文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 24

平成25年10月4日~11月26日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。 (画廊展はほぼ3件に1件の割合で、これは! というもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日) 。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成25年7月27日~10月3日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 23 にあります。
このひとつ後の 平成25年11月27日~26年1月19日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 25 にあります。


251126  Storytellers 後出 恵 (うしろで・めぐみ) ・ハタユ キコ・矢倉屋佳弥 (やぐらや・かや) ・岡部千晶 (ちあき)  (~12/1) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT 5  (大京町)
(4人とも合格レベルの現代アート。後出さんは、自分が育てたキャラに自分の幻想世界を浮遊させ、媚びるところがないのがいい。)

251126  成瀬ノンノウ個展 生活と狂乱 (~12/1) @ The Artcomplex Center of Tokyo, Act 1  (大京町)
(「逃避行」 を購入 (kvardek mil) 。人生の伴のちぎれた腕を三角巾にくるみ、口にくわえて うずくまる全裸の女性。これは飾れないから、秘密の部屋に置くつもり。以前、黒いパンティを穿かせたヌードもあったけど、やはり今回のような すなおなヌードがいいね。DM は 「風神雷神女體化図」。)

251126  西岡良太 「動物たち」 と 「動く物たち」 (~12/6) @ Fuma Contemporary Tokyo  (中央区入船一丁目)
(ハイパーリアリズムの SF 画には、ブレードランナーの500年後のような哀愁とブラックユーモアがただよう。みごと。昭和55年 愛媛県伊予市生まれ、高知大卒。)

251126  平賀敬コレクションIII 1960s - '90s (~12/13) @ Fuma Contemporary Tokyo  (中央区入船一丁目)
(横尾忠則にコラージュや版画やさまざまな要素が合流したような、ゆたかなアヴァンギャルド。昭和11年生まれ、平成12年死去。いま美大生が実験作と思って描いていることは、すべて昭和11年生まれのひとによってやりつくされていたと?)

251125  山元規子 (のりこ) 展 ―陶 卵殻― (~12/2) @ LIXIL ギャラリー ガレリアセラミカ  (京橋三丁目)
(白い陶と黒い陶で卵の殻より薄い曲面をつくり、牡丹のような大輪の花々を構成する。京都造形藝大 陶藝卒。)

251125  河内 (かわうち) 亮介 “おだやかなりし夜空のもと” (~12/7) @ Gallery Tsubaki 2  (京橋三丁目)
(ぼくにとっての写実鉛筆画のひとつの理想。機械仕掛けの童話のようなシュール。積荷としてお城を載せた驢馬の牽き車。どことも知れない異郷。ユーモラスな動物、レトロな乗り物。ひとの顔立ちを描かせると、くちゅっとした感じになり、お得意ではないようだ。昭和32年生まれ。)

251125  室越健美 (むろこし・たけみ)  SU・MI・KA (~12/7) @ Gallery Tsubaki  (京橋三丁目)
(ぎらつきのない、古風なコラージュだが、文字素材の扱いに違和感。英文を上下逆に貼ることにいかなる意味があるのかと、見る脳が自動的に自問しはじめるから、もうダメだ、作品に入っていけない。)

251125  畑中百合 人形展 ―遊びごころ― (~11/30) @ 彩鳳堂画廊  (京橋三丁目)
(ジオラマ構成の木目込み人形。彩色もテーマも多彩で、あきさせない。)

251122  大舘 智 (さとし) 個展 (~11/30) @ Gallery Seek  (京橋二丁目)
(蝋燭のともし火を静謐に描いて、季節柄 いいセンスの絵だが、このテーマにしてはごつごつとしたマチエールに違和感。昭和58年生まれ。)

251122  山本靖久展 ―時の回廊― (~11/27) @ 四季彩舎  (京橋二丁目)
(器用ではないが誠実な精神性がじんわりと伝わってくる。キリスト教に題材を求めたものも、押しつけがましさのないしっとりとした仕上がり。昭和38年生まれ、武蔵美油絵 院修了。)

251121 森美術館10周年記念展  六本木クロッシング 2013 アウト・オブ・ダウト  日本現代アートのいまを問う  (~26/1/13) @ 森美術館  (六本木六丁目)
(例年、インパクト続きでワクワクの展覧会だったが、今年は拍子抜け。見終ってみると、展示入口の小林史子さん 「1000の足とはじまりの果実」、6メートル四方の椅子と古着でできた壁、これがいちばんよかったような…。)

251121  北加賀屋クロッシング 2013: Mobilis in Mobili  ―交錯する現代― (~11/23) @ Gallery MoMo Projects  (六本木六丁目)
(梅沢和木さんの “Digital Hardcore Cookie Requiem” は、2枚の中型液晶モニターにアニメ風コラージュを映し出し、その上からアクリル絵具で筆を入れるという、意表をついた作品。高橋大輔さんの連作は、ぼくに言わせると、白髪一雄にサムホール判の小品をつくってとお願いして出来たような…。)

