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いつまでもあなたを愛したい・・・ワタシに自信が無いから伝えれないアナタには壊れるぐらいなら今のまま思い出にしたくない だから今から全てを声にして伝えれないだから、こうしてウタにします好きな想いを伝えられない・・・ワタシは口ベタだから抑えてきた感情 もどかしい考える時間だけが無駄に過ぎていく大切な人に伝える、大切な言葉だから一つ一つを大事にしたいからだから、こうしてウタにしますいつでもあなたの側に居たい・・・ワタシは恥ずかしがり屋だから口にできない 好きだけど余計な事ばかりが心をかすめる大好きな人に伝える 大好きな言葉だから息がつまって声にならないだから、こうしてウタにします大好きだから・・・側に居たいから・・・100年後も、その後も・・・たとえあなたが塵になっても・・・そしてあなたに伝えたい・・・だから、こうしてウタにします
2008.08.01
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現場で見つけたブランコ・・・懐かしく思って、乗ってみる。地面を、蹴って前へ、後ろへ大きくブランコを振らせて飽きずに、乗ってると・・・「お~い!そろそろ時間だよ!」「は~い!」僕は、現実に戻り、思い出の欠片を残して・・・去り際に、写真に永遠の時間を残しておいた。また、きっと来るよ・・・・
2008.04.11
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私は、去年の夏にご主人様に買われてここに来た。私のご主人様は、背が高くてお仕事が忙しくて私のことを何でも知っている。私が、病気になったときには、ご主人様がよく看病してくれた。私のご主人様は、出張が多くて、いつも私を連れて行ってくれる「お前が居てくれて、いつも助かってるよ」私は、いつもご主人様の食事を用意する。ご主人様は、せっかちで「おっせーよ!早くしろよ!」よく、罵声を浴びせられた。でも、私は、ご主人様のいうことを聞くばかりだった。ある日、ご主人様は、私のことをうるさいと言った。私は、いつも通り、ご主人様を呼んだだけなのに・・・「お前みたいな、うるさいヤツはこうだ!」と、言うと、服を脱がされ・・・私のことを何でも知っているご主人様には敵わない、私は身動き一つも出来ず、されるがままだった。しばらく経っただろうか・・・・私は、声が出なくなっていた。一生懸命、叫んでも、悲鳴は空を切るばかりだった。以降、私は二度と、喋ることが出来なかった。食事の支度が出来ても、呼ぶことさえ出来ない私はその場で、ブ~ンと、唸るだけだった。「お前さぁ、最近あの電子レンジどうした? 全然ビーとも、プーとも鳴らないけど?」あぁ、あれか?本番中に、メシ食いたいときに、ピーピー鳴ったら困るじゃん?だから、ブザー回路切ったの。名付けて「サイレント・電子レンジ」これで、本番中も、安心してメシが食える。便利だろ?!「これじゃ、いつ暖まったか?解らないじゃん! それどころか、ボタンを押した時にさえ鳴らないから、不便だよ せめて、ランプでも付けて、出来たかどうか、解るように改造してくれよ!」改良の余地ありってか?しゃぁねぇなぁ・・・「てかさ、本番中に、メシなんか食うなよ!仕事なんだからさ!」私は、ご主人様を、呼んでた頃を懐かしく思った。
2008.01.15
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俺は、探偵だ。探偵は、ハードボイルドで無ければならない。ハードボイルドは、常に格好良く、華麗に事件を解決しなければならない。今日は、ある男から依頼があった。「ある女を、潜入捜査してほしい」それは、スパイということか?俺は、低い声で、そっと答えた。「あぁそうだ。しかも本人に接触しながらも、気づかれないようにな」やはり俺みたいな、ベテランになると、こういう高度な捜査を、要求される。ギャラは、いくらだ?「3万円だ」ちょっと、安過ぎやしないか?しかし、ここで文句を言うのはハードボイルドの名に傷が付くと思った俺は、黙って受けることにした。煌びやかな、ネオンが光り、客引きのボーイがうるさい。その中の一角に、一際目立つネオンが光るビルが立っていた。ここか・・・ターゲットは、ここ居るとクライアントは言っていた。俺は、周りに、気を配りながら、そのビルにそっと入る。すると、すぐに店員にバレてしまった。「いらっしゃいませ!」しかし、慌てることは無い。ここまでは、俺の計算に入っている。俺は、落ち着いて彼女に会いたいと、指定した。店員は、俺に言った。「2万5千円になります」まさか、潜入する為に、ギャラの半分以上も使い込んでしまうとは・・・今更、ガタガタ言っても仕方が無いと思った俺は、その店員の言うことを聞くことにする。しばらく、待っただろうか?クライアントに指定された、女が俺の前に現れる。背格好は、少し低めで、可愛い。男好きのする顔だ。俺は、その女と手をつなぎ、個室に向かった。個室に着き、女に言われた。「服を脱いで下さいね♪」何だ?この女は・・・淫乱か?しかし、下手に抵抗して、俺の正体がバレる事を恐れた俺は女の言うことに従った。その間に、女も脱ぎ始め、瞬く間に一糸まとわぬ姿になった。俺の下半身は暴走寸前まで膨らんだ。昔から、「据え膳 食わぬは男の恥」という格言がある。俺は、欲望のまにまに、女と契りを交わした。もちろん、仕事を忘れたワケでは無い俺はクライアントの言うとおり、必要な情報は全て聞き出した。その後、俺は事務所に戻り、煙草を吹かしながら報告書を作成しクライアントにFAXした。後日、クライアントから一冊の雑誌が送られて来た。その雑誌の一部に付箋が付いており、そのページを開けた。そこには「風俗探偵 潜入取材 ソープ嬢に10分で逝かされる!」と言う、見出しと共に報告書と、俺のアホ面が載っていた。
2007.11.21
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僕の通っていた小学校の通学路はもの凄く長かった。大人の足で40分は軽く掛かる。だから、僕らの足だと普通に、1時間以上掛かった。その、長い道のりの中、僕にとっては、誘惑がたくさんあった。大抵は、田んぼばっかりなのだけど中には、カブトエビや、糸トンボドブ川には、ザリガニ・ボラ大きな工場やお店僕にとっては、目に映る全てに興味を持った。その中でも、僕の興味をもの凄く引いたのはとにかく、何かが創られる過程媒体は、車でも、輪転機でも、クレーンでも、何でもよかった。最初は、小さな部品が、ドンドン加工されて一つの大きな物が形成される不思議さ。毎日、飽きずにずーっと見てる物だからそのうち、工場の人達の中で、有名になってくる。で、ある時、その工場の一人が僕に声を掛ける「君、この近くなの?」無言で首を横に振る「もしよかったら、もう少し近くに寄って見ても良いよ」と、案内してくれた。クルクル回る旋盤。エアーコンプレッサーの音。チカチカ光る、計器類。普通では見ることが出来ない物でいっぱいだった。工場の人達には、邪魔になるぐらい、色々と聞いた。その人は、僕が聞いても解るぐらい噛み砕いて説明してくれた。時は経ち、大きくなって僕が働く、この工場はあの時と同じだ。普通に機器を操作し、普通に物が出来ていく。流れ作業的で、ちっとも面白く思っていなかったあの時の、楽しさは今、無い何の刺激もなく淡々と作業をしていると遠くで、じっと見つめる小学生が居た。僕は、迷わず声を掛けた。「ボク、何処から来たの?」彼は黙ったままだった。「中を見たい?」その途端、彼は、満面の笑みを浮かべた。そして僕は楽しそうに、彼の手を引いて、中に案内した。僕は、彼の為にも、この仕事をもう少し続けてみようと思う
