(国民投票分会) 第四十七条 都道府県ごとに、国民投票分会長を置く。 2 国民投票分会長は、国民投票の投票権を有する者の中から都道府県の選挙管理委員会が選任する。 3 国民投票分会長は、国民投票分会に関する事務を担任する。 4 国民投票分会長は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。 5 国民投票分会長は、当該都道府県の区域内における選挙人名簿に登録された者の中から、本人の承諸を得て、国民投票分会立会人三人を選任し、国民投票分会の期日前三日までに、本人に通知しなければならない。 6 国民投票分会は、都道府県庁又は都道府県の選挙管理委員会の指定した場所で開く。 7 国民投票分会長は、都道府県の区域内におけるすべての開票管理者から第四十二条の報告を受けた日又はその翌日に国民投票分会を開き、国民投票分会立会人立会いの上、その報告を調査しなければならない。 8 都道府県の選挙管理委員会は、あらかじめ国民投票分会の場所及び日時を告示しなければならない。 9 第三十五条第三項から第五項までの規定は、国民投票分会立会人について準用する。この場合において、同条第三項中「投票所」とあるのは「国民投票分会」と、「二人」とあるのは「三人」と、「投票管理者」とあるのは「国民投票分会長」と、「その投票区」とあるのは「その都道府県の区域」と、「投票」とあるのは「国民投票分会」と、同条第四項中「一の投票区において、二人以上」とあるのは「二人以上」と読み替えるものとする。 (国民投票分会録) 第四十八条 国民投票分会長は、国民投票分会録を作り、国民投票分会に関する次第を記載し、国民投票分会立会人とともに、これに署名しなければならない。 2 国民投票分会録は、第四十二条の報告に関する書類と併せて、都道府県の選挙管理委員会において、第五十五条の規定による訴訟を提起することができる期間又は同条の規定による訴訟が裁判所に係属している間、保存しなければならない。 (国民投票分会の結果の報告) 第四十九条 国民投票分会長は、第四十七条第七項の規定による調査を終えたときは、国民投票分会録の写しを添えて、直ちにその結果を国民投票長に報告しなければならない。 (国民投票会) 第五十条 国民投票ごとに、国民投票長を置く。 2 国民投票長は、国民投票の投票権を有する者の中から中央選挙管理会が選任する。 3 国民投票長は、国民投票会に関する事務を担任する。 4 国民投票長は、国民投票の投票権を有しなくなったときは、その職を失う。 5 国民投票長は、投票人名簿に登録された者の中から、本人の承諾を得て、国民投票立会人三人を選任し、 国民投票会の期日前三日までに、本人に通知しなければならない。 6 国民投票会は、中央選挙管理会の指定した場所で開く。 7 国民投票長は、すべての国民投票分会長から前条の報告を受けた日又はその翌日に国民投票会を開き、国民投票立会人立会いの上、その報告を調査しなければならない。 8 中央選挙管理会は、あらかじめ国民投票会の場所及び日時を告示しなければならない。 9 第三十五条第三項から第五項までの規定は、国民投票立会人について準用する。この場合において、同条第三項中「投票所」とあるのは「国民投票会」と、「二人」とあるのは「三人」と、「投票管理者」とあるのは「国民投票長」と、「その投票区における投票人名簿」とあるのは「投票人名簿」と、「投票」とあるのは「国民投票会」と、同条第四項中「一の投票区において、二人以上」とあるのは「二人以上」と読み替えるものとする。 (国民投票録) 第五十一条 国民投票長は、国民投票録を作り、国民投票会に関する次第を記載し、国民投票立会人とともに、これに署名しなければならない。 2 国民投票録は、第四十九条の報告に関する書類と併せて、中央選挙管理会において、第五十五条の規定による訴訟を提起することができる期間又は同条の規定による訴訟が裁判所に係属している間、保存しなければならない。 (国民投票の結果の報告及び告示等) 第五十二条 国民投票長は、第五十条第七項の規定による調査を終えたときは、国民投票録を添えて、直ちにその結果を中央選挙管理会に報告しなければならない。 2 中央選挙管理会は、前項又は第六十一条第四項後段の報告を受けたときは、直ちに有効投票の総数、憲法改正に対する賛成の投票の数及び反対の投票の数並びに憲法改正に対する賛成の投票の数が有効投票の総数の二分の一を超える旨又は超えない旨を官報で告示するとともに、総務大臣を通じ内閣総理大臣に通知しなければならない。 3 内閣総理大臣は、前項の通知を受けたときは、直ちに同項に規定する事項を衆議院議長及び参議院議長に通知しなければならない。 (国民投票分会及び国民投票会に関するその他の事項) 第五十三条 この章に規定するもののほか、国民投票分会及び国民投票会については、公職選挙法第八十二条、第八十四条及び第八十五条の規定を準用する。この場合において、同法第八十二条中「選挙人」とあるのは「投票人」と、同法第八十五条中「選挙会場及び選挙分会場」とあるのは「国民投票分会場及び国民投票会場」読み替えるものとする。 |
