第5回の今回は「花酒(はなさき)」をご紹介。
沖縄本島よりも台湾の方が近い国境の島与那国島。この日本最西端の島で「花酒」は造られています。
もろみを蒸留させた時の一番最初(ハナ)にでる留液のため、「花酒」と呼ばれていると言われています。また、アルコール度数が高いため(度数はなんと60°)グラスに注ぐと花のように細かな泡がいっぱいたつからだとも言われています。
そんな与那国島には3つの蔵元があり、入波平(イリナミヒラ)酒造所の「舞富名(マイフナ)」、国泉(コクセン)泡盛で「どなん」、崎元(サキモト)酒造所の「与那国」がそれぞれの蔵元で造られています。
花酒は、原料は米で麹菌を使用し蒸留して造るため原料、製造方法も泡盛には違いないのですが正式には泡盛ではないのです。酒税法では泡盛はアルコール度数が45°未満と定められているため、アルコール度数が60°ある花酒は「スピリッツ類」として類される訳なのです。
花酒をほんの少し口に含むと、口の中だけではなく、体中が一気に「カーッ」っと熱くなっていくのがわかります。でも度数が強いからと言って決して辛いお酒ではありません。
最初に蒸留された一番いいところだけを集めた泡盛だけあって、アルコール度数が高いだけではなく、泡盛のうまみも凝縮されていて、まろやかな味わいが楽しめます。ロックでチョビチョビ飲むのをオススメしますが、やはりあまりにも強いお酒なので、水で割って飲んでもいいかと思います(やはりロックの方が酒自体の味が味わえますよ)。
花酒は度数が高いためなのか水で割ると白く濁るのですが、たまに水で割っても白く濁らないのがあるとか……。
あと、購入時にはアルコール度数もちゃんと確認してください。買って後にふつうの泡盛と同じ30°なんて気づく場合もあるみたいです。
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