今日から日経新聞で新企画『日本GENE U-29』が始まりました。団塊ジュニアに続く世代として、地味な29歳以下の若者が何を考えているかという特集。
第一回を見て唖然!「恋愛市場は発送の転換を」という内容。おいおい「恋愛市場」って何だ?という感じです。
「最近の若者はデートするにも、車を使わず遠出もしない、自宅でDVDを見て過ごしたりするので、ドレスアップした衣装も要らない。これでは消費にならない。この世代にモノを売るには発想の転換が必要。」という内容です。
どんなデートをしようが余計なお世話だと言いたくなります。そもそもデートなんていうのは、恋人同士が二人でイチャイチャしているだけで楽しいもので、車で乗りつけたフランス料理店でフレンチを食べて宝石をプレゼントしなけりゃならないような付き合いは、二の次に来るものです。
そんなおあそびに「市場」なんかあってたまるか。あそびはあそびに過ぎないのです。
ここで思い出したのが、遊び研究の第一人者ヨハン・ホイジンガー著『ホモ・ルーデンス』(中公文庫・今値段がいくらかわかりません)やロジェ・カイヨワ著『遊びと人間』(講談社学術文庫・同)などです。学生のころゼミで、批判的に取り上げたことがあります。
彼ら西洋人は「あそび」を定義するとき、効率的な要素だけを上げて分類していますが、そもそもあそびは効率で計れるものではなく、例えば足元の石をいつまでも蹴って行くなどというあそびは効率ではなく、時間の無駄でさえあります。
つまりあそびはムダな部分を含んていることが大切なんであって、経済価値や効率で計られても困るのです。
まぁ、経済新聞だから何事も経済的視点から書くのが仕事なんでしょうが、そんなことばかりやっていると本質的な視点を見失ってしまうよと忠告したくなった訳です。
久しぶりに新聞記事で頭に血が上ったよ。
それにしても、U-29はプレゼントや高級車で女の子を騙さない世代なんだから、もっと前向きに捉えてあげたら良いのにね。