2007.08.23
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原案・構成:わすれな草著者:まめ吉その店はすりガラスとオークの木で組まれていた。気になって覗くといつも初老の男性ばかりで目があってしまい、入るタイミングを失う。しかし今日は重そうなドアを開けてしまった。 「いらっしゃいませ」マホガニーのどっしりしたカウンターには琥珀色の瓶がならび、テーブルにはバラ模様の大きなポットがおいてある。葉巻の甘いにおいに清涼感ある香りがからみついている。ここはバーだとばかり思っていたが、お品書きには聞いたことのない漢字が並び、よく読むと中国茶ということがわかる。欄外に秘伝のお茶ありと書かれている。 「これは何?」 「いちばん酔いのつよいお茶です。人によってはお酒より強くまわる方もいます」 「それ下さい」 「本当にいいのですか?強いですよ。それに・・・」 「酔いはつよいほうだし、酔って忘れたい気分だから。」店主は心配そうに覗き込んだ。 「過去の嫌な記憶を消してしまうほど酔いがまわるんです」 「なおさらいい。忘れたいことは沢山有る。それにしてください」店主はまだ何かいいたそうだったが、強気のこちらの態度に引いてしまいカウンターにもどっていった。しばらくして小さな急須とお猪口のような茶器がおかれ、店主が一杯注いでくれる。ふわりと甘い香りがはなをくすぐる。二杯目。すこし香りがつよくなり、三杯目は清涼な気に変化してゆく。7杯まで飲めるといわれ、そのとおりにした。なんとも心地のよい香りにつつまれ、だんだん脳がぼんやりと酔ってきた。いつしか、目の前に捨てられた茶碗がみえる。言い争っている声、バタンと激しくドアを閉める音、教室のドアごしにひそひそ聞こえる声・・・思い出したくない光景が目の前をグワーンとまわりはじめる。嫌だ嫌だと心のおくにしまって忘れていた記憶がぐんぐん廻りだす。 いやだいやだ何とかしてくれ・・・つよく心で叫んだらふと明るい光がさしこみ、暖かい手がたくさんみえてくる。そうだ、あれは皆に祝福されたときの手だ・・白い犬がかけてくる。すきだったとなりのモモちゃんの犬だ・・・乳母車の中をのぞいている緑の光の中で、暖かいまなざし・・・いやな思い出の次にはこれまた忘れていた宝石のようなきらきらした思いがどんどんまわっている。幸せなきもちがよみがえったその記憶もどんどん走り去っていく。まるでペンキでかいている絵のようにどんどんぬり重なっては消えて回転がだんだん速くなる 「消さないでくれ!それはとっておきたい思い出なんだ!消さないでくれえ」そのとき、瞬間に稲妻のようにガツンときた。いやなことがあるからこそよい記憶がよりよいものに沈殿している。なんで気がつかなかったんだろう。ばかだった。それがあるから今があるのに・・すべてを消されてしまっては何もなくなってしまう。そんなのは嫌だ嫌だ。嫌なんだーと叫んだ。 「大丈夫ですか・・・お客さん。立てますか?」心配そうに店主がのぞきこむ。酔って机に崩れていたらしくお品書きが落ちていた。さきほどはよくみえなかった欄外のお茶の名前がうかびあがった。 「忘忘茶」
2007.05.30
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子供のころ、僕らは近所の友達と一緒に、大人の目を盗み、「ひみつきち」なるものを作っていた。その「ひみつきち」は特に決まった目的をを持って無く、空き家の庭に工事現場から拾ってきたレンガを積み上げ、同じく工事現場から拾ってきたセンスの悪いペンキを塗りたくり、上部には「ぼくらのひみつきち」と、汚い字で書き込んだチンケな物だった。中には、綺麗な空き缶・ビー玉・クレヨン・壊れたテープレコーダーなど、ガラクタをかき集めたりしていた。そして近所の遊び友達を引っ張り込んでは「おぉ!これはお宝だ!」とか言いながら、いつもキャーキャー楽しかった。そんな、ある日僕らは、いつも通り集合場所を「ひみつきち」に設定し、大人の目をかい潜って、いつもの「ひみつきち」に向かうと、苦労して集めた「お宝」はそこには無く「ひみつきち」その物が消えていた。僕らは、その周辺を一生懸命探した。日が暮れるまで探したが、無かった。そして、数日後には、その空き家その物が無くなった。たぶん、建て替えのため地主が空き家を潰したのだろう。数日は、かなりへこんだけど、新たに別の場所にもう一度「ぼくらのひみつきち」を作った。作っては、撤去され、作っては、撤去されたけどそのうち僕らの家の周りは開発されて、「ぼくらのひみつきち」を作る場所自体が無くなった。ちょうどその頃から、勉強も忙しくなり、僕らは集まらなくなった。そして、僕らの関係は自然消滅した。あの頃の「ひみつきち」は作ることが出来ないけど、僕の中には、今でも「ひみつきち」がある。そこは、やはりレンガを積み上げた様な壁模様の建物で、今度は、誰にも壊されないように、ちゃんと管理人が居る。「いらっしゃいませ」いつものヤツで・・・お宝を、集めておく場所でも無く、約束して行くような場所でも無く、あの頃の友達が集まるわけでも無い。そして、僕にとっては、誰にも邪魔されなくて、誰も知らない場所。あの頃のように、騒ぐワケでもなく、ただ、静かにお酒を飲んで、店主や、たまたま隣にいたお客さんとお話しするだけの、「ひみつきち」「お客さん、今日は、たくさん飲みますね。何か嫌な事でもありました?」いやね、少し昔の事を思い出してね・・・「そうですね。ここは、お客さんの「ひみつきち」ですからね♪」そう言って、店主はニコリと笑った。そして、お店の隅では、あの頃の僕が、店主と同じようにニコリと笑った。大人になった今でも、僕の中に「ひみつきち」はある。僕はたぶん、大人に成り切れて居ない。
2007.05.29
