平穏な日々。~ドラマCDに明け暮れて~

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ユダとシンの日常☆誤解その2☆

∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨キリンも歩けば亀にぶつかる~番外編:ユダとシンの日常☆誤解その2☆~~∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨


ある朝起きると、シンが、あたあたと探し物をしていた。
「シン? どうしたんだ?」
何気に声をかけるとシンは半分泣きかけていた。
「シン!? 何があったんだ?」
「ユダ……カメ1号さんが……カメ1号さんが、どこかにいってしましました!!」
ぬいぐるみ部屋を中心に、いろんな部屋を行ったり来たりしている。
もちろん、ぬいぐるみ自体も大切なのだが、カメ1号は特に大切なのだ。なぜなら、ユダの母から貰った、ユダの写真が中に入っているのだから。
「なんだ。そんなことか……ビックリさせるな。亀ならまた買ってやるから」
「そんなこと? そんなことって、カメ1号さんが消えてしまったんですよ!? 買い直せばいいなんて、そういう問題じゃないんですっ。ユダに私の気持ちなんて解りません!!! 実家に帰らせていただきますっ」
ユダの馬鹿っっっ!!!と大声で叫んで、シンは家を飛び出していった。目頭には涙も浮かんでいる。

珍しくシンが怒って出て行ってしまった。
あまりにビックリしたため呆然と見送ってしまった形となる。
「なぜ……あんなに怒ってるんだ? 確かに、亀のぬいぐるみは大切にしているが、怒るほどのもの……? だったのか?」
ぼそっとユダは呟いた。
そして……忘れていた。
今日から、やむ得ない出張があった事を。
そして、その事をシンにいうのを忘れていた事を。

「レイ!! ユダが酷いんです、聞いて下さい!!!」
シンは隣のレイの所に駆け込んでいた。
「シン。どうしたのですか? いきなり……」
掴みかからんばかりの勢いのシンを宥めて、ソファーに座るように進めるレイ。
「さ、落ち着いて。お茶でも入れてきますね」
そう言って、レイは立ち上がった。
目に涙をためながらもソファーに座るシンだった。
その時……寝室のドアが開いていて中が見えた。
そして、そこには――
あまりの驚きの為、レイに断りもせずに寝室に入り込んでそれを抱きしめる。
リビングに戻り、レイに詰め寄った。
「レイ!! どうしてカメ1号さんがここにあるのですかっ!?」
「え? 昨日、お借りしたんですよ?」
不思議そうにレイは首をかしげながら答えた。
「そのせいで、私はユダと……レイの馬鹿~!!」
「え? えっ? これのせいってどういうことですか? シン??」
ケンカの原因をレイに話し、勝手にぬいぐるみを持っていった事を責めると、レイはひたすら謝っていた。

「……多分、レイのところだろう。落ち着いたら戻ってくるだろうが……仕方ない、メモを置いていくか」
そう言って、机の上にメモを置き、ユダは家を出た。
ただ……そのメモは、シンが家に戻ってきた時に、風に飛ばされシンが読む事は無かったのだが。

「ユダ、ごめんなさい……」
家に戻ると、中はシーンとしていて、人のいる気配はない。
「ユダ、どこにいるのですか? 一方的に怒ってすみませんでした。ちゃんと謝りたいのです。出てきて下さい」
シンは各部屋をくまなく探すが、ユダの姿はどこにも見当たらない。ちゃんと、庭まで上がって見回して、そして、リビングの床にへたり込んだ。
「どうして……?」
(私があんな事を言ったから? それで、ユダは愛想をつかして出て行ってしまったのですか?)
腕の亀のぬいぐるみを、力いっぱい抱きしめる。

その時ユダは。
(そろそろ怒りは収まっているだろうか。まだレイの家だろうから……)
とレイの家に電話をしていた。
「レイ? ユダだ。そこにシンはいるか?」
『ユダさんですか? シンは家に戻りましたよ? 僕のせいでケンカをしてしまったようですみません……』
丁度、ユダは移動中で電波が悪く、レイの声が聞き取れなかった。
「レイ。すまない。電波が悪いようだ。シンに伝えてもらっていいか?」
『えっ? なんですか?? ユダさん』
「(シンの事だから、俺が家にいないとまた悪い風に考えているだろうから)伝えて欲しいのだが」
『誰に伝えるのですか?』
「(出張で、今日は)家には戻れない。(母に)捕まってしまってるので、(少し家に帰るのが遅くなるかもしれない)面倒な……」
ちなみに( )の部分はレイには聞こえていません。
ということでお分かりでしょう。大誤解の始まりです。
間が悪く……ルカも家にいなかったのだ。

