■■■ | ワインの基礎知識&デイリーワイン的オススメワイン~シャンパーニュ編 | ■■■ |
* | 各国ワインの基礎知識と私個人の勝手なデイリーワイン的考察を紹介します | * |
■■■ | シャンパーニュの基礎知識 | ■■■ |
* | 【主要品種:赤】ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ 【主要品種:白】シャルドネ、 |
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シャンパーニュ地方には4つの県があります。 ぶどう畑の80%はマルヌ県にあるモンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランで造られています。 発泡酒・「シャンパン」のイメージが強いですが、数は少ないものの赤・白ワイン(コトー・シャンプノワなど)も作っています。 シャンパーニュ地方でもブルゴーニュ同様、畑ごとに格付けが行われており、100%グランクリュの畑から取れたブドウで作る「グランクリュ」、80%だけ使う「プティクリュ」まであります。 またシャンパンは、年号のないノンビンテージが主力商品。毎年同じスタイルを保つことで、各作り手の個性を表しています。 なので、購入するときに通常目安となるのは、畑毎の格付けよりも、やはり作り手毎の特色でしょう。 というわけで、主なシャンパンハウスと、その特色、そして各シャンパンハウスが作っており一度は味わいたい「プレステージ・シャンパン」を紹介します。 |
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■モエ・シャンドン(MOET CHANDON) |
言うまでもなく、あの「ドン・ペリニョン」を作るシャンパンハウスです。 ルイ・ヴィトンなども経営する、LVMH社の傘下で、年間2500万本以上という量を売り上げるシャンパンハウスの最大手のひとつでもあります。 ノンビンテージの「モエ・シャンドン」は安いところだと3500円くらいから。 味の特徴としては、全体的にとてもバランスがよいこと。 迷ったら、これに決めて間違いのないシャンパンです。 【プレステージ・シャンパン】ドン・ペリニョン |
■クリュッグ (KRUG) |
家族経営をするシャンパンハウスで、生産量の少なさとその美味しさから、世界中に「クリュギスト」なる愛飲家が多く存在しています。 樽発酵による伝統的な製法で作られるシャンパンは、とっても重厚な味わい。コクがあって、酸味のキレもあり、世界でも最高の評価をうけています。 ノンビンテージでも、その価格は約15,000円と通常のシャンパンハウスのプレステージ・シャンパンと遜色ない値段を誇っています。 (味ももちろん、遜色ないです) 【プレステージ・シャンパン】クロ・デュ・メニル シャンパーニュでは、2つしかない「ひとつの畑で作られたブドウからのみ作られる」非常に貴重なシャンパンの1つで、シャルドネのみからつくられる、「ブラン・ド・ブラン」です。 その価格も60,000円強と、シャンパンでは最高価格。味も、最高の畑から作られる、一度は飲んでみたいシャンパンです。 |
■ヴーヴ・クリコ (Veuve Clicquot) |
黄色いラベルのシャンパン、ヴーヴ・クリコも巨大企業・LVMH社の傘下になります。 このシャンパンハウスは、1803年、急死した夫の遺志を継いだ当時弱冠27歳だったクリコ・ポンサルダン夫人によって、業績を拡大し、シャンパンハウスとしての地位を確立します。 彼女が引き継いだときには年間5万本だった生産量が、彼女が亡くなった1866年にはなんと300万本に。いかに、クリコ夫人がいかに豪腕だったかがわかります。 ヴーヴ・クリコ社は、平均年間900万本。プレステージ・シャンパンだけでなく、他のシャンパンも伝統を守り黒ブドウの良さが表れるように、作られています。 ソフトな口当たりと豊かな香りは、上品な貴婦人を思わせる味わいです。 【プレステージ・シャンパン】ラ・グランダム プレステージ・シャンパンは、もちろん彼女に捧げる「偉大な貴婦人」という名のもの。 同じLVMH社傘下の「ドン・ペリニョン」が男性的なシャンパンなら、こちらはまさに貴婦人のような女性的なシャンパンです。 |
■ルイ・ロデレール (Louis Roederer) |
透明なクリスタルのボトルに入った、「クリスタル」。ルイ・ロデレール社は、このプレステージ・シャンパンが最も有名だと思います。 このクリスタルのボトルは、ロシアの皇帝・アレクサンドル二世に愛され、皇帝が自分のシャンパンが他のシャンパンと紛れないように(毒などを盛られないように)、透明なボトルを特注させたのが由来となっています。 軽やかな味わいと繊細な泡がつくるソフトな口当たり。 そして、特筆すべきは、ロゼ・シャンパンの「クリスタル・ロゼ」。黒ブドウを果皮ごと仕込んで、色があまりつかないうちに果皮を分けるという「スキンコンタクト法」で作られています。 この作り方は、シャンパーニュでも珍しい作り方で、こうすることによりロゼの味わいがよりしっかりしたものになります。 クリュッグのロゼ・シャンパンと並んで、称されるロゼの逸品です。 【プレステージ・シャンパン】クリスタル |
