2009.08.27
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カテゴリ: 詩・小説






あの日、俺はいつものようにギターを担いで、いつものように駅前へ足を運んだ。
寂れた駅前、人通りの少ないそこ。
もう俺の定位置といっても過言じゃない、駅前の小さな公園。
そこにあるベンチに腰を降ろしてギターケースを開ける。
音の調節をする意味でも弦を鳴らして、あぁ、丁度いい和音だ。
夜空に上手く溶け込める、静かな音。
伴奏を弾く。音を奏でる。
俺はそっと口を開いて、控え目に、けれどもはっきりと歌う。

誰も聴いちゃ居ないかもしれないけれど、それでも。

「綺麗な歌声だね」

一曲弾き終わった後、声を掛けられた。
まだ学生なのかこの近辺にある高校の制服を身に纏ったそいつに。
補導時間じゃないのか、なんて疑問に思いつつ俺はギターをケースに仕舞った。

「そりゃどうも」

素っ気無い一言だったと思う。
それでもそいつは、そんな俺に対して柔らかく微笑んで「ね、もう一曲弾いてよ」そんなコトを言う。
馴れ馴れしい。
だけど初めてのアンコール。嬉しくないって言ったら嘘になる。

「……何が、聴きたい?」



はっきり言って、驚いた。
いつも聴いてたってこともだけど、あの歌を知っていたなんて。

「……分かった」

仕方なく俺は口を開いた。
喉の奥から気持ちを音に変えて奏でる。

夜空に、俺の肉声だけが響いて寂しげに消えていく。
ギターと言う仲間が居ないから、不安そうにも聴こえる。
情け無い声だ。そう思った。
一曲丸々歌い終わって、いつの間にか閉じていた目を開ければ、そいつは何故か泣いていた。
俺の歌のあまりの下手さに、泣けてきたんだろうか。
不安になる。
歌えと言ったのはそっちなんだ。何か反応を返してくれよ。

「……歌い終わったんだけども、あんたは何で泣いてんの?」

「……っ、思い、出し……っ泣き、だから……気にしないで」

「何かあったわけ?」

こくり、と首を縦に振るそいつ。
涙の粒が散って、まるで夜空に浮かぶ星みたいだと思った。
綺麗だなって、思ったんだ。



◆◆◆

今書いてて、携帯小説サイトの方で完成版を書きたくなりました(ぉい
たぶん今日、てか今やれば明日には完成出来そうな予感。←

最近バイトでいい事無い……orz





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最終更新日  2009.08.27 22:29:34
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ちょwwwwこれわwwwww  
生活費 さん


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女にち ん こ見せただけでも大喜びだし、
挿入してやったらもうキャンキャン言いまくりwwwwwwwww
ぶっちゃけここまで気持ちよく稼げるとは思ってなかったわぁ(>_<)
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