こしゃくな読書

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閉経の逆襲─ババア・ウォーズ〈2〉


中村 うさぎ(著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4167658135/ref=nosim/?tag=donzoko-22





 8年越しの別居の後『やっと離婚できた』姉は、

ついこの間、5年の付き合いだった恋人の単身赴任が終わって、

家族の元へ『帰られてしまった』。

『何の楽しみもない人生』を送っていたが、

新たな恋人を『捕まえた』。



今頃旅行を楽しんでいるはずだ。

ヘルパーという過酷な仕事柄、

『それくらいの楽しみがなくちゃやってられないわよ』というが、

中村うさぎさんばりだな、と妹はつくづく思う。



 彼女は言う。

「どうしても離婚したかったの。

あたしの財産の相続権があの男にあると思うと

夜も眠れなかったのよ。

たかだか、100万や200万の貯金なんてと思うでしょうけど、

女一人で靴下さえもつぎを当てて必死で貯めたお金なんだから。

あんな、仕事もしないで女房子供も養えないような男に、

死んでからだってびた一文くれてやるもんですか!」



すげえな、と心底思う。

(元)義兄が職を無くしてから2年間は、パートに出る傍ら、

実家の畑の収穫物や、家の周りの山菜などをせっせと摘んでは、

ふもとの嫁ぎ先の家に持ち帰って暮らしていた。

浮気がばれて『出て行け』と叫ばれたとき、

彼女は本当にホッとしたという。

叫んだ当の(元)義兄は、

本当に出て行くとは思っていなかっただろう。



 私には彼女のような強さはない。と思う。

「いや、やっちゃんみたいなのが一番こわいんだって」

と姉はニヤニヤ笑うが、全く根拠がない。

大体姉のようにモテないし。姉は私が知っているだけでも…。

英雄と女王様は色を好む、だろうか。



 この本に食らいついたのは、もちろん題名である。

「へ、へ、閉経の?逆襲〜〜〜???」

49歳で閉経とは、と思ったが、計算してみると納得した。

私の場合子供3人の妊娠期間と出産してしばらくの無月経期間、

排卵しないわけで、

中村うさぎさんのように毎月せっせと

生理現象と付き合ってきたより、遅いのは当たり前なのだ。


手にとってよかった。赤裸々で面白いのになかなか感慨深い。



 しかし、姉に読書の趣味がないことがつくづく惜しまれた。

かずちゃん、同志がいるって、ここに。

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