こしゃくな読書

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蒼穹の昴


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蒼穹の昴(2)
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蒼穹の昴(3)
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蒼穹の昴(4)
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 あらすじを少しでも語るわけにはまいりません。一語一句が

フィナーレに向けて計算しつくされているのです。やおら、その

一部を抜き出して、この壮大な物語の感動をそぐことは、大きな

罪だと思うのです。

 とにかく読み応え十分の物語です。歴史の本音はこうだったかも

しれないと、丸呑みしてしまいたいほど、よく出来ています。

人物像が見事に確立され、時代考証の正確さが、壮大な歴史小説を

後押しします。

 浅田次郎氏が本当に描きたかったのは、人と、その夢見る力の

すばらしさ、真逆の、欲に走る人間の悲しさ、過ちの天命の虚しさ、

そして、宿命にいきながら運命を変えて行ける人間のすごい力、

だったのでしょうか。

 登場人物の台詞に、作家浅田次郎は、伝えんとしたものを見事に

表現したのです。台詞で登場人物の腹の中まで見える仕掛けに

なっています。私は、感動した台詞を書き出して持ち歩いています。

「頭では出来ないと思っていても、体がちゃんとやってくれる。

 血と汗を流した修行ってのはそんなもんだ」

「人間は出来ないと思ったら歩くことだってできやしねぇんだ。

 胸を張って、しっかり前を見ながら歩くことが一番むずかしいんだ」

「おいらに夢を恵んでくれた・・・一番大事なもの を

 恵んでくれたんだよ」

「人間の力をもってしても変えられぬ宿命など、あってたまるものか」

「僕らのすべきことは、決して施しであってはならなかった。

 施すのではなく、尽くすのだ」

「知恵も力も何もいらない。やさしさだけがあればいいんだ。

 大地も空も時間も、すべてを被い尽くすほどのやさしささえあれば」

 私のお気に入りの台詞のごく一部です。ストーリーが読めるものは

あえて、はずしてあります。わずかでも、ストーリーを語るわけには

いかないのです。それは、あまりにも大罪ですから。

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