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医療崩壊



いつもありがとうございます。
ツイてる抗加齢(アンチエイジング)実践家てるです。


私の23年間の超健康マニアとしての経験から病気を予防して
国民医療費を激減させることは簡単だと確信しています。

患者が激減し、国民医療費が激減すれば医療崩壊も防げますが、
困るところが猛反発してくるでしょう。


世界で最も著名な天才経済学者ポール・ゼイン・ピルツァー氏は、
近著 『健康ビジネスで成功を手にする方法』 にて、
医療産業と健康増進産業は別産業だと鋭く指摘しています。

☆医療(疾病)産業:病人に対し、「受身的」に提供される製品・サービスで、
 病気治癒ではなく、高利益の症状対処に専念。
☆ウェルネス(健康増進)産業:健康な人(病気でない人)が、より健康、
 老化遅延、病気予防するために、「積極的」に提供される製品・サービス。

●この悲惨な現実
 1兆ドルの食品産業、1兆5,000億ドルの医療産業が実に卑劣に陰謀を
 働いたも同然で、逃げ道のない消費者

▼肥満と栄養失調を生み続ける食品産業
 とてつもなく強大な経済力が、健康を妨げている
 中毒性のある加工食品に子供を誘き寄せるために給食制度を作った
 ジャンクフード文化の最恥部は、経営陣らが自社製品を避けていること

▼病気を生み続ける医療業界
 医療業界は、食品会社よりはるかに悪質
 医者は製薬会社の標的
 病気の原因や治癒ではなく、高利益の症状対処に専念
 製薬会社は悲惨な食事ででる症状に効果のある危険な薬を飲ませる

▼メディアは情報不足で無力
 しかも主たる広告主は食品・医療産業
 政府も同様に情報不足で無力

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昨今声高に叫ばれるようになった「医療崩壊」を医師不足という観点から3回に分けて探る。最終回は、医療現場の現状から考えた「日本の医療への提言」をお届けする。

2008年7月に私たちが取材先を検討した際に医師不足、院長辞任などによって混乱する、銚子市立総合病院が一つの候補として挙がった。銚子市にアポイントを試みたが、9月に病院閉鎖をすること、8月は市民集会の対応に追われるため、取材を受け入れられないとのことであった。新聞記事などによれば、最高責任者たる市長は国、県の支援を受けられなかったことを理由とし、議会は赤字経営を追求することにまい進し、市民は集会を開くが、閉鎖させるなというシュプレヒコールに終始する。銚子市の例のように、医療崩壊について責任を持って行動する者が誰もいない状況こそ最大の課題である。

現状分析(前回記事)でも述べてきたが、日本の医療を取り巻く状況をどれだけの人が知っているのだろうか。日本の人口1000人当たりの医師数は2.0人とOECD諸国中27位であるが、日本の医療の質は高いレベルといわれている。つまり、日本はいわゆる先進国の中で、少数の医師によって安くて質の良い医療を提供してきたという現実がある。日本の医療、特に外科手術や救急医療に代表される本格的医療は、勤務医の献身と自己犠牲、志によって支えられてきた。しかし近年の医療需要の増大による労働環境の悪化と医療訴訟のリスク増加、社会やマスコミからの過度の攻撃的批判などにより勤務医の士気が下がり、「立ち去り型サボタージュ」(*1)が進行している。

*1:小松秀樹著『医療崩壊 「立ち去り型サボタージュ」とは何か』(朝日新聞社)参照。

勤務医にまつわる問題(不足、過剰労働)

(1)医師絶対数の充実


政府は1983年(昭和58年)、アメリカの研究グループが発表した医療費亡国論(医師を増やすと医療需要を掘り起こすという説)の立場から医学部定員減を図ってきたが、2008年(平成20年)7月にようやく政府見解が変更され、医学部定員増に舵を切った。

しかし、事前の懇談では、現在の8000人から10年後には1万2000人にまで増やすという提案であったが、政府の出した「安心プラン」の中身は、「平成20年度中に結論を出す」という曖昧な方向性である。私たちは少なくともOECD平均並みの、つまり人口1000人当たり2.9人の医師数が必要であり、少なくとも医学部に対する30パーセントの定員増が必要であると考える(*2)。この定員増は医療費の適正な増額とセットで行われるべきなのは言うまでもない。

