書くことの意味

書くことの意味

2004年08月01日
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 須賀敦子さんの新刊が出たので、購入した。「塩一トンの読書」。あちらこちらの新聞や週刊誌、出版社の発行する小冊子に発表した書評を集めたもので、エッセイで知る須賀さんとはまた別の文体がそこにあった。読者と作者をつなぐことを第一に考えた、抑制された文章。その中で、はっとさせられた表現があった。

 それは、ゲーテの「イタリア紀行」の書評の中に登場する。35年前、イタリアで勉強を続けようと決めたとき、敬愛する友人がくれた書物がこの「イタリア紀行」だという。

「そのころの私は、未知の土地や国を訪れるとき、本を読んで準備するということをあまりしなかった。自分の目で見て、自分の意見をまずつくってからと、自分ばかりが気になった。・・・(中略)・・いま読んでみて、ゲーテの紀行が理解できなかった大きな理由のひとつが、自分の古典への無知にあったことに気づいて、はっとする。」

 今のわたしは、古典の大きさに漸く、気づきながらも、どこからどうやってアプローチしたら良いのか分からなくて、途方に暮れている状況だ。そして、須賀さんが書いているのと同じように、「自分ばかりが気に」なっている。・・ああ、まだ、自分は途上なのだとしみじみ、思った。

 年を重ねてありがたいと思うこと。それは、むやみに焦るのをしなくなったことだ。適切な時期がくれば、自分はそちらの方向へ進みだすことを、半ば確信している。今、それをしたくても出来ないのは、まだ適切な時期が来ていないから、あるいはほかになすべきことがあるからだと。

 おそらく、数年のうちに、古典に心から親しむ時期がきっと、来るに違いない。その時を愉しみにしよう。





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最終更新日  2004年08月01日 23時19分44秒
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