電話が切れた後、レイは急いでシンの元へ行った。
ドアを数回ノックするが反応がない。シンがいるはずなのに。
勝手知ったるシンのうち。レイは合鍵を使って、そのままリビングまで上がっていった。
「シン! 大変です!!! ユダさんがっユダさんがっ!!!」
リビングでは、ぬいぐるみを抱きしめ、蹲っているシンがいた。
「レイ、ユダがどうしたのですか?」
「ユダさんが何か事件に巻き込まれたみたいです!!!」
……何故そうなるのだろうか?
「えっ、事件!?」
「さっき、電話があったんです。誰かに伝えて欲しいと。捕まっているから家には戻れないって! 面倒な事に巻き込まれたんですよっ! きっと」
「そんな……レイ、警察に……警察に電話をっ」
「だめですっ。警察は。もし、警察が家にきているとばれたら……きっとユダさんは殺されてしまいますよっ!!!!!」
レイの言葉に、シンは顔面蒼白になる。
「ひ……ひとまず、電話が来るのを待つしかないと思います……」
二人で慌てふためいている時、レイの携帯が鳴った。
『レイか?』
「ルカですか!? 大変な事になったのですよ……ユダさんが……ユダさんがぁ……」
『ユダがどうかしたのか? 俺と一緒にいるが……?』
「えっ? ルカ? 何故ユダさんと一緒にいるのですか??」
『それは……』
話の途中で電話が切れてしまった。
「レイ……ルカさんがユダと一緒にいるって、どういう事なのですか?」
「僕にも解りません……まさか、ルカも一緒に捕まっているという事でしょうか……」

一方ユダとルカは―――
「ユダ……何か嫌な予感がする。さっきレイに電話をしたのだが……」
大抵ルカの予感は的中するのだ。
「俺もレイに伝言を頼んだが、電波が悪く、きちんと伝えられなかったかもしれない」
「……仕事を早めに切り上げて、家に戻ろう」
「そうだな……その方がよさそうだ」
嫌な予感は的中していた。

「シン。テレビ……テレビをつけましょう。何か情報が分かるかもしれません……」
ニュースになっていたら、アウトだろう……と思うのだが。
普段は気にせず見ているニュースも、今は心臓を痛くしながら見ている二人である。
『本日、お昼過ぎ××川で身元不明の遺体が発見されました。その遺体は――』
特徴が、ユダ・ルカにそっくりだったのだ。偶然にも。
「シン!! これはもしかして……」
「そんな、ユダ!! どうしてっ」
「警察、警察に連絡をして、身元の確認……」
「待って下さい!! ……私には、怖くて出来ません。もし、本当にユダだったら……私は……」
「シン。僕だって、僕だって怖いです。もし、あれがルカだったら……」
二人でひしっと抱き合って、嗚咽をこらえる。

その時、電話が鳴った。
『シン?』
ユダからであった。
「ユダなのですかっ!! レイが、貴方が事件に巻き込まれたって……無事なのですねっ!! 良かった……」
『……事件? 何の事だ? あと……朝はすまなかったな。お前の気持ちを(考えずに……これだけは先に言っておかないとと)思って。レイには言ったんだが(出張で、今夜は)戻れない。シンがいらない(心配をしている)と思って』
シンがいらない……? ユダはシンに捨てられたと思ってる……?(わけないだろう)
「何を言ってるんですか? 私がいらないって……本当にそう思ってるのですか……」
電話は返事が返ってくる前に切れてしまった。

一方ルカもレイに電話をかけていた。
『レイ? 今ユダと一緒なんだが。何か(誤解して)いないか? 明日一番に(家に戻るから)』
「何がいるのですか? 明日何ですか??」
今レイが解る事は、ルカが無事だという事だけだった。

