こしゃくな読書

こしゃくな読書

笑訳 歎異抄 逆説の幸福術


おかの きんや (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4774790540/ref=nosim/?tag=donzoko-22





 『相手の<プライド>と<コンプレックス>に気を配る。

たったこれだけのことで、ほとんどの人間関係はうまくいく。』

クリーニング屋さんで、この一節を思い出した。



店員さんは三女の中学時代の同級生。


最近、近所の店には三女の元同級生や下級生が多くて、

ひやひやする。

三女は中学校ではちょっとした有名人であったので、

向こうは顔の似ている母親だと一目で見分けるのである。


自意識過剰だとは思っても、

どう反応していいのか戸惑ってしまう。




 しかし、この本の一節が浮かんだ時私の悩みは跡形なく消えた。

「相手の」だ。

そうだ、私がどうふるまえばいいのかではない。

相手の<プライド>を尊重し、

<コンプレックス>を傷つけないように気を配ればいいだけだ。


そうか、と思ったら自然に笑顔が柔らかくなったと思う。



 強がったり、媚びたり、怖がったり、へつらったり…

人は必要の無いコミュニケーションをどれだけしているのだろう。



これらはすべて、相手にどう対応したらいいのだろうかという

不安からくる態度だ。

つまり、自分を相手より上に立たせたいという

無意識の『上から目線』だ。



しかし、<自分の位置>ではなく、

相手の<プライド>と<コンプレックス>に焦点を置いた場合、

態度や言葉の選び方も楽になるものだ。




 私はこの三女の同級生が苦手だと思っていた。

しかしそうではなかった。相手の<働くプライド>と、

<同級生の母親が客であるというコンプレックス>に

思い至ってなかったのだ。


それを意識したら、前回までとうってかわって、

とてもスムーズに受け答えをしてもらえた。



 「あ…!モバイル会員登録はなさっていますか?」

「あ…はいはい。」

「じゃあ、○○円引きになります。」

「まあ、メール来たこと忘れていました。助かります。」

「いえ…」

そう答えながら、うつむいて、

はにかみがちな彼女の顔に笑顔が開いた。


私は見逃さなかった。


だって、その笑顔の花は、

私のちょっとした成長への、

貴重な「ハナマルつぼみつき」なんだから。

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