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第九章 国民投票の効果 |
第五十四条 国民投票の結果、憲法改正に対する賛成の投票の数が有効投票の総数の二分の一を超える場合は、当該憲法改正について国民の承認があったものとする。 2 内閣総理大臣は、第五十二条第二項の規定により、憲法改正に対する賛成の投票の数が有効投票の総数の二分の一を超える旨の通知を受けたときは、直ちに当該憲法改正の公布の手続を執らなければならない |
第十章 訴訟 |
(国民投票無効の訴訟) 第五十五条 国民投票の効力に関し異議があるときは、投票人は、中央選挙管理会を被告として、第五十二条第二項の規定による告示の日から起算して三十日以内に、東京高等裁判所に訴訟を提起することができる。 (国民投票無効の判決) 第五十六条 前条の規定による訴訟の提起があった場合において、国民投票についてこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反することがあるときは、国民投票の結果に異動を及ぼすおそれがある場合に限り、裁判所は、その国民投票の全部又は一部の無効の判決をしなければならない。 (訴訟の処理) 第五十七条 第五十五条の規定による訴訟については、裁判所は、他の一切の訴訟に優先して、速やかにその裁判をしなければならない。 (訴訟に関する通知) 第五十八条 第五十五条の規定による訴訟が提起されたとき若しくは裁判所に係属しなくなったとき又はその訴訟について裁判が確定したときは、裁判所の長は、内閣総理大臣及び総務大臣を通じ中央選挙管理会に対し直ちにその旨を通知しなければならない。 (訴訟手続に関するその他の事項) 0第五十九条 第五十五条から前条までの規定に定めるもののほか、第五十五条の規定による訴訟については、公職選挙法第二百十四条及び第二百十九条第一項の規定を準用する。 (国民投票無効の告示) 第六十条 第五十五条の規定による訴訟の結果、国民投票の全部又は一部の無効の判決が確定したときは、中央選挙管理会は、直ちにその旨を官報で告示しなければならない。 |
第十一章 再投票及び更正決定。 |
第六十一条 第五十五条の規定による訴訟の結果、国民投票の全部又は一部が無効となった場合においては、第四項の規定に該当する場合を除いて、更に国民投票を行わなければならない。 2 前項の規定による国民投票の期日は、中央選挙管理会が定め、少なくとも当該期日の二十日前に官報で告示しなければならない。 3 第五十五条の規定による訴訟を提起することができる期間又は同条の規定による訴訟が裁判所に係属している間は、第一項の規定による国民投票を行うことができない。 4 第五十五条の規定による訴訟の結果、国民投票の全部又は一部が無効となった場合において、更に国民投票を行わないで国民投票の結果を定めることができるときは、国民投票会を開き、これを定めなければならない。この場合においては、国民投票長は、国民投票録を添えて、直ちにその結果を中央選挙管理会に報告しなければならない。 |
第十二章 国民投票に関する周知 |
第六十二条 都道府県の選挙管理委員会は、政令で定めるところにより、憲法改正案、投票用紙の見本その他国民投票に関し参考となるべき事項を掲載した国民投票公報を発行しなければならない。 2 前項の国民投票公報の配布については、公職選挙法第百七十条の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「選挙」とあるのは「国民投票」と、「選挙人名簿」とあるのは「投票人名簿」と、同条第二項中「選挙人」とあるのは「投票人」と読み替えるものとする。 3 前二項に規定するもののほか、国民投票公報の発行の手続に関し必要な事項は、中央選挙管理会が定める。 |
第十三章 国民投票運動に関する規制 |