251121  森村泰昌 レンブラントの部屋、再び (~12/23) @ 原美術館  (北品川四丁目)
(平成6年に原美術館で行われた、レンブラントの油画・銅版画の森村泰昌ヴァージョンの展覧を再現。原画の参考図版のプリントを入口でもらえるので森村版と比較すると楽しい。第1室では平成18年に森村さんが演じて撮らせた自決前の三島由紀夫演説情景、題して「烈火の季節/なにものかへのレクイエム」。)

251121  川嶋陽介展 Historia (~11/30) @ ギャラリー アートもりもと  (銀座三丁目)
(愛妻をモデルに描いた、虚実まじえた写実画。注目した寓意画の「価値」は、天秤の左皿に載った卵と右皿の卵殻、さて重いのはどちら? 昭和53年生まれ、東京藝大油画卒。)

251121  Nobu Hosana Exhibition: 歪んだ硝子窓から見た黄昏の風景 II (~11/23) @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(はっきりした色彩の、つるりとしたマチエール。異星の風景のようだが、ふっと引き込まれる。)

251120  坂本佳子 (けいこ) 展 (~11/23) @ Wada Fine Arts  (築地三丁目)
(鈴木愛弓さんに紹介され、初めてこの画廊に来た。タイとスリランカの洋館内部を切り取って描いた油画小品の色彩タッチに好感。しかし大作のど真ん中に貼った美しいプリント布はデカすぎたし、せっかくの地の描画と分離してしまって、いい効果が出せてないのが残念。)

251120 特別展  国宝 「卯花墻 (うのはながき) 」 と桃山の名陶 ―志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部― (~11/24) @ 三井記念美術館  (日本橋室町二丁目)
(卯花墻は縦に長めの志野で、墻の線の青みに幼子の愛らしさを感じる。国宝になっている茶碗は2つあり、そのうちの1点。ひとに人格があるように、陶器の名品には 「陶格」 というべきものが宿っている。室町時代の陶のスタイルを比較しつつ楽しんだ。)

251118  池田良二新作銅版画展 “In the Ocean Fog・海霧の中で” (~12/14) @ 南天子画廊  (京橋三丁目)
(ふと原始の心に戻って世界を眺めていた。静謐を超えて、音が吸い込まれていく感じ。昭和22年生まれ、武蔵美教授。)

251118  ギィ・デサップ絵画展 (~11/22) @ 翠波画廊  (京橋三丁目)
(きらめく光の宝石箱という賛辞は、なるほど。光の都パリの街角の照明美を生かす。昭和13年生まれ。)

251118  石川真衣個展 『ぼたんまつり』 (~11/23) @ Gallery b. Tokyo  (京橋三丁目)
(これまでの作品が一堂に。新作は、1分40秒の DVD セット (買いました、4千円) と、その装画。いまやっている本業のデザインの仕事も、ちょっぴり見たかったな。)

251116  内林武史展 記憶と幻想の実験室 (~11/25) @ 新宿高島屋10階 美術画廊  (千駄ヶ谷五丁目)
(光る鉱石をあしらったオブジェ、ギャラリー椿で個展を見た作家。映画の箱は、のぞき穴から覗くと客席もしつらえてあり、「カサブランカ」を上映していた。)

251115  藤沢彦二郎展 (~11/27) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(DM 葉書を見て、夜の照明器具店のただの写真かと思いピンと来なかったが、じつはこれが絵だった。建物が見えない TOKYO CENTRAL STATION の夜景は照明灯が主役。街のピエロはショーウィンドーに坐っているようでもあり、建設現場の横の通路に占い師のように椅子を構えているようにも見える。)

251115  星野美智子新作展 ― ボルヘスの詩によせて: Rose Memorized - Buenos Aires ― (~11/23) @ ギャルリー志門  (銀座六丁目)
(墨流しのように見える銅版画。建造物をあしらった作品にひかれた。)

251115  第2回 白日会デッサン展 (~11/22) @ 永井画廊  (銀座四丁目)
(47人展。リアリズム人物画ぞろいを期待していたので、ちょっと拍子抜け。)

251113  横山大観展 良き師、良き友 (~11/24) @ 横浜美術館
(リアリズム木炭画の 「迷児」、アイドルイラストのようにかわいい 「観音図」。蔦紅葉が装飾的な 「秋色」。洛中洛外雨十題の 「宇治川雷雨」。「瀟湘八景」 や 「寒山拾得」 を見ると、人物の描き方がずいぶん枯れている。そして晩年、色彩奔放の 「夜桜」 に至る。
ところで、竹中直人さんの解説録音がヘタ。俳優は台詞がうまいからと言って、文章の朗読がうまいとは限らない。
常設展: Man Ray の “Meret Oppenheim 1933” は、メカニカルと組み合わせた意表をつくヌード写真。女性の左腕がべっとりと機械油で黒く汚れて。Joan Miro の “Vase de fleurs et papillon” プリミティヴィズムの具象画だ。鏑木清方の 「春宵怨」 に強さあり。)


251112  薦田梓 (こもだ・あずさ) 個展 「深海ノ海」 (~11/23) @ Gallery Trinity  (赤坂九丁目)
(ウミユリの大作は、色が染み入り、染み出す感じが自ずと動きを生んでいる。)

