潤ませながら微笑を浮かべるシン。
「シン。心配かけてすまなかったな。ありがとう」
そう言って、シンにそっと口付けるユダであった。
後日――
「だから~俺が悪かったって謝ってるだろ~~」
「謝ってすむ問題ではありませんよ。ガイ!」
ガイは皆にこってりと絞られていた――
一方、ユダとシンは――
「ところで、シン。少年天使の俺と今の俺はどちらがお前の好みだろうか?」
「は?」
ユダからの問いに、シンは思いっきり抜けた返事を返していた。
「色々な面でな」
そういった後に、ユダは誰にも聞こえないようにシンの耳元で
「夜の生活も含めて」
と小さな声で囁いた。
「なっなっなっ、何を言ってるんですか、ユダっ」
シンの顔が、みるみる赤く染まっていく。
「シン。答えを聞くまでは、離さないからな」
そういって、ぎゅっとシンを抱きしめた。
「そんなの、両方ともに貴方なのだから、私に選べる訳、ないじゃないですか……」
困ったような呟きと共に、シンもユダの身体を抱き返した。
ユダは、笑いがこらえきれず、肩を揺らしていたのであった……。
後書き
いかがでしたかっ!?
ちょっとショタちっくになっちゃいましたが・・・(^^;)
少年天使のユダってかわいいでしょね~~。
DVDで見たとき・・・
きゃぁぁかわいすぎっ!と思いましたですよ。
ルカも可愛かったし。
シン・レイも本当にかわかった・・・
もちろんゴウとガイもね。
青年天使では色っぽさが出ていますが、少年天使は純粋にかわいいっ!
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