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俺はいっぱしの探偵だ。しかも、最近は産業スパイみたいな事もやり始めて常に、同業者から命を狙われている。危険な所に足を突っ込みながらも、俺には信念がある。「探偵は、やはりハードボイルドでなければならない。」性欲はあっても便意は、もよおしてはならない。そして、ハードボイルドに似合うのはコーヒーだ。誰が何を言おうともコーヒーだ。ジュースなんて、お子ちゃまな飲み物なんか飲まない。 ある日、俺は意を決して、電気屋でコーヒーメーカーを買った。これで、喫茶店に行かなくてもコーヒーは飲める。そう、確信した瞬間だった。 コーヒーメーカーを買ったからには、コーヒー豆を買わなければならない。早速近くの、スーパーに行き、豆を買うことにする。サングラスを掛けて、周囲に俺の動きが悟られないように店内を徘徊しながら、ターゲットとなるコーヒーを追い詰めた。多少、店員や客の物珍しそうな目が気になるが、たぶん、俺の格好良さに惚れているのだ。豆は、やはり「ブルーマウンテン」だろ。俺はいつも喫茶店でブルーマウンテンを好んで飲んでいる。しかし、値段を見て愕然とした。「2800円」と言う、値札が俺の思考を混乱させる。「高い。高すぎる」さっき、コーヒーメーカーを買った時にほとんど金を使い切った俺は、豆に掛かる費用を忘れていた。しかし、ふと、隣を見ると「ブルーマウンテン 980円」と言うのをを見つけた。やはり、俺は腐っても探偵だ。その商品を素早く手に取り確認する。天下のブルーマウンテンが何故こんなに安いのか?しかも、同じ物のはずなのに、1820円の差は何なのか解らないが、とにかくブルーマウンテンは見つけたのだ。足早に会計を済ませて帰り、コーヒーメーカーに、買ってきたブルーマウンテンをセットし、コーヒーが落ちるのを待つ。ほんの数分で褐色の液体が出来上がる。俺はハードボイルドなので、砂糖とミルクは入れない主義だ。コーヒーカップに、それを注ぎ込み匂いを嗅いだ。少し安っぽい匂いだが、ブルーマウンテンに間違いは無い。俺は、葉巻を吹かしながら、一口飲んだ。 その途端、コーヒーとは思えないほどの、凄まじく、焼け付くような、そして喉にまとわり付くような苦みに、吐き気をもよおし、そのまま吹き出してしまった。「何だこれは?」さては、あのスーパーの店員俺を殺そうとした、同業者かもしれないと言う考えが、俺の記憶を横切る。まさか毒を盛って殺そうとは!あわてて、コーヒーの瓶を持ち上げ、異物が入っていないか確認をした。しかし、そこには、何の変哲も無いコーヒーがあるだけだった。もしやと、思いコーヒーメーカーを確認する。さっき入れたはずのコーヒー豆がフィルターに残っていない。これは、ミステリーか?それとも、豆が神隠しにあったのか?おかしいと思い、もう一度コーヒー豆の瓶を確認する。すると、そこには「インスタントコーヒー ブルーマウンテン風味」と、書いてあった。
2007.05.28
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彼は、私の母親に挨拶をした。「初めまして今度、早帆さんの 結婚相手になる浩一と言います。」母親は、ワケの解らない受け答えをして、自室に戻った。廊下を歩いている間、何かブツブツ言っていたように思う。「私は、きっと夢を見ているに違い無い・・・ そう、きっとそうだわ。疲れてるのよ・・・ 早く寝た方が良いに違いない・・・・」そりゃ、そうだろ・・・娘の結婚相手が、変な荷物で届いたら、誰だって驚くに違いない。とりあえず、彼、いや違った。ファンセである、浩一に服を着せない事にはこのまま猥褻物陳列罪で警察に捕まるか、鉄格子入りの病院に運ばれて、怪しい薬を打たれて、変になってしまう。自室に連れて行き、ちょっと叔父さん臭いが父親の服を着せてみる。話は、それからでも遅くない。彼に、服を着て貰い、お腹が減っていたみたいなので冷蔵庫から、軽く昨日の残りの、魚の煮付けとご飯を食べて貰った。私は、一心不乱に食べる浩一をずっと見つめていた。これから、彼が恋人になり、結婚して、一つの家庭を築き、子供を産んで老後を送り、死んでいくまでを想像していた。何故か私は、冷静だった。まるで当たり前のように・・・・
2007.02.08
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「自分好みの異性を売ります」過激にも限度はあるけど、これは本当に凄い相談所だなぁ人身売買みたいな書き方だ。普通の紹介サイトだと、色んな男女の写真なんかが多用されていて「私達、幸せになりました」ってのが、王道だが、ここは一切写真らしい物が無く永遠と、説明の文面だけが続く・・・変には思ったが、興味の方が私の心の中で勝っていた「あなたの理想とする異性をイメージして 希望を書いてくださいご希望の異性をお届けします」その下に、味気の無い入力フォームがあるだけ。不思議に思ったが、まずは入力してみる事にした。まずは、イケメンで、高学歴、高収入は当たり前でしょ?性格が良くて、私の事を大切に思ってくれて、大事にしてくれて夢のような生活を保証してくれそうな人。外にも細々したことは書いてみた。送信ボタンを押すと、「注文を受け付けました。1週間ほどでお届けします」パロディーのホームページにしては面白いサイトだなぁ。今度、友達に教えてあげようっと。少し眠くなったので、今日はそのまま布団に入ることにする。そして、いつもの朝を迎え、いつも通り会社に行きつまらない仕事をして、定時には、家に帰るという特に何の変化もない、一日を過ごす。そして、数日経っただろうか?変ちくりんなサイトの事を忘れたころ家に帰ると物凄い大きな荷物が届いていた。あれ?私こんな大きな物頼んだ事あったっけ?それは、本棚ぐらいの段ボール箱で結構重い。しかも差出人の名前が無いのに私の名前だけが書いてある。母親に「あんた、また変な物ネットで注文したの? こんなのだから、結婚相手も見つからないのよ。 そんなにネットが好きなら、結婚相手も ネットで見つければ良いのよ!」うるさい!それが、親の言うことか?そんな事言ってると、本当にネットで買っちゃうわよ。私だって・・・・と、言いながら、手際よく段ボール箱を開梱する。その時、母親の嫌みが止まった。いや、母親が止まったと言うよりも、時間が止まったような気がした。そして、私も開いた荷物を凝視してしまった。透明なガラスケースに男性が入っていたしかも、生まれたままの姿の男性が・・・・私は、ビックリしたと言うよりもあまりにも自然だった。何故だかわからないけれど、自分の希望した男性が目の前に居るそんな感じだった。その男性は、私と目が合うと「やっとお会い出来ましたね。早帆さん☆」と、私の名前を告げた。
2007.02.07