251111  進川桜子 (しんかわ・さくらこ) 展 少女画 ― 木蔭と日溜まりの境 (~11/16) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(技法が不安定だが、少女画の絵葉書がノスタルジックなのは、少女たちがふっくらしているからか。昭和61年生まれ、日大芸術 院修了。)

251111  江波戸郭子 月籠 (~11/16) @ 巷房  (銀座一丁目)
(ハリコの人物オブジェ群。稚拙と宜しきの境目あたりで、ちょいと気になる個展だった。)

251111  樋浦久子 個展 ―La Dolce Vita― (~11/16) @ 純画廊  (銀座一丁目)
(鉛筆画とコラージュ。北方の白鳥を題材にしたコラージュ小品2点がよかった。鉛筆画は用紙の目が粗すぎるように思えた。)

251111  森田真実 (まみ) 個展 (~11/14) @ Gallery 銀座一丁目
(有線七宝の猫のメルヘン画がいい。昭和61年生まれ、東京藝大彫金卒。いまはゲーム会社で CG デザイナー。)

251111  上村淳之カレンダー原画展 (~11/12) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊
(小鳥と花卉のシリーズの下絵デッサンと本画。さすがに大ベテランのお疲れも感じられたが…。)

251111  北川健次展 「ガール・ド・リオンの接合された三人の姉妹」 (~11/18) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊X
(多数のコラージュ作品のうちでも、上半身が赤いガスとなって消滅した、いわば 「ガス人間」 シリーズ2点が良かった。)

251111  松井ヨシアキ展 (~11/12) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊
(パリの街角の人間臭い情景を軽快に。)

251110  大河原愛展 I have no way to change the world (~11/11) @ 新宿高島屋10階 美術画廊  (千駄ヶ谷五丁目)
(北川健次さんの世界 + 緻密な計画の末にエイヤッの筆。「ゆらぎ」 の扱いがうまい。じつは描かれた女性の顔を見て、てっきり古河原泉さんの個展と勘違いしていた。昭和54年生まれ、武蔵美 院修了。海外にもどんどん進出する、意欲的な作家。その割にお買い得価格だった。)

251109  第45回 日展 (~12/8) @ 国立新美術館  (六本木七丁目)
(今年は特選に絵葉書を買いたくなるような作品がなかった。注目したのは、油画では 中島健太さん “Frozen Time” 女性の眼差しがすてき。右脚の向き具合で冒険をしたが、ちょっと不自然に見えた。石田宗之さんの 「遊於樹下世界」 は人物画にしてショッキングピンクと青紫の色の取り合わせの思い切り。池田清明さんの 「お手てつないで」 は、さすが清明さんで、使われた色の独特の彩度で清明作品と知れる。絵に置かれた色のパーツは一見大雑把に置かれているのに、じつは1ミリもゆるがせにできぬ緻密な写実を構成している。
工藝の野田朗子さん 「蓮華化生」。蓮の花びらと露を大きくガラスで造形。花びらの端々の朽ち加減が絶品。
彫刻の阿部鉄太郎さん「黒潮 ~久礼浜にて~」 は、豊満な肉感の夏帽子の女性を。うつくしい緊張感。
今年ははじめて、すこし書の展示も見たが、絵や工藝と異なって何が良くて何が劣っているか全く判断がつかないのに、愕然とした。)


251108  シメイの会+1 (~11/16) @ ギャラリーもりもと  (銀座三丁目)
(写実画5人展。平澤 篤さんの 「灯り」 は石油ランプのそば、組んだ腕に顎をおいて首をかしげ たゆたう女性。おカネがあれば欲しい作品だった。舟木誠一郎さん、ガラスの広口瓶から 「大脱走」 しているスモモ。)

251108  増田洋一郎 個展 (~11/10) @ 万画廊  (銀座一丁目)
(作家曰くは “春画” というが、色づかい奔放に絡む肢体はいちいち見分けもつかぬくらいで、エネルギーのなかに佳品も何点か。)

251108  ターナー展 (~12/18) @ 東京都美術館 企画展示室  (上野公園)
(ターナーといえば朦朧とした絵とばかり決めつけていた認識を根本から改めた。ヴェネツィアを描いた数々の作品が絶品。歴史風景画から抽象画に近い晩年の作へと、天才らしき変遷。人物の顔を描くのは苦手だったようだな。横山大観も然り。)

251107 William Steiger: Window Seat  (~11/22) @ Koki Arts  (東神田一丁目)
(飛行船や機関車、橋梁などの端正な貼絵が生むコラージュ小品。)

251107  楽園創造 (パラダイス)  ―藝術と日常の新地平― Vol.5 佐藤雅晴 (~11/30) @ gallery αM  (東神田一丁目)
(伊達巻の製造工程を7シーンのアニメクリップにして7つのスクリーンに延々映写。福島県のメーカーに取材したという。昭和48年生まれ、東京藝大 院修了。)

