山コビト冒険記

山コビト冒険記

自転車危険!なんだな(-_-;)



とても綺麗な満月が空を煌々と照らす・・・

オイラは自転車をこぎながら綺麗な月を見詰めていたんだな・・・

オイラの視界を塞ぐ物はなく、大きなお月様が目の前に広がっていた・・・
それはまさに月へ向かって進んでいるような錯覚さえしたんだな・・・

その日は丁度塾の帰りで、人気がなくなった道を一人自転車を走らせ家に向かっていた・・・

最初はライトを点けずに走っていたオイラだったが、良い子のオイラは母上の言葉を思い出してライトを点けようとしたんだな・・・

時に・・・
自転車のライトがどう言う仕組みなのか知っているだろうか?
知らない人は親切な人にでも聞いてみよう!なんだな・・・

さて、自転車の正しいライトの点け方を教えよう!

自転車から降りる → 自転車を固定する → 手でライトを点ける・・・
(こりは自転車に乗ってる途中でライトを点ける時の話ね)

と言うのがオイラの中では正しい点け方だと思っているんだな・・・

しかし、人と言うのは正しいと分かっていても横着な事をしてしまうものなんだな・・・

そう・・・
オイラもまた横着な事をした一人だったんだな・・・

オイラは自転車を走らせながら、右足を使ってライトを点けようとしたんだな・・・

因みにライトがどこにあるか分からない人は自転車屋さんへ行って調べるといいんだな・・・
(多分、今も昔も変わってなければ前輪に点いている筈なんだな・・・)

悪戦苦闘(こいではライトを点けようと足を伸ばし・・・失敗したらまたこいで・・・の繰り返し)をしながら、オイラは何度も何度も足を前輪へと伸ばしたんだな・・・

そんなに苦戦するならさっさと降りて点ければいいのにって思うかもしれないが、その時のオイラは何故か足で点けるのにこだわったんだな・・・

そして・・・
とうとうその時は来たんだな・・・

「ていやぁ~!」

と声を出して力の限り足を伸ばすと・・・
(足が短い訳じゃないからね!違うからね!勘違いしないでね!)

ガキッ!!

と不快な音が耳に入り・・・

「ふぎゃっ!?」

と変な声を出して驚くオイラ・・・

何が起きたのかはすぐに理解出来たものの、次の行動を取る前にオイラは自転車から放り出されていたんだな・・・

つまり、ライトを点けようと伸ばした足が・・・
勢い余ってタイヤの骨組みの間にまで伸ばしてしまい・・・

結果・・・
急ブレーキ状態になった自転車から放り出されてしまったんだな・・・

(これを見てもよく分からなかった人は一度試してみるとよぉ~く分かるんだな・・・)

ドベシャッ!

と地面にうつぶせ状態で転げ落ちたオイラ・・・

しくしく・・・

恥ずかしさと後悔が一気に襲って来て、暫く(って言っても数秒なんだな)その場を動かないでいると・・・

ヒュゥ~~~ッ!

と風を切る音が聞こえ・・・
次の瞬間・・・

グシャッ!

「ぐはっ!?」

と急にオイラの後頭部に激痛が・・・

そして・・・

ドガシャッ!

「うきょっ!?」

と今度は背中に激痛が・・・

「・・・・・・・・・・・・痛い・・・」

ガクッ・・・

ぼそりと呟いて沈黙するオイラ・・・

(効果音で分からなかった人に教えよう)

自転車から放り出されたオイラ → 宙を彷徨う自転車 → 地面にへばりつくオイラ → 引力に逆らえずに落下する自転車 → 下に居たオイラの後頭部に直撃するハンドル → 訳が分からず後頭部に痛みを感じるオイラ → 残っていた車体全部がオイラの背中に激突 → 沈黙するオイラ・・・

とまぁ・・・
地球には引力と言うものが働いている事が理解出来ただろうか?

(あれ?その説明違う?)

こうして・・・
全ての動作が終わった自転車を背に乗せたオイラは・・・

地面にへばりついたまま泣いていたんだな・・・
(痛さと恥ずかしさと後悔で一杯だったんだな)

因みに・・・
オイラは前の日に母上と新しい自転車を買いに行っていたんだな・・・

そう・・・
新車は次の日・・・
ボロ自転車へと変貌する事になったんだな・・・

(ま、それは置いといて・・・)

暫くそのままの状態で・・・
(自転車を背中に乗せて泣いている図を思い浮かべて欲しい・・・)

頭と全身の激痛・・・
それに加えて恥ずかしさから動けないでいたオイラだったが、このまま何時間もこうしている訳にもいかず・・・
(人が来たら大変だし・・・)

やっとこさ自転車を退けて立ち上がると、そのまま何食わぬ顔で自転車に乗って家への道を急いだんだな・・・

そうそう・・・
何故か自転車は・・・

ギコギコ・・・

と変な音をたて・・・
おまけに何故か上下運動しながら進んだんだな・・・

とにかく気にせずそのまま家に帰り着くと・・・

待っていた母上にめっさ驚かれてしまったんだな・・・

まず第一にオイラの傷だらけの姿に・・・
次にボロボロの自転車に・・・

そう・・・
道中ギコギコと音をたて・・・
も一つおまけに上下に動いていたその訳は・・・

前輪のタイヤに張り巡らされた骨組みが見事にバラバラ・・・
数本を残して綺麗にぽっきり折れていたんだな・・・

(あ、でも折れてるのは片方だけだから、全部タイヤにはくっついてたよ!ゴミの心配はしないでね)