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私は、田舎の小さい会社のOL。31歳。未婚で彼氏無し4年。別に容姿が悪いわけでも無く、性格も、テレビでよく見るお局さんよりかは、遥かに良いはず。先輩や、上司、同僚からの信頼もあついけど、何故か付き合いも、結婚もする機会を無くして今に至る。まぁ今の状況に自分なりには、結構不満も無いのだけどなんせここは、一度噂が立てば3日あれば町中に広まるほどの田舎街なので、この年になると親・兄弟・親戚・ご近所さんの声がうるさくて耐えられない。私も、そろそろ結婚しても良いかな?なんて思っていても「彼氏一丁入りまーす」みたいに飲み屋のオーダーみたいにはいかない。そんな私は、今日も一日のお勤めを終えて、家に帰り、夕食を家族と済ませてすぐに自分の部屋に籠もる。平凡な毎日の唯一の楽しみはインターネットだ。ブログを書いたり、世界のニュースを見たりネットショッピングをしたり・・・私みたいな、田舎の人間でも、ネットさえあればわざわざ、街に出なくても、僅か、数クリックでレアな品物や、田舎では売っていないものが手に入る。確かに、実物を見ていないから、怖いものではあるけどそれは、それで、物が届くまでの楽しみというのがある。そして、今日もさっき家に帰る途中に、コンビニの雑誌でチェックしておいた、コスメを注文する。あと、バレンタインも近いので、気になるチョコを注文する。田舎と言えども、一応義理だけは通しておかないと、後がうるさいのだ。外にも色々買いたい物があったが、見るだけで、今回はオアズケいっぺんに買うと、毎日の楽しみが無くなるから・・・一通り、ブラウジングを終えた、私は外におもしろい物が無いか見てると・・・・「結婚相手売ります」何げなく見てると、見過ごしそうになるような文字で何かの間違いかもしれないと、もう一回、目ん玉をかっぽじって、見直す。「結婚相手売ります」ははぁ、これは結婚相談所の、新手のキャッチフレーズに違いない。しかし、過激な広告を打ったもんである。私も結婚したくないわけでは無く、単純に相手が居ないだけだ。こういう所で見つけるのも良いかも知れないなぁ・・・少し、興味を見せた私は、このサイトを覗くことにした。
2007.02.07
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僕は小説が大好きだ。やることが無ければ、永遠と小説を読んでいる。ただ、あんまり顔に似合わないと言うか、普段の行動とあまりに掛け離れているので、小説を読みながら、その世界に浸っていると、横槍が入る。「らしく無いじゃん。何読んでいるの?」僕は、何時も迷わず答える「エロ本」その一言を答えて、ニヤリとし、また本の世界に潜り込む。たぶんこの世界は、僕と筆者だけの特別な時間。そして、今日もタイトルも内容も分からないようにお手製のブックカバーをかけて本の世界に浸り、「何読んでるの?」「エロ本」一言だけ伝えて誰にも邪魔されない、誰も立ち入ることの出来ない世界に浸りこむ。そして、心の中でニヤリと細く笑う。
2006.07.04
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気がついたら、さっきのコンビニの前だった。雨宿りしていた、コンビニの前だった。夢か・・・・と、感傷にに浸っていると「お客様大丈夫ですか?」そこには、さっきコンビニのレジに居た、背の高い男性だった。さっき?それは、さっきの夢に出てきた男性?「お客様、先ほどから、ピクリとも動かれないので 救急車でも、呼ぼうかと、相談していたのですが・・・」「あぁ、大丈夫です。それより、何処かで会った事ありますでしょうか?」「???」男性は、ちょっと困ったような顔をして、「もし、そうだとしたら、ここで会いましたね」そう言って、男性は悪戯っ子の様に笑った。「今日は、少し心配だし、僕、もうすぐバイト上がるのでそしたら、近くまで、お送りしますよ」神様、素敵なサプライズをありがとう・・その頃には、雨はすっかり上がり綺麗な夜空には、今日も変わらず星が光っていた。-終-
2006.05.03
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そこは、会社から3分ぐらいの小さなコンビニだった。いつもは、一つも売れないビニール傘だが、今日は、飛ぶように売れて、最後の一本になっていた。その一本を求め、手を伸ばすと私の左から、更に伸びる手が・・・その手は、私よりも素早く、そして大きく最後の一本を持って行った。私はこの雨の中、帰れなくなった。いつまでも、コンビニの中に居ては迷惑だと思った私は外に出てもう少し待つことにした。私は、いつも「間」が悪い。さっきだって、もう少し早くにタクシーとかの選択肢を取っておけば帰れたのに・・・もう少し早くに、コンビニに行けばまだ沢山傘が有ったはずなのに・・・恋愛に関しても同じ事が言えてた。昔、私には好きな人が居た。そして、友達に相談しながらアタックをかけようとしていたのだけど私自身が奥手なのと、行動が鈍くさいおかげで、告った時には、私が相談していた友達と付き合いが始まっていて私が入る余地が無かった。そんなこんなで、気がついたら私は37歳結婚適齢期も限界が来ている。雨は、相変わらず降り続いている。しばらくすると、更に雨は強くなった。私は、雨を避けるように軒下の奥に入り目をつぶった。しばらく経っただろうか私の肩をたたく人が居た。目を開けると、そこには背の高い男性が立っていた。「そんなとこで寝ていると、風邪をひきますよ」「す・すみません・・・」私は、何故か少し恥ずかしくなりながら、答えた。そして、何もかも見透かしたように、こう言った。「帰る方向が、同じだと思うから、一緒に歩きませんか?」私も何故だか解らないが、無言で頷いてしまう。よくは、解らないけれども、何か良い感じ・・・そして、その背の高い男性は、傘をさして私を招き入れた。二人は、無言で歩き続けていた。私も、彼も、何もかもが解っているかの如く・・・雨は、相変わらず続いていた。そして、向かった先は本当に自分の家の前だった。「今日はありがとう。一緒に帰ってくれて・・・」と、全てを言い終わる前に、彼の唇が私の唇を塞いだ。彼の唇は柔らかく、蜂蜜の様に甘かった。そして、頭の中は真っ白になって・・・・・・
2006.05.02
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「あ~ん、降って来ちゃった・・・今日は降らないと思ってたのだけど・・・」ここは、オフィス街あるビルの入り口で何人かの人がたむろっていた。朝、雨が降ることを予測できなかった人達だ。この様子では、しばらくやみそうも無い何人かは、強行突破に出てずぶ濡れになりながら走って行きまた、何人かは恋人に車で迎えに来てもらいそして、何人かはタクシーを呼び相乗りで駅に向かう。そして、5人減り、3人減り・・・・最後は私は一人になった。私はいずれの選択肢も取らずに待っていた。ひょっとしたら、もうすぐやむんじゃないか?かすかな期待をしつつ待っていた。残念ながら、期待は裏切られつつあった。しかたがない。ビニール傘でも買うか・・・私は、ハンカチを頭に乗せ近くのコンビニに走った。
2006.05.01
