レビンっこの駆け出し日記

レビンっこの駆け出し日記

episode.5 そして決断へ





2005年4月26日。
この日は○FCの2度目の面接。


今回は学生3人・社員2人の集団面接だった。

こっちから見ておれは右端の位置に座った。


面接官「まず、志望動機と自己PRをお願いします。
    では(こっちから見て)左の方から。」

学生A「私はゼミでこんな研究を~」


こんな質問、おれにとっちゃ簡単だぜ。
前日ちゃんと考えてきたんだ。
感動するようなエピソードをさ。


面接官「では次に、あるテーマに沿ったあなたの
    面白遍歴を聞かせてください。右の方から。」


・・・・おれからじゃん。

こんな質問、想定できるわけない。
しかも面白遍歴?
何を話せばいいのさ。
まさかここで恋愛のことなんて喋れるわけない。

数秒間の沈黙の後、

おれ「わっ、私のバイト遍歴を話したいと思いますっ。

   初めてのバイトは高1のときに喫茶店でしました。
   しかし、まかないが美味しくなかったので1年半でやめましたっ。

   次のバイトは高3のときにファミレスでしました。
   しかし、まかないが美味しくなかったので1年でやめましたっ。

   次のバイトは大学1年のときに温泉旅館でしました。
   しかし、冬の長野が寒かったので1年でやめましたっ。

   次のバイトは大学1年のときに塾講師をやりました。
   しかし、大学3年のときに塾長が夜逃げしましたっ。
   なので私の家で家庭教師をして高校受験まで面倒見ましたっ。

   次のバイトは大学2年のときに市の図書館でやりました。
   しかし、興味のある本を読みつくしたのでこの前やめましたっ。」


最悪のエピソードだ。


絶対すぐ仕事を投げ出す性格だって思われたに違いない。

面接官の爆笑とは裏腹に、おれの心中は慟哭のさなかだった。


面接官「では次にあなたの最も興味のあることを
    聞かせてください。右のかたから。」


おれにさらなる追い討ちをかけるのですか、面接官様。

いつもなら「読書」って答えるのに、
その時はただ純粋に興味のあることを答えてしまった。


おれ「競馬を少々たしなんでおります。」

面接官「どのくらい賭けてるの?」

おれ「いえ、賭けたりはしてないんですけど、
   競馬の持つ血の歴史を調べたり新聞のデータを見たりするのが
   好きで、ゼミ論のテーマに競馬を選んで研究しました。」

面接官「たしかに競馬はデータが豊富だからね。
    でもよく教授はそのテーマで研究させてくれたねぇ」


面接対策本を後から読んでみてわかったんだけど、
「仕事をやめたこと」とか「賭け事が好き」ってのは
絶対言っちゃいけないことなんだって。


タブーを連発したおれの気分はどん底だった。

さらに、そのあとの光景はおれを突き落とした。


面接官の手元には、学生3人分の履歴書・エントリーシートの
コピーが置かれていた。

そして、趣味の質問が終わった後、一人の面接官が
おれの履歴書を右側にずらした。


おれはこの光景を見て、絶対落ちたと思った。

「こいつはダメだ、落とそう」の意思表示だと感じた。


奈落の底に落とされた気分で実家に帰ってくると、
親が今日の面接の手応えについて聞いてきた。

「どうもこうもねえよ」

それだけ言ってフテ寝した。



でも、次の日、電話が鳴ったんだ。


Sさん「面接通りましたよーおめでとうございます。」

ええええええええええっ???

おれ「ホントですか?絶対落ちたと思ってたのに。
   面接官が私の履歴書を横に外した時に、
   ああ、もう終わった、って。」

Sさん「ああ、あれは  この子獲ろう  って合図なんですよ。
    でも、よくそんなところまで見てましたねー。
    では、次は最終面接でお待ちしていますね。」


体の力が抜けた。

誤解させるような事しないでよ。


2005年5月10日、最終面接。

もうこわい質問なんて無い。
専務さんが出てきたって問題ないぜ。

自信を持って受け答えできた。


そして、
2005年5月12日。

内定を電話で受けた。

もう気持ちは決まっていた。

謹んでお受け致します。お世話になります。


2005年5月13日。

○ン○○○と、○工○金に辞退の電話を入れた。

そして、親とN銀の次長さんに電話して
就活を終了する事を報告した。

この日だけで、電話代が1万超えたかもしれない。

ホントにおれはいろんな人に支えられてるんだな、
って感じた。


2005年5月25日。

○FCの内定者懇親会。

内定者や社員さんと話して、こんな素晴らしいメンバーと
来年から仕事ができる歓びをかみしめた。


2005年5月27日。

北信越学連主管の全国大会。

大会は大成功だった。

死にそうなくらい大変だったけど。


2005月5月29日。

全国大会が終わった。

家に帰ってくると、ずっと張り詰めていた気持ちが切れたのか、

いつの間にかスーツのまま寝てしまった。

何の不安も無く寝られる幸せ。

4ヶ月ぶりに味わえた。


うん。よく頑張ったな、俺。



~episode.6 えぴろーぐ につづく~


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