(特定公務員等の国民投票運動の禁止) 第六十三条 次に掲げる者は、在職中、国民投票に関し憲法改正に対し賛成又は反対の投票をさせる目的をもってする運動(以下「国民投票運動」という。)をすることができない。 一 中央選挙管理会の委員及び中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員並びに選挙管理委員会の委員及び職員 二 裁判官 三 検察官 四 会計検査官 五 公安委員会の委員 六 警察官 七 収税官吏及び徴税の吏員 2 投票管理者、開票管理者、国民投票分会長及び国民投票長は、在職中、その関係区域内において、国民投票運動をすることができない。 3 第四十六条の規定によりその例によるものとされる公職選挙法第四十九条の規定による投票に関し、不在者投票管理者は、その者の業務上の地位を利用して国民投票運動をすることができない。 (公務員等の地位利用による国民投票運動の禁止) 第六十四条 次に掲げる者は、その地位を利用して国民投票運動をすることができない。 一 国若しくは地方公共団体の公務員又は特定独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第二項に規定する特定独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員若しくは職員 二 公団等の役職員等(公職選挙法第百二十六条の二第一項第二号に規定する公団等の役職員等をいう。) (教育者の地位利用による国民投票運動の禁止) 第六十五条 教育者(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に規定する学校の長及び教員をいう。)は、学校の児童、生徒及び学生に対する教育上の地位を利用して国民投票運動をすることができない。 (外国人の国民投票運動の禁止等) 第六十六条 外国人は、国民投票運動をすることができない。 2 外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織(以下この条において「外国人等」という。)は、国民投票運動に関し、寄附(金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付及びその供与又は交付の約束で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のものをいう。以下同じ。)をしてはならない。 3 何人も、国民投票運動に関し、外国人等に対し、寄附を要求し、又はその周旋若しくは勧誘をしてはならない。 4 何人も、国民投票運動に関し、外国人等から寄附を受けてはならない。 (国民投票に関する罪を犯した者等の国民投票運動の禁止) 第六十七条 この法律に規定する罪により刑に処せられ国民投票の投票権を有しない者及び公職選挙法第二百五十二条の規定により選挙権及び被選挙権を有しない者は、国民投票運動をすることができない。 (予想投票の公表の禁止) 第六十八条 何人も、国民投票に関し、その結果を予想する投票の経過又は結果を公表してはならない。 (新聞紙又は雑誌の虚偽報道等の禁止) 第六十九条 新聞紙(これに類する通信類を含む。以下同じ。)又は雑誌は、国民投票に関する報道及び評論において、虚偽の事項を記載し、又は事実をゆがめて記載する表現の自由を濫用して国民投票の公正を害してはならない。 (新聞紙又は雑誌の不法利用等の制限) 第七十条 何人も、国民投票の結果に影響を及ぼす目的をもって新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者に対し、財産上の利益を供与し、又はその供与の申込み若しくは約束をして、当該新聞紙又は雑誌に国民投票に関する報道及び評論を掲載させることができない。 2 新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者は、前項の供与を受け、若しくは要求し、又は同項の申込みを承諾して、当該新聞紙又は雑誌に国民投票に関する報道及び評論を掲載することができない。 3 何人も、国民投票の結果に影響を及ぼす目的をもって新聞紙又は雑誌に対する編集その他経営上の特殊の地位を利用して、当該新聞紙又は雑誌に国民投票に関する報道及び評論を掲載し、又は掲載させることができない。 (放送事業者の虚偽報道等の禁止) 第七十一条 日本放送協会又は一般放送事業者は、国民投票に関する報道及び評論において虚偽の事項を放送し、又は事実をゆがめて放送する等表現の自由を濫用して国民投票の公正を害してはならない。 |
第十四章 罰則 |
(買収罪) |
第十五章 補則 |
