私はカナダに住むまで
戦争について
考えたこともありませんでした。
第2次世界大戦について
知っていることなんて何ひとつなくって
知っている言葉は 広島、長崎の原爆。特攻隊。
そのぐらい。。。
そんな私の
戦争を考えるきっかけになったのは
「チャイナタウンはこんなに大きいのに、
なんでジャパンタウンはなくなってしまったの?」
バンクーバーに来てすぐの
こんな疑問でした。
バンクーバーのチャイナタウンはとっても大きくて賑わっています。
カナダに住んではいるものの
この街の中でなんでも用が足りて
英語を話せなくても全然不自由しないような大きな組織。
『バンクーバーにもジャパンタウンがあった』
ということだけ知っていた私は
ジャパンタウンもあれば便利なのに。
という軽~い気持ちで
相棒くまお号に聞いた一言でした。
「日本はカナダに対して戦争をしたからです。
中国はカナダと同じチームでがんばりました」
これがくまお号の答えでした。
ジャパンタウンがない理由に
まさか戦争が関係あるなんて思ってもみなかった私は
その時はまだよく意味がわかりませんでした。
お恥ずかしながら
これはほんの数年前のはなしです。
その夏、
昔のジャパンタウンの近くの公園で毎年行われる日系のお祭
パウエル祭に参加してみました。
『パウエルストリート探検』というような
旧ジャパンタウンをたどる企画で
まだ昔のお風呂屋さんや宿屋だった建物なんかが残ってるのを見たり
ガイドの人に昔のここに住んでいた人の話なんかを聞いて
なんだかワクワクしました。
こんな外国のこの道に
昔むかし、日本人の皆さんが大勢住んでいて
ちょっとした街になってたなんて
なんだか不思議で
夢の世界みたいにしあわせそうな感じがしたのです。
そのしあわせな(想像だけど)風景を壊したのが戦争?
爆弾が落ちて壊れたんじゃなくってなんなんだ?
それを『知りたい』と思ったのが
私が戦争を知るきっかけになりました。
知りたいって言っても
図書館の『日系人の歴史』的な本は
どれも最初の1ページも読めないような固い難しい言葉の本で
ちょっと最初から挫折気味。。。
だいたい私は第2次世界大戦について
本当に何も知らないんだもん。
そんな私の そんな事も知らないの?的な質問も
くまお号(歴史が得意)が根気強く答えてくれたとこで
小さい小さい風穴が徐々に大きくなって
図書館で『失われた風景』という本に出会って
流れがつかめてきた気がします。
まだまだわからないこと、知らないことがたくさんあるけど
戦争を知りたいと思えたことは
私にとって
とてもとても大きいはじめの1歩でした。