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今日はエイプリル・フール年に一回誰もがウソをついて良い日あたしが嫌いなヤツを散々バカにして良い日だ。あたしは、この日の為に、どれだけ待ち望んだことか、今日こそ、今日こそ拓也のヤツをギャフンと言わしてやる。あたしは、とにかく拓也の事が嫌いだった。そして、男勝りなあたしを拓也は嫌った。「ちょっとは女らしくしろよ!この豚ゴリラ女!」「あんたみたいな、乱暴な男はあたしは嫌いだよ!」昔は、幼なじみで、泥んこになりながら、よく遊んだ。ホントにあの頃は楽しかった。どうでもいい事でも笑えた。箸が転がっても笑っていた。それが時が経ち、お互い仲良くしているのが、恥ずかしくなったのだろう。いつの日かあたしと、拓也の心は離ればなれになりあたしは拓也のことが嫌いになった。休み時間から帰って来たら、筆箱にカエルが入ってるし、廊下で会えば、お互いを罵倒しあった。で、今回はとびきりの悪戯を考えた。拓也の好きなヤツを学校中にバラしてやるのだ。別に相手なんか知らなくてもいいのだ。そういや、風の噂で、拓也はB組の英子が好きとか言っていたっけ・・・ちょうどいい。適当にデッチあげていいふらしてヤツが真っ赤になったら大成功だ。あぁ、早くあいつの困った顔が見たい。あたしは作戦を実行した。女子高生の噂は、オバサンたちが見るお昼のワイドショー並に早い物ですぐに学校中に広まった。そして、予想通り拓也はかなり困っていた。しかも、誰が流したかは、拓也は解っている。いい気味だ。案の定、放課後に拓也に呼び出された。「どういうつもりだよ!」拓也は、相当キレていた。「あたしは、拓也の恋の手伝いをしてあげたんだよ。感謝してよ」「俺が一番好きなのは・・・・」言いかけて止まって真っ赤になった。「お前だよ!」そう言って、屋上を去って行った。あたしの中で時間が一瞬止まった。そう、紛れも無く、あたしも本当は拓也の事が好きだったのだ。ただ、お互いに恥ずかしかっただけなのだ。ただ、それに気づいたのはあまりに遅すぎた・・・-終-
2006.04.01
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僕の周りには、いつも何かしら音がある。朝起きると、耳元で、テレビが鳴っている。4つの目覚ましが大合唱を始める。僕は、重い身体を起こしながら、テレビの音量を上げる。更に、お気に入りの音楽をかけて、BGMにしながら、着替え、顔を洗い、必要な情報をネットから仕入れて会社に向かう。会社へは、徒歩10分。その間も僕の耳にはずっと音が聞こえている。車のエンジン音・自分の足音・子供達の声。程なく会社に着くと、僕を数台のパソコンのファンの音と、先に来ていた部下達の挨拶の声が僕を迎え入れてくれる。そして一日中僕の耳に色んな音がかすめていく。近くを通る電車の音。話し声。茶器がぶつかる音。そして、その音は、僕が眠りに就くまで続く。いや、実際は眠りに堕ちた時も続いているのだと思うが、その音を聞いていると安心する。僕は、もう一つ自分を安心させるためにしている事がある。「光を消さない事」僕は、寝る時も電気は消さない。別に、寝る前に読書をしているわけでも、勉強するわけでもない。常に、僕の周りには光がある。逆に、光が見えないと怖くてしょうがない。自分は、消えてしまうんじゃないかと、不安で、不安で堪らなくなる。そんな僕は、少し寂しがり屋だ。
2006.02.28
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ここは歌舞伎町。昼間は、ゴーストタウンの様に静かだ各店はシャッターを降し道行く人々はまばらで、道端には、段ボールと公園をこよなく愛する通称ホームレスと言う名の人種が日陰でお休みしている。しかし、これが夕方5時を過ぎたころ街の様子が一転する。街中には、怪しい目付きの外人がグループでウロウロし始め、ケバケバしい女の子がカモになりそうなサラリーマンに声を掛け始め通常の街中では見かけないような男性たちが、お金の匂いのする女の子を誘い、一度入ったら抜け出せないような世界へと誘う。とにかく、夜は誘惑が、食虫植物の触手の様に蠢く街だ。そしてわたしも、この時間から仕事を始める。おはようございます!「おう!今日も早くからお客が入っているよ」怪獣みたいなおっさんが、わたしに声を掛ける。わたしは無言で着替えを済まし指定されたホテルに向かう。わたしの仕事は、出張マッサージ。しかし、それは名ばかりでホントはここで、男性客に本番行為を勧める。まぁお客の方も、段取りが解っているのでそれなりの報酬を渡してくれる。しかし、わたしには、もう一つ裏の顔があった。「売春Gメン」これが、わたしの本当のお仕事だ。今は、捜査の一環で、この地下組織に潜入し証拠を入手している途中だった。
2006.02.27
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俺は、探偵だ。いつも、クライアントの犬のようにターゲットを追い回し、秘密を暴いて行くそして、最近は仕事が無い。それでも俺は、クライアントからの仕事を待つ。ハードボイルドは、おしゃべりでは勤まらない。ただ、待つだけだった。ある日、オフだった俺は、格好良くタバコをふかしながら、バーでカクテルを飲むつもりだった。しかし、とうに路金が尽きていた俺は天ぷら屋で誤魔化すことにする。「いらっしゃいませ?☆」黙って俺はカウンターに付く。ハードボイルドでは常識だ。まずは、黙ってお気に入りの葉巻に火を付ける。これも鉄則だ。すると、さっきの挨拶をしてくれたメイドが一言「お客様。ここは禁煙となっております」何?禁煙だと?「今年の2月から施行された健康増進法によりまして喫煙のお客様と、禁煙のお客様と分けさせておりまして、喫煙のお客様は、あちらになっております。」そうやってマニュアル通りの台詞を吐くメイドのお姉ちゃんの指した先は普通のテーブルだ。これでは、ハードボイルドの顔も台なしだ。しかし、ここで言い争うのは、俺のポリシーに反する。仕方なくメイドの言うとおりにする。そして、席に着いた俺は、メニューをサングラス越しから鋭い目で確認する。本当なら、「マスター!バーボンをストレートで」と言う所だが、ここは天ぷら屋なので仕方なく天丼を選ぶ。ターゲットは決まった俺は「おい、メイド!注文を頼む!」言ったとたん、周囲の視線が一気に俺に集まった。そんなに俺を見つめると火傷するぜ。しかし、何かが違う、どちらかというと、みんな冷たい視線だ。まぁ、そんなことはどうでも良い。ハードボイルドは細かいことは気にしないものだ。「はい。何にいたしましょうか?」「春天丼にトッピング全部乗せだ。」俺なりにシンプルに決まったと思ったが俺の目の前に居るメイドは怪訝そうな顔をして「ぜ・全部乗せですか?・・・」「あぁ、全部乗せだ。」「わかりました・・・」メイドは引き下がり、調理場に注文を通していた。「オーダー入ります。春天全部乗せだそうです」何か、調理場が騒がしくなったが、そんなことは気にしない。俺は再び葉巻を吹かしながら待った。10分ぐらい経っただろうか・・・俺の注文の物が来たらしい。メイドが危なっかしそうに天丼を持って来る。そりゃそうだ。そのメイドの手の上には天にも、のぼらん限りの天ぷらが並々積まれたどんぶりを持って来ていた。「おまたせしました。春天丼全部乗せです」って、これをどうやって食わすつもりだ?どう見ても、ご飯よりも天ぷらの方が多い。確かに俺は、全部乗せと頼んだが・・・まぁ仕方が無い。天ぷらの油で気持ち悪くなりながら食った。食い終わった俺は、店を出るために席を立ち、レジへ向かう。「3500円になります☆」俺は、静かに財布を出し、そこには、金が無かった・・・・ハードボイルドは、財布に無頓着だった。
2006.02.26