251107  並木恒延 (つねのぶ) 漆藝展 ―道 on the Road― (~11/10) @ 和光ホール  (銀座四丁目)
(金粉蒔絵でルネサンス名画の陰影まで模写し、雪景色のタイヤ跡や波打ち際を黒地の漆に鶉の卵殻を丹念に敷き置いて表現する。昭和24年生まれ、東京藝大漆藝 院修了。)

251107  甲 (こう) 秀樹 人形作品展 (~11/9) @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(今回は両性具有人形や肛門に宝石を隠し商う人形も。この腕前で女性の人形を作ってくれたらとも思うが、男人形の作り手がいないゆえの一層の価値か。)

251106  渡邊裕公展 Vivid ~繊線美~ (~11/8) @ ギャラリー銀座アルトン  (銀座七丁目)
(豊かな彩色のボールペン画による人物画。愛媛大教育学部美術研究科修了、60代のベテランだが筆致が若々しい。各賞受賞後、30歳で県展出品をやめた。光風会所属。)

251106 アジアンフォトグラフィー第8弾  韓国若手写真家4人展 「等身大の韓国写真 2013」 (~11/21) @ ガーディアン・ガーデン  (銀座七丁目)
(琴惠元 (きん・けいげん) さんの地下ゴミ処理工場の写真がおもしろい。メカニックでありながら巧んで彩色したかのような Urban Depth だ。張晟銀 (ちょう・せいぎん) さんの演出写真。金信旭 (きん・しんきょく) さんは「魚蟹図」という民画を実物写真をつかって再構成。ぼかしのかけ方がうまい。)

251106  岡本東子 (とうこ) 日本画展 (~11/11) @ 秋華洞  (銀座六丁目)
(リボンを遊ぶ両の手を描いた小品がいい。今回の目玉の 「黎明に立つ」 の和服女性は、動きがあるというより、単に不安定感だけ。やや幽霊のようでもあるが、どうも中途半端だな。)

251106  子供に見せたい作品展 (~11/14) @ 銀座 柳画廊  (銀座五丁目)
(岡野博作品を中心に。)

251105 Communication Art XVI: Reading XI  Pepper's Bookshop ペッパーズ書店 (~11/16) @ Pepper's Gallery  (銀座七丁目)
(アーティストの手製本など。安井春菜さんのイラスト本が精緻でかわいい。当然非売品ですが、手にとらせてもらってよかったのかしらん。昭和62年生まれ、多摩美版画 院修了。
ぼくが買ったのは竹丸綾香さんの 「視者の書」。ひらがなとカタカナを、ヒエログリフを意識しながらデザインしなおして、これを使ったイラスト本。おもしろいフォント例です。平成2年生まれ、武蔵美視覚伝達デザイン卒。)


251105  器と骨董展 ~李朝敬慕~ (~11/12) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(対馬出身の武末日臣さんが李朝の陶器に近づくべく精進した成果。じっくり眺めると味わいが出てくる。李朝の骨董の小家具なども。
美しいギャラリストの佐甲朋子さんに久々にお会いしました。6月に行った 「朗読劇画」 公演を観に来てくれていたそうで、うれしかった。)


251105  伊津野 (いづの) 雄二展 (~11/16) @ ギャラリー椿  (京橋三丁目)
(胴体や周辺はわざと荒削りの木彫だが、顔面は古代ローマの大理石像のごとく。)

251105  新井コー児 「そろそろ時合い?」 (~11/9) @ なびす画廊  (銀座一丁目)
(けろりとした女子中学生たちがモチーフ。そろそろ次の展開がほしい。新鮮感が失せてきた。)

251104 +PLUS: The Art Fair 004  (~11/4) @ Spiral Garden  (南青山五丁目)
(7画廊が出展。Gallery Suchi の枝史織さんの大作は、天空への華奢な階段、はたまた天空からの糸、天空を舞う鞦韆と、スケールの大きな新境地。ex-chamber museum の、昭和30年代の年賀状にミニ水墨画を配する企画にも惹かれました。)

251104 Emerging Directors' Art Fair: ULTRA 006 November Side (~11/4) @ Spiral Garden  (南青山五丁目)
(佃舞永さん、盛本浩二さん、山本知青さんなど20人が出展。藤原泰佑さんの民家が、今回は森のなかにうず高く捨てられて、文明批評としておもしろかった。加藤苑さんの新作、ごちゃごちゃしたところが消えて良くなった。)

251104  寺山修司の言葉展 (~11/4) @ 伊藤忠青山アートスクエア  (北青山二丁目)
(寺山修司のことばが触発した14人展。それにしても、≪作り直しのきかない過去なんてどこにもないんだよ≫ の一言はすごい。)

251104  第22回奨学生美術展 (~11/4) @ 佐藤美術館  (大京町)
(ぎゃらりぃ朋の個展が光った田中望さんが、黒川能をモチーフにした 「あめつちの詩」。岩崎夏子さんのパネル作品は具象と抽象の往復運動。招待作家、第14期奨学生だった高島圭史さんの 「ねがいぼし」 の女性の足元がみごと。)

