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みきゅ☆★ @ Re[1]:調べ学習と「引用」(04/30) LE MIELさん コメントありがとうございま…
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2006年01月06日
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カテゴリ: きまぐれ連載
心象風景というか、妄想(?)というか・・・
きまぐれに書き綴っていきますので、
おヒマな方は読み流してみてください(照笑)

******************************************************************

その不思議な店を初めて訪れたのは、ある秋の夕暮れだった。
仕事帰りにいつも通る商店街の大通りをひとつそれると小さな路地があって、間口の狭い店が軒を並べている。その狭苦しい路地にその店は面していた。
いったいいつの間にオープンしたのか、時折気まぐれにその路地を通るだけの私にはわからないし、以前どんな店があったのかも思い出せない。とにかく、古着屋とさびれたスナックの間にその新しい店はあった。オーク調の木のドアやその隣にある小さな窓の窓枠や白く塗り替えられた漆喰の壁が、その店の新しさを物語っていた。
看板はなかった。ドアノブにぶら下がっている「OPEN」と書かれた板切れから何かの店なのだと判断出来るのだが、一体何の店なのだろう。好奇心に駆られて私は少し開いていたドアをもう少し開けて店内をそっとのぞいてみた。

---いらっしゃいませ。


その声の柔らかさのせいか、一瞬その声の主の居場所がどこなのか分からず、私は慌てて店内を見回した。
間口の狭い店の向かって右手奥に木製のカウンターがある。そのカウンターの中の背の高いカウンターチェアに一人の青年が壁を背にして浅く腰掛けていた。白いシャツを着た青年は、顔だけをドアの方向に向けて私のほうを見ていた。が、私と目が合った瞬間にすっと目をそらして手許の文庫本に視線を落とした。
ツンとした横顔が、なんだか昔読んだヨーロッパの児童文学の挿絵の中の男の子のようだな、と思った。

店は家具屋のようだった。

狭い路地に面した小さな店だけあって、背の低い小ぶりのチェスト類が店内のほとんどを占めている。
アンティーク調のものもあれば「シンプルモダン」なんて言葉がぴったりなデザインのものもある。品揃えにあまり趣旨はないようだ。いずれにしても引き出し類の多い家具屋だ。

古いジャズが流れる静かな店内、店長なのかただの店番なのか、青年は読書にふけり私はゆっくりと狭い店内の家具たちを眺めた。
家具屋というのは、店に入ったら必ず何か買わなくてはいけないというプレッシャーを感じない類の店だろう。
そんなことを考えながら脈絡もなく並んだ家具を見ているうちに、ふとひとつの小さな木製の棚が目に留まった。
しゃがみこんで眺めてみる。小さな引き出しばかり5段。最近大きいものに買い換えたFAXを置くのにちょうどいいかもしれない。

一番上の段には、メモ帳とペンと・・・印鑑?などとイメージしながら軽い気持ちで引き出しを開けて、私は息を飲んだ。いや逆に小さな声を出していたかもしれない。

私がイメージした通りの光景だったのだ。

私は慌ててその引き出しを閉めた。そして、今度はゆっくりと目を閉じて、上から2段目の引き出しの中身を頭の中に思い描き、2段目の引き出しを開け、閉じていた目をそっと開いた。やはりそこには思い描いたとおりのものたちが並んでいた。
私は、呆然としながら2段目の引き出しをゆっくりと閉めて立ち上がった。

ふと背中に視線を感じて振り向くと、カウンターの奥の青年が「ブンッ」と音がするくらいの勢いで下を向き文庫本を覗き込んだ。さっきよりも目が近い。不自然なほどに本のページをせわしなくめくっている彼の顔は、最初に目が合った時とは違ってなんだかとても幼く見えた。こみ上げてくる笑いを必死でこらえているようにも見えて、なぜかこっちまでクスリと笑いたくなった。
こっそりと仕掛けたいたずらに引っかかった人間を遠くから眺めている子供は、きっとこんな顔をするんだろう。だとしたら私は落とし穴に落っこちた馬鹿な人間のようなものだな。そう思いながら、私は店を出た。


・・・以来、私は頻繁にこの不思議な店に足を運ぶようになった。





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Last updated  2006年02月27日 15時45分22秒
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祝☆新連載  
Gigi  さん
新連載開始!!どどいさんワールドを堪能できそうで、新春早々嬉しいです。
同じ日本語なのに、どどいさんの手にかかると、どうしてこうも違ってしまうのか不思議。
景色が見えてくるようって、これは芸術の域ですね。
青年はどどいさん好みのナイーブな美形~だと思います。
(2006年01月08日 20時34分09秒)

Re:祝☆新連載(01/06)  
Gigiさん
ささやかな妄想劇場なのに、Gigiさんにコメントいただいて
現在激しく赤面中です。
3日坊主にならないようにがんばります。 (2006年01月08日 22時58分32秒)

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