レイがシンの方を振り返ると、電話を握り締めて、呆然とするシンがいた。
「レイ……ユダがもう戻ってこないと、そう……電話で……」
「シン、そんな事、ある訳ないじゃないですか……」
「ユダが……私がユダをいらないと思ってると、そう言って……」
「ユダさんがそんな事を?」
「私が、私がカメ1号さんの事であんなに怒ったから、そう思ってるんです……」
「シン……」
それについてはレイにも責任がある為、気休めでものが言えない。
「嫌です、ユダ……違うんです……このままユダと別れるなんて、そんなの嫌です……」
レイに縋って泣き出したシンに、レイも罪悪感に苛まれる。
「僕が無断でぬいぐるみを借りてきたから、こんな事になってしまったんですね」
レイもシンと一緒に泣き出した。
二人して散々泣いて、泣き疲れてそのままソファーの上で眠り込んでしまった。

ひとまず、連絡を入れたから大丈夫だろうとは思うが。
一抹の不安を覚えるユダとルカであった。
仕事を急いで終わらせ(ありえないスピードで完璧に終らせていた)次の日、急いで戻る事にした。

翌朝。二人が戻ってみると。
ユダの家で、泣き疲れて眠ってるシンとレイがいた。
ユダとルカは二人のもとへかけつけると、シンとレイに呼びかけた。
「シン!! シン!!! どうかしたのか? 何かあったのか?」
「ユダ……本当にユダなのですか」
目の前のユダの存在を確かめるように、シンはユダに抱きついた。

「レイ! どうしたんだ!?」
「ルカ……僕のせいでシンとユダさんが……」
「ユダが? ユダはそこにいるが……? レイ。ひとまず、家に戻ろう」
ルカとレイは、自宅へ戻っていった。
レイはユダを見てほっと一安心だった。

ユダはシンが落ち着くまでそっと抱きしめ、頭を撫でていた。
「シン? 大丈夫か? 何があったか教えてもらえるか?」
「はい……」
「あ……その前に、これを」
そう言って、大きな包みをシンに渡した。
「やはり、俺にはこれしか方法が思い浮かばなくてな……」
シンが包みを開けると、亀のぬいぐるみが出てきた。
「ユダ……」
昨晩散々泣いたので、もう涙が枯れてしまったと思っていたが、またこみあげてくる。シンはユダに抱きついた。
「ごめんなさい……」
「いや。で、何があったんだ? シン」
昨日あった事を全て話し、話した事で恐怖が蘇ったのか、更にユダの存在を確かめるように抱きしめた。
「貴方を失ってしまったと思ったら怖くて……どうしたらいいか解らなくなりました。無事だと知って、けど、私の所に戻ってきてはくれないと言われたと思い、別の恐怖を感じました……」
「お前の元に戻らない……? 俺がいつそんな事を……」
「戻れない、シンはいらないと思って、と。電話で……」
「電波が悪くてところどころ切れていたから……か?」
「私が些細なことで怒ってしまったから……ユダに愛想をつかされて、それで出て行ってしまったと思いました。離婚なんて嫌です、別れたく……ありません……」
シンはぎゅっと抱きついて、離れる気配がない。
「シン……もし、出会ったばかりの頃なら、まだお前を手放せたかもしれない……だが……もし、今お前が俺の前から立ち去ろうとしたら……」
ユダの胸に埋めていた顔を上げ、シンはユダを見つめる。
「きっと、どこかに閉じ込めてしまうだろうな。お前から全てを取り上げ、俺しか見ないようにするだろう。俺の事以外考えないようにがんじがらめにしてしまうと思う」
「そんな事、ある訳ありません。私からユダの元を離れるなんて……でも、もし。そうなったとしたら、閉じ込めて、貴方しか見えないようにして下さい」
やっとシンの涙は止まり、泣き濡れた顔に笑みが戻った。
「あの……カメ1号さんを必死に探してたのには、訳があるんです……」
「理由? 何のだ?」
シンが真剣な顔をしながら言っているので、ユダも神妙な顔つきで聞いた。
「お腹の部分に、お義母様から頂いた、ユダの写真が入っているのです……それで……」
「……写真……??(たかが、俺の写真?)」
確かにシンの写真をシンに内緒で手に入れたら自分も同じ事をしたかもしれないなと思った。
「そんなに、俺の写真が欲しいなら、俺に言ってくれれば良かったのに」
「そう、なのですか? お義母様がユダは写真に撮られたりするのが嫌いだから、見つかったら捨ててしまうと仰っていたので……ユダに隠し事をするのはとても心苦しかったのですが、ユダの写真を捨てられると思うと……でも、ユダも持っているのですか? ご自分の写真……」
「あぁ……」
ユダは少し眉をしかめ、腹立たしそうにいった。
「あれほど、写真やビデオ撮影は禁じたのに……やはり撮るやからがいてな。そいつらから取り上げたのが……あったはずだ。母には見せたくないので、捨てるにも捨てれず、自分で持っていたものが……」
「それは是非、見たいです……」
シンは、ビデオを見て。
学生時代のシンの知らざるユダを見てすごく嬉しかった。と共に後悔もした。
ユダの母の所で見せて貰った写真の比ではない。
ユダとルカ……半端じゃないもて方だ。
周りからの声援は途絶える事は無く。もちろん人だかりもすごい。
ビデオを撮った人は、そうとう苦労して撮影した事がすごくわかる映像だった。
「人気者だったのですね、学生時代のお二人も……」
「シン……? どうかしたのか??」
「いいえ、なんでもありません」
「そうだ。シン。俺達以降撮影を禁じていたのに、お前達の学園祭や体育祭のDVDが撮影されていたらしいな。ということで、没収してきた」
ということでって……どういうことだ……ユダよ……。
「これも、一緒に見ないか?」
「別に見ても面白くありませんよ? ……それにこれ、学園に保管しておく物ではないのですか? 勝手に持ってきてしまって大丈夫なのですか?」
「あぁ、学園に保管するものは別にあるらしいから、大丈夫だろう」
にっこり微笑みながらシンに言った。(絶対うそだっ)
「俺は、俺の知らないお前を見てみたい」
「ユダが見たいと仰るなら……」
ユダもDVDを見て少なからず後悔をした。
(DVD……もっと早くに没収すべきだった……)
「あ、これなら、兄が撮った物の方が、レイはアップで写っていましたよ? 確か、劇のもあったはず……」
(……流出元はここか? ここなのか……?)
「あれ? ユダには言ってませんでしたか? 兄が撮った、私とレイの成長過程の行事ごとを編集したDVDが何枚かあるのですよ。それに、アルバムと……」
「……そうか。それも見せてもらっていいのか?」
胸中複雑な思いに駆られるユダであった。
そして、色々見せてもらった後―――
「シン! 知らない人が、写真を一緒にとらせてくれとか言ってきたら絶対に断るんだぞ!!」
オヤヂ化したユダがそこにいた。
「外国の方にもですか? 着物を着て出掛けていると、結構声をかけられましたよ? 着物って、そんなに珍しいんでしょうか……」
どこまでも天然なシンだった。
「……そうだな。出来る範囲で断ってもらえると嬉しいな……」