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僕の家の前は広場だった。土が山積みにされた工事現場の物置にされた広場だった。そこに半年に一回の割合で小さなワゴン車が来ていた。僕らは、その車を「ポンポン菓子の車」と呼んでいた。正確にはその車に、お米で出来たポンポン菓子が沢山載っていて売りに来るのではなくポンポン菓子を作る釜が載っていて原料のお米をお客さんが持ち込んで作って貰うのである。僕は、そのポンポン菓子がたまらなく好きだった。車がやってくると、それまで散々、鬼ごっこや、秘密基地を作ってたのを止めて家に駆け戻り、お母さんに「ポンポン菓子の車が来たよ!お米ちょうだい!早く早く!」せかして、お米を用意してもらう。「おじさん!これお願い。」小さな袋に入ったお米を手渡す。おじさんは、そのお米と、ザラメを釜に入れて、器用に機械を回し始めるガラガラガラ・・・釜が重そうに回り始める。そして、僕はポンポン菓子が出来るまでその釜から離れずに、不思議そうにその釜を見つめていた。あんな小さなお米が、何であんなにも大きくなるのだろうか?たぶん、おじさんは魔法使いで、僕の見ていない所で「チチン・プイプイ・・・お米よ、大きくなぁれ」って唱えているに違いない。待てよ。ひょとしたら釜の中にアラジンの魔法のランプのように大魔神みたいなのが居て、お米を大きくしているのかもしれない。その証拠に、その釜のケツをハンマーで叩くと「ポン!」と言う音と供に蓋が開き大きくなったお米がいっぱいばら蒔かれる。でも、そんな事はどうでも良かった。僕は、ポンポン菓子の出来るまで、その場を離れなかった。出来上がったポンポン菓子はもって来た袋よりも一回り大きい袋に詰められて僕に渡された。それを、僕は気の狂ったカラスのように家に持って帰ってむさぼり食う。小学生の時の良い思い出だ。最近ポンポン菓子自体をあまり見なくなったけどあのポンポン菓子のおじさんは元気にしているだろうか・・・僕の、ポンポン菓子のおじさんの記憶は、あの時のままだ。
2006.02.25
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俺は、本棚を整理していたら、昔の卒業アルバムが出てきた。懐かしく思って忙しそうな手を止めて写真に見入ってしまった。そういや、アイツは今頃何をしているのだろう・・・アイツと言うのは、卒業式前日に、いきなり告白してきたヤツだ。確か、名前は圭子とか言ったけ・・・圭子が俺のことを好きだったのは知っていた。いつも、俺を追いかけ回していたヤツの一人だ。その頃、俺は凄くモテた。人生最高のモテ期だったと思う。でも、優柔不断な俺は、その中から一人を選べなんて、到底無理だった。当時、優しいヤツが良いヤツだと勘違いしていた。だから、彼女ら、全員に同じだけの、優しさを与えた。しかし、結局はその優しさが裏目に出て、傷ついてしまった女の子も居る。でも、その中で、一人だけ勇気ある行動を起こしてきたのが圭子だった。圭子は、いきなり、卒業式前日に告白をしてきた。「私は、ヤス君の事がずっと好きです。だから・・・だから・・・」でも、東京に行くことが決まっていた俺は、その希望に答えることが出来なかった。自分の中で、彼女の言葉が、こだまの様に響く・・・ホントは、セオリーどおりにいけば、ここで第二ボタンでもあげるのだろう・・・しかし、第二ボタンをあげると、妙な期待を持たせて彼女を不幸にしてしまうと思った俺は第一ボタンをあげて、彼女の前を去った。
2006.02.24
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私は、結婚をして、子供を産んで2児の母親をしている。あれから、何年が経っただろうか急に卒業写真を見たくなって、開いてみた。私には、前々からずっと片思いしていた男の子が居た。名前はヤス君って言う名前だったと思う。ヤス君は、誰にでも優しかった。例に漏れず、私にも優しかった。でも、私は、ヤス君にとって特別な存在で居たかった。私は、そんなヤス君を今時流行らないとか思いながら、影で、ずっと見ていた。毎日が、風のように過ぎていった。月日は経ち、私が恐れていた卒業の日がやってきた。ヤス君は、確か、専門学校に行くために東京に行くって言っていた。離れたくない・・・思いを伝えたい・・・伝えたい・・・意を決して卒業式の前日に告白した。「私は、ヤス君の事がずっと好きです。だから・・・だから・・・」告白するまで、色々と言いたい台詞を考えていたのに、緊張のあまり、台詞達は私の心の中をグルグル回りながら塵のように消えていった。シッパイシタ・・・・ヤス君は静かに、制服の第一ボタンを千切って渡してくれた。そして好きか、嫌いか、答えを出さずに私の前から去っていった。今、思うと、それで良かったのだと思う。例え、答えが出てこなかったとしても、自分は納得出来たから・・・ところで、今頃、彼は何処に居るんだろう・・・
2006.02.23
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「何をするつもりなの?!」その声は突然後ろから聞こえて、振り向いた。さっきまで誰も居なかったはずの砂浜には、背が大きくて、少し色黒で、20代に見えたけど少し大人になりきれていない少年がそこには居た。瞳は綺麗だったけど、その目は私を責め立てるような険しい目だった。たぶん、何をしようと思っているか解ったと思う。もう一度聞かれた。「何をするつもりなの?」単に海と戯れて居ただけって答えるつもりが「消えたかった・・・」って答えてしまった面倒な事になってしまった。とっさに、逃げる為に「でもいいの。もうやめたから・・・」少年は、全てを見透かしたように、疑いの目をしていた。「・・・・・わかったわ!ねぇ少し一緒に遊ばない?君はなんて言う名前なの?」「僕の名前は水玉って言うんだ。変わった名前でしょ?おねぇちゃんは?」少し本名を言うのを躊躇っていたけど、何も答えないわけにもいかないので「私は・・・みなみ!みなみって言うの。」その場で思いついた名前を言ってみた。「行こう!」そう言って水玉は手をグイグイ引っ張って、色んな所を案内してくれた。見晴らしの良い山海の色が変わる海岸南国のフルーツジュースを片手にのんびりと、歩いて行った。すれ違う人々は、みんな時間が止まっているんじゃ無いかと思うぐらいゆっくりしていた。そして気が付いたら夕方だった。水玉と最初に会った海岸で金色の海を見ながら「みなみちゃん・・・」「なぁに?」「まだ、死ぬつもり?」水玉は少し心配そうに私の顔をのぞき込んだ。私は少し時間をおいて、静かに首を横に振った。その頃には私の心もこの風景に洗われて、そんな気も起こらなくなっていた。何よりも、水玉の引っ張ってくれる手がすごく暖かかった。「今日はホント楽しかった。ありがとう。」水玉はいつのまに拾ったのか、大きな貝殻をくれた。「何か嫌なことがあったら、この貝殻を耳に当てるといいよ。そして僕を思い出して。」そう言うと水玉は私の手にキスをくれた。水玉の顔を見ると今にも火が出んばかりに真っ赤になっていた。そして水玉は何処かに走って行った。私は東京に帰ることにした。今日あったことを、記憶しておくために、小説にして置いておこう。そうだ、ペンネームは、ここの青空が透通るぐらい綺麗だったから「青空みなみ」でいこう。売れるかどうかは、分からないけど・・・その数カ月後何故か分からないが、私は新人賞を貰っていた。少年の少し甘酸っぱい物語「ミナミの水玉」で・・・ー終ー
