ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2008.10.26
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カテゴリ: 教育問題
学級の誕生(101)

もう少しお付き合いください。フランスのケースです。フランスでは小学校は6年、コレージュと呼ばれる中学校が3年、高等学校に当たるリセも3年です。コレージュとリセを併設した6年生の学校もかなりあります。

そしてリセの教員資格はかなり厳しく、大半はアゲレジェと呼ばれる大学教授資格にもなる資格の持ち主がリセの教員を努めています。6年生の学校ですと、こうした先生がコレージュも教えています。教師の質という点では、大変高いのです。ところが小学校の教員は、日本と同じ一般の大卒で、初等教員の資格さえ取ればOKでした。

さて、フランスは、6・3・3・4制をとっていますが、義務教育は10年です。小学校の2・4・6年の段階で、学力不振で、そこまでの修得状況が不十分とみなされた生徒が原級留め置きになるからです。ですから、義務教育の終了学年を設けず、通学年数で授業料の補助を打ち切るために、義務教育年限を年数で区切ったのです。

1990年代の初め、ここで問題が起きました。小学校において原級に留め置かれる生徒数を調べてみたところ、留め置かれる生徒数が余りに多かったのです。そこで、議会や言論界で、「これは小学校教師の教育力に問題があるのではないか」という声が大きくなったのです。

当然と言えば当然なのですが、この時期は移民の流入が問題とされていた時期ですから、フランス語が不十分な移民の子ども達が、原級留め置き生徒の過半を占めていましたから、些か小学校教師には、気の毒な主張でもあったのです。

しかし、この声は受け入れられ、90年代半ば以降、小学校教員資格の取得条件は、格段に厳しくなったのです。一方で、資格取得の厳しさから、小学校教員の専門性は大きく上がったのだからと、初等教員の待遇は大きく改善されることになりました。その結果、資格取得は厳しくなりましたが、初等教員の志願者は減じるどころか、増加傾向を示しながら、今日に来ているのです。

日本の場合は一体どうかと言うと、1960年代後半の待遇改善で、欧米に比べると、大学教員を除く、小・中・高教員の給与は、かなり良い水準に達しています。資格取得にさほどの困難はなく、供与水準はまずまず、産休や育休といった女性の労働条件は一般企業よりはるかに良いとなると、これは志願者が多くなって当然です。逆説的に聞こえるかも知れませんが、ここに落とし穴がありました。
                                    続く





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最終更新日  2008.10.26 16:22:05
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