吉雄の雑記帳・メモ

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October 11, 2008

線を許そう

(14)

カテゴリ：吉雄のつれづれ

今日二つ目の雑記。

絵を描くので、色々な人に聞くことがあるのですが、
絵を描けないという人の多くは、自分の絵が下手だと思うと答える。
とても当たり前のような気がするけれど
私はその中の大半が、自分の絵や線を
許せてないのではないかと考えている。

本当は、絵は描けないのではない。
自分の絵を許せないのだ。

絵や線に正解はない。

それだって、線引きやPCなんかつかえば、まっすぐに引ける。

絵を生業にするかどうかは、すきずきなので
誰もかれもが絵描きになったらいいとは思わないけれど
洗い物をしている時に鼻歌をうたったり、
カラオケで歌をうたったりするように
絵も楽しんでもらえるものではないかと、思う。

だから、とても個性的な線を描くのに
下手だからと「絵を描くのが嫌い」になっている人は
私にとっては、とてももったいなく思う。

どのラインも個性的で、さらに　もう二度と描けない線だったりする。
紙に色を載せる場合もそう。

これが正解だというものがないということを
もっと伝えてもいいのではないかと思う。

その線は、あなたが見て「不味い」とおもっても
素敵なものをその中に見る人がいる。

模写をしているなら、それは正解のある絵であるかも知れない。

それでも、その線は全く同じではない。

写実もそのものにみえるように・・・
りんごを描くのであって、
同じ形のりんごをつくって額の中に入れるのでもないし
同じリンゴをつくっていれても、厳密に言って
そのりんごと、対象であるりんごは　別物。

そしてどれもこれも、オリジナリティーにあふれている。

絵を描くとき、一番の壁は、たぶんオリジナリティー。
最初に上手と褒められるのは、現在ある絵に近いもの。
しかし、絵描きになろうときめると世界は変わり
いまあるものではないものを描かなくてはいけなくなる
という壁に当たる。明らかなオリジナリティーという壁。

でも、どれもこれもオリジナルのライン。

まず自分のラインを許そう。
それは発露されたオリジナリティーの原石。
描くことで、もっと素敵になるライン。
もっとオリジナルになっていく。

そして、正解はなく
常に移り変わり、その移り変わりがまた素敵。

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