無気力感

YOUR ANSWER 『君』



探していたよ 君の答えを


――


「あかり~、次移動だってよ」
親友のひかりに呼ばれ、わたしはハッと我に返った。
わたしは今、よく見る夢に悩まされている。
親友のひかりにも言えない、「最悪」な夢だ。



―― 5年前

わたしは中学1年生で、いじめられっこだった。
学校に行くと机に落書きされていたり、机自体無かった日もあった。
そんなこと、わたしは慣れていた。こんな子供っぽいこと
最初だけだと思っていたから


「あかり、お前何学校に来てるわけ?」
「お前がいると目障りなんだよ!」


色々と暴言を浴びさせられる。そしてその間に自分の机を
直したり焼却炉から持ってきたりしていた。
それが毎日の朝の日課だった。

担任になんか言ったって、自分がこんな存在だってこと
公表するのと同じよ。

自分、最低なんだから


そんな日も続けて半年、いじめはまだ終らなかった。

いじめっこのボス、咲(さき)はわたしを呼び出した。
そこは…焼却炉だった。炎がたくさん燃えている。


「あかり、あんたに言いたいことがあんの」
「何よ」
「…死ね」


そう言った咲は、わたしを突き飛ばし後ろにあった焼却炉に
わたし自体を入れようとしていた。
それを瞬時に分かったわたしは、冷静に体制を立て直し
それでも勢い余って前へと倒れこんだ。
そのとき、必死で何かを掴もうとしていた。
掴んだものは、咲の足だった。


「きゃっ!」


可愛らしい声をだし、咲は自分の足元で倒れ込んでいるわたしの
上に倒れようとしていた。



しかし、わたしはそんなことさせない


地面から浮かんでいる咲の足を両手で両足を掴み、
勢いよく焼却炉の中へと入れた。

炎の中に入った咲はこの世とは思えないおたけびを叫びながら
消えていった。

わたしは我に返り、急いで立ち上がり咲の叫び声が聞こえた
焼却炉の方へ振り返った。

そこには咲がいなく、変なものを焼いた匂いがたちこめているだけだった。




そう、わたしは咲を殺したんだ。


学校側は、ただの事故死として片付けた。
クラスメイトも、クラスのボスがいなくなったことで
静かになりそれからパッタリといじめがなくなった。
そしてそこでひかりに出会った。



この過去は隠し通す、いつだって…


続く


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