251104  ムットーニワールド からくりシアターIII (~11/24) @ 八王子市夢美術館  (八王子市八日町)
(武藤政彦さんの自動人形からくり箱は、幻想画と演劇がつまっている。ちょうど作家自身が辯士をする上演会にあたってラッキーだった。「人形がただ一回転するだけで、物語が成立するかもしれない…」 という一言に、いまは うなづける。)

251102  幕末の江戸城大奥 (~12/8) @ 江戸東京博物館 常設展示室5階 第2企画展示室 (墨田区横網一丁目)
(「徳川宗家系図」 の几帳面さ。天璋院所用の小袖 萌黄紋縮緬地雪持竹雀文様牡丹紋付の、豪華でありながら抑制された色づかい、全体を支配する気品。)

251102 開館20周年記念特別展  明治のこころ モースが見た庶民のくらし Soul of Meiji: Edward Sylvester Morse, his day by day with kindhearted people (~12/8) @ 江戸東京博物館 1階展示室 (墨田区横網一丁目)
(まるでタイムカプセルのように明治日本の生活を切り取って見せてくれる。モースの愛を感じる。モースの愛を引き出した明治の日本人もまた大層立派だった。瓶入り砂糖菓子や浅草海苔までそっくり残して。紙と糸でつくった 「携帯用算盤」 には驚いた。日本を持ち帰るために職人に作らせた提燈屋の店舗模型や甲冑姿の武士の生き人形。)

251101  写真新世紀 東京展2013 (~11/17) @ 東京都写真美術館 地下1F展示室  (三田一丁目)
(キャノンの文化支援イベントとして平成3年にスタートした新人写真家公募展。優秀賞の海老原祥子 (しょうこ) さん「記念写真」シリーズが、ぼくにとってはピカ一。28都道府県47ヶ所の記念写真スポットで、自分おひとりさまだけの おすまし写真を撮った。この企画力と愛らしさに乾杯! 武蔵美デザイン情報卒、広告制作会社勤務。)

251101  須田一政 (いっせい)  凪の片 (ひら)  (~12/1) @ 東京都写真美術館 2F展示室  (三田一丁目)
(昭和15年生まれ。風姿花伝、物草拾遺、恐山へ、紅い花、東京景、凪の片。日本各地の情景を淡々と切り取る。)

251101 コレクション展 「写真のエステ」  コスモス ― 移された自然の形象 (~11/17) @ 東京都写真美術館 3F展示室  (三田一丁目)
(やられた! と思ったのは篠山紀信さんの 「スチームアイロン」。光沢のあるアイロンのボディを星条旗の反射で覆い尽くした。発想と撮影計画の緻密に敬服。「スパナ」 も、ただの道具をこんな撮り方があったかと。ともに昭和41年作品だ。)

251101 生誕100年!  植田正治 (うえだ・しょうじ) のつくりかた (~26/1/5) @ 東京ステーションギャラリー  (丸の内一丁目)
(砂丘の家族写真がとみに有名な写真家だが、晩年になってもコラージュ写真やビデオクリップの制作をするなど、旺盛にアートを生きたひとだ。収蔵品紹介は、昭和7年生まれ中村宏さんの 「車窓篇」 シリーズ。)

251031  鈴木紗也加 「空間は透過され、色彩に還元される」 (~11/24) @ Maki Fine Arts @ アーツ千代田3331  (外神田六丁目)
(早くから脚光を浴びた分、手法が中途半端なところで固定化して煮詰まっているような印象。大胆な脱皮が必要な時期だ。)

251031  岡田真希人 個展 “Farewell” (~11/17) @ イムラアートギャラリー @ アーツ千代田3331  (外神田六丁目)
(泰西名画のモノクロ模写に、翔けるごとくに藍色の筆をひいてゆく。VOCA 展出展作を思い出した。昭和52年生まれ、京都市立藝大 院修了。)

251031 Trans Arts Tokyo 2013 連動企画展  メイド・イン・カンダ ― このまちで生まれる人・アート・建築へのまなざし (~11/17) @ アーツ千代田3331  (外神田六丁目)
(池田晶紀さんの神田っ子ポートレイトプロジェクトの大型写真40点が、よかった。)

251030  石橋ユイ展 (~11/4) @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(人間から伸びる植物の枝。これまで、枯れてゆくほうにベクトルが向いていたのが、今回は心機一転して随分と明るい境地。その分、精進が ふりだしに戻ったようなところもある。さあ、今後どう展開するか。)

251030  飯嶋桃代 format-B (~11/2) @ コバヤシ画廊  (銀座三丁目)
(いつぞやに引き続き、ふさふさ白い人造毛皮の断片を張り付けたDM葉書。これは観にいかなきゃ。画廊奥のコラージュ、隅の女性の顔に黒い人造毛皮の断片を張り付けた作品が、いいバランス。)

251030  三原 研 展VIII (~10/30) @ 阿曾美術  (銀座三丁目)
(陶の平面を巻くように作られた花器。秋の実をつけた枝をあしらう展示もセンスがいい。)