時に・・・
自転車の骨を折ったオイラの右足は、微かな痺れを伴う程度で全くの無傷だったんだな・・・

教訓:楽あれば苦あり・・・なんだな(-_-;)


【あれ~?・・・ぐほッ!事件】

自転車の骨組みをボロボロにした日から数週間後・・・

自転車は元通りとまではいかないものの・・・
修理して普通に動けるまでには回復したんだな・・・

この日もまた、塾の帰り道だったんだな・・・

暗くなった空を見て・・・
オイラは自転車のライトを点けて、自転車をこぎ始めたんだな・・・
(今度はちゃんと乗る前に点けたんだな)

暫く行くと、前方から一人の男性が自転車に乗ってやって来たんだな・・・

オイラはふと、すれ違い様に男性の顔を見て・・・

「あれ~?」

と自転車を走らせながら、通り過ぎた男性の後ろ姿を目で追ったんだな・・・

この時、オイラの頭の中では

「あの人見た事ある・・・○○ちゃん(オイラの友達)が好きだって言ってた○○君だぁ」

と考えていたんだな・・・

そして・・・

クイッ!

「ぐほっ!?」

ガッシャーン!

「ぺぎょっ!」

と再びオイラは地面にへばりついたんだな・・・

オイラに一体何が起きたのか・・・

それは今から説明しよう!

前方から来る男性発見 → すれ違う二人 → 去って行く男性を目で追うオイラ(顔ごと動かして) → 顔と一緒に手が動いてハンドルが曲がる → 急ブレーキ状態になる自転車 → 動きの止まった自転車のハンドルに胸を激突 → 呼吸困難に陥るオイラ → ハンドルを手放し横にぶっ倒れ、自転車もろとも地面にへばりつくオイラ・・・

こうしてオイラは一度ならず二度までも、塾の帰り道で地面にへばりついたのであった・・・

「ゲホッ・・・」

胸を強打した所為か?
上手く息を吸えずにもがき苦しんでいると・・・

キキキーッ!

とタイヤが擦れる音が聞こえ・・・

「・・・・・・何してんだ?」

と近くから男性の声が聞こえたんだな・・・

「ぴぎょっ!?」

オイラはびっくりして飛び起き、声のした方に顔を向けたんだな・・・
するとそこには同じクラスの男子が自転車にまたがった状態でこちらを見ていたんだな・・・

(うぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!見られたぁ~!しかも知り合いだし!)

「ふが・・・な、何でもない・・・」

無理やり声を出して頭をぶんぶか振り回すオイラ・・・

「てかさ・・・お前もしかしてこけた?」

冷ややかな視線をオイラに向けて言う男子・・・

「ふぐっ・・・そんな事・・・ない。いいからさっさと行ってくれ・・・」

半ば強引にその場から去らせ、オイラは深い溜め息を吐いたんだな・・・

(くそう・・・嫌な奴に見られたんだな・・・)

とにかく、これ以上誰かが来る事を恐れたオイラはよろめきながら立ち上がり・・・
自転車を起こしてペダルに足を掛け、サドルに座った・・・

暫くペダルをこぐオイラ・・・
しかし自転車は何かがおかしかった・・・

ギーコギーコ・・・

変な音が響き、こいでいるペダルがめっさきついの何のって・・・

オイラは仕方なく途中で寄り道・・・

近くにあった公衆電話から家に連絡を入れたんだな・・・
(この頃は携帯電話なんて持ってなかったんだな)

トゥルルルルルル トゥルルルルル・・・

ガチャッ・・・

「はい?」

電話をとったのは母上だった・・・

「あ・・・おがあさん・・・あのさ、自転車が何か変なんだけど・・・」

呼吸が困難な中、必死に声を出して母上に言うと、母上は「迎えに行くから待ってなさい」と言って受話器を下ろしたんだな・・・

待つ事数分・・・

キコキコキコ・・・

と母上が自転車に乗って登場・・・

(車で来るかと思っていたのだが・・・自転車で来たんだな・・・)

母上がオイラの自転車を調べてみると・・・
自転車の前輪に取り付けていたライトが、倒れた拍子にぐにょっと曲がり、タイヤに食い込んでいたそうな・・・

で・・・
母上が簡単な修理をしてから、オイラは母上が乗って来た自転車に、母上はオイラの自転車に乗って家へ帰ったんだな・・・

しくしく・・・

新しい自転車だったのに・・・

数日前まではピンピカだったのに・・・

今では塗料がはげ、カゴはぐにゃぐにゃ(鞄入りゃしねぇ)、ペダルはきつくて思い切りこがなあかんし・・・

はう・・・

オイラ、きっと自転車に乗ったらあかんのや・・・

オイラの自転車ごめんなのだ・・・

因みに・・・
この日、カレンダーには「仏滅」と書いていたんだな・・・

フッ・・・

仏滅め・・・

何が何でもオイラを苦しめる気かッ!

あう~

仏滅なんか嫌いらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(/_;)

教訓:運転中、余所見をするのは止めましょう・・・なんだな(-_-;)

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: