我が家の猫の「モモちゃん」

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2019年06月07日
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カテゴリ: ビジネス

日本企業による過去最大の企業買収に踏み切った武田薬品工業では
、いまや従業員の9割が外国人だ。

日本人社員はどう対応しているのか。(箱谷真司)

昨年3月に完成した東京・日本橋の「武田グローバル本社」。

4階ロビーの大型スクリーンでは、ニューヨーク証券取引所への上
場を祝って1月に開かれたセレモニーの映像が流れ、その脇を多様
な国籍の外国人が行き交う。

武田は今年1月、アイルランドの製薬大手シャイアーを日本企業と
して過去最高の約6兆円で買収。

売上高で製薬企業の世界トップ10に入った。

それに伴い、世界で約5万人いる従業員の9割が外国人になった。

「こんなに国際化が進むとは想像もつかなかった」。

2015年から西日本のがん事業(営業部門)を統括している 江原昌慶
(51)はそう話す。

フランス人社長の登場

大学で薬学を学んだ江原は、1991年入社。

当時は研修でフランス人を1人見かけた以外は、周りに外国人がい

た記憶はない。

英語は話せなかったが、業務に支障はなかった。

医師に自社品の効能などを説明する営業職としてキャリアを積んで

きた。

武田は80~90年代、年間売上高が1000億円を超す四つの新薬を発

売。

海外での売上高も増え、江原も徐々に国際化の波を感じ始める。

決定的だったのは2014年。

英国の製薬企業出身でフランス人の クリ ストフ・ウェバー が、武田

初の外国人社長に就いた。

「インパクトがあった。

本当の意味でグローバル企業になる過程だと感じた」と振り返る。

本社は日本人が半数以上だが、世界のがん事業を統括する上司はフ

ランス人やアメリカ人で、英語が欠かせない。

英会話教室で週6時間ほど勉強し、フィリピンで3週間の英語合宿に

も参加。

自宅の最寄り駅で困っていそうな外国人に声をかけ、英語力と度胸

を磨いた。

グローバル企業で活躍するには、どんなスキルが必要なのか─。


江原は「成功体験を『言語化』して周りに伝えること」という。


国籍や文化が異なる人と一緒に仕事をして問題の解決策を探るには、

何かの分野で秀でて、結果を残した経験が欠かせない。


だが、実績があるだけではダメ。


経験をもとに相手を説得する技術がないと、周りを巻き込めない。

そんな思いから、部署の数人のメンバーでの会議を定期的に開いて

業務の状況をプレゼンテーションしてもらい、経験を言葉で説明す

る力の底上げをめざす。


国際色の強さにひかれて入社する若手も増え始めた。


「ニューロサイエンス創薬ユニット」の山口奈美子(31)もその一人。

国内唯一の研究所「湘南ヘルスイノベーションパーク」(神奈川県藤

沢市)で、アルツハイマー病など神経系疾患の治療薬の研究をしてい

る。

新薬研究に関心を持ったのは中学時代。

祖父ががんで亡くなり、周りには重い持病がある友人もいた。

薬で多くの人を救いたいとの思いで大学院まで薬学を学び、16年に

入社した。

中学時代から多い時はほぼ毎日、ラジオで英語を聴いた。留学経験

もないが、英会話には不自由しない。

武田を選んだのは「世界中でビジネスをしていて、『一錠の影響力』

が大きい会社で働きたかったから」という。

武田は2000年代以降、自社では革新的な大型新薬を生めない苦境

に陥っている。状況を打破するため、シャイアーのほかにも米国や

スイスの製薬企業を買収。

グローバルな創薬体制をつくる動きを加速させた。

山口は、新薬候補が患者に効くかを確かめる「臨床試験」について

の会議に加わることがある。

多いときは、外国人が半数近く。

開発中の新薬はどの国でニーズがあるのか、競合他社の開発は進ん

でいるのかといった世界各地の情報が伝えられる。

とまどいもあった。

中国出身の社員が昨年12月、仕事の時間にクリスマスパーティーを

開くことを提案した。

「メリットがあるのか」「そもそも仕事の時間を使って良いのか」。

日本人ではあまり考えないような提案に、そんな不安もよぎったが、

飲食をしながら仕事内容を伝え合ったことで、その後の研究で相談

できる人が増えたという。


今では、国籍や考え方が違ってもオープンマインドで相手を受け入

れ、自分の意見は物おじせず言うことを意識している。

「周りを巻き込み、それぞれが持つ『プラスの情報』を良い方に高

められるよう意識することは、控えめと言われる日本人がグローバ

ル企業で存在感を示すためにも大事だと感じます」

外の成長を取り込もうと、日本企業はグローバル化を加速させてい

る。

楽天や ファーストリテイリング は12年に社内で英語の「 公用語化 」

を開始。

ソフトバンク

武田ではいま、執行役員20人のうち8割が外国人となった。

ウェバーは「いまはグローバルに経験を積んだ日本人の社員が少な

い」というが、OBや株主からは「伝統や文化が守られない」「日本

人を軽視している」との批判も根強い。


それでも、日本人の幹部昇進の道は広がりつつある。

武田では「プレジデント・フォーラム」という世界で活躍する人材

の育成プログラムがある。

世界中から集まった幹部候補約50人がウェバーら経営陣と1週間を

ともに過ごし、会社の戦略などを話し合う。

昨年の参加者は、42人のうち約3割が日本人だった。

ウェバーは「近い将来、必ず日本人のリーダーが誕生する」と話す。

企業として成長を続けながら、世界で活躍できる日本人も育てられ

れば、「日本発グローバル企業」の手本となるかもしれない。


成功体験を言語化して、相手にきちんと伝える能力。

そして、お互いに高め合い、学び合う姿勢。

言葉は意思表示のツール。学ぶものでなく使えるもの。

国際社会の中で、オープンマインドで生き抜く人物が多様な能力を

引き出し、生き残れる。






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最終更新日  2019年06月07日 16時43分32秒
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