(費用) 第九十六条 国民投票の執行に関する費用は、国庫の負担とする。 (行政手続法の適用除外) 第九十七条 この法律の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。 (行政不服審査法による不服申立ての制限) 第九十八条 この法律の規定による処分その他公権力の行使に当たる行為については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。 (特別区等に対する適用) 第九十九条 この法律中市に関する規定は、東京都の区の存する区域及び地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市においては、特別区及び区に適用する。 (町村組合等に関する特例) 第百条 この法律の規定の適用については、全部事務組合又は役場事務組合は一町村と、その組合の選挙管理委員会及び選挙管理委員は町村の選挙管理委員会及び選挙管理委員とみなす。 (交通至難の地等に関する特例) 第百一条 交通至難の島その他の地においてこの法律の規定を適用し難い事項については、政令で特別の規定を設けることができる。 (国民投票に関する期日の国外における取扱い) 第百二条 この法律に規定する国民投票に関する期日の国外における取扱い (国外にある船舶におけるもの を除く。)については、政令で定める。 (政令への委任) 第百三条 この法律の施行に関し必要な規定は、政令で定める。 (投票人に関する記録の保護) 第百四条 市町村の委託を受けて行う投票人名簿に関する事務の処理に従事している者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た事項をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。 (事務の区分) 第百五条 この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 附則 (施行期日) 第一条 この法律は、 から施行する。 (地方自治法の一部改正) 第二条 地方自治法の一部を次のように改正する。 別表第一に次のように加える。 │ 日本国憲法改正国民投票 │この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務 │ │ 法(平成 年法律第 │ │ │ 号) │ │ (総務省設置法の一部改正) 第三条 総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。 第二十二条中「及び」を「、日本国憲法改正国民投票法(平成 年法律第 号)及び」に改める。 別記様式(第三十六条関係) 折目 │ 日本国憲法改正国民投票 │────────────────────┐ │ │ │都(道府県)(市)(区)(町)(村) │ │ │ │選挙管理委員会 印 │ │ │ ○ 注 意 │────────────────────┘ │ │一 憲法改正の提案に賛成の人は、次の憲法改正案の上│の欄に○の記号を書くこと。 │ │二 憲法改正の提案に反対の人は、次の憲法改正案の上│の欄に×の記号を書くこと。 │ │三 ○又は×の記号のほかは何も書かないこと。│ │ │ │ │ │ │○又は×の記号を書く欄│憲法改正案 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 備考 一 用紙は、折りたたんだ場合においてなるべく外部から○又は×の記号を透視することができない紙質の ものを使用しなければならない。 二 投票用紙に押すべき都道府県の選挙管理委員会の印は、都道府県の選挙管理委員会の定めるところにより、都道府県の印又は市区町村の選挙管理委員会の印若しくは市区町村の印をもってこれに代えても差し支えない。 三 不正行為を防止するこどができる方法で投票用紙を印刷することができると認められる場合に限り、都道府県の選挙管理委員会は、その定めるところにより、投票用紙に押すべき都道府県又は地方白治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市の選挙管理委員会の印を刷込み式にしても差し支えない。 四 投票用紙は、両面印刷の方法により調製しても差し支えない。ただし、○又は×の記号を書く欄及び憲法改正案を同一の面に印刷しなければならない。 理由 日本国憲法第九十六条に定める憲法改正についての国民の承認の投票に関する手続を整備する必要がある。 これが、この法律案を提出する理由である。 |