花より、、、

花より、、、

Act 2


(何かあるのかしら?)
しばらくすると緊急召集の社内放送があり
各部ごとに部長からの説明があった。


「先程行われた会議で我が社は
 あの道明寺グル-プに吸収合併される事が決まった。
 道明寺グル-プが建設中、もしくは所有しているリゾ-ト施設で
 施設内にかかわる全てのキッズ関連の商品を
 扱う事になった。グル-プの一員として今以上の心構えと働きをして欲しい。」


「凄~い!!」

「嬉しい!!」

何処からともなく同僚の歓声が聞こえる。

(道明寺…?吸収合併…)

「牧野君、、、牧野君!!」

「え゛っあ゛っ はっはい!?」

「どうしたんだね?しっかりしてくれよ。
 願っても無い話に驚く気持もわかるがね(笑)
 今週末には 帰国され副社長になられたご子息が
 挨拶に見えるからボ-っとしてられないぞ!」

「はっ はい! 失礼致しました。」

嬉しそうな部長から逃げるように去り

(何なの!? えっ。。。何?)

いきなりの展開に思考がついて行かず
身体中が震え出す。
立っているのも精一杯の状態で
何とか化粧室へ転がりこむと、意味もなく手を洗いながら
それでも震えが止まらないので発作的に顔に水をかけてしまった。

顔にかかった水の冷たさから我に返り
水がしたたる何とも言えない表情の自分を鏡にうつして…
我慢できずに泣いてしまった。


(道明寺に…逢えるの?)



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久し振りの日本。望んでいた帰国。
俺の想い通りに迎い入れてはくれない現実。

屋敷では ユリナとか言う女が待っていた。

「司さん お帰りなさい!お待ちしておりました。お疲れでしょう?」

「…」

「司さん?」

「すいません。仕事がありますので失礼させて頂きます。」

おろおろする彼女を残して 俺は自室に戻った。

タバコに火をつけベットに横たわる。
吐き出した煙は
ゆっくり天井へのぼってゆく。
そんな光景を数回繰り返しぼんやり眺めていても
むなしさが募るばかり。
携帯を開きディスプレイを 牧野 にうつす。
不意に あいつの笑顔が浮かんできて
たまらず抱きしめようと手を伸ばすと
機会音が聞こえた!?

繋がらない…
誤ってあいつの携帯をならしてしまった様だが
ナンバ-は既に通じなくなっていた。


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無謀にも
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