ゆきてかえらず
美しき 河は流れ
そのほとりに僕は立ち
寄せてはかえす 日々の中で
愛しき女（ひと）を想う
人と出会い そして別れ
幾度も日は あけたけれど
きっと今日の出来事など
また忘れてしまうのだろう・・・
悲しみは人に告げず
この胸に閉まっておけるなら
橋を渡り 河を越え
永遠の旅人よ
想いは
ゆきてかえらず
彼方の山を越えて
虹が立つと人は云うけれど
誰よりも 老いを恐れ
霞の中ににじむばかり・・・
どんなに胸が痛くても
悲しき時には 石にはなれず
飽きた時に ロバになれず
淋しき時に 犬にはなれぬ
悲しみは人に告げず
この胸に閉まっておけるなら
橋を渡り 河を越え
永遠の旅人よ
想いは
ゆきてかえらず
いつか土へと還る時
魂は煙となりて
風に吹かれ 野山を越えて
初めて天に届くとしても
どうせ漂う日々ならば
風に向かって砂を投げ
焦がれて生きる日々の空に
七色の円を描いてみたい
悲しみは人に告げず
この胸に閉まっておけるなら
橋を渡り 河を越え
永遠の旅人よ
想いは
ゆきてかえらず
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