ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2020.12.14
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カテゴリ: 日本経済
クロニクル 民事再生法成立

1999(平成11)年12月14日

16年前のことです。97~98年の金融危機の余韻が残り、大型倒産の噂が耐えない時期のことです。

そんな中のこの日、民事再生法が参院で可決成立しました(施行は、翌年4月1日)。

この法は、全債権者の合意を必要とした和議申請(和議法)に代わる、再建型の倒産処理手続きを定めたもので、経営責任を厳しく問わないところから、経営者が選択しやすい点に特徴がありました。

民事再生法が成立するまでの会社の倒産や再建については、破産法と会社更生法という二つの法律が対応しておりました。再建の見込みがなければ破産法で、全ての会社資産を処分して、債権者でその全てを分配して終わりにする。再建の見込みのある場合、選任された管財人の手で、会社の再建が図られる。このどちらかになるのが通例でした。

破産申請も、会社更生法の適用申請も、いずれも経営陣が行うのですが、どちらも手形の不渡りが決定的となった段階でしか、申請できない仕組みになっていました。つまり、ことここに至って、初めて申請が可能になるのです。ですから、追い詰められていよいよという段階での申請になりますから、もう少し早ければ再建できたかも知れないけれど、ここまで来てはもう無理だと、破産(会社の消滅)を選択するしか無くなるケースも多かったのです。

これに対し、民事再生法は、会社更生法と同じ、会社再建を目指した法律ですが、手形が不渡りになる恐れがあるといった段階で申請が可能なため、再建が手遅れになる前に申請できるというプラス面がありました。

現実に倒産したわけではありませんから、経営者が退陣しなくても良いことになります。ただし、この申請が裁判所で認められるためには、債権者の2/3以上の同意(=賛成)が必要で、それが得られなければ、申請は認可されず、会社更生法に切り替えて申請せざるを得なくなります。あくまでも、現経営陣の下での再建が可能で、そうした方が自分の抱える債権の回収率が高まると、債権者が判断するか否かが、分かれ道になるのです。



民事再生法の適用を申請したけれども、債権者の同意が得られなかったケースとしては、マイカルのケースが有名です。マイカルの経営陣は、あなたたちが今後も経営にあたるのでは、会社の再建は難しいから支持できないと、債権者たちの不信を買い、再建計画を承認してもらえなかったのです。結局、会社更生法を申請して、イオンの傘下での再建を目指すに至りました。

また、民事再生法では、管財人は選任されませんから、債権者が担保権を行使して会社資産を切り売りすることは阻止できません。ですから、しっかりした再建計画を早期に承認してもらい、資産の散逸を最小限に留めることも、再建を可能にする上で、とても大事なことになります。





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最終更新日  2020.12.14 18:31:32
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