後日――
「ユダ。では、行ってきます」
今日はシンとレイで、デパートに買い物へ行くらしい。
いつもは、ユダも一緒に行くのだが、その日はどうしても外せない用事があったのだ。

シンとレイが買い物を終え帰宅途中。
ユダは、色々な人に囲まれていた。
普段はこう言うことは無いのだが……ユダの着ているものが。
何故か紋付袴を着ている。ルカも隣で同じように。
色々な人に囲まれ、写真をねだられていた。
「ちょっと、あれは何ですかっ!?」
怒ったレイが、集団の中に突進していった。
心中複雑なシンも、その後を追った。

ユダとルカがあのような格好をするに至った理由は。
マヤの友人の呉服屋の宣伝を手伝って欲しいと泣きつかれたから……らしい。
「ユダの言ったこと、今日の事で実感しました……ユダもあまり、他の方と一緒に写真を撮ったりしないで下さいね」
少し拗ねたように呟くシンだった。
「それと……良かったら、今度紋付袴姿のユダと写真を撮りたいです。とても、かっこよかったです……」
「シンとだったら、喜んで。じゃぁ、シンも一緒に袴を着るか?」
焼もちを焼いてもらえた事がとてもうれしいユダだった。

シンが今度ユダと袴姿で写真を撮るのですよ~とレイに話をしたら、僕も!!と張り切ってルカにお願いしたらしい。
後日、ユダとシン、ルカとレイが写真を撮りに行ったらしい……?



これも、以前に書いたものです(>。<)
いやぁ。一時はすごく萌えて一日一作とか作ってました!
まぁ、琴一人で書いたのではなく、分担制だったのですけどね(^^)
琴担当はユダで、友人はシン。
いかがでしたでしょうか?

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