こしゃくな読書

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三匹のおっさん (文春文庫) [文庫] 有川 浩 (著)


有川 浩 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4167831015/ref=nosim/?tag=donzoko-22






 「『自虐史感』という言葉は好きではない。

歴史というのは事実のであり、

それが好き嫌いだとか、いい悪いという判断ではない。

【自虐】という言葉がつくと歴史ではなくなるからです」



「私たちは手分けをして事実を確かめていく必要があります。

実際、貴重な事実をつづったノンフィクションと言われるものは、

ほとんどが絶版です。

図書館でならまだほとんどが、手に入り、読むことはできる。

有名ではない一般の人たちのありのままの記録こそ、歴史です。

埋もれているそれらの歴史を手分けして読んでいく必要があるのです」


「過去の人たちの様々な想いを引き受けることは、

ときにはつらく苦しいものです。

目をそらしたくなる現実だってあります。

でも、それを見つめて引き受けるのです。

かつてそのつらさや苦しさや絶望を引き受けて来た人たちの

想いを引き受けて、未来に希望を手渡すためにも。」





 【一隅を照らす】という言葉をしみじみと感じたお話だった。


考古学者である堀江さんのお話を聞いたのはこれで二度目だ。

途中で水俣のお話をなさっていらしたときに声を詰まらせて、

思いがけないその感受性の豊かさに感動した。


愛のある方だ。




 こういう方のお話を小学校や市民講座で聞けたなら、

催眠商法なんてはびこる街にならないだろうな。


堀江さんのお話を聞きながら、私が思い出していたのは

『三匹のおっさん』の第六話だ。


ふれあいを欲している高齢者や独居老人の懐に入り込む悪徳業者。

被害者は無料プレゼントに釣られているわけではなかった。

人の話を親身に聞くことが少なくなっている昨今の現状を

見事に描いている。



 巻末には三匹のおっさんが大好きだったという児玉清さんの

生前のラジオ番組も特別収録されている。


児玉さんに対する作者の評は

「公正に本を読まれる方でした」というもの。

「勝手なバイアスを一切かけず」

…これは見習いたい。



堀江さんのおっしゃるように歴史を手分けして読むには、

児玉さんの本の読み方はぴったりだ。

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