251030  後藤洋明コレクション+α 第3回 雑居房 (~11/1) @ ギャラリー枝香庵  (銀座三丁目)
(洲之内徹さんの弟子にあたるひとらしい。あれこれ本を4冊購入した。)

251029  津島岳央 (たかひろ)  宙 (そら) の只中 “Coordinates of a Panopticon” (~11/9) @ art space kimura ASK?  (京橋三丁目)
(膨大な写真の要素を合成して作られた、もうひとつのタイムズスクエア、パノラマ図が圧巻。見とれた。くりくりとパノラマを動かせるはずの映像展示は、津島さんが調整中だった。)

251028  長崎の彩展  ~白日会長崎渋新進作家展~  (~11/9) @ Gallery Seek  (京橋二丁目)
(チョーク絵の風合いの日展特選油画は鮮烈だった。あの小野大輔さんの新作など。高校で美術教師をしているという。古賀充さん、江口武志さん、長田ユミさんの作品も。)

251027 Emerging Directors' Art Fair: ULTRA 006 October Side (~10/29) @ Spiral Garden  (南青山五丁目)
(かんの自然さん、車洋二さん、光井 聡さんら32人が出展。)

251025  ゴーシュ・マダブ展 (~11/2) @ ぎゃらりぃ朋  (銀座一丁目)
(昭和41年ニューデリー生まれの Madhab Ghose さんの水彩抽象画。東京藝大で博士号。会社の役員だったら、10枚買って小会議室に1枚ずつ飾るだろう。)

251025 「第1回 八王子をどり」 ポスター原画作品公開  中千尋 美人画展 ―化粧 (けわい) ― (~10/27) @ 柴田悦子画廊  (銀座一丁目)
(本格日本画も描き、日本舞踊もたしなみ、雅な所作についての著書も上梓する予定という多才なひと。)

251025  Span Art Gallery Collection 2013 (~10/30) @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(掘り出しもの 『超藝術トマソン』 を購入。)

251023  須田菁華展 ―徒然なる日々に潤いを― (~10/27) @ 和光ホール  (銀座四丁目)
(三代目須田菁華さんの陶。洋画を学んだ蓄えが、奔放でありながら伝統に則ったデザインに開花している。陶作品展で、これほど 「欲しい!」 気持ちにさせられたのも久々。じつは、和光ホールに初めて上がりました。)

251022  金巻芳俊 “是刻メメント・モリ” (~10/25) @ Fuma Contemporary Tokyo  (入船一丁目)
(人に髑髏・骸骨を組み合わせた彫像とドローイング。昭和47年生まれ、多摩美 彫刻卒。石川真衣さんがブログで絶賛。)

251021 傘寿記念  若尾利貞 作陶展 (~10/22) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊
(昭和8年生まれ、岐阜県重要無形文化財保持者。金泥・銀泥・箔を用いた装飾性は、奔放に枯淡が交じって いい味わい。)

251021  重野克明 版画の鬼と化す (~10/28) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊X
(ヘタウマ的要素も感じられるが、版画の描線を日々ひっかき続けることが血と肉になっている人だな。)

251019  重力2 (~10/19) @ Gallery Suchi  (日本橋茅場町二丁目)
(7人展。渡抜 亮さんと小尾 修さんの写実人物画が絶品、完売。)

251019  アイガ★ショー 2013 (~11/23) @ アート★アイガ  (八丁堀二丁目)
(所狭しと11人展。水森亜土ふうの女の子を描く温井裕子 (ぬくい・ゆうこ) さんがいた。門倉直子さんのサービス精神旺盛な内輪ネタのドローイング。佐々木茜さんの女の子が、打率10割でかわいい。)

251017  森村泰昌展 ベラスケス頌: 侍女たちは夜に甦る Las Meninas renacen de noche (~12/25) @ 資生堂ギャラリー  (銀座八丁目)
(名画 “Las Meninas” を巡って、作中の人物と入れ代わる魔法を8枚の写真で絵解きする。扮装前のスッピンの森村さんも3作で登場している。)

251017  ハッピー・ピョンヤン 2010 (~10/26) @ 東京画廊+BTAP  (銀座八丁目)
(昭和43年生まれの荒巻正行さんの企画。朝鮮国の藝術工房に、「可憐な少女」 と 「凛々しい少年」 のお題で、エデンの園のような、いつ爆笑すべきか目線のメッセージを読み取らなきゃいけないかなと思わせるような、絵を描いてもらったわけだね。荒巻さんプロデュースの朝鮮国初のロックバンド 「ムルムピョ (=疑問符) 」 の演奏音声も聞かせてもらいました。昭和50年代の東欧の音だな。)

251017  ヴァニラ画廊大賞3人展 (~10/21) @ ヴァニラ画廊 Room B  (銀座八丁目)
(第1回ヴァニラ画廊大賞の各賞受賞者のごほうび展で、DMの縮小画像は悪くないが、実作品たちのあまりの気の抜け方にがっくりきた。ももちっと気合いを入れて、未来をつかめよ。)

