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加入電話の番号がそのまま使えるIP電話とは



 IP電話サービスに加入すると、先頭部分が「050」の専用番号が割り当てられます。
 そう思っている人が多いかも知れません。
 ところが、東京なら「03」、大阪なら「06」で始まる加入電話の番号(「0AB~J」番号)を、そのまま使えるIP電話サービスを、NTT東西地域会社やKDDI、関西電力の子会社であるケイ・オプティコムといった事業者がFTTHのオプション・サービスとして提供し始めています。

 では、IP電話専用の「050」番号を使うサービスと、加入電話と同じ体系の「0AB~J」番号を使うサービスでは何が違うのでしょうか。
 今回はそのあたりを探っていきましょう。

 そもそも「050」番号は、IP電話が加入電話からの着信を受けられるように、IP電話専用の番号として決められたものです。
 加入電話と違って、IP電話はユーザーが端末を自由に動かせるし、ADSL回線などを使うため通話品質も一定ではありません。
 そこで、混乱を防ぐために、加入電話の番号体系と明確に区別してIP電話専用の「050」番号が用意されたのです。

 しかし、IP電話で「0AB~J」番号を使いたいという要望がIP電話事業者などから総務省に寄せられました。
 加入電話をIP電話に置き換えてもこれまで使っていた電話番号を変更せずに済めば、ユーザーはIP電話に移行しやすいだろうという考えなのです。
 そうした要望を受けて総務省は、「加入電話と同等」という条件を満たせば、IP電話でも「0AB~J」番号を使えるように法制度を整えました。

 では、どのような条件を満たせば「加入電話と同等」と言えるのでしょうか。
 総務省は、電気通信事業法の「電気通信番号規則」で8項目の条件を定めています。

 例えば、加入電話の電話機と同様に、IP電話端末は1カ所に固定する必要があります。
 また、110番や119番にかけられなければなりません。
 NTT東西地域会社の加入電話網との接続も求められます。

 こうした8項目の条件のうち、大きなハードルとなるのがネットワーク品質の基準です。
 通話の総合品質を表す「R値」や、ネットワークの遅延時間が一定の基準を満たさなければなりません。
 この基準は厳しく、「光ファイバでないとクリアするのは難しい」(総務省番号企画室の深堀道子課長補佐)ということです。

 つまり、ADSLを使うIP電話サービスでは、将来にわたって加入電話と同じ番号を使えるようになる可能性はほとんどありません。
 しかし、光ファイバを使うIP電話サービスなら通話品質の条件をクリアできます。
 冒頭で紹介した事業者のIP電話サービスも光ファイバをアクセス回線に使うものです。
 今は「050」番号を使うIP電話サービスしか提供していない光ファイバ事業者の中から、将来は加入電話と同じ「0AB~J」番号が使えるIP電話サービスを提供するところが出てくるかもしれないですね。

 ニュース・ソースは、 こちら

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