また、医学部を卒業してすぐに即戦力になるわけではなく、俗に「卒業後10年たって一人前」と言われ、多くの臨床現場を経験する必要があり、医学部の定員増と実際に医師が現場の第一線で戦力になるのには大きなタイムラグがあることも忘れてはいけない。

なお、医師絶対数の充実に代わる対策として、医療行為の規制緩和( 1.不足する麻酔医の代替として歯科医師が実施、2.医師以外の者に一定の医療行為を開放、3.外国人医師の受け入れなど)も本研究会で検討したが、まずは日本医師の絶対数を充実させることが本質的であると考え、時期尚早と結論付けた。

*2:この場合には医師を引退する者、死去する者を考慮していない。まさに最低限度の概算値であるにも関わらず、政府実施計画値とは大きな乖離があることに着目されたい。

(2-1)過剰労働、辞めていく人を辞めさせない仕組みが必要

36時間労働が常態化しており、過剰労働による燃え尽きが懸念される。また、増え続ける女性医師、厚労省の調査では医師の女性の割合は1994年に12.5パーセント(約2万7700人)だったが、2004年に16.4パーセント(約4万2000人)に増えた。しかし、現行の勤務体系は男性医師を想定して作られており、女性医師が出産・育児しながら働くことは想定されていない。女性医師がライフサイクルに合わせて就労できるような労働環境の構築が必要である。つまり、医療業界における女性の割合を悲観するのではなく、女医の結婚、出産、育児というごく人間として当たり前の生き方を是認する労働環境を整備することが先決であり、それは、男性医師の労働環境の是正にもつながる方策であると考える。

医療機関の運営は労働基準法に則った形にしなければならない。「現在の医療制度は勤務医の積極的な奉仕によって支えられてきた」「若い時、寝る時間があるなら現場に立て、勉強しろと指導された」といった明治時代の徒弟制度さながらの慣行が今でも根強く力を持っている一面がある。

(2-2)解決の糸口として -ナイトシフト制の導入―

36時間勤務が常態化している病院は数多いが、藤沢市民病院のこども診療センターでは、ナイトシフト制を採用している。これは常勤の小児科医14人が夜の当直業務のみを担当するシフト体制である。

36時間勤務体制では、日中の通常業務(午前8時~午後6時頃。病院によって異なる)を終えたあと当直業務(午後6時~翌朝午前8時)に入り、翌朝まで働き、そのまま続けて翌日の日中業務(午前8時~午後6時頃。多くはそのあと残業があり、帰宅は午後8時過ぎ)に入る。

藤沢市民病院こども診療センターでは、この当直業務帯のみを担当するシフト制を採用、ナイトシフトにあたった医師は夕方に出勤し、当直業務を終えた翌朝、日中業務に入らず帰宅する。こうした医師の夜勤体制を採用したのは藤沢市民病院が全国初だという。常勤の小児科医14人という、非常に恵まれた体制であるからこそできるナイトシフト制であり、どこの病院でも導入できるものではないが、そうした勤務体制の病院でならぜひ働きたい、という医師は多いだろう。

(3)需要の適正化

小児医療費を全額無料とするなど自治体独自の医療費支援策が行われているが、これはコンビニ受診(*3)を招いている要因とも言われている。一定の手続きを踏むことなどで需要の適正化を図る必要がある。例えば、病院の窓口では一端自己負担分を患者が支払い、その後に市役所の窓口で医療費の還付を受けるといったことが考えられる。

*3:軽症であるにも関わらず、深夜などの時間外に受診する「コンビニ受診」は当直業務に従事する勤務医の負担を増やしている。

(4)医師の地域偏在の解消のために

医局制度については地域の医療を支え、過疎地への医師の派遣という一定の評価もあった。医局制度に代わり、新臨床医制度が新たに導入された。これによって、地域偏在が加速したとされる。地域偏在の解消のために、医局制度の見直し、医師の地域勤務の義務化などが挙げられている。だが、研修制度が充実した病院や、医師として働きやすい地域には、非都市部の病院でも医師は集まってきている。医師の働く場として魅力を高めていく病院づくり・地域づくりの視点を欠かしてはならない。