251017  野口由里子 人形展 桜恋月譚 (おうれんげったん)  (~10/21) @ ヴァニラ画廊 Room A  (銀座八丁目)
(絵本から出てきたような石粉粘土の人形オブジェとレリーフ。)

251016  奥平恵理 個展 {Enter the Argon} (~10/19) @ Gallery 銀座フォレスト  (銀座一丁目)
(なんと、かつて文房堂ギャラリーの版画展で「紙嫁」という大型作品を見て、応援しなければと思って買った作家だ。「おお、生きておったか!?」 というのが心のなかの第一声です。)

251016  「かぼちゃのブリューゲル」 トーナス・カボチャラダムス遺作銅版画展 (~10/19) @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(名乗りも個展名も遊んでいるが、九州のベテラン銅版画家・川原田徹 (かわはらだ・てつ) さんの作品展。ご本人は初日に来廊、笛を吹いていかれた由。)

251015  吉川雅基展 ―one day somewhere.jpg― (~10/19) @ アートスペース羅針盤  (京橋三丁目)
(路地からの風景写真を白と黒だけのコントラストにして、銀箔に印画した。黒がつるっとしていたな。どういう手法だろう。おもしろい作品に仕上がっている。昭和55年生まれ、多摩美日本画 院修了。)

251015  うじまり みんなきらきらです (~10/19) @ Gallery Tsubaki 2  (京橋三丁目)
(松煙で黒くした雲肌麻紙に、雲母に着色した顔料を使って金工のごとく細かい線でタンポポの綿毛を極く繊細にしたような球を描く。小さな妖精のいる絵が気になっている。次の展開がありそうだ。昭和60年生まれ、仙台在住。)

251015  尾関立子 (りつこ)  The Doll's House (~10/26) @ Gallery Tsubaki  (京橋三丁目)
(筆致といい雰囲気といい、不忍画廊で見たムンクの銅版画を思い出した。大判の銅版画と若干の油画。昭和46年生まれ、武蔵美造形 院修了。)

251015  池田実穂展 ―ことばのないうた― (~10/19) @ T-BOX  (八重洲二丁目)
(南桂子作品を彷彿とさせるが、こちらは木版画で。藍染を思わせる色づかいの変化 (へんげ) もすばらしい。「夏の水の半魚人」の装画の版画がいい。あのように主人公に動きを与えてみると、作品に新たな展開があるのでは? イタリアのカッラーラに在住の昭和53年生まれ。そこでの師、ステファノ・チャポーニ展も同じ T-BOX の隣りスペースで開催。)

251012  大久保如彌 (なおみ) |いつまでもパーティーを (~11/9) @ Gallery MoMo Ryogoku  (墨田区亀沢一丁目)
(タイムトンネルの向こうを自分の分身が覗いているところみたいな 「暗闇を照らせ」 が気になる作品。おカネに余裕があれば買っていた。大作 「いつまでもパーティーを」 は描きかけ感あり。)

251012 Robin Fry: Wah Steel  (~10/13) @ hiromart gallery tokyo  (文京区関口一丁目)
(ベルリンで画家+パフォーマーとして活躍するカナダ人。ストーリーを組み立てられる抽象画。一作一作が挑戦作になっているのがいい。)

251011  京都 洛中洛外図と障壁画の美 (~12/1) @ 東京国立博物館 平成館
(室町時代末期から江戸初期の、親しみやすい名品の数々。洛中洛外図屏風は、国宝の狩野永徳筆の上杉本が、描画が細かく保存状態も完璧で、群を抜いていた。しかし見て楽しいのは岩佐又兵衛筆の舟木本のほうで、祭礼と人々の表情の躍動がある。京都御所の屏風・襖絵に続き、龍安寺の石庭の四季映像と襖絵 (廃佛棄釈で散逸し米国に渡ったものが百数十年ぶりに勢揃い) 、そして二条城の襖絵の勢い。)

251011  上海博物館 中国絵画の至宝 (~11/24) @ 東京国立博物館 東洋館8室
(宋代の作品はだいぶ黒変してしまったものが多く、描線がよく見えず残念。清代、康熙24年 (西紀1685年) の 「花卉図冊」 が絶品。色彩と文字の多様が楽しめて飽きない。南画と北画の両系統のこと、もっと知りたい。)

251011  ルオーとモロー 聖なるものの継承と変容 (~12/10) @ パナソニック汐留ミュージアム  (東新橋一丁目)
(いろんなところで見た作家だとタカをくくって行ってみたら、20代のルオーの写実ドローイングが新鮮だし、モローの作品にこめられた精神性にも打たれた。Gustave Moreau: "Pieta`", "Madeleine au Calvaire", "La Parque et l'Ange de la Mort", "Thomyris et Cyrus, dit aussi: La Reine Thomyris".)