2006.02.22
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私のペンネームの由来は、南の国「沖縄」で生まれた。それも、沖縄本島じゃなくて、石垣島って言う、小さくて、山と、猛毒を持つハブ以外何も無い辺鄙な島だった。私は、その時2年越しの恋に破れて、傷心旅行に出かけていた。いや、傷心旅行と言うよりも、自分を消しに行ったって言うのが正しいかもしれない。ここなら死ねる。誰も見つける人は居ない。死ぬ材料は、何処にでも転がっている。あの崖から海に身投げしても良いし、ハブに嚼まれて毒が身体に回るのをじっくり待っても良いその為に、今住んでいる場所も生活感が残らないように片づけてきた。もう、恋なんて出来ない。絶対に出来ない。散々、男に貢いで、貢いで、身体も、心も、お金も貢げるだけ貢いでボロ雑巾のように捨てられた。三流ドラマみたいだけど、もう、何もかもが、どうでも良かった。今まで私が好きだったアイドルも、素敵なカフェも、生きる為だけにやっていたバイトも、全部が、くだらなく思えた。そして、一日中、死に場所を探して島中を歩き回った。歩き回ったって言っても半日あれば、歩いて一周出来るような小さな島だったので大したことないけど・・・散々歩いて見つけた場所は、綺麗な砂浜だった。海が澄んだ水色で、遠くに行けば行くほど濃い青になって、砂は、絵の具の白よりも真っ白で、その日の空は飛んで行けそうなくらい綺麗だった。もう少しで楽になれる。心の中のドロドロした記憶も、楽しかった夢もこの砂浜に捨てて、私はこの、景色のように綺麗になるつもりだった。「そろそろ、この景色からもお別れだね」誰もいない砂浜に向かって声をかけた。当然何も返ってくるはずも無く、波の音を静かに聴いてた。そして、服を着たままゆっくりと前に前進を始めた。
2006.02.21
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私の名前は「青空みなみ」もちろん本名じゃない。わたしが書いている小説のペンネームだ。何年も前に書いた小説が異様にウケて新人賞を貰ったけど、それ以降は全く売れない、出版社の人もいいかげん愛想を尽かして担当の人さえ私のところには顔を見せない寂しい小説家だった。私も何度と無くこの仕事を辞めて普通のOLやっていれば今頃私は、適当な人と適当に恋をして、適当に結婚していたと思う。私の小説のジャンルは恋愛物一本だった。寝ても、冷めても、恋愛の事ばかりを妄想してそれを、ひたすらパソコンで書き綴る。普通小説家って言ったら、紙とペン片手に、書いては、捨て消しては、また書きって言うのがイメージ的に強いけど、最近は文明の利器の恩恵を受けて、書き上げから、入稿までこれ一台だ。実に便利な世の中だって思う反面、人とかかわりが無くなる寂しい物でもある。そんな私だけど、若干の固定ファンが居て、いつもその方からのファンレターを貰うのが唯一の楽しみだった。「誰かが私の小説を読んでくれて、その人が共感してくれればそれで良い。」そんな私だったけど、少し逃げたくなった。ほんの少しだけ・・・・締め切りからも、原稿からも、固定ファンからも・・・これが私にとってのスランプだった。書きたくても書けない。妄想したくても、妄想出来ない。ガチャガチャしていて、気を抜くと、そのまま街並みに飲み込まれそうなこの街から逃げたかった。とにかく静かな場所に行きたかった。
2006.02.20
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ぼくは、28ねんまえにうまれました。うまれたときの、ぼくはふにゃふにゃでまるで、おさるさんみたいな、かおをしていました。そんなぼくを、おかあさんは、やさしくだきあげてくれました。おとうさんは、なにをすればいいのかわからなくて、うれしいような、こまったようなかおをしていました。ぼくがわらったら、ふたりともわらいます。ぼくがないたら、ふたりはあわてます。ぼくがねたら、ふたりともあんしんします。ぼくは、ふたりをおもしろそうにみていました。いろんなひょうじょうをみせたら、おなかへったのでおっぱいほしいよ~!ってなきました。おかあさんは、あわてておなかいっぱい、おっぱいをのませてくれました。ごちそうさま。そして、おやすみなさい。
2006.02.19
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今日彼と別れてしまった。理由はお互いの夢を実現するため。頭では解ってるつもりなのに、一晩中泣いた。もう少し一緒に居たい。でも、一緒にいるとついつい甘えてしまう。別れ際には、彼を笑って送り出せるよう強がってみた。「一年後わたしは、もっと素敵になってみせるから」彼は、少し悲しそうな顔をしながら、頷いた。時間を、昨日以前に戻したい・・・・あの、楽しかった日々に・・・・思い出が走馬燈の様に駆けめぐる。一年経ったら、戻ってくるよね。一年経ったら・・・彼に聞こえないように、何度も叫んだ。泣き疲れたのか、そのまま寝てしまったらしい。鏡を見ると、目が腫れていた。こんなんじゃ、彼に笑われるよねわたしも頑張らなくっちゃ
2006.02.18
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ある日、その知らせは突然だった。「恭子が死んだ?!」彼女は、病気で床に伏せっていたが、こんなに早く亡くなるとは思っても居なかった。確か、最初は脳腫瘍だと聞いてはいたがそれ以降ぷっつりと連絡が途切れてしまった。周りの人間はただ、待つばかりだった。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~みんな、ありがとう。私の為に祈ってくれていたんだね。初めて、みんなに会った時には、私に手を広げて大きく、そして強く受け入れてくれたね。私が倒れた時にはみんな心配そうな顔をして、すぐに良くなるからね、っていっぱい励ましてくれたね。私も、絶対に元気になって、とびきりの笑顔で現れるから!って約束したよね。でも、私はもうその約束は果たせそうに無いです。白装束のお迎えがすぐ側で手をこまねいて待っています。私は、出来る限りそいつらと戦ったけど、追い払っても、追い払ってもすぐに側に来てしまいます。その白装束のボスみたいなヤツが、私に向かって「お前のロウソクは、もうこれだけしか無いんだ」って突きつけられて、私も、素直に頷かずには居られませんでした。だから、これは私の最後の言葉です。どうか、1日でも長く、そして幸せに生きて下さい。私は、みんなの笑顔も、温もりも、言葉も忘れずにあちらの世界に持って行きます。そして、数十年後に、みんなが追いついて来た時にはその話題で盛り上がろうね。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~彼女が、書いた最後の手紙だ。彼女の分も、精一杯生きようと心に誓った。今まで、楽しい思い出をありがとう。そして、さようなら。僕の言った言葉が空を舞い、彼女に届いた様な気がした。