(5)サポートを充実させる

保険会社に提出する書類など必ずしも医師が行う必然性が無い事務の担い手の採用や保険会社に出す診断書の様式の統一など、事務仕事を必要最小限なものにし、本来業務である医療行為に集中できる環境を作る。コメディカルに対する規制緩和はこの部類に充てられるかもしれない。今回は医療現場のリーダーたる医師にフォーカスしたが、看護師、薬剤師、理学療法士などコメディカル従事者についても、人員不足や激務が明らかになっている。今後の検討課題として、絶対数を増加させると同様に、救急救命士とともに、処置範囲の拡大を実施しなければならないと考えている。

超高齢化による社会保障費の増加

(1)社会保障費に安定的な財源を


厚生労働省「国民医療費の状況」を見ると、2006年度の国民医療費は33兆1276億円(前年度33兆1289億円)、1人当たりの国民医療費は25万9300円で、医療費の国民所得に対する比率は8.88パーセントとなり前年度の9.04パーセントより減少が見られる。しかしながら、今後の高齢化率を鑑みれば、当然増加傾向にあることは否めず、厚労省は病床数を削減し、社会保障費の抑制を3000億円程度実施する見込みである。これに対しては公共事業費を社会保障費(医療)に充てることで解決の糸口が見える可能性がある。

また、寄付制度の拡充などで複線化も視野に入れた予算の制度設計も重要である。

(2)コストに見合った医療

現時点の保険点数は、医療事業のみでは採算が取れない状況である。医療事業で発生した「いわゆる赤字」を、民間医療法人では不動産収入などで、自治体病院では一般会計から補てんしているのが現状であり、コストに見合った保険点数に見直しが必要である。一方で無制限な医療費の増大は避けなければならない。病気にかからない、かかりにくくするために予防医療の充実・普及、義務教育や社会教育によって医療知識の向上を図る必要がある。

対医療訴訟について

患者側の医療に対する過度な期待や医師の説明が不十分なことによって、患者と医師の信頼関係が危うい状況になりやすい。政策立案担当者や医療者は、患者と医師の信頼関係を築くように、マスコミを通じて直接国民に情報発信することが必要である。

福島県大野病院での医師逮捕以来、産婦人科医が激減したように、医療訴訟が医師の士気に大きな影響を及ぼすのではないだろうか。医療は不確実性が高いことを患者側に伝えるとともに、医療訴訟やトラブルについては医師個人ではなくてチーム(病院)で対応することが必要である。

また、今後、医療事故の無過失補償や医療に特化した真相究明のための裁判外紛争解決手続(ADR:Alternative Dispute Resolution)を創設し、大野病院事件に見られるような事態を防止することが必要である。

おわりにかえて

我々が研究を進めていく上で、しばしば聞かれたことがある。それは現代の日本人が死をどのように捉えているのかという問題である。

残念ながら、いかに医療が日進月歩、高度に発展しようと人間に死は必ず訪れ、逃れる事はできない。しかし奇妙なことに日本人の意識から死の意識が遠のいている様子だ。それを端的に表すように、マスメディアはこぞって名医を紹介し、「優秀な」病院をランキング付けするのに忙しい。病気は手術すれば、お医者さんにかかれば必ず治る。すなわち根治することができる。あたかも「神の手」を持った医師が存在し、病身の患者をまったくの健康体にしてしまう魔法があるかのごとく報道する。

ここに私たちが見てきた現場との大きな相違点が存在する。つまり、医師は、医療は不確実であることを知り抜いているのに対し、患者は、医療は万能であると考えている。医師にとって病は根治困難であるというのに、医療行為を受ける患者は、完全に治癒すると認識している。医療サービスを受ける側の基本的な心構えとして、『医療崩壊』(小松秀樹著/朝日新聞社)にもあるように「医療は検査にしろ、治療にしろ、体にとって基本的によろしくないことをする」ということをもう一度真摯に受けとめなければならないのではないだろうか。

一人ひとりの国民が、病や死をどのように認識し、理解し、そして迎えるかを考えなければ高齢化した社会に対応できる医療制度を構築することはできないのではないだろうか。そして個々の人生の終末の形、迎え方が明確にならないならば、訴訟ばかりが氾濫する世の中になってしまいかねない。医療現場を経験することによって見えてきた日本人の死生観の問題も常に考慮に入れて制度設計を構築しなければならないと感じながら論文を締めくくりたいと思う。

松下政経塾 医療研究会(熊谷 大、北川 晋一、高橋 宏和、津曲 俊明)

(出典:日経BPnet )


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