251011  おみやげと鉄道 (~11/24) @ 旧新橋停車場 鉄道歴史展示室  (東新橋一丁目)
(駅辨の包み紙やポスターと歴史写真。このアートを新たな作品に生かす余地、大いにあり。)

251010  おかもとかおり展 ―家出中― (~10/12) @ Gallery Trinity  (赤坂九丁目)
(前回の個展で針金の柵と空を描いた小品を買った。阪本トクロウさんとモチーフが似ているが、丁寧な重ね塗りの色の美しさは独特。今回は絵具会社の要請で使った胡粉入りのジェッソが、あまりうまくなかった様子。シャープさが消えてしまったかな。)

251009  空想美術大賞展 (~10/10) @ 伊藤忠青山アートスクエア  (北青山二丁目)
(三菱商事がやっているアートゲートプログラムの出品作は、最近さっぱり面白くないが、それにひきかえ伊藤忠の今回の企画に集まった作家1人1点ずつの40~50cm角ほどの作品の数々、じつにいい。3点に1点は、ほしくなった。外田千賀さんがヌードを描いているが、これがアートゲートではまず撥ねられる。
今回注目したのは伊勢田理沙さんの写実画。平成24年に白日会展入選、25年に佐賀大 院修了。今後が楽しみだ。吉田潤さんの、孔雀の首を中心に据えた水墨画コラージュも新鮮。阿部琴絵さんのパワフルな油画。丁寧さが光る河原佳幸さん、立木春江さん。
これまで作品を見て注目してきた作家のなかでは、外田さんのほか、高橋舞子さん、加納明日香さん、青木香保里さん。)


251008 RG Collection II  (~10/25) @ Reijinsha Gallery  (銀座六丁目)
(11人展。菊地武彦さんの水墨画的な岩絵具抽象画。菅沼鉄王さんの黒と赤。目黒礼子さんの昆虫イラスト+アルファの粋なさばき。)

251008  齋正機 (さい・まさき) 展 残滓牧景第三章 “拝啓 吾妻小富士様” (~10/19) @ 日動画廊  (銀座五丁目)
(いわゆるメルヘン的風景画に縦横の櫛目でぼかしを入れる。その技 (?) が鼻について、ぼくは好きになれない。ドローイングの小品も多数。鉄道マニアのようだ。昭和41年生まれ、東京藝大日本画 院修了。)

251007  久里洋二展 「絵を描くために食うのか 食うために絵を描くのか?」 (~10/12) @ art space kimura ASK?  (京橋三丁目)
(アニメビデオ展示がおもしろい。小品マンガと絵画作品も。上京時の思い出の釜が、テレビの隣りに、てん。)

251007  羽山まり子展 ―マイホーム― (~10/28) @ LIXIL ギャラリー  (京橋三丁目)
(日常家財を積み重ね、吊るして、厚手のサランラップでラップした。う~ん、これはアイディア勝負のように見えて、観るひとをつかむ造形に仕上げるのはむずかしいね。過去写真にはおもしろいのもあるが、今回は不発。昭和58年生まれ、女子美 院修了。)

251007  平田星司展 静物 ―Still Life and Natura Morta― (~10/12) @ Galerie Sol  (銀座一丁目)
(感動もの。硝子ビン靴などの日常物に樹脂を塗り鉛筆の線で包み、背景も荒めの鉛筆画のように仕立てると、オブジェ全体がまるで鉛筆画から立ち上がってきたように見え、角度によって無数の鉛筆画を楽しめる感じがする。写実の極みのような鉛筆画が、じつは現実とは別のモノの世界をかたちづくってきたことにも気づかされる。昭和42年生まれ、英国ブライトン大 絵画卒、ロンドン大スレード美術学校 修士修了。≪オブジェに直接塗るというこの作品は、1994年からつづけている。きっかけは仕事場の床の紙コップ。紙の上にコップをおいて、かげを鉛筆で塗りつぶし、コップや棚などの表面も鉛筆や木炭を使って描いた。≫)

251005  クローズアップ工藝 (~12/8) @ 東京国立近代美術館 工藝館
(鈴木長吉の 「十二の鷹」 が圧巻。1893年のシカゴ世界博に出品された。森口華弘の友禅の訪問着の数々も、気品ある色と多様な意匠がみごと。)

251005  竹内栖鳳展 近代日本画の巨人 (~10/14) @ 東京国立近代美術館
(9月18日に前期を見たのに続き、後期展示を鑑賞。「狐狸図」 に生気あり。「和蘭春光・伊太利秋色」 に気韻。「松魚」の群青の強さと塗り残しの妙。「艶陽」 は花豌豆と細蛇の取合せ。)

251004  レオナール・フジタ ポーラ美術館コレクションを中心に (~10/14) @ Bunkamura ザ・ミュージアム
(今回は、子供を描いた小品が中心。ぼくの次女は、おすまし顔の嗣治の女の子に似ているな。土門拳・阿部徹雄が嗣治の日常を切り取った写真の数々も。)

251004  水沢修展 (~10/8) @ Gallery 枝香庵  (銀座三丁目)
(ひたすら女性のクロッキーを荒々しいタッチで。ピンクや空色のクレヨンをつかったものも。60代のベテラン。)

251004  山崎克己 紙刻繪展 (~10/5) @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(大人たちが乗った乳母車を赤ん坊たちが押してゆく 「乳母車の図」 が出色。DM にもなっている。)


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