■ポール・ロジェ (Pol Roger) |
年間130万本くらいという、生産量を限定する家訓を守っているシャンパンハウスで、なかなか普通のクラスのシャンパンはお目にかかれないです。 このシャンパンハウスは、設立当初(1849年)から、英国がお得意様。 第二次世界大戦時の英国首相・チャーチルもポール・ロジェのシャンパンの虜で、彼の自慢の競走馬に「ポール・ロジェ」の名前をつけたのは、ちょっと有名な話です。 【プレステージ・シャンパン】サー・ウィンストン・チャーチル そんな逸話もあって、ここのプレステージ・シャンパンは、米国首相の名がついています。 お値段も13,000~15,000円と、プレステージものにしては、割と?お手頃です。 故ダイアナ妃とチャールズ皇太子の結婚レセプションに使われたり、歴代アメリカ大統領の就任パーティに使われたり・・とセレブの公式場面にも活用されているこのシャンパン。 味もしっかりとしていて、豪傑だったチャーチル首相を思わせる味だとか。 政界のセレブの味を味わうのに13,000円なら、そう高くもない…かな? |
■ポメリー (Pomery) |
こちらも、ヴーヴ・クリコと並んで、マダムが会社の規模拡大を行ったシャンパン・ハウスです。 19世紀に、当時甘口だけだったシャンパンを、重要な輸出国だったイギリスの辛口嗜好を察知して、1874年に辛口のシャンパンを発売。 現在主流となっている、辛口(ブリュット)シャンパンの火付け役だったのが、マダム・ポメリーでした。 ポメリーは、モエ・シャンドン社と並び、その味わいもとっても優等生的というか、間違いがないというシャンパンです。 【プレステージ・シャンパン】ルイーズ・ポメリー マダム・ポメリーの娘で、フランスの最も高貴な貴族の一人と結婚したルイーズの名をとっています。余韻の長い、繊細な後味が印象てきな、とても風味豊かな味わいです。 |
■ボランジェ (Bollinger) |
その骨太な味わいから、クリュッグと並んで称される、シャンパンハウスです。 シャンパーニュでは、メーカーが様々な畑から、ブドウを買い付けて作ることが多いのですが、ボランジェは自社畑の比率が約6割と高いんです。 そして、クリュッグ同様に、シャンパーニュでは珍しい樽発酵を行っています。 樽発酵を行うと、それだけシャンパンがしっかりした味わいになるのです。 家族経営という点でも、クリュッグと似ています。 ちなみに、世界で最も有名なスパイ「007」のジェームズ・ボンドが映画のなかで飲んでいたのも、このボランジェ。 ジェームズ・ボンドの渋さ、かっこよさ、力強さと、このボランジェの味わいのイメージが似ているから・・・というのは私の勝手な推測ですが、当たらずしも遠からずであると思っています。 【プレステージ・シャンパン】ヴィエーユ・ヴィーニュ・フランセーズ クリュッグのプレステージ・シャンパンがシャルドネだけで作られたものに対し、< br>こちらは、樹齢70~80年のピノ・ノワールだけで作られたもの。 さらに、このブドウの木が、16世紀にヨーロッパ全土を襲ったフィロキセラという害虫の害を逃れた、貴重なブドウの木を受け継いでいるんです。 小売価格は63,000~70,000円。なかなかお目にかかれませんが、お目にかかれたらぜひ飲んでみたい一本です。 |
■テタンジュ (Taittinger) |
テタンジェ社は、パリの高級ホテル(クリヨンと、コンコルド・ラファイエット)、レストラン、そして「クリスタルといえば」のバカラ社、ド・ルーヴル銀行・・・といった企業を参加に持つ多角経営の企業です。 ちなみに、フランス最優秀料理人を決める、栄誉ある国際フランス料理コンクールもこのテタンジュ社が始めたものだとか。 そのシャンパンの味わいは、酸のキレがよく、とっても優美で繊細。 また、ここの特徴は、ブドウの出来が特によかった年のみ作られる「テタンジュ・コレクション」。 モダンアーティストが毎回ボトルデザインをしていて、味わいだけでなく、そのボトルの華やかさでも有名です (このボトル全体に、直接印刷する技術は、日本のものだとか。日本すごい!) 【プレステージ・シャンパン】コント・ド・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン シャルドネだけで作られたブラン・ド・ブランのなかでは、逸品中の逸品といわれています。「コント」は「伯爵」の意味。伯爵のシャンパン・・・というにふさわしい、優雅な味わいなのです。 |
■サロン (Salon) |
知る人ぞ知る、「サロン」。ここは他のシャンパンハウスとちょっと違います。 作っているのは、「サロン・ブラン・ドゥ・ブラン」1つのみ。 そして、それはすべて、ブドウの出来のよい年にのみヴィンテージ・シャンパンとして作られるのです。 しかも、平均10年、最低でも7年は熟成しないと市場に出荷しないという、採算度外視、超・こだわりの作り方を守っています。 だから、初出荷の1911年から、市場に出たヴィンテージはなんと30ちょっと。 しばしば、「幻の」と形容されるシャンパンは、繊細な飲み口ながら、しっかりした余韻の長い後味を楽しめます。 畑ももちろん、100%格付けのグランクリュです。 |