ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2008.10.20
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カテゴリ: 教育問題
学級の誕生(95)

ここで、諸外国の教育と日本の教育を比較して見たいと思います。

各国共に、教育事業を次代の指導者の養成と捉えている点は、共通しているのですが、そのために今何が必要かになると、様々に違ってきています。

そこには各国の事情が背景にありますから、違うのは当然です。その点は、ここでの取り上げませんが、小から高までの初等・中等教育期間を通じて、日本と世界とで大きく違っている点があります。

それは、隣国の韓国や中国、さらには、アジアの様々な国をとっても、欧米の国々をとっても、全く同じように、日本だけが違っているのです。

それは、授業中の教室がシーンとして静かなのは日本の教室だけだということです。他国の教室は、いずこも大変賑やかで、活気に満ちています。日本の教室でも、小学校低学年の教室では。先生の問いかけに子ども達が答える方式の授業がかなりありますが、高学年になるにつれ、生徒の発言は減ってゆきます。挙手をして答えるのは恥ずかしいとか、自分だけ目立とうとしているように見られるとか、間違ったらどうしようとか、様々な理由が挙げられています。

ここに共通しているのは、日本の教室では、活発に見える生徒の発言も、挙手と指名という先生の主導権の下に、管理された形式で行われているという事実です。諸外国の教室ではこんなことはありません。先生の話を聞くや、時には聞く前から、生徒は自由に話し始めるのです。
先生は、そうした発言の中から、瞬時にして、授業の組み立ての最初に持ってきたほうが良い物を取り上げ、その他の発言については、順繰りに取り上げることを伝えて、生徒達と共に考える風を装うのです。決して答えを先に教えず、生徒達があたかも自分達だけで解いたかのように、誘導していくのです。それも出来る限り、全員が参加して答えにたどり着いたように、見せるのです。

戦後日本の教育は、民主教育に替わったと言われます。しかし、教師による教え込みのスタイル、権威ある教師が、教室で生徒を管理するというスタイルは、ずっと変えずに続けてきました。短期間のかなりの量を教えるために、時間のロスを極限まで減らし、効率を最優先しようとすれば、こうした授業方式にするしかなかった。その事情と、戦前からの教員の権威主義が結びついた結果でした。



学習者=児童・生徒の学習意欲は、先生との自由闊達な質疑応答の中で、興味と学習意欲を大いに刺激された授業と、日本型の管理の行き届いた教え込み型の授業とでは、どちらでより強く・より大きく刺激されるかは、おのずと明らかでしょう。

こう考えますと、学習到達度の国際比較に現れた数字を離れたところに、日本の「学力」を巡る大きな問題が潜んでいることも、見えてくるように思います。日本人の学力に潜む、大いなる問題の根は、相当に深いと、私は考えています。
                           続く





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最終更新日  2008.10.20 14:36:55
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