2006.02.17
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目の前にはドナウ川。その畔で、一組のカップルが散歩を楽しんでいました。「もうすぐ、私たち結婚するのね」「うん。結婚したら、この川の畔に、家を建てるんだ。 そして、このドナウ川の様に綺麗な君を見つめながら 毎日を過ごすんだ。 そして、僕はあの小島にある君の瞳と同じ色の花を取ってきて、 君の髪の毛を飾ってあげるんだ。」そう言った青年の、目の先には小さくて、碧い花が溢れんばかりに咲き乱れていました「そうだ!君と、僕との永遠の誓いの花飾りを、 今から作ってあげるから、ちょっと待っててね」そう言って、青年は川に飛び込み、泳いでその花を取りに行きました。そして、その花で髪飾りを作り始めました。「まだ~?」「まだ~だよ☆」その姿を彼女も楽しそうに見ていました。やがて、髪飾りが完成し彼女の待つ畔に引き返そうと再び川に飛び込みました。ゆっくりと、そして順調に泳いでました。しかし、間もなくと言う所で、彼も気持ちが緩んだのか彼は川の急流に巻き込まれてしまいました。それは助ける術も無く、一瞬の事でした。「僕の事を忘れないでくれー!」そう言って、川に飲み込まれて消えていきました。彼女は、亡き彼を忘れない為に、その花を生涯身に付け続けました。
2006.02.16
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その日の、部活も終わり、ヘトヘトになりながら、校庭を歩いていた僕は、水を求める「砂漠の民」の様に意識が朦朧としていた。その時頭の上で変な音がした。上を向くと、小さな箱が落ちて来て、それはだんだん大きくなった。ヘディング・シュート!と、格好良くは行かずに、おでこにその箱の角が直撃し目の前がゆっくり暗くなりながら、その場でぶっ倒れた。気が付いたら保健室だった。目の前は白い天井左右には清潔そうなカーテンで仕切られていた。そして、僕の枕の隣には、僕がここに運ばれる理由となった箱が・・・その箱の包み紙の側から、小さな手紙が顔を覗かせていた。小さい封筒にそれは、大事そうに包まれていた。その手紙を勝手に見るのは悪いような気がしたけど、この箱は僕をこんな目に会わしたのだから、見る権利がある。その手紙を手に取り、そっと開けるとかわいい便せんが出て来た。そして、その手紙の冒頭には、自分の名前が書いてあった・・・しかし、その手紙の差出人を見て更に驚いた。僕が、半年前から好きだった、あの娘の名前が、そこにはあった。その後、神様の悪戯で運命的な出会いをした二人は付き合い始めた。二人はすごく幸せだったが、その代償は大きいものだった。そう、先生にはみっちり怒られて学校の「校則」に妙な一文が加わる事になった。「学校の屋上から愛の告白をしてはならない。」めでたしめでたし☆な、わけ無いか?※PDAで書いて、全体が見えて無くて、 アップしたら、妙な一文が入っていた・・・ てなわけで、夜中の1時半に修正しました。 恥ずかしい・・・
2006.02.15
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こんなに空しいのは何故だろう理由は分かっている意気地無しな私のせいだ渡せなかったチョコレート私はそのチョコレートを、自分で食べようとした片思いを始めて半年・・・その間、色んなアクションを起こしたけど全く気づいてくれなかった最後にもう一度そのチョコレートを見つめた自分で食べるということは自分で負けを認めるような気がした。涙がとめどめなく溢れて止まらなかったやっぱり捨てよう。学校の屋上から、ウェディング・ブーケのように放り投げた。そのチョコレートは、大きく弧を描いて空を舞い静かに、そしてゆっくりと下に落ちて行った。
2006.02.15
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10年後の君へこんばんわ☆今、この手紙を開く時に、きっと君はいつものコーヒーを飲んでいるはず。今のお仕事は気に入ってるかしら?僕は占い師だから君のことは、全て判るんだ。そう、少し身体を悪くして、タバコは辞めたんだよね。君のパートナーの為にも・・・君のパートナーは気に入ってくれたかな?その子は、僕が選んだのだから、間違いが無いはず。そして、君はこれから新しいことを始めようと、一心に勉強をしているはず。君は、昔っからそうだったよね。何か自分が気に入ったことをやる時は、回りが全く見えないぐらいどっぷり浸かり込んで、ちょっとや、そっとじゃ、回りの変化に気が付かない。良い所でもあるし、駄目な所でもあるんだけどね。でも、少しばかり落ち着いて回りを見渡してご覧。そしたら、今やってる事との関連性が見えて広がりが出てくるから。10年前の君は本当に無茶苦茶してたよね。精神的にも、肉体的にも・・・でも、その無茶苦茶を忘れちゃ駄目だよ。君のエネルギー源でもあるから。それを辞めると、君は急に老け込むよ。君の美味しい所は、その無茶苦茶加減なんだから。誰もが諦めて、誰もが挫けて来たことを、君はそこの常識が欠けてるから、喚きながらでもやって来た。もぉ、無理!もぉ駄目だ!って事をこれからも、ずっと続けるんだよ。落ち着いたりしたら、絶対に許さない。明日のことは、僕にも分からないけど、この手紙を読んだ次の日も、生きていたら、もう一度この手紙を読み直して欲しい。この手紙は君の永遠のテーマだからね。
2006.02.14
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10年前の君へこんにちわ、から始めたら良いのかな?今君は凄く大変だと思うよ。自分の思った通りうまくいかないと思うし色んな障害が沢山あると思う。でも、君が小さいころから思っていた夢は絶対に諦めちゃ駄目だよ何回か寄り道をすることになると思うけどその夢は、少し形を変えて絶対に叶うから。そして、自分の心を傷つけるのもやめた方がいい。将来の君のために良くないから。あと、これからの10年の間に君の一番近くに居る人で君に一番影響を与え、君の幸せを一番思って居る人との別れがあるよ。今の君は、その人の事を、あんまり好きじゃないみたいだけど近い将来、君と、その人との物理的距離は、遠くなるけど心は今よりもずっと近くなってね、人生を幸せに過ごす為のエッセンスを間違いなく受け継ぐことになるから。そして、今よりもずっと、ずっと大きくなれるから。今は茨の道だけど、それを抜けると素晴らしい世界が待っているはず。この僕が言うのだから間違いが無い。くれぐれも、身体には気を付けて、1秒、1秒を大切に過